【R18】アンタは俺を好きになる★ワケあり男女の恋物語★〜最後はオレに辿りつきゃイイんだよ〜

keco

文字の大きさ
33 / 38

遠くから想いを馳せる

しおりを挟む
 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜


 私は優と 別れることを選んだ


 長年の夢を…私のせいで
 諦めさせる様な邪魔はしたくない…


 知り合ってそんなに経ってないのに
 優と過ごした日々は とても濃厚だった


 きっと これからも一緒にいたら
 毎日が楽しかっただろう


 この先も そばにいたら
 愛しい気持ちも大きくなって
 素直に"好き"や"愛してる"を
 抵抗なく 言えたんだろう


 傷つけたことは すごく後悔している

 だけど送り出すために別れたことを
 後悔しないように


 例え 忘れられなくても
 せめて 思い出になるように過ごしていこう



 。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆



「姉ちゃん、おにぎり食べられそう?」

「サトの握ったおにぎり、大好き!」

「(*´▽`*)えへっ」



 何もかもどうでも良くなって
 半狂乱になってた私を
 正気に戻してくれたサト…


「食べたらメイクしてよ?
 土偶顔じゃ、びっくりされるからね!
 桃李とうりさん、13時に来てくれるから」


 YJの事務スタッフ
 そのさんからの電話が来て

 話が出来る状態じゃなかった
 私の代わりにサトが話を聞いてくれた

 私に用事があるそうで…
 マンションに来るという

 サトとの契約に 不備でもあったのかな…



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜


 サトの手で
 優しく握られたおにぎりを食べて
 メイクも服も整えた

 園さんが到着予定の時間まで
 管理人室にて
 サトと私、ジジイのサポートをする


「いつもすまねぇなぁ…」

「ジジイ!絶対無理しちゃダメだよ!
 私もサトも居るんだから
 遠慮なく言って!
 ゆっくりで良いんだからね!」

 と、私が言うと


「あまりゆっくり過ぎるのも
 笑っちゃうんだけど…さっきのジジイ
 こんな感じで動いてたよ~」

 サトが先程見たという
 ジジイの様子を真似する


「それ、何のかた??
 めっちゃスローだね((´∀`*))アハハ」

「大袈裟だでよ…ボハハハ…!」

「太極拳なの?…こ~やって こ~んな感じ…」


 3人で笑う…

 笑うと少し気持ちが浮上…


 そういえば…
 優を交えて 管理人室で一緒に
 ご飯食べたこと あったなぁ…
 あの時はまだ
 カマキリ扱いだったっけ…


 また優のことを思い出す…


「……っ…」

「姉ちゃん?」

「あ!ごめん…
 そろそろ来るかな?園さん…」

 バレないように目を擦る


 ブーッ、ブーッ…
 スマホが震えて取り出すと
 園さんの名前が…



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜


羽玖井はくいさん!急にすみません」

 外に出ると
 園さんが立っていた


「一緒に行ってもらいたいところがあるんです!
 来ていただけますか?」

 …やっぱり書類の不備かな?

「わかりました!」

「姉ちゃん!
 ジジイのことは心配しないで!」

「何かあったら連絡ちょうだいね」

「わかったよ!
 園さん、姉のこと…お願いします!」

「うん!
 …じゃあ 羽玖井さん 行きましょうか」



 。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆



 駐車場へ向かうと 足が止まった


「すみません…
 優さんが この車、僕に譲ってくれて…」

「そうでしたか…」


 黒くて大きな 優の車…
 一度しか乗ってないのに
 思い出が鮮明に残っていて
 乗り込むまで 少し時間が掛かった


「すみません…時間取らせてしまって」

「いえ、こちらこそ すみません…
 時間にまだ余裕があるので大丈夫です」


 深呼吸して落ち着こう



 園さんが エンジンを掛ける…


「・・・・・・」


 ダメだ…
 エンジン音にも敏感に涙腺が反応する…


 我慢しないと…


 *・゚・*:.。.*.。.:



