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番外編 癖になりそう(※)
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「アル!大丈夫?!すぐ治すから!」
辺境伯家の仕事は大変だ。
毎日欠かすことのできない国境の巡回に、怪しい者達への警戒。時には剣を交える事もある。
ならず者達は俺の敵ではないが、ふと油断した時に、怪我を負ってしまう。
「ニコ、いつもありがとう」
「ああっ、血が出てる⋯」
「気持ち悪くないか?」
「そんな事ない!アル、傷をちゃんと見たいから、ちょっとズボンを脱がせてもいい?」
「あ、ああ、頼む」
初夜で1週間休んだ後、俺はすぐに仕事に復帰した。今日は、たまたま出くわしたならず者達の人数が多くて、一緒にいた騎士を庇って、足の付け根を剣で切ってしまい、心配したニコがすぐに手当てをしてくれる事になった。
慌てているのか、なかなかボタンが外れない。
おっ、やっと外れたか。
「アル、下穿きも取っていい?」
「し、下穿きもか?あ、ああ、いいよ」
ニコはシュルっと下穿きの紐を緩め、そっと下穿きに手を掛けた。
「ごほん、ニコ」
「痛い?!」
「ち、違う」
「じゃあ、下穿き、下げるから」
「あ、ああ、分かった」
ずるずるずる
「ああ、やっぱり、血がいっぱい出てる。すぐ治すね」
ニコは真剣な顔で、俺の足の付け根に手を当てようとしている。
「おふっ!」
「アル、どうしたの?!」
「い、いや、いい、続けてくれ⋯。おわっ!」
「アル!大丈夫?!」
「あ、ああ⋯。うおっ!」
「アル!さっきから、全然当てられないよ」
「す、すまない。ニコが俺の為にやってくれているのは分かってるんだ。だが、さっきからニコの手が、俺の大事な物を掴んでいるんだ」
「だって、そうしないと、邪魔になって、傷がよく見えないから」
「じゃ、邪魔⋯」
「だって⋯、アルの大っきいから」
「ニコ、俺を誘っているのか?」
「誘ってない!アル、もう、知らない!」
ニコが怒ってそっぽを向いてしまった。
「ニコ、悪かった。つっ⋯」
要らぬやり取りをしているうちに、傷がいよいよ痛み出した。
「アルっ!」
ニコは慌てて俺の前に屈んで、俺の大事な物を力強く掴んで横にやると、傷に手を当てた。
するとみるみる痛みが消え、怪我が治ったのが分かった。
だが、違う問題が発生してしまった。
「アル、ごめんなさい。大っきくなっちゃった」
それはそうだろう。愛しい番に大事な物を掴まれて、無反応でいられる訳がない。
「ニコ、このまま、いいか?」
「だ、だめっ。だって、アル、怪我したばっかりだから」
「ニコが治してくれたから大丈夫だ」
「で、でも」
俺がニコのあごを摘んで、すっと上に向けると、ニコは恥ずかしそうに目をつぶった。
この日、俺達は熱い夜を過ごした。
別の日
「アル!大丈夫?!えっ、また足の付け根⋯」
また別の日
「アル!⋯また、そこ?」
またまた別の日
「⋯⋯」
「相手の剣を受け損ねてしまったんだ。いやあ、参った、参った」
じとぉ
さすがにもう限界か。
「アル、下穿きを取るね」
「⋯っ!!」
「もう、今日で最後だからね。アルも怪我したら痛いでしょ?わざと怪我しなくても、アルがして欲しい事なら何でもするのに」
「二、ニコーーっ!!」
ぷいっと横を向くニコが可愛くて、思わず抱き締めようとして、叱られてしまった。
番外編 終わり
辺境伯家の仕事は大変だ。
毎日欠かすことのできない国境の巡回に、怪しい者達への警戒。時には剣を交える事もある。
ならず者達は俺の敵ではないが、ふと油断した時に、怪我を負ってしまう。
「ニコ、いつもありがとう」
「ああっ、血が出てる⋯」
「気持ち悪くないか?」
「そんな事ない!アル、傷をちゃんと見たいから、ちょっとズボンを脱がせてもいい?」
「あ、ああ、頼む」
初夜で1週間休んだ後、俺はすぐに仕事に復帰した。今日は、たまたま出くわしたならず者達の人数が多くて、一緒にいた騎士を庇って、足の付け根を剣で切ってしまい、心配したニコがすぐに手当てをしてくれる事になった。
慌てているのか、なかなかボタンが外れない。
おっ、やっと外れたか。
「アル、下穿きも取っていい?」
「し、下穿きもか?あ、ああ、いいよ」
ニコはシュルっと下穿きの紐を緩め、そっと下穿きに手を掛けた。
「ごほん、ニコ」
「痛い?!」
「ち、違う」
「じゃあ、下穿き、下げるから」
「あ、ああ、分かった」
ずるずるずる
「ああ、やっぱり、血がいっぱい出てる。すぐ治すね」
ニコは真剣な顔で、俺の足の付け根に手を当てようとしている。
「おふっ!」
「アル、どうしたの?!」
「い、いや、いい、続けてくれ⋯。おわっ!」
「アル!大丈夫?!」
「あ、ああ⋯。うおっ!」
「アル!さっきから、全然当てられないよ」
「す、すまない。ニコが俺の為にやってくれているのは分かってるんだ。だが、さっきからニコの手が、俺の大事な物を掴んでいるんだ」
「だって、そうしないと、邪魔になって、傷がよく見えないから」
「じゃ、邪魔⋯」
「だって⋯、アルの大っきいから」
「ニコ、俺を誘っているのか?」
「誘ってない!アル、もう、知らない!」
ニコが怒ってそっぽを向いてしまった。
「ニコ、悪かった。つっ⋯」
要らぬやり取りをしているうちに、傷がいよいよ痛み出した。
「アルっ!」
ニコは慌てて俺の前に屈んで、俺の大事な物を力強く掴んで横にやると、傷に手を当てた。
するとみるみる痛みが消え、怪我が治ったのが分かった。
だが、違う問題が発生してしまった。
「アル、ごめんなさい。大っきくなっちゃった」
それはそうだろう。愛しい番に大事な物を掴まれて、無反応でいられる訳がない。
「ニコ、このまま、いいか?」
「だ、だめっ。だって、アル、怪我したばっかりだから」
「ニコが治してくれたから大丈夫だ」
「で、でも」
俺がニコのあごを摘んで、すっと上に向けると、ニコは恥ずかしそうに目をつぶった。
この日、俺達は熱い夜を過ごした。
別の日
「アル!大丈夫?!えっ、また足の付け根⋯」
また別の日
「アル!⋯また、そこ?」
またまた別の日
「⋯⋯」
「相手の剣を受け損ねてしまったんだ。いやあ、参った、参った」
じとぉ
さすがにもう限界か。
「アル、下穿きを取るね」
「⋯っ!!」
「もう、今日で最後だからね。アルも怪我したら痛いでしょ?わざと怪我しなくても、アルがして欲しい事なら何でもするのに」
「二、ニコーーっ!!」
ぷいっと横を向くニコが可愛くて、思わず抱き締めようとして、叱られてしまった。
番外編 終わり
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