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第七章 地獄の主
第45話 捜索
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フリナは街の教会の裏に広がっている森に来ていた。地元の人が言うには、この教会が出来てから裏山が大きな森になったようだ。神様が生命力を与えたとかなんとか。どれくらい昔の話なのか。
「ふー! 良い空気だな! やっぱり森にいるときが落ち着くわ」
フリナは森の中を散策し始めた。彼女の契約している“森の精霊”も、森が好きなようだ。森に住むエルフや精霊が、森を好むのは当然のことだろう。
フリナが散策を楽しんでいると、周りからカサカサと音がした。虫とか獣とかそういう類の音じゃない。何やら様子を伺っているような感じだ。
だが、エルフであるフリナに対し、森の影に隠れるというのは意味を成さなかった。
「隠れてないで出てきたらどうだ?」
「お前からは強い魔力を感じる……。それにエルフだな? お前を連れて行く」
「貴様ら……人間か?」
姿を現したのは黒い布を羽織った5人の男であった。人間ではあるが……なにやら嫌な雰囲気がする。少なくともまともな人間ではない。だがどいつも大した奴じゃない。
「まぁいい。かかってこい」
5人一斉にかかってきた。だが1人、また1人と倒していく。どれも能力保持者ではないようだ。コイツらは何がしたかったのか。地面に転がった人間を眺めてフリナは考える。しかし、そんなことを考える暇もなく次の刺客が現れた。
「……次はなんだ……?」
「エルフの女よ、貴様を私達の計画に使わせてもらう」
「……うッ……!!?」
相手、魔族の女は言い終わる前にフリナの後ろに回り、首に手刀を入れた。フリナは反応する余地もなく気を失った。フリナでは捉えられないほどの速度であったのだ。
***
「ん? おーい! エスト、セリア!」
ギルドの前へ向かうと、そこには既にグラが待っていた。グラはこういう待ち合わせには大抵遅れるのに珍しいな。
「グラ、お前帰ってくんの早ぇな。図書館に行ってたんだろ? 何かいいもんあったか?」
「いや、それがじゃな……。聞いてくれよ。図書館に行ったはいいものの、どれも文字ばっかりなんじゃ。そんなの読めないから食べ歩きしとったんじゃ」
「オメェは本をなんだと思ってたんだよ」
多分興味本位で見に行っただけなんだろう。本を読むなんてどういう風の吹き回しかと思ったが……むしろグラらしさがあって安心した。
それから数十分、もう日が沈みかけてきた。だがフリナが帰ってくる気配がしない。おかしいな。こういうときは大体早くに帰ってくるのに……。嫌な予感がする。
「フリナを探そう。もしかしたら何かに巻き込まれてるかもしれない」
おれはセリアとグラにそう伝えた。2人も不思議に感じているようだった。グラは竜型になり空から、それに乗ってセリアも街を見渡してもらった。それで見つかれば良いのだが……。
おれは魔力や魔素を辿って探知することにしたのだが…フリナの魔力は感じられない。
「ダメ! 見つからないわ!」
「じゃあセリアは地上から探してみてくれ! グラはそのまま飛んで探して! おれはまだ頑張ってみるから!! もし見つけられたら何でもいいから合図をくれ!」
「了解!」
セリアはグラの背中から飛び降りて街を駆け始めた。普通の人間では怪我では済まないだろうが、セリアはその程度ではどうってこともない。
「………………?」
街の全体、地下と探知していくと、何やら違和感のある空間を発見した。魔素が一切ない空間だ。おれは魔素の探知にも長けているからこの違和感に気づけた。
セリアやグラなど、普通の人では魔力を探すから本来空気中に存在する魔素が途絶えていても気づけない。だが、怪しいだけでフリナがいる確証はない。
セリアやグラも離れたところにいてすぐには呼べない……一旦おれだけで向かうか。おれは違和感の存在する方へと走っていった。
走っているとおれは教会に着いた。裏に森がある教会だ。この下にあの不思議な空間がある。おれは教会の大きな扉を開けて中へと入っていった。
「おや、こんな時間に人が来るなんて珍しいですね。それに見ない顔ですし。何かございましたか?」
中には1人の男が立っていた。優しい顔立ちの男だ。神父だろうか?