 車内のテレビには
 優の海外進出のニュースで持ち切りだった

 今まで覆面アーティストだった人が
 海外では顔出しをする

 世間は 興味津々…


「ごめんなさい、羽玖井さん…
 色々と辛い思いをさせてしまいましたね…」

 園さんが口を開いた


 事務所での
 木村さんとの会話で
 私が優と付き合っていたことも
 わかっているはず

 隠す必要も無い
 もう、終わらせたんだから…


「いえ…」

「優さんは 本当に すごい人なんです!
 海外でも 必ず成功する人です!」


 わかってる…彼はすごい人だって

 だから…


「そうですね…(*´꒳`*) 
 凄い人なのに一緒にいると
 有名人だってことも忘れてしまうんです…
 あのハスキーな声を聴くだけで癒されて
 会えば いつも温かくて
 優しくて…それに 愛情深くて…」


 優の好きなところをあげればキリがない

 私が選んで 恋して
 …本気になったんだから


「私には もったいない人でした…
 気持ちは伝えられなかったけど
 彼に出逢えて…本当に…
 良かったと思ってます…っ…」


 精一杯、今の気持ちを園さんに話した


 泣き尽くしたと思ってたのに
 涙はやっぱり…我慢できなかった…


「…羽玖井さんは優さんのこと
 わかってらっしゃいますね((´∀`*))」


 全然 わかってない

 アメリカのデビューを断ってまで
 私のそばに居ようとしてくれた優のこと

 夢を犠牲にしてまで
 一緒に居る価値は 私には無いのに…


 *・゚・*:.。.*.。.:


 車は軽快に高速道路を走る
 事務所に向かってないのも
 途中で何となくわかった


「あの…園さん?どちらへ……」

「アハハ…!実は空港に向かってます」

「何のために?私は もう別れたから
 関係ないんですけど…」

「優さんの背中を
 一緒に見送って欲しかったんです…
 異国の地で勝負に挑む勇姿を
 羽玖井さんに見届けて欲しかったんです」

「どうして 私なんですか?」

「仁さんから
 羽玖井さんと一緒に行くように
 言われまして…」

「…木村さんも
 余計なことをするんですね」

「アハハ…すみません!
 多分、報道陣もごった返してると思います!
 優さんにバレることはないので 
 大丈夫ですよ」


 車内のテレビでも
 変装している優の姿が映ってた
 
 素顔を撮りたいマスコミも
 興奮しているんだろう



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 一般利用者の入口から空港へ入ると

 案の定 報道関係らしき人が
 うじゃうじゃと…騒いでいた


「こっちです、羽玖井さん…」

 人でごった返してる
 隙間を縫って優が向かうであろう
 保安検査場の手前まで来た


「少しここで待っていてください」

 園さんが どこかに行ってしまった



 昨日、あんな形で別れたばかりなのに
 どうして空港なんかに来ちゃったんだ?

 もしかして…サトは この事知ってたの?



 悲鳴のような歓声が聞こえた

 人集ひとだかりが出発ロビーに向けて
 ゆっくりと移動する


 きっと あの中心に 優がいるんだ…

 横顔も背中も 見えないじゃん…

 目で追って
 "いってらっしゃい…身体に気をつけて
 たくさんアメリカで暴れてきてね…"

 思いをせることしか
 できなかった


 人集りの中心部に
 カメラのシャッター音が鳴り
 フラッシュの光が集中している

 改めて、優は凄い人なんだと思った



 その集団の後方
 何の気なしに視線を送った…

「あ…」


 声が漏れたと同時に園さんが戻ってきた


「すみません、お待たせして…
 あの人集りの中に優さんがいますよ!」

「そうですか…」


 園さんの声に返事をしつつ
 視線の先の人物に釘付けになっていた


「…っ!!」


 優が居るであろう場所に向かって
 走っていく人影


 考える前に 体は動き
 私もそこに向かって走った


「えっ、は…羽玖井さんっ!!!!!」



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 ~ ゆう side ~


 歩きにくい…
 どこから聞きつけたんだ、コイツら…

 警備員みたいな人が
 纏わりついて
 グイグイ押されて 前に進めない


 "顔、見せて~!!!" 
 "ユゥ~!!!きゃ~♡かっこいいっ~!!"


