神様のミスで死んだので、神獣もふもふと異世界インターネットで快適スローライフ始めます ~最強生活チートと1000万ポイントでポチりまくり!~

幸せのオムライス

文字の大きさ
73 / 159
第一章 森の生活と孤児院改革:アップデートと旅立ちの決意

第73話 ビジネス始動! でも資材も場所も人手も足りません!

しおりを挟む
(よし、味は決まった。次は、これを商品として市場に送り出すための、量産計画ね!)

 しかし、そう意気込んだ瞬間、私の思考は、いくつかの巨大な壁にぶち当たった。

 まず、第一の壁。『資材調達』。

(この試作品の瓶は、市場で一つだけ買ったサンプル品。例えば、最初のロットとして50個や100個売るにしても、当然、それと同じ数の瓶が必要になる。市場で一つ一つ買っていたら、コストがかかりすぎるし、そもそも在庫があるかどうかも分からない。卸売業者から安く仕入れるには……商業ギルドの登録証がいるわよね)

 次に、第二の壁。『パッケージング』。

(市場で買った麻紐みたいなリボンじゃ、せっかくの『妖精の宝石』が台無しだわ。もっと商品の価値を高める、美しいリボンが欲しい。でも、そんなもの、この街のどこで売ってるんだろう……)

 そして、最大にして最難関の壁。『製造拠点』。

(夜中にこっそり厨房を借りて、試作品を数個作るくらいならまだしも、一度に50個、100個ものジャムを煮詰めるなんて、絶対に無理! かまどは一つしかないし、何より、マーサさんに見つかったら「あんた、ここで何を煮詰めてるんだい!?」って、魔女裁判が始まっちゃう!)

 私は、頭を抱えた。
 商品のアイデアとレシピは完璧。でも、それを実現するための、資材、設備、そして何より『商人』としての社会的信用が、私には何一つなかったのだ。

(ダメだわ。この孤児院にいる限り、私のビジネスは、この一瓶の試作品から一歩も先に進めない……!)

 快適なスローライフのためには、安定した収入源が必要。
 そのためには、このジャムを売らなければならない。
 そして、このジャムを売るためには、まず、この孤児院を出て、自分自身の『城』……つまり、事業の拠点を構えなければならないのだ。

(……そうか。市場に打って出る前に、まず、そのための準備を整えなきゃいけないんだ)

 思考が、クリアになる。
 旅立ちの時が、来たのだ。

 しかし、そのためには、超えなければならない壁がもう一つあった。
 それは、私一人ではどうにもならない、物理的な問題。
 そう、『人手』だ。

 魅力的な商品は作れるし、販売計画も頭の中にある。交渉だって、私のスキルがあれば一人でもなんとかなるだろう。
 でも、商品の製造、販売、在庫管理、そして警備……。これら全てを一人でこなすのは、物理的に不可能だ。私には体が一つしかないのだから。
 ビジネスを拡大させるためには、私の手足となって動いてくれる、信頼できるスタッフが絶対に必要になる。

(……誰か、私の計画を理解して、手伝ってくれる人はいないだろうか。この街の事情に詳しくて、信頼できて、そして、私の無茶な計画に、面白がって乗ってくれるような、そんな人が……)

 私の脳裏に、一人の人物の顔が浮かんだ。
 ぶっきらぼうで、素直じゃなくて、でも、根は優しくて、誰よりもこの孤児院のことを考えている、年長の少年。

(……リックしか、いない)

 でも、どうやって誘うか。
 プライドの高い彼のことだ。「手伝って」とストレートにお願いしても、「なんで俺が」と突っぱねられるのがオチだろう。
 ここは、彼の心を動かす、完璧なプレゼンテーションが必要だ。
 元OLの交渉スキルが、今、試される時!

 その日の朝食後。
 私は、食後の片付けを手伝ってくれていたリックを、呼び止めた。

「リックお兄ちゃん、ちょっといいかな?」

「だから、お兄ちゃんって言うなって!」

 うん、今日も元気なツッコミ、ありがとう!
 私は、そんな彼を、厨房の隅へと手招きする。

 そして、秘密兵器を、おもむろに取り出した。
 そう、昨夜のうちに完成させておいた、『妖精の宝石ジャム』の最終試作品だ。

「これ、ちょっと味見してみてくれないかな?」

「……なんだよ、これ」

 リックは、怪訝な顔で小さなガラス瓶を受け取る。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

異世界転生日録〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆感想の受付開始しました。 【あらすじ】   異世界に転生したルイは、5歳の高熱を境に、記憶を取り戻す。一度は言ってみたい「ステータス・オープン」で、ステータスを見れることに気付いた。スキル「生活魔法∞(無限大)」を発見。その意味を知るルイは、仄かに期待を抱いた。  それと同時に、今世の出自である農家の四男は、長男大事な両親の態度に、未来はないと確信。  家族に隠れて、ステータスにあったスキルの一つ「鑑定」を使い、村のお婆(薬師)相手に、金策を開始。  十歳の時に行われたスキル鑑定の結果を父に伝えたが、農家向きのスキルではなかったルイは「家の役には立たない」と判断され、早々に家を追い出される。   だが、追放ありがとう!とばかりに、生活魔法を知るべく、図書館がある街を目指すことにしたルイ。  最初に訪れた街・ゼントで、冒険者登録を済ませる。だがそのギルドの資料室で、前世の文字である漢字が、この世界の魔法文字だという事実を知ることになる。  この世界の魔法文字を試したルイは、魔法文字の奥深さに気づいてしまった。バレないように慎重に……と行動しているつもりのルイだが、そんな彼に奇妙な称号が増えて行く。  そして、冒険者ギルドのギルドマスターや、魔法具師のバレンと共に過ごすうちに、バレンのお師匠様の危機を知る。  そして彼に会いにいくことになったが、その目的地が、図書館がある魔法都市アルティメットだった。  旅の道中もさることながら、魔法都市についても、色々な人に巻き込まれる運命にあるルイだったが……それを知るのは、まだ先である。 ☆見切り発車のため、後日変更・追記する場合があります。体調が不安定のため、かける時に書くスタイルです。不定期更新。 ☆カクヨム様(吉野 ひな)でも先行投稿しております。

