【R18】アンタは俺を好きになる★ワケあり男女の恋物語★〜最後はオレに辿りつきゃイイんだよ〜

keco

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カマキリ

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 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 ~隣人 802号室 side~



 最上階…
 ベランダに出て空を見上げる


 "高層マンションよりは低めだけど
 眺めは良いから 物思いにふけたい時
 ちょうどいいかもよ!"

 じんが 言ってた


 早速 ふけてみる…


「ん~( ̄-  ̄ ) …どうするかな~」


 大方出来上がっていた曲を
 何度も流してみる


 ♪。.:*・゜♪。.:*・゜
 ⁡。・:*:・゚♪,。・:*:・゚
 .: ♬.*゚・:* ..: ♬.*゚・:* ..: ♬.*゚・:* .


 "もうちょっと…こう アクセント的な…"

 偉そうに!…何が、足りないって?


「文句言うなら 最初から俺に頼むなよ…」



 …カラカラカラ


 隣からベランダの窓を開ける音がした


 隔て板があるから 当たり前だけど
 どんな人かは わからない…


『そういえば、仁が言ってたなぁ…
 綺麗なお姉さんって…』


「ん~~!!…はぁ~…」


 想像するに…
 伸びをして息を吐き出したんだろう…
 疲れてんのかな?


『お疲れ様です、お姉さん…』

 心の中で話しかけ 部屋に戻った



 。゜⋆。゜⋆


 何気なく
 冷蔵庫から飲み物を取り出し
 渇いた体内に水分を流し込む


 ……ゴクゴク…ッ…


 ん?


 ── 息を吐き出す ──


 ため息……



「あ~っ!あの部分にっ・・・」

 急いでミキサーに向かい
 曲の中に音を入れてみる


 "はぁ~"
 女性のため息


「おっとぉ?…キタんじゃない?これ!」

 ゚+。:.゚(º∀º )ファー.:。+゚


 人気の女性アイドルグループが
 歌う予定の"失恋ソング"…
 修正作業は、夜な夜な続いた



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 ~803 side~


 気怠い朝…

 アラームを止めて
 ムクっと起き上がると
 いつものルーティン…

 "ジジイ"モーニングコール


 *・゚・*:.。.*.。.:



「生きてる?」

 ──「おぅ!生ちてた!ボハハハ…
 今日も元気げんちに行ってこい」

「今日から 会議が続いて
 帰り遅いから 顔出せないけど
 何かあったら連絡ちょうだいね!
 じゃあ、行って来ます!」


 *・゚・*:.。.*.。.:



 会社に着くと まっすぐ会議室へ

 メンズ化粧品の新作企画
 今は、男性も お肌に気を使う時代


 企画開発課 マネージャーのしゅん
 率先してモニターを買って出た

「この化粧水と乳液、
 今日で2週間使ってるんだけど
 ハリが出てきたような…」

 頬をぷにぷにと指で押しながら
 話している


「緑茶成分か…それにヒアルロン酸と…
 コラーゲン…フムフム…無香料か…」

 配合の割合等、パソコンで
 数字を見ながらうな


「ちょっと待って…」

 会議に参加してる さきっちょが
 俊に近づいた


 両手で俊の頬を挟んで…

「ん~…使ってるのは 朝と寝る前?…」
 難しい顔をしながら、ぺたぺたと
 俊を触る

「そ、そうだけど…」
 俊の顔色が みるみる変わっていく



「・・・・・・」


 俊マネ…赤いぞ…(*°∀°)・∴ブハッ!!w


 さきっちょが俊の頬から手を離すと
 今度は俊を抱きしめて
 頬と頬を密着させた


 私は、飲んでたお茶を
 吹き出しそうになり
 むせ返る


「ゴホッ...ヴ...ゲホッゴホッゴホッ...」

「ちょっと!咲!…何してんだっ!」
 俊も慌てて さきっちょから離れた

 会議に参加してる他のメンバーも
 冷やかしの口笛を吹いたり
 ヤジを飛ばす中


「例えば…よ?
 一緒にいる彼女が
 毎日くっつきたくなるぐらいの
 お肌になるといいよねぇ~」


【あぁ~…】

 賛同の声が会議室に響いた

 "それなら…"
 手を挙げて言ってみる

「原材料そのままで…微香料にしてみない?
 彼女が 彼に近づいて
 スンスン嗅ぎたくなるような…」


【おぉ~…】



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 まずは男性社員が普段愛用している
 香水やアロマ等の調査開始…


