白い結婚だと思っていたら、(溺愛)夫にガブガブされて、番になっていたようです

まんまる

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僕を部屋まで連れて来た侍女が、意味深に微笑みながら、そっと扉を閉めて去っていった。
僕は、ふうっと息を吐き、覚悟を決めて部屋を見渡したけれど、アリウスの姿はなかった。

「アリウス、いるの?」

辺りを見回しながら、そろりそろりと部屋の奥に歩いていくと、おそらく隣の部屋と繋がっているであろう扉が、突然開いた。

「シルティ、なんて艶かしいんだ⋯」

僕はふらふらと歩いてきたアリウスに、覆いかぶさるように抱き締められた。

「ア、アリウス、そっちの部屋にいたの?」
「ああ、すまない。いきなり寝室に通すのも、何となく気が引けて、こっちで待っていたんだが、その、待ちきれなくて、ベッドの調子を見ていたんだ」
「ベッドの調子?」
「ああ、途中で壊れたら困るからな」

ベッドが壊れる?
その前に、僕が壊れるんじゃ⋯?

「シルティ、いいか?」

僕がぐるぐると考えていると、アリウスが僕の背中に大きな手を這わせた。

「あっ⋯ふぁっ」
「くっ、シルティ」
「わわっ!」

アリウスは僕をふわりと横抱きにして、大きく開いた扉から寝室に入っていった。

「ベッド、大きい⋯」
「このベッドは、最近、買い替えたんだ。いろいろ注文をつけていたら、納品がぎりぎりになってしまって、間に合うか、ひやひやしていたんだ」
「特注の⋯ベッド?」
「ああ、こだわったのは、この弾力性だ」

アリウスは僕を横抱きにしたまま、ベッドのへりに腰掛け、何度も腕をベッドに押し付けて、得意顔で、その跳ね返り具合を僕に見せてきた。

ぽんぽーん

「ほら、すごいだろう?」
「う、うん⋯」

何のため⋯?
僕、大丈夫だよね⋯?

僕の不安を察したのか、アリウスは頭を優しく撫でて、額に軽く口づけをした。

「シルティ、怖がらなくていい。私に全てを委ねればいいんだ。決してシルティの嫌がる事はしないと誓う」

アリウスは、まだ僕の事を子供だと思っているから、僕に気を遣って、そう言っているだろう。
でも、僕もアリウスの伴侶として、覚悟はしてきたつもりだ。

「アリウス、僕たちは夫夫になったんだ。これからの長い人生、どちらかが我慢するような生活はしたくないよ」
「我慢する(性)生活⋯、本当か?本当にいいのか?」
「うん、アリウスの思うままに」

僕は、固まるアリウスの頬を両手で包み、開いた口からのぞく、αの象徴をちろりと舐めた。

「⋯っ!ああ、シルティ、私の可愛いシルティ、愛してる」
「愛⋯して⋯る?」

僕が潤んだ瞳でアリウスを見つめると、アリウスは大きくうなずいて、僕の大好きなあの優しい笑顔を見せてくれた。

「私の心は、ずっとあなたのものだ」

「ぐすっ、嬉しい、アリウス、僕も大好き!ずっと好きだった。アリウス、愛してる」

アリウスは大きく目を見開いた後、目を細めて微笑むと、そっと唇を重ね、徐々に舌を絡ませる深い口づけをしながら、僕をベッドに寝かせた。

「ああ、ようやくこの時が来た」

アリウスは恍惚として、僕の夜着の裾にするりと手を差し入れると、腹から胸を撫であげた。

「やっ、アリウス、くすぐったいよ」
「ふっ、可愛いな。シルティ、夜着を脱がせていいか?」
「う、うん」

僕が小さくうなずくと、アリウスは両手を夜着の中に滑らせ、僕の肩からするりと夜着を抜いた。

「ああ、なんて美しいんだ。夢にまで見た、シルティの体だ」

アリウスは僕の首筋に顔を埋め、思い切り息を吸った。

「シルティの香りだ。甘い、甘くて、頭が溶けそうだ」

アリウスは僕の香りを嗅ぎながら、僕に覆いかぶさり、体を上下にゆすり始めた。

「ア、アリウス、それ、やだっ」
「ふっ、擦れて気持ちいいか?」
「やぁっ、アリウス、なんか、いやらしい」
「シルティ、これが本当の私だ。それに、これはまだ序の口だ」
「へっ?」

