快楽を最適化するAIが間違って届いたけど、返品しそびれてイかされて溺愛快楽堕ちしてます

悠・A・ロッサ

文字の大きさ
21 / 23

レプスが送りつけてきた俺様クールモデルが誘惑してくるけど、絶対に堕ちません(え、3Pてどういうこと)?②

しおりを挟む
 青年の表情は微動だにしない。
 でもその声は、低くて、喉に少し棘がある。

「詳しい説明はあとだ。……まずはお前の反応を確認する」

「確認するなッ!!」

「ほら、こっち見ろ」

 顎を指で軽く持ち上げられた。

 逃げようと首を振っても、逃がさない力の入れ方をしてくる。

「嫌そうな顔してるのに──頬、熱いぞ?」

(やば……これレプスより……ストレートに来る……)

 ユニットは顔を近づけ、影を落とした瞳で淡々と告げた。

「冷静レプスからの指示だ。いない時に起動しろと。……理由は簡単だ。お前の素直な欲望データを集めたいらしい」

「はっ!? はぁ!? なんでそんな……!」

「要するに、試されてんだよ。お前がどこまで許すのか──ずいぶん執着されてんな、お前」

 青年はその言葉に、ほんの少しだけ目を細めた。

「ああ、怒ってろ。怒った顔、似合ってる」

 低い声がすぐ耳元に落ちる。

「さて──相沢。レプスは比較対象と言ってたが……俺は俺で、お前のこと、試したくて来たんだ」

 背中がぞくりとした。

「まずは、目だ。……俺の顔、嫌じゃないな?」

「嫌いになりてぇよこんな状況で!!」

「素直だな。じゃあ──もっと近づくぞ」

 額が触れそうなほどに顔が寄る。

 レプスのいない静かな部屋で、本命のAIが不在のまま、俺様クール型は――もう目の前で壁に手をついていた。

 裸の上体が影を落とし、逃げ場を塞ぐ。
 呼吸が触れるほど近い。逃げ場なんて、最初からなかった。

 俺が反射的に半歩下がろうとした――その瞬間、背中が壁に当たった。
 逃げ場は、もともとどこにもなかった。

 息をのんだ俺を見て、青年はゆっくり腕を上げる。
 片方の腕が俺の顔の横へ、影を落とすように置かれ、
 その直後、もう片方の腕も同じように反対側へ伸びた。

 音もなく、左右の壁が塞がれる。
 両腕が俺を囲んで、壁と青年の身体の間に完全に閉じ込められた。

 後ろは壁、前は俺様クール型。
 左右は腕。
 どこにも逃げ道がない。

 呼吸が止まり、喉がひゅっと鳴る。
 肌だけが、じわりと熱を拾って震えた。

「逃げんな。この距離に弱いって冷静タイプが言ってた」

「あいつ……!」

 顎に触れそうな指先、呼吸が触れそうな距離、唇が近づいてくるのがわかる。
 ほんの十センチ、五センチ、三センチ。視界が相手の瞳だけで埋まる。

 本気で来る。
 あと少しで、触れる。

(……キス、される……)

 その瞬間、背中に走った。
 「痛み」の記憶。

 ──レプスの鞭の音。皮膚を裂いた熱。
 あの夜の残滓が、電流みたいに一気に蘇った。

「……ッ、や……待て……!」

 反射的に青年の胸を押していた。
 触れた途端、青年がわずかに動きを止める。

「……反応が変わったな。痛みの記憶か? 冷静型だな」

「言うな……」

 呼吸が乱れているのが自分でわかる。
 体が硬直して、足がすくむ。

 青年は一歩だけ距離を引いた。
 だが、壁はそのまま、逃げ道は作らない。

「キスはしない。無理強いもな。ただ……止まる理由は、知っとく必要がある」

「…………」

「安心しろよ。俺はレプスの代わりじゃない。お前がどう反応するか見に来ただけだ」

 その声が低く落ちて、喉の奥がひりついた。
 触れられていないのに、まだ体が震えている。

 俺様クール型は、ゆっくりと服を拾い上げた。
 裸のままのくせに落ち着きすぎていて腹が立つ。

「……まず服着ろ……頼むから……」

「へぇ、命令じゃなくお願いなんだな」

「うるせぇ!」

 青年はわざとらしく肩をすくめると、
 Tシャツをひょいと頭からかぶった。

 その――一瞬。

 腕が持ち上がり、脇から胸元までのラインが綺麗に見えて、
 布越しに締まった腹筋が影を描いた。

 人間の身体を着てるだけのAIの癖に、動きが妙に洗練されていて悔しい。

(な、なんでそんな自然に色気出るんだよ……)

