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「ん⋯、アリウス⋯?」
「シルティ、すまない、起こしてしまったな」
物音がして目を覚ますと、すでに騎士服に身を包んだアリウスが、ちょうどマントを羽織るところだった。
「えっ?アリウス、もう仕事に行くの?」
「シルティ、昨日は一人にしてすまなかった。王城で、少し問題が起きたんだ」
「えっ⋯?もしかして、誰か怪我をしたの!?父様たちは無事なの!?お城のみんなも、大丈夫なの!?」
「朝からする話ではなかったな。シルティを驚かせてしまった」
アリウスは、しゅんと肩を落とし、飛び起きた僕の頬にそっと触れた。
「アリウス、僕の事は気にしないで。早く行ってあげて」
頬に触れているアリウスの手に自分の手を重ね、潤んだ瞳でアリウスを見上げると、アリウスの手がカタカタと震え出した。
なんか既視感が⋯。
「くっ、こんなに愛おしいシルティを置いて、私は仕事に行かなければならないのか。心配でたまらない。というか、シルティを一人にするくらいなら、仕事なんて行かなくていい。仕事より、断然シルティの方が大事だ」
アリウスの目の色が変わり、何やら不穏な言葉が漏れ出した。
─旦那様ったら、何日も手を洗わずに過ごされたのですよ。
─旦那様はシルティ様の事になると、てんで使い物にならなくなりますので。
昨日、侍女頭のクレナから聞いた話を、ふと思い出した。
「ふふっ」
「シルティ、どうした?」
「僕、アリウスから、こんなにも愛されているんだね」
僕が、きゅっとアリウスの手を握ると、驚いたアリウスの目が、大きく見開いた。
「なっ!?当たり前だ!シルティは私の全てだ!私の体はシルティで出来ていると言ってもいいくらいだ!ん?それは少し違うか⋯」
「ぷふっ」
僕は何をうじうじ悩んでいたんだろう。
これから先、アリウスと番になる機会なんて、数え切れないほどあるというのに。
「アリウス、僕も愛してるよ」
僕の頬に触れているアリウスの手に、チュッと口づけをすると、アリウスの目がカッと見開き、体がわなわなと震え出した。
「シルティっ!!」
アリウスは、たった今、羽織ったばかりのマントを脱ぎ捨て、騎士服の釦に手を掛けながら、僕に覆い被さってきた。
「アリウス!?な、何するの!?」
「何って、愛する伴侶から誘われて、仕事に行く馬鹿がどこにいる!」
アリウスは僕の寝着の裾から、するりと手を滑り込ませてきた。
「わあぁっ!誘ってない!誘ってないから、アリウスはちゃんと仕事に行って!」
僕が慌ててアリウスの胸を押し退けると、アリウスはぴたりと手を止め、何やらぶつぶつと呟き始めた。
「くっ、私の伴侶が可愛すぎる。こんなに可愛い伴侶に、私はどうやって手を出したんだ?いや、あの時は、発情に当てられて⋯、発情⋯すごかった⋯」
「ア、アリウス!どうしたの!?」
慌てた僕を見て、はっと我に返ったアリウスは、名残惜しそうに僕から離れると、身なりを整え、渋々扉に向かった。
「シルティ、朝からすまなかった。いや、私は朝からでもかまわないのだが」
「アリウス?」
「⋯シルティ、行ってくる」
「行ってらっしゃい、アリウス。気をつけてね」
「くうっ、いい」
僕が、アリウスの後について扉の前まで行くと、アリウスは、なぜか目頭を押さえて、肩を震わせている。
「アリウス、お仕事、頑張って」
「くっ、仕事⋯行きたくない」
「えっ!?駄目だよ!何か問題があったんでしょ?」
「⋯そうだった。くそっ、怪盗団め、すぐに捕まえてやるからな」
アリウスは何度も振り返りながら、ようやく部屋を出て行った。
「かいとう団⋯?」
聞き慣れない言葉が聞こえてきて、僕はこてんと首を傾げた。
