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第一章 森の生活と孤児院改革:孤児院のニューフェイス
第22話 衛兵さんに保護されました。記憶喪失の迷子(設定)です
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「……名前は、コトリ、です。でも、どこから来たのかは……気づいたら、森の中に、ひとりで……」
私の迫真の演技に、衛兵さん二人は顔を見合わせた。
「おい、まさか……記憶がないのか?」
「……そのようだな。どこかのお貴族様か、商人の子かね。身なりは綺麗だが」
「ああ。少なくとも、この辺の村の子じゃなさそうだ」
ふむふむ。どうやら、私の演技と、魔法で常に清潔に保たれたこの格好のおかげで、「どこか育ちの良いお嬢さんが、何らかのトラブルに巻き込まれて記憶を失った」というストーリーで納得してもらえたらしい!
「して、そっちの白いのは、まさか魔物か? 珍しい犬っころのようにも見えるが……」
強面の衛兵さんの視線が、私の足元で不安げにしているコロに向けられる。コロは、大きな衛兵さんを前にして少しだけ緊張しているのか、私の足にぴとっとくっついている。
「この子はコロです! 森で、危ないところを助けてくれました! 魔物じゃありません、とっても、とってもいい子なんです!」
私はコロをぎゅっと抱きしめた。
私の腕の中で、コロが「クゥン」と、子犬のような甘い鳴き声を出す。
ナイスアシスト、コロ! 演技派だね、君!
優しい方の衛兵さんが、屈んでコロの頭をそっと撫でた。
「ほう、人懐っこいじゃないか。確かに、悪い生き物には見えんな」
最初の衛兵さんが、ふむ、と頷く。
「分かった。まあ、詳しい話は中で聞こう。まずは街に入りなさい。通行税は、子供一人と犬一匹で銅貨7枚だ」
……通行税!
うん、知ってた! 前の人達がお金みたいなものを渡してたし!
でも犬もカウントされるの!?
私はこの世界の通貨なんて、当然一枚も持っていない。
ポイントなら死ぬほどあるけど、ここでいきなり「ポイントで払えますか?」なんて言ったら、一発で不審者確定だ!
記憶喪失の少女設定ならお金払わずに保護してもらえるかもと思ったけど、現実はいつだって、つらく厳しいもんだな!
私が固まっていると、衛兵さんが怪訝な顔をする。
「どうした? お金、持ってないのか?」
「あ……う、はい。何も……」
しゅん、とうつむく私。これも演技だ!
衛兵さん二人は、顔を見合わせて困ったように唸った。
「うーむ、金なしか……」
「規則は規則だ。タダで入れるわけにはいかねぇぞ」
まずい、このままじゃ門前払いだ!
何か、何か手は……!
私が必死で打開策を考えていると、優しい方の衛兵さんが、もう一人に耳打ちする。
「おい、隊長に掛け合ってみろよ。記憶喪失の迷子だ。特例で通してやれねぇか?」
「……それもそうだな。よし、ちょっと待ってな、嬢ちゃん」
最初の衛兵さんが、門の脇にある小さな詰所に駆け込んでいく。
しばらくすると、少し恰幅のいい、隊長さんらしき人が出てきて、私をじろじろと見た後、部下の衛兵さんに何かを頷く。
最初の衛兵さんが、明るい顔で戻ってくる。
「よし、隊長の許可が出た! 今回は特別に通してやる! その代わり、真っ直ぐ衛兵の詰所まで来てもらう。迷子として正式に保護しなきゃならんからな。文句はないな?」
願ったり叶ったりだ!
むしろ、そっちの方が安全で助かる!
「はい! ありがとうございます!」
ぺこりと頭を下げると、衛兵さんは「おう」と少し照れ臭そうに頷く。
そしてこじんまりした衛兵の詰所に連れていかれる。
そこで、名前と、記憶がないこと、森で目を覚ましたことなどを正直に(フリをして)話す。
衛兵さんたちは、私の話をもとに「迷子保護届」のような書類を作成し、「この街に、お前さんを探してるっつー届け出は今のところないな」と教えてくれた。
さて、問題はこれからどうするかだ。
隊長さんが、腕を組んで言う。
「さて、お嬢ちゃん。あんたの身元が分かるまで、どこかに預かってもらわんとならん」
「行くべき場所がある、ということですか?」
「ああ。俺たちみたいなのが、あんたみたいな子を見つけたら、真っ先に連れて行く場所さ」
隊長さんが指差した窓の外。そこには、どんな素晴らしい場所が待っているというのだろうか!
優しい衛兵さんが、記憶喪失の迷子の少女を預ける場所。
それはもう、一つしかない。ふかふかのベッド! 温かいスープ! そして、天使のようなシスターたちがお出迎えしてくれる、愛に満ちた場所!
