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【第百七十一話】カトキンちゃんねる「フルサト高校野球部の熱戦」③

試合はまさに死闘となった。
エラーとフォアボールの応酬で、ヒットが出ないまま両チームの得点だけが増えていく。

プレイに一喜一憂していた観客たちも次第静かになっていった。
おてもやんは安堵と落胆のため息を繰り返し、イチロータは「ナイターに間に合わない」と言って帰ってしまった。
カトキンだけがプレイごとに「熱いな、おい今の熱いよな」と騒いでいる。
「緊迫した勝利の譲り合い、どっちが勝つのか分からない」
おてもやんが呟く。

点数がどちらかのチームに偏ることもなく終盤になり、ついに九回裏を迎えた。
一点差でフルサト高校がリードしている。
試合の終わりが見えてきたところで、観客たちも最後の力を振り絞って応援する。
「ついにきたぜ最終回！0に抑えてあげろよ祝杯！」
カトキンの声にも力が入る。

「(まだ0って見たことない…)」