 ウッド、シトラス、ムスク…
 スパイス系、ハーブ系、柑橘系…

 女性もまた
 香りの好みは 人それぞれで…


 香水やアロマの販売店にも
 足を運んだ


 色んな香りを嗅ぎすぎて
 酔った状態で帰路に着く


『うっ…気持ち悪い(||´Д`)』

 遅い時間の電車内は、
 疲れきったサラリーマンの
 汗の匂いも混ざって さらに具合が悪い


 最寄りの駅で降りて
 マンションに向かう

 人通りが少なくなったと思ったら
 後ろから足音が聞こえてきた


 ん?


 ずっと…


 いて…きてる?…(||゚Д゚)ヒィィィ


 少し足早に歩いて距離を…


『嫌~!Σ( ̄□ ̄;
 後ろも歩くの早くなってんじゃん!』


 "どうしよう…部屋に行くより
 ジジイの所に避難する?"


 腕時計を覗く…

 いや、この時間は
 ジジイは すでに夢の中だ


『ついてこないどぇぇぇ!』

 護身術でも覚えておくんだったぁぁ!
 ≡┏( `Д´)┛


 誰だ?誰だ?
 誰でぃゃぉぅ…!!!??


 …てか、私を
 尾けてるって証拠もないか…
 考えすぎよね…ヽ(*´∀`)ノアハハハハ…


 でも…
 足音が…ついてくるのよ!

 急いで鍵を出して
 マンションのエントランスに入った


 怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
 こ──わ──い──
 ギャーギャー。゚ヽ(゚`Д´゚)ノ゚。

 エレベーターは、
 ちょうど1階にいた!!


 早く閉まれ閉まれ!

 エレベーターの中に入り
 "閉"を勢いよく連打…

 上へ参りま~す!
 ε-ε=(ノo`・∀・)ノ イケイケゴーゴー!!!!


 8階…

「はぁ(。´-д-)…めっちゃ怖かっ…た…?」


 聞こえる 軽快な足音…

 か、階段で上がってきたっ!!!????
 まさか この階まで…


(((;°Д°;))))ギャーッ


 鍵、鍵?エントランスに入って…
 アレ?さっき…どこに入れたっけ?


 こ、こっちに来る…
 見ない見ない…:( ´◦ω◦`):

 あった、鍵っ!
 震えた手で鍵穴にっ…


「あのっ…」


「ぎゃ──────っっ!!!!!」


「あ、え?…大丈夫ですか?」

「…へっ?」

「隣に越してきた者です…」

「うわ…ぁぁ…
 な、なんだ…お隣さん…でしたか…」

 へなへな…と座り込んだ…


 そうだった…
 隣人の存在…忘れてたわ…

 恥ずかし…顔をあげられないわ

「ごめんなさい、驚かせちゃって…」

 と言って、
 スっと手を差し伸べてくれた

「こちらこそ ごめんなさいね…」

 手を借りて立ち上がり
 お隣さんの顔を見た



(   ˙ㅿ˙   )…ん?



「……カマキリ?」

「はい?」


 ごついヘッドフォンに
 大きなグラサン…
 おまけに蛇腹の不織布マスク
 どう見ても、昆虫…
 …バッタと言った方が良かったか?


「カ、カマキリって…(*°∀°)・*。':;ブッ
 。゚(゚ノ∀`゚)゚。アヒャヒャ…腹痛いっ!」


 大笑いされた


「こ、こんな夜更けにそんな格好で外歩いて!
 逆に怪しまれないのが
 おかしいじゃないですかっ!
 暗いのに グラサンしながら歩いて
 足元見えるんですか?!?!…うぇぁ??」

「(ノ∀≦。)ノ…カマキリって…ククククククッ…ぶはっ!!!」


 語尾に、
 ちょっとジジイが入ってしまったが…
 大笑いされて、恥ずかしくて
 まくし立てた


「はぁ~久しぶりに笑った!
 僕、ちょっと訳ありで
 顔を見せられないんですよ」



 顔を見せられない…って…( ˙꒳˙ )??!!


 何だか、とんでもない人が
 隣に引っ越してきたらしい…?!
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