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第二章 ヤマネコ商会、爆誕!:行列のできる露店
第110話 看板犬コロの営業スマイル! 貴婦人のハートを鷲掴み
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釣り針に魚がかかった。
「あら、まあ! なんて可愛いわんちゃんかしら!」
上品なドレスを身にまとった貴婦人と、その娘らしき少女が、コロに吸い寄せられるように足を止めた。
彼女たちの服装や身につけている宝石からして、間違いなく富裕層。
ビンゴ! メインターゲットだ!
「いらっしゃいませ、奥様! お目が高い! この子は当店の看板犬、コロです」
私は満面の営業スマイルで話しかける。
「まあ、お利口さんねぇ。毛並みも真っ白で、まるで絹みたい」
貴婦人がコロの頭を撫でると、コロは気持ちよさそうに目を細め、彼