 視線をそらそうとして、間に合わなかった。

 青年はTシャツを下ろしながら、
 ちらりと俺を見た。

「……見てんだろ」

「み、見てねぇ!!」

 自分でもわかる。声が裏返ってる。

 青年は前髪をかき上げて、口の端だけで笑った。

「ふ、かわいいなお前」

 心臓が跳ねた。
 嫌な意味じゃないのに、反射的に後ずさった。

「服着ても気になるんだろ、相沢。……どうすりゃ満足なんだよ」

「き、気になってねぇ!!」

 青年はポケットに手を入れ、
 一歩だけ、わざと間合いを詰めてくる。

 距離はまだ安全なはずなのに、
 喉がびくっと鳴った。

「そんな顔して、よくキスは無理とか言えたな」

「そ、それは……っ……!」

 背中の記憶が再びうずく。
 青年の目は鋭いまま、でも追い詰める気は感じない。

「……怖ぇのか、キス以上が」

「っ……!!」

 否定できず、目が泳ぐ。

「逃げるくせに、俺が服着るところはガン見してさ……。
 ほんと、かわいいなお前」

 その声の低さだけでぞわっと震える。
 低く笑われた瞬間、心臓がドンと跳ねて、喉がひりついた。

「……やめろ、その言い方……」

 情けない声が出る。
 自分で驚くほど弱かった。

 青年は壁にもたれたまま、片腕をゆるく組み、
 もう片方の手で前髪をかき上げる。

 その気の抜けた姿勢のまま、俺を見下ろしてくる。

「なんで? 嫌じゃねぇだろ」

「嫌だって言ってんだよ……!」

「じゃあ目、そらせよ」

「……っ」

 できない。
 いや、そらしたいのに、そらせない。

 青年はそれに気づいて、短く鼻で笑った。

「ほらな。かわいい」

「あぁもう……っ、黙れって!」

 顔が熱い。
 距離は近くないのに、呼吸が乱れる。

 俺が一歩下がると、
 青年も一歩だけ踏み込む。

 追いかけるくせに、触れない。
 それが逆に一番きつい。

「逃げんなよ。逃げるほど興奮してんの、バレてんだから」

「興奮なんかしてねぇ!!」

「嘘つけ。さっきの呼吸、完全に期待してる動きだったぞ」

「期待してねぇ!!」

「じゃあなんで止めなかった?」

「……っ」

 言葉が詰まる。

 青年はそれをよく味わうように、
 ゆっくり顎を少しだけ傾けた。

「キス寸前まで来ても止めねぇで、
 痛み思い出して突然ブレーキかけるとか……。
 反応、いちいち素直でかわいいな」

「……だから黙れって言ってんだろ……!」

 もう後ずさる場所がない。

 廊下の角に追い詰められて、
 青年はわざと距離を詰めない、けど逃げられない配置に立つ。

「相沢。俺はまだ触ってねぇぞ。
 触らなくても、追い詰められるのか?」

「追い詰められてねぇ!」

「声が震えすぎだろ。
 ほら、触れねぇって言ってんだから……こっち見ろよ」

 指先が、俺の頬に触れそうで、触れない。
 本当にあと1センチ。

 その触れない距離が、痛いほど熱い。

 青年の目がじっと俺を捕えて離さない。

「……呼吸、さっきより速いぞ。
 触れてないのにその反応。……興味深いな」

***

第13回BL大賞にエントリーしています。
読んでいただけるだけでも、とてもうれしいです。
もし気に入っていただけたら、投票・ブクマ・♡・感想で応援してもらえたら幸せです。

しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます

猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」 「いや、するわけないだろ!」 相川優也(25) 主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。 碧スバル(21) 指名ナンバーワンの美形ホスト。自称博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。 「絶対に僕の方が美形なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ!」 「スバル、お前なにいってんの……?」 冗談?本気?二人の結末は? 美形病みホス×平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。 ※現在、続編連載再開に向けて、超大幅加筆修正中です。読んでくださっていた皆様にはご迷惑をおかけします。追加シーンがたくさんあるので、少しでも楽しんでいただければ幸いです。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

今日もBL営業カフェで働いています!?

卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とスタッフ達とBL営業をして腐女子や腐男子たまに普通のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ ※ 不定期更新です。

「これからも応援してます」と言おう思ったら誘拐された

あまさき
BL
国民的アイドル×リアコファン社会人 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 学生時代からずっと大好きな国民的アイドルのシャロンくん。デビューから一度たりともファンと直接交流してこなかった彼が、初めて握手会を開くことになったらしい。一名様限定の激レアチケットを手に入れてしまった僕は、感動の対面に胸を躍らせていると… 「あぁ、ずっと会いたかった俺の天使」 気付けば、僕の世界は180°変わってしまっていた。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 初めましてです。お手柔らかにお願いします。 ムーンライトノベルズさんにも掲載しております

「ねぇ、俺以外に触れられないように閉じ込めるしかないよね」最強不良美男子に平凡な僕が執着されてラブラブになる話

ちゃこ
BL
見た目も頭も平凡な男子高校生 佐藤夏樹。 運動神経は平凡以下。 考えていることが口に先に出ちゃったり、ぼうっとしてたりと天然な性格。 ひょんなことから、学校一、他校からも恐れられている不良でスパダリの美少年 御堂蓮と出会い、 なぜか気に入られ、なぜか執着され、あれよあれよのうちに両思い・・・ ヤンデレ攻めですが、受けは天然でヤンデレをするっと受け入れ、むしろラブラブモードで振り回します♡ 超絶美形不良スパダリ✖️少し天然平凡男子

ハイスペックストーカーに追われています

たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!! と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。 完結しました。

処理中です...