「シルティ、すまない、起こしてしまったな」
物音がして目を覚ますと、すでに騎士服に身を包んだアリウスが、ちょうどマントを羽織るところだった。
「えっ?アリウス、もう仕事に行くの?」
「シルティ、昨日は一人にしてすまなかった。王城で、少し問題が起きたんだ」
「えっ⋯?もしかして、誰か怪我をしたの!?父様たちは無事なの!?お城のみんなも、大丈夫なの!?」
「朝からする話ではなかったな。シルティを驚かせてしまった」
アリウスは、しゅんと肩を落とし、飛び起きた僕の頬にそっと触れた。
「アリウス、僕の事は気にしないで。早く行ってあげて」
頬に触れているアリウスの手に自分の手を重ね、潤んだ瞳でアリウスを見上げると、アリウスの手がカタカタと震え出した。
なんか既視感が⋯。
「くっ、こんなに愛おしいシルティを置いて、私は仕事に行かなければならないのか。心配でたまらない。というか、シルティを一人にするくらいなら、仕事なんて行かなくていい。仕事より、断然シルティの方が大事だ」
アリウスの目の色が変わり、何やら不穏な言葉が漏れ出した。
─旦那様ったら、何日も手を洗わずに過ごされたのですよ。
─旦那様はシルティ様の事になると、てんで使い物にならなくなりますので。
昨日、侍女頭のクレナから聞いた話を、ふと思い出した。
「ふふっ」
「シルティ、どうした?」
「僕、アリウスから、こんなにも愛されているんだね」
僕が、きゅっとアリウスの手を握ると、驚いたアリウスの目が、大きく見開いた。
「なっ!?当たり前だ!シルティは私の全てだ!私の体はシルティで出来ていると言ってもいいくらいだ!ん?それは少し違うか⋯」
「ぷふっ」
僕は何をうじうじ悩んでいたんだろう。
これから先、アリウスと番になる機会なんて、数え切れないほどあるというのに。
「アリウス、僕も愛してるよ」
僕の頬に触れているアリウスの手に、チュッと口づけをすると、アリウスの目がカッと見開き、体がわなわなと震え出した。
「シルティっ!!」
アリウスは、たった今、羽織ったばかりのマントを脱ぎ捨て、騎士服の釦に手を掛けながら、僕に覆い被さってきた。
「アリウス!?な、何するの!?」
「何って、愛する伴侶から誘われて、仕事に行く馬鹿がどこにいる!」
アリウスは僕の寝着の裾から、するりと手を滑り込ませてきた。
「わあぁっ!誘ってない!誘ってないから、アリウスはちゃんと仕事に行って!」
僕が慌ててアリウスの胸を押し退けると、アリウスはぴたりと手を止め、何やらぶつぶつと呟き始めた。
「くっ、私の伴侶が可愛すぎる。こんなに可愛い伴侶に、私はどうやって手を出したんだ?いや、あの時は、発情に当てられて⋯、発情⋯すごかった⋯」
「ア、アリウス!どうしたの!?」
慌てた僕を見て、はっと我に返ったアリウスは、名残惜しそうに僕から離れると、身なりを整え、渋々扉に向かった。
「シルティ、朝からすまなかった。いや、私は朝からでもかまわないのだが」
「アリウス?」
「⋯シルティ、行ってくる」
「行ってらっしゃい、アリウス。気をつけてね」
「くうっ、いい」
僕が、アリウスの後について扉の前まで行くと、アリウスは、なぜか目頭を押さえて、肩を震わせている。
「アリウス、お仕事、頑張って」
「くっ、仕事⋯行きたくない」
「えっ!?駄目だよ!何か問題があったんでしょ?」
「⋯そうだった。くそっ、怪盗団め、すぐに捕まえてやるからな」
アリウスは何度も振り返りながら、ようやく部屋を出て行った。
「かいとう団⋯?」
聞き慣れない言葉が聞こえてきて、僕はこてんと首を傾げた。
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