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あぁ、久しぶりのアラン様のお部屋だぁ。
初めての発情期がきてから、アラン様の香りいっぱいのこの部屋には何となく入りづらくてずっと避けていたけど、やっぱり喜んでしまう自分がいる。
そんな事を考えながら部屋の中に進むと、出窓のカーテンが風でひらひらと揺れていて、そこから日の光が差し込み、部屋の中をキラキラと照らしていた。
「どうだい?」
「あっ⋯僕の勘違いだったみたいです」
確かに人の気配も、アラン様以外の匂いも感じない。
「アラン様、ごめんなさい⋯」
アラン様はふっと微笑むと出窓に近付き、慣れた手つきで窓を閉め鍵を掛けると、静かに僕の方を振り向いた。
じっと見つめ合っていると、吸い寄せられる様にお互い少しずつ歩み寄り、自然と抱き合った。
「ナーシュに疑われるなんて、私もまだまだ愛情表現が足りていない証拠だな」
「そんな事ないです⋯。アラン様からの愛はいつもたくさんもらってます」
「いや、これまでと同じじゃ駄目だな。今まではナーシュに嫌われたくなくて、いろいろ抑えてきたが、もっとはっきり私の愛を示さないとな」
アラン様は僕の背中に回した手を、僕の背骨をなぞるように上からするりと下まで動かし、腰のくびれをそっと何度も撫でた。
僕はくすぐったくて、身をよじりながら思わず、はぁ、と吐息を漏らした。
「くっ、ナーシュ、君って子は」
「アラン様⋯?」
「ナーシュ、口付けをしてもいいかい?」
「はい、アラン様」
僕は少し体を離すと、アラン様の瞳を見つめながら、そっと目を閉じた。
口付けを待っていたのに、僕の体はアラン様に横抱きにされて、ふわりと宙に浮いていた。
「わわっ、アラン様、どうしたんですか!?」
「ナーシュにたっぷりと私の愛を感じてもらおうと思ってね」
アラン様はそう言いながら、僕を抱き上げたまま部屋の奥へ進んで行った。
「ここは⋯」
「私の、いや、私とナーシュの寝室だよ」
「えっ!?」
「ナーシュ、大丈夫だよ。酷い事はしない。口付けと、それから、少しだけナーシュに触れるのを許してくれないか?」
僕は恥ずかしかったけど、アラン様の瞳の熱に気圧され、小さく頷いていた。
アラン様はそっと僕をベッドに下ろし、両手で僕の頬を包むと、しばらく僕の顔を目を細めながら眺めていた。
「ナーシュと出会って7年か。まったく、どれだけ美しくなる気だい?」
「え、えっと⋯、ありがとうございま、んん!」
僕はお礼を言ってる途中でアラン様に唇を塞がれてしまった。
舌を絡められ、僕の呼吸まで吸い込む勢いで唇を吸われた。
アラン様の舌の動きに応えたくて必死にもがくけど、僕は為す術もなく、アラン様にしがみつくのが精一杯だった。
長い口付けから解放された頃には、僕はもう全身から力が抜けて、肩で息をしながら涙目でアラン様を見上げる事しか出来なかった。
「ナーシュ、すまなかった。少しばかり激しくしすぎたようだね。ナーシュが可愛いくて、つい我を忘れてしまったよ」
「はぁ、はぁ、アラン様、苦し、かった、です」
アラン様はふっと微笑むと、僕の口の周り汚れをハンカチで綺麗に拭いてくれた。
アラン様は何故かそのハンカチをきちんと畳むと、ベッドの枕元にあるチェストの引き出しに大事そうに仕舞われた。
「ナーシュ、まだこれからだよ。今度は気持ちよくなろうね」
アラン様はまた目を細めながら僕にゆっくり跨ると、僕の両脇に手を差し入れ、親指で胸の尖りを服の上からすりっと擦った。
僕は突然与えられた強烈な快感に、悲鳴に近い喘ぎを出すしかなかった。
「ひっ!やっ、そこっ⋯!」
「大丈夫だよ、ナーシュ。いい子だ、ちゃんと感じてるね」
アラン様は指の動きを止めることなく、再び唇を重ねてきた。今度は啄むように何度も繰り返しながら、僕の喘ぐ顔を愛しそうに見つめていた。
どの位そうしていただろう、僕の喘ぎが掠れてきた頃合でアラン様の指がやっと止まった。
アラン様は、僕が足をもじもじと擦り合わせているのを見逃さず、僕の耳元でそっと囁いた。
「ナーシュ、このままでは下穿きが汚れてしまうね。決して見ないから下を脱がせていいかい?」