「孤児院だな」
キターーー! 異世界ファンタジー小説で100回は見たやつ!
私の異世界ライフ、いよいよテンプレ展開の王道を突き進み始めたようだ!
私の迫真の演技に、衛兵さん二人は顔を見合わせた。
「おい、まさか……記憶がないのか?」
「……そのようだな。どこかのお貴族様か、商人の子かね。身なりは綺麗だが」
「ああ。少なくとも、この辺の村の子じゃなさそうだ」
ふむふむ。どうやら、私の演技と、魔法で常に清潔に保たれたこの格好のおかげで、「どこか育ちの良いお嬢さんが、何らかのトラブルに巻き込まれて記憶を失った」というストーリーで納得してもらえたらしい!
「して、そっちの白いのは、まさか魔物か? 珍しい犬っころのようにも見えるが……」
強面の衛兵さんの視線が、私の足元で不安げにしているコロに向けられる。コロは、大きな衛兵さんを前にして少しだけ緊張しているのか、私の足にぴとっとくっついている。
「この子はコロです! 森で、危ないところを助けてくれました! 魔物じゃありません、とっても、とってもいい子なんです!」
私はコロをぎゅっと抱きしめた。
私の腕の中で、コロが「クゥン」と、子犬のような甘い鳴き声を出す。
ナイスアシスト、コロ! 演技派だね、君!
優しい方の衛兵さんが、屈んでコロの頭をそっと撫でた。
「ほう、人懐っこいじゃないか。確かに、悪い生き物には見えんな」
最初の衛兵さんが、ふむ、と頷く。
「分かった。まあ、詳しい話は中で聞こう。まずは街に入りなさい。通行税は、子供一人と犬一匹で銅貨7枚だ」
……通行税!
うん、知ってた! 前の人達がお金みたいなものを渡してたし!
でも犬もカウントされるの!?
私はこの世界の通貨なんて、当然一枚も持っていない。
ポイントなら死ぬほどあるけど、ここでいきなり「ポイントで払えますか?」なんて言ったら、一発で不審者確定だ!
記憶喪失の少女設定ならお金払わずに保護してもらえるかもと思ったけど、現実はいつだって、つらく厳しいもんだな!
私が固まっていると、衛兵さんが怪訝な顔をする。
「どうした? お金、持ってないのか?」
「あ……う、はい。何も……」
しゅん、とうつむく私。これも演技だ!
衛兵さん二人は、顔を見合わせて困ったように唸った。
「うーむ、金なしか……」
「規則は規則だ。タダで入れるわけにはいかねぇぞ」
まずい、このままじゃ門前払いだ!
何か、何か手は……!
私が必死で打開策を考えていると、優しい方の衛兵さんが、もう一人に耳打ちする。
「おい、隊長に掛け合ってみろよ。記憶喪失の迷子だ。特例で通してやれねぇか?」
「……それもそうだな。よし、ちょっと待ってな、嬢ちゃん」
最初の衛兵さんが、門の脇にある小さな詰所に駆け込んでいく。
しばらくすると、少し恰幅のいい、隊長さんらしき人が出てきて、私をじろじろと見た後、部下の衛兵さんに何かを頷く。
最初の衛兵さんが、明るい顔で戻ってくる。
「よし、隊長の許可が出た! 今回は特別に通してやる! その代わり、真っ直ぐ衛兵の詰所まで来てもらう。迷子として正式に保護しなきゃならんからな。文句はないな?」
願ったり叶ったりだ!
むしろ、そっちの方が安全で助かる!
「はい! ありがとうございます!」
ぺこりと頭を下げると、衛兵さんは「おう」と少し照れ臭そうに頷く。
そしてこじんまりした衛兵の詰所に連れていかれる。
そこで、名前と、記憶がないこと、森で目を覚ましたことなどを正直に(フリをして)話す。
衛兵さんたちは、私の話をもとに「迷子保護届」のような書類を作成し、「この街に、お前さんを探してるっつー届け出は今のところないな」と教えてくれた。
さて、問題はこれからどうするかだ。
隊長さんが、腕を組んで言う。
「さて、お嬢ちゃん。あんたの身元が分かるまで、どこかに預かってもらわんとならん」
「行くべき場所がある、ということですか?」
「ああ。俺たちみたいなのが、あんたみたいな子を見つけたら、真っ先に連れて行く場所さ」
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優しい衛兵さんが、記憶喪失の迷子の少女を預ける場所。
それはもう、一つしかない。ふかふかのベッド! 温かいスープ! そして、天使のようなシスターたちがお出迎えしてくれる、愛に満ちた場所!
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