子ドラゴンとゆく、異世界スキル獲得記! ~転生幼女、最強スキルでバッドエンドを破壊する~

九條葉月
ファンタジー
第6回HJ小説大賞におきまして、こちらの作品が受賞・書籍化決定しました! ありがとうございます! 七歳の少女リーナは突如として前世の記憶を思い出した。 しかし、戸惑う暇もなく『銀髪が不気味』という理由で別邸に軟禁されてしまう。 食事の量も減らされたリーナは生き延びるために別邸を探索し――地下室で、ドラゴンの卵を発見したのだった。 孵化したドラゴンと共に地下ダンジョンに潜るリーナ。すべては、軟禁下でも生き延びるために……。 これは、前を向き続けた少女が聖女となり、邪竜を倒し、いずれは魔王となって平和に暮らす物語……。

現代知識と木魔法で辺境貴族が成り上がる! ~もふもふ相棒と最強開拓スローライフ~

はぶさん
ファンタジー
木造建築の設計士だった主人公は、不慮の事故で異世界のド貧乏男爵家の次男アークに転生する。「自然と共生する持続可能な生活圏を自らの手で築きたい」という前世の夢を胸に、彼は規格外の「木魔法」と現代知識を駆使して、貧しい村の開拓を始める。 病に倒れた最愛の母を救うため、彼は建築・農業の知識で生活環境を改善し、やがて森で出会ったもふもふの相棒ウルと共に、村を、そして辺境を豊かにしていく。 これは、温かい家族と仲間に支えられ、無自覚なチート能力で無理解な世界を見返していく、一人の青年の最強開拓物語である。 別作品も掲載してます!よかったら応援してください。 おっさん転生、相棒はもふもふ白熊。100均キャンプでスローライフはじめました。

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!

グラサン幼女の異世界とらべるっ! ~最強の【魔眼】を宿す転生幼女は、もふかわ神獣を連れてスローライフな旅路を楽しみます~

空戯ケイ
ファンタジー
社畜OL、水城愛璃(みずきあいり)は、女神のうっかりミスにより25歳の若さで死んだ。 お詫びとして女神が提案したのは、オッドアイの幼女ボディへの転生。 そうして幼女の姿で異世界転生を果たしたアイリだったが、 特異体質により『感情が高ぶると暴発する魔眼』が宿っていることが発覚! しかも両目!? それを封じるため、女神から与えられたユニークスキルは、『神のサングラス』。 このサングラスをかければ、魔眼の暴発を抑えられるらしいけど……常にグラサンかけてる幼女とか怪しすぎじゃない!? だけど、とある"激レア魔道具"があれば 、なんと魔眼を完治できるらしい。 ならばその魔道具を手に入れるため、異世界を巡るしかないっ! さらに旅の道すがら、もふもふフェンリルや忍者少女、特異スライムを仲間にし、珍道中はさらに加速していって――!! まったりのんびりをモットーに、たまに魔物や刺客に襲われちゃう。 【グラサン幼女】の破天荒な異世界旅が始まる! ※更新は不定期です。

僕のギフトは規格外!?〜大好きなもふもふたちと異世界で品質開拓を始めます〜

犬社護
ファンタジー
5歳の誕生日、アキトは不思議な夢を見た。舞台は日本、自分は小学生6年生の子供、様々なシーンが走馬灯のように進んでいき、突然の交通事故で終幕となり、そこでの経験と知識の一部を引き継いだまま目を覚ます。それが前世の記憶で、自分が異世界へと転生していることに気付かないまま日常生活を送るある日、父親の職場見学のため、街中にある遺跡へと出かけ、そこで出会った貴族の幼女と話し合っている時に誘拐されてしまい、大ピンチ! 目隠しされ不安の中でどうしようかと思案していると、小さなもふもふ精霊-白虎が救いの手を差し伸べて、アキトの秘めたる力が解放される。 この小さき白虎との出会いにより、アキトの運命が思わぬ方向へと動き出す。 これは、アキトと訳ありモフモフたちの起こす品質開拓物語。

【完結】憧れのスローライフを異世界で?

さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。 日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。

ボクは転生者!塩だけの世界で料理&領地開拓!

あんり
ファンタジー
20歳で事故に遭った下門快斗は、目を覚ますと――― “塩しか存在しない世界”に転生していた。 前世の記憶を持ったまま生まれ変わった少年、カイト・ブラウン・マーシュ。 塩だけの世界に少しずつ調味料を足し、沖縄風の料理を作り、仲間たちと笑い合い、小さな領地を発展させていく日々。 家族に愛され、周囲に愛され、穏やかに育っていく―― はずだった。 5歳の誕生日。 王都でカイトを待っていたのは、 300年前の“稀人”との遺物、 王太子妃を巡る陰謀、 そして王家を揺るがす思惑。 これは、ただのスローライフでは終わらない。 食は人を変え、 人は国を変え、 やがて世界の均衡さえ動かしていく。 グルメ×領地発展×国家ドラマ 愛に包まれて育った少年が 世界の“調和”を変えてしまう物語。

処理中です...