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「アルフレッド、我が辺境伯家は、代々αが跡を継いできた。隣国に接する厳しい環境を凌いでいくにはαが当主でなければならない。だから確実にαを産めるΩを娶ってきた。それはお前も例外ではない。学園に通う3年間で必ず伴侶を見つけてこい」
「⋯はい、分かりました」
Ωを娶れなんて命令、イライラする。俺は子を孕ませる道具じゃない。父上の跡を継いで、立派に辺境を守るために、厳しい環境で剣術に励んできたのに、そんなことより次のαを、と言われてる気分だ。
俺は代々この王国の北の辺境を守る、タルザニール辺境伯の嫡男だ。王国の貴族に義務付けられている15歳から入る学園に通う為に、3年間だけ王都に来ている。学園には騎士科と普通科があって、俺はもちろん騎士科に通っている。
「よっ、アルフ。今日も機嫌が悪そうだな」
「うるさい。俺はこの学園に来たくて来てる訳じゃない。レイル、お前はいつも気楽そうでいいな」
「はいはい、俺はαで長男って言っても子爵家だし、幼馴染の可愛い男性Ωの婚約者もいるし、そりゃあ、お前から見たらお気楽だろうな」
「チッ、惚気けやがって」
「いつもそんなにイライラしてたら、可愛いΩが逃げていくぞ」
「この位で逃げ出すなら、辺境では暮らせない」
「⋯ふぅ、卒業まであと一年だぞ。そんな調子で大丈夫なのか?おっ、またニコがお前に会いに来てるぞ。毎朝毎朝、健気だねぇ。わざわざ普通科から騎士科の方に来てるんだ。たまには声掛けてあげろよ」
「⋯⋯」
「あっ、おいっ、アルフ!」
俺は友人のレイルの呼び掛けにには答えず、ニコの前まで歩み寄った。
「お前、俺に用があるのか?用が無ければ、俺の前に姿を見せるな」
「⋯っ、ご、ごめんなさい。あのっ⋯」
「チッ」
ふわりと甘い香りがする。
この香りが俺をイラつかせる。
ゴーン伯爵家の長男、ニコ。俺はあいつが嫌いだ。毎朝俺のことをこそこそ見ているのは知ってるが、何か言ってくる訳ではなく、いつもオドオドしていて、見ているだけでイラついてくる。華奢な体躯に腰まで伸びたサラサラの白金の髪に薄紫色の大きな瞳で、Ω特有の庇護欲をそそる容姿をしている。男共は皆、色情を帯びた目で見ているが、気弱な守られるだけのΩなんて、いずれ辺境に戻る俺には邪魔なだけの存在だ。
騎士科の授業が終わると、俺はいつも学園の訓練場に行って暗くなるまで剣を振る。鼻腔に残った甘い香りを振り払うように、一心不乱に剣を振り続ける。
「アルフ、お疲れ様。毎日頑張るね」
「ああ、リオか。寮の夕飯までは何もする事がないからな」
「それでも偉いよ」
「リオこそ、Ωなのに騎士科でいつも頑張ってるよな。体とか大丈夫なのか?」
「アルフは優しいね。僕はΩにしては背も高い方だし、今のところ何とかね。貧乏男爵家のΩなんて、高齢貴族の後妻か愛人になるしかないからね。それより騎士になって自分の力で生きていきたいんだ」
「リオなら、嫁ぎ先はいくらでもあるだろ?でも自分の力でかぁ、リオこそ偉いな。守られてばかりのΩとは大違いだな」
「それって、いつもアルフにつきまとってるニコの事?」
「ああ、いや何でも無い。じゃ、もうちょい訓練したいから」
「ふぅん、分かった。また明日ね」
「⋯はい、分かりました」
Ωを娶れなんて命令、イライラする。俺は子を孕ませる道具じゃない。父上の跡を継いで、立派に辺境を守るために、厳しい環境で剣術に励んできたのに、そんなことより次のαを、と言われてる気分だ。
俺は代々この王国の北の辺境を守る、タルザニール辺境伯の嫡男だ。王国の貴族に義務付けられている15歳から入る学園に通う為に、3年間だけ王都に来ている。学園には騎士科と普通科があって、俺はもちろん騎士科に通っている。
「よっ、アルフ。今日も機嫌が悪そうだな」
「うるさい。俺はこの学園に来たくて来てる訳じゃない。レイル、お前はいつも気楽そうでいいな」
「はいはい、俺はαで長男って言っても子爵家だし、幼馴染の可愛い男性Ωの婚約者もいるし、そりゃあ、お前から見たらお気楽だろうな」
「チッ、惚気けやがって」
「いつもそんなにイライラしてたら、可愛いΩが逃げていくぞ」
「この位で逃げ出すなら、辺境では暮らせない」
「⋯ふぅ、卒業まであと一年だぞ。そんな調子で大丈夫なのか?おっ、またニコがお前に会いに来てるぞ。毎朝毎朝、健気だねぇ。わざわざ普通科から騎士科の方に来てるんだ。たまには声掛けてあげろよ」
「⋯⋯」
「あっ、おいっ、アルフ!」
俺は友人のレイルの呼び掛けにには答えず、ニコの前まで歩み寄った。
「お前、俺に用があるのか?用が無ければ、俺の前に姿を見せるな」
「⋯っ、ご、ごめんなさい。あのっ⋯」
「チッ」
ふわりと甘い香りがする。
この香りが俺をイラつかせる。
ゴーン伯爵家の長男、ニコ。俺はあいつが嫌いだ。毎朝俺のことをこそこそ見ているのは知ってるが、何か言ってくる訳ではなく、いつもオドオドしていて、見ているだけでイラついてくる。華奢な体躯に腰まで伸びたサラサラの白金の髪に薄紫色の大きな瞳で、Ω特有の庇護欲をそそる容姿をしている。男共は皆、色情を帯びた目で見ているが、気弱な守られるだけのΩなんて、いずれ辺境に戻る俺には邪魔なだけの存在だ。
騎士科の授業が終わると、俺はいつも学園の訓練場に行って暗くなるまで剣を振る。鼻腔に残った甘い香りを振り払うように、一心不乱に剣を振り続ける。
「アルフ、お疲れ様。毎日頑張るね」
「ああ、リオか。寮の夕飯までは何もする事がないからな」
「それでも偉いよ」
「リオこそ、Ωなのに騎士科でいつも頑張ってるよな。体とか大丈夫なのか?」
「アルフは優しいね。僕はΩにしては背も高い方だし、今のところ何とかね。貧乏男爵家のΩなんて、高齢貴族の後妻か愛人になるしかないからね。それより騎士になって自分の力で生きていきたいんだ」
「リオなら、嫁ぎ先はいくらでもあるだろ?でも自分の力でかぁ、リオこそ偉いな。守られてばかりのΩとは大違いだな」
「それって、いつもアルフにつきまとってるニコの事?」
「ああ、いや何でも無い。じゃ、もうちょい訓練したいから」
「ふぅん、分かった。また明日ね」
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