「あっ⋯、でも、もう、汚れてるから⋯」
「ふっ、そんな事気にしなくていいよ」
アラン様は下を見ないように、僕に優しく口付けをしながら、ズボンと下穿きを脱がせてくれた。
僕はあまりの恥ずかしさに、咄嗟に赤い顔をアラン様の胸に埋めた。
するとアラン様は僕の名前を甘く呼びながら、頭を優しく撫でてくれた。
「触れるよ」
アラン様は耳元でそう囁くと同時に、躊躇うことなく僕の昂りを大きな手で包み込み、ゆるゆると上下に動かした。
「やっ、あっ、ああっ、ああぁぁっ!」
僕は初めてアラン様に触れられた悦びと恥ずかしさで呆気なく達してしまうと、緊張の糸がぷつりと切れてそのまま意識を手放してしまった。
目が覚めると、僕はまだベッドに横になったままで、着ていたものが、スーツから部屋着に変わっていた。
「アラン様⋯?」
隣にいるはずのアラン様の姿が見えず、心細くて思わず名前を呼んだ。
「ナーシュ、起きたかい?」
アラン様は足元のクローゼットに何か仕舞いながら、僕の様子を心配そうに伺っていた。
「あ、あの、アラン様が僕の着替えを?」
僕は色々聞きたいことがあったけど、一番気になることを聞いた。
「ああ、そうだよ。ナーシュを私以外に触れさせる訳がないだろ。でも目を瞑っていたから、心配いらないからね」
「⋯⋯」
「本当だよ」
「あ、ありがとうございます⋯。あの、その、僕、変じゃなかったですか?」
「ナーシュが変だって?」
「だって、あんなに⋯変な声とか出ちゃって、僕が僕じゃないみたいで、恥ずかしくて⋯」
アラン様はベッドに膝をついて上がり、僕の額に口付けをして、ふっと微笑んだ。
「ナーシュ、変なものか。とても美しかったよ。それに今日のはまだ序の口だ。結婚したら⋯」
「結婚したら⋯?」
「まあ、先ずはナーシュに私の愛をしっかり信じてもらわないとな」
「あっ⋯、もう疑ってません。それとぉ⋯僕の汚れた下穿きはどこでしょうか。持って帰って洗わないと」
「あぁ⋯あれはこちらで処分しておこう。新しい物はたくさん用意してあるから」
「たくさん?」
それからの公爵家でのお茶会は、お茶会なのにお茶も飲まずにアラン様の寝室に連れ込まれる事になってしまった。
初めての発情期がきてから、アラン様の香りいっぱいのこの部屋には何となく入りづらくてずっと避けていたけど、やっぱり喜んでしまう自分がいる。
そんな事を考えながら部屋の中に進むと、出窓のカーテンが風でひらひらと揺れていて、そこから日の光が差し込み、部屋の中をキラキラと照らしていた。
「どうだい?」
「あっ⋯僕の勘違いだったみたいです」
確かに人の気配も、アラン様以外の匂いも感じない。
「アラン様、ごめんなさい⋯」
アラン様はふっと微笑むと出窓に近付き、慣れた手つきで窓を閉め鍵を掛けると、静かに僕の方を振り向いた。
じっと見つめ合っていると、吸い寄せられる様にお互い少しずつ歩み寄り、自然と抱き合った。
「ナーシュに疑われるなんて、私もまだまだ愛情表現が足りていない証拠だな」
「そんな事ないです⋯。アラン様からの愛はいつもたくさんもらってます」
「いや、これまでと同じじゃ駄目だな。今まではナーシュに嫌われたくなくて、いろいろ抑えてきたが、もっとはっきり私の愛を示さないとな」
アラン様は僕の背中に回した手を、僕の背骨をなぞるように上からするりと下まで動かし、腰のくびれをそっと何度も撫でた。
僕はくすぐったくて、身をよじりながら思わず、はぁ、と吐息を漏らした。
「くっ、ナーシュ、君って子は」
「アラン様⋯?」
「ナーシュ、口付けをしてもいいかい?」
「はい、アラン様」
僕は少し体を離すと、アラン様の瞳を見つめながら、そっと目を閉じた。
口付けを待っていたのに、僕の体はアラン様に横抱きにされて、ふわりと宙に浮いていた。
「わわっ、アラン様、どうしたんですか!?」
「ナーシュにたっぷりと私の愛を感じてもらおうと思ってね」
アラン様はそう言いながら、僕を抱き上げたまま部屋の奥へ進んで行った。
「ここは⋯」
「私の、いや、私とナーシュの寝室だよ」
「えっ!?」
「ナーシュ、大丈夫だよ。酷い事はしない。口付けと、それから、少しだけナーシュに触れるのを許してくれないか?」