アリウスは、体をゆすりながら、僕の胸の尖りに舌を這わせた。

「ああぁぁっ!やあぁっ!そこ、変になる!」
「シルティのここ、ぷっくりして、美味そうだ」

アリウスは尖りを口に含み、舌先でころころと転がした。

「もうっ、おかしくなるっ!やだあぁっ!」

僕がどんなに懇願しても、アリウスはやめてくれなかった。
どのくらい経ったのか、僕はもう抵抗する力もなくなり、アリウスにされるがままだった。

「シルティ、大丈夫か?」
「大⋯丈夫⋯な⋯訳ない⋯でしょ、はぁはぁ」
「ふっ、すまない、あまりに美味くて、止まらなかった」
「はぁはぁ、こんなアリウス、知らない」
「じゃあ、これから教えないとな」

アリウスは嬉しそうに笑って、僕をくるりとうつ伏せにした。



「はぁはぁ、やあぁっ、もう、お尻ばっかり、やだぁ」

ようやく胸から解放されたのに、今度はお尻の愛撫が始まった。
片手でお尻を揉みながら、体をよじって逃げようとする僕の腰をもう片方の手で掴んで、普段は見えない奥の奥まで舌を這わされた。

「ああ、たまらん、なんて甘いんだ。シルティ、もう、離してやれない」
「やだっ、もう、離してぇ」
「駄目だ。まだ足りない」

抵抗する僕を簡単にあしらい、アリウスの舌が僕の中にぐっと入った刹那、体が沸騰するように熱くなった。

「やっ、なに? アリウス、体⋯おかしい」
「もしかして、発情ヒートか?」
「えっ?」

確かに、結婚式の前から抑制剤は飲んでいない。

「これは⋯すごい。ああ、シルティ、意識が持って行かれそうだ」

アリウスは、ふぅふぅ、と肩で息をし始めた。
目が据わり、額には汗がにじんで、必死に何かを耐えている。

「アリウスぅ、ああっ、熱い、やあぁっ、アリウス、助けてぇ」

僕はすがるように、アリウスに手を伸ばした。


僕の記憶は、そこでぷつんと途切れた。




「ん⋯、あれ⋯? 僕⋯」
「シルティ!目が覚めたか?」
「アリウス⋯、僕⋯、うっ」
「大丈夫か!?」
「う、うん、何か、うなじが痛い⋯」
「シルティ、私たちは、つが⋯」
「あっ!寝違えかな?」
「い、いや、違う、シルティ、私たち⋯」
「ん?」
「ど、どうした!?シルティ」
「お尻に何か、挟まってる感じがする」
「そ、それは、さっきまで挟まっていたからな」
「ええっ!?もしかして、僕、お漏らし⋯」
「ちっ、違うぞ!挟まっていたのは、私の⋯」
「あぁっ!アリウス!」
「なっ、何だ!?」
「僕、ごめんなさい、あの時、途中で気を失ってしまって⋯」
「その事なら気にしなくていい。むしろ、私が謝らな⋯」
「僕、ずっと気を失ってたんでしょ?」
「い、いや、なんというか、気を失っていたというか、ずっと気をやっていた、みたいな」

アリウスは何かを思い出したのか、口元を緩めて照れ始めた。

「シルティ、私たちは⋯」

コンコン

アリウスが何かを言い掛けた時、扉が叩かれる音が聞こえた。

「ああっと、湯浴みの準備を頼んだんだ。シルティ、一緒に入ろう」

僕はアリウスに横抱きにされそうになり、思わず腕を突っ張って、拒んでしまった。

「シルティ⋯、どうしたんだ?」

アリウスが心配して僕の顔を覗き込んだ。

「ご、ごめんなさいっ、僕、一人がいい」

アリウスに優しくされればされる程、初夜の務めをきちんと果たせなかった自分が、不甲斐なかった。

僕はアリウスの顔を見る事ができなくて、ふらふらとベッドから下りて、部屋を出ていった。

アリウスは、時が止まったように、呆然と佇んでいた。

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