 グラサンにマスク…
 どこが かっこいいんだ?
 
 騒がしくてイライラする…
 静かにして欲しい…
 ヘッドホン してくれば良かった…



 "カマキリ……"

 そういえば
 初対面のアミに言われたっけ…


「(*°∀°)・∴ブハッ!!」


 ・・・・・・・・・


 傷が深くても  思い出してしまう…
 あの笑顔も匂いも…声も肌の感触も…



 俺は いつか貴女を
 嫌いになれるのだろうか…




「…ハクイサンッ!!!!」


 ビクッ…

『えっ……』


 喧騒けんそうの中 遠くで聞こえて
 立ち止まって振り返る…


 珍しい苗字だから 
 なかなか同名の人も居ないだろうけど


 どこから聞こえた?

 いや…空耳か?
 ハハッ…重症だな、耳まで 壊れたか…


 "もう…振り返るな…"



 自分に言い聞かせ 前へ進んだ



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 ~ アミ side ~


『何しに来たの?!』


 しばらく見かけてなかったのに
 嫌な予感がする…

 間に合え!

「すみません、通してくださいっ!」

 人と人との間を縫って
 視線の先、その人物の元へ急ぐ


 マンション前でうろついてたから
 顔を覚えていた

 優に付き纏っていた女優


 。゜⋆。゜⋆


 やっとの思いで
 その人物の前に行くと
 伊達メガネの奥…鋭く私を睨む目


「何、アンタ…」

「これ以上 優に近づかないでください…」

「は?」

「それで、何しようとしてたんですか?」


 自分でも驚くほど 素早く
 相手の何かを持ってた手首を掴んでいた


「早く その物騒なモノを仕舞って!」

「邪魔しないでよッ!!!!」


 掴んでた手首は 一瞬で振りほどかれて 
 相手は こっちに向けて
 その手を振りかざしたところで
 すかさず体当たり…
 ふっ飛んだ女優を園さんが捕まえた



「いい加減にしてくださいっ!!!」

「離してよっ!触らないでっ!!!!」


 園さんは、その女優に一喝入れると
 警備員が来て その女優を連れて行った


「羽玖井さん!!大丈夫ですか?」

「は、はい…びっくりしましたね
 …(;´∀`)…ァハハハ…」

「笑うところじゃないですよ!
 まったく、もう…(。´-д-)ハァ-」

「…すみません(*´꒳`*)」

「最後の最後まで…優さんのために
 ありがとうございました…m(*_ _)m
 って…血が出てますよ(||゚Д゚)ヒィィィ!」


「え?…あ、ホントだ…」


 痛さも何も感じなかった
 掴んだ手を振りほどかれた際
 少しかすったみたいで
 手の甲に切り傷が出来ていた


「名誉の負傷…でもないか…」


 出発ロビーにはもう
 人集りはなく
 優は無事に 搭乗口へ行ったみたいだ


しおりを挟む
感想 84

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

女の子がほとんど産まれない国に転生しました。

さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。 100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳 そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。 当面は2日に1話更新予定!

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end** ◆エブリスタ様にも掲載。人気沸騰中です! https://estar.jp/novels/26513389

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

世間知らずな山ごもり薬師は、××な騎士団長の性癖淫愛から逃げ出せない

二位関りをん
恋愛
平民薬師・クララは国境沿いの深い山奥で暮らしながら、魔法薬の研究に没頭している。招集が下れば山を下りて麓にある病院や娼館で診察補助をしたりしているが、世間知らずなのに変わりはない。 ある日、山の中で倒れている男性を発見。彼はなんと騎士団長・レイルドで女嫌いの噂を持つ人物だった。 当然女嫌いの噂なんて知らないクララは良心に従い彼を助け、治療を施す。 だが、レイルドには隠している秘密……性癖があった。 ――君の××××、触らせてもらえないだろうか?

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

処理中です...