僕は恥ずかしかったけど、アラン様の瞳の熱に気圧され、小さく頷いていた。
アラン様はそっと僕をベッドに下ろし、両手で僕の頬を包むと、しばらく僕の顔を目を細めながら眺めていた。
「ナーシュと出会って7年か。まったく、どれだけ美しくなる気だい?」
「え、えっと⋯、ありがとうございま、んん!」
僕はお礼を言ってる途中でアラン様に唇を塞がれてしまった。
舌を絡められ、僕の呼吸まで吸い込む勢いで唇を吸われた。
アラン様の舌の動きに応えたくて必死にもがくけど、僕は為す術もなく、アラン様にしがみつくのが精一杯だった。
長い口付けから解放された頃には、僕はもう全身から力が抜けて、肩で息をしながら涙目でアラン様を見上げる事しか出来なかった。
「ナーシュ、すまなかった。少しばかり激しくしすぎたようだね。ナーシュが可愛いくて、つい我を忘れてしまったよ」
「はぁ、はぁ、アラン様、苦し、かった、です」
アラン様はふっと微笑むと、僕の口の周り汚れをハンカチで綺麗に拭いてくれた。
アラン様は何故かそのハンカチをきちんと畳むと、ベッドの枕元にあるチェストの引き出しに大事そうに仕舞われた。
「ナーシュ、まだこれからだよ。今度は気持ちよくなろうね」
アラン様はまた目を細めながら僕にゆっくり跨ると、僕の両脇に手を差し入れ、親指で胸の尖りを服の上からすりっと擦った。
僕は突然与えられた強烈な快感に、悲鳴に近い喘ぎを出すしかなかった。
「ひっ!やっ、そこっ⋯!」
「大丈夫だよ、ナーシュ。いい子だ、ちゃんと感じてるね」
アラン様は指の動きを止めることなく、再び唇を重ねてきた。今度は啄むように何度も繰り返しながら、僕の喘ぐ顔を愛しそうに見つめていた。
どの位そうしていただろう、僕の喘ぎが掠れてきた頃合でアラン様の指がやっと止まった。
アラン様は、僕が足をもじもじと擦り合わせているのを見逃さず、僕の耳元でそっと囁いた。
「ナーシュ、このままでは下穿きが汚れてしまうね。決して見ないから下を脱がせていいかい?」
「あっ⋯、でも、もう、汚れてるから⋯」
「ふっ、そんな事気にしなくていいよ」
アラン様は下を見ないように、僕に優しく口付けをしながら、ズボンと下穿きを脱がせてくれた。
僕はあまりの恥ずかしさに、咄嗟に赤い顔をアラン様の胸に埋めた。
するとアラン様は僕の名前を甘く呼びながら、頭を優しく撫でてくれた。
「触れるよ」
アラン様は耳元でそう囁くと同時に、躊躇うことなく僕の昂りを大きな手で包み込み、ゆるゆると上下に動かした。
「やっ、あっ、ああっ、ああぁぁっ!」
僕は初めてアラン様に触れられた悦びと恥ずかしさで呆気なく達してしまうと、緊張の糸がぷつりと切れてそのまま意識を手放してしまった。
目が覚めると、僕はまだベッドに横になったままで、着ていたものが、スーツから部屋着に変わっていた。
「アラン様⋯?」
隣にいるはずのアラン様の姿が見えず、心細くて思わず名前を呼んだ。
「ナーシュ、起きたかい?」
アラン様は足元のクローゼットに何か仕舞いながら、僕の様子を心配そうに伺っていた。
「あ、あの、アラン様が僕の着替えを?」
僕は色々聞きたいことがあったけど、一番気になることを聞いた。
「ああ、そうだよ。ナーシュを私以外に触れさせる訳がないだろ。でも目を瞑っていたから、心配いらないからね」
「⋯⋯」
「本当だよ」
「あ、ありがとうございます⋯。あの、その、僕、変じゃなかったですか?」
「ナーシュが変だって?」
「だって、あんなに⋯変な声とか出ちゃって、僕が僕じゃないみたいで、恥ずかしくて⋯」
アラン様はベッドに膝をついて上がり、僕の額に口付けをして、ふっと微笑んだ。
「ナーシュ、変なものか。とても美しかったよ。それに今日のはまだ序の口だ。結婚したら⋯」
「結婚したら⋯?」
「まあ、先ずはナーシュに私の愛をしっかり信じてもらわないとな」
「あっ⋯、もう疑ってません。それとぉ⋯僕の汚れた下穿きはどこでしょうか。持って帰って洗わないと」
「あぁ⋯あれはこちらで処分しておこう。新しい物はたくさん用意してあるから」
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