「悪い、この地下が気になってな。少し調べさせてくれるか?」
「……地下ですか……? そんなものはございませんけど」
「いや、あるはずだ。すこしどいてくれるか」
おれは神父らしき男を手で少しずらし、床を調べた。どこかに入口があるはずだ。少し調べればすぐに見つかるだろう。
「いけない人だ。何もないと……言ってるでしょうが!!」
「……フンッ!」
「ぐがッ!!」
男が背後から短剣でおれのことを突き刺そうとしていた。つまりコイツはその空間に関係していて、見られては困るというわけだ。
おれは刃を避け、男の頭を後ろから掴み、床に叩きつけた。死にはしないだろう……ギリギリ。
「腐ってもそんな格好してるんだからよ、もうちょい殺意を隠せよ。……ん?」
男の頭を打ちつけたところから床に大きくヒビが入り、その一箇所から隠し階段が現れた。
「もうけたな。探す手間が省けたよ。ありがとな」
おれは男に礼を伝えた。床が崩壊して建物としてはもう使えないかもしれないが、怒るヤツもいないだろう。おれは念のために男の首を掴んで連れていった。目を覚ませば案内くらいには使えるかもしれない。暗い階段をおれは下っていった。
「ふー! 良い空気だな! やっぱり森にいるときが落ち着くわ」
フリナは森の中を散策し始めた。彼女の契約している“森の精霊”も、森が好きなようだ。森に住むエルフや精霊が、森を好むのは当然のことだろう。
フリナが散策を楽しんでいると、周りからカサカサと音がした。虫とか獣とかそういう類の音じゃない。何やら様子を伺っているような感じだ。
だが、エルフであるフリナに対し、森の影に隠れるというのは意味を成さなかった。
「隠れてないで出てきたらどうだ?」
「お前からは強い魔力を感じる……。それにエルフだな? お前を連れて行く」
「貴様ら……人間か?」
姿を現したのは黒い布を羽織った5人の男であった。人間ではあるが……なにやら嫌な雰囲気がする。少なくともまともな人間ではない。だがどいつも大した奴じゃない。
「まぁいい。かかってこい」
5人一斉にかかってきた。だが1人、また1人と倒していく。どれも能力保持者ではないようだ。コイツらは何がしたかったのか。地面に転がった人間を眺めてフリナは考える。しかし、そんなことを考える暇もなく次の刺客が現れた。
「……次はなんだ……?」
「エルフの女よ、貴様を私達の計画に使わせてもらう」
「……うッ……!!?」
相手、魔族の女は言い終わる前にフリナの後ろに回り、首に手刀を入れた。フリナは反応する余地もなく気を失った。フリナでは捉えられないほどの速度であったのだ。
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「ん? おーい! エスト、セリア!」
ギルドの前へ向かうと、そこには既にグラが待っていた。グラはこういう待ち合わせには大抵遅れるのに珍しいな。
「グラ、お前帰ってくんの早ぇな。図書館に行ってたんだろ? 何かいいもんあったか?」
「いや、それがじゃな……。聞いてくれよ。図書館に行ったはいいものの、どれも文字ばっかりなんじゃ。そんなの読めないから食べ歩きしとったんじゃ」
「オメェは本をなんだと思ってたんだよ」
多分興味本位で見に行っただけなんだろう。本を読むなんてどういう風の吹き回しかと思ったが……むしろグラらしさがあって安心した。
それから数十分、もう日が沈みかけてきた。だがフリナが帰ってくる気配がしない。おかしいな。こういうときは大体早くに帰ってくるのに……。嫌な予感がする。
「フリナを探そう。もしかしたら何かに巻き込まれてるかもしれない」
おれはセリアとグラにそう伝えた。2人も不思議に感じているようだった。グラは竜型になり空から、それに乗ってセリアも街を見渡してもらった。それで見つかれば良いのだが……。
おれは魔力や魔素を辿って探知することにしたのだが…フリナの魔力は感じられない。
「ダメ! 見つからないわ!」
「じゃあセリアは地上から探してみてくれ! グラはそのまま飛んで探して! おれはまだ頑張ってみるから!! もし見つけられたら何でもいいから合図をくれ!」
「了解!」
セリアはグラの背中から飛び降りて街を駆け始めた。普通の人間では怪我では済まないだろうが、セリアはその程度ではどうってこともない。
「………………?」
街の全体、地下と探知していくと、何やら違和感のある空間を発見した。魔素が一切ない空間だ。おれは魔素の探知にも長けているからこの違和感に気づけた。
セリアやグラなど、普通の人では魔力を探すから本来空気中に存在する魔素が途絶えていても気づけない。だが、怪しいだけでフリナがいる確証はない。
セリアやグラも離れたところにいてすぐには呼べない……一旦おれだけで向かうか。おれは違和感の存在する方へと走っていった。
走っているとおれは教会に着いた。裏に森がある教会だ。この下にあの不思議な空間がある。おれは教会の大きな扉を開けて中へと入っていった。
「おや、こんな時間に人が来るなんて珍しいですね。それに見ない顔ですし。何かございましたか?」
中には1人の男が立っていた。優しい顔立ちの男だ。神父だろうか?
「悪い、この地下が気になってな。少し調べさせてくれるか?」
「……地下ですか……? そんなものはございませんけど」
「いや、あるはずだ。すこしどいてくれるか」
おれは神父らしき男を手で少しずらし、床を調べた。どこかに入口があるはずだ。少し調べればすぐに見つかるだろう。
「いけない人だ。何もないと……言ってるでしょうが!!」
「……フンッ!」
「ぐがッ!!」
男が背後から短剣でおれのことを突き刺そうとしていた。つまりコイツはその空間に関係していて、見られては困るというわけだ。
おれは刃を避け、男の頭を後ろから掴み、床に叩きつけた。死にはしないだろう……ギリギリ。
「腐ってもそんな格好してるんだからよ、もうちょい殺意を隠せよ。……ん?」
男の頭を打ちつけたところから床に大きくヒビが入り、その一箇所から隠し階段が現れた。
「もうけたな。探す手間が省けたよ。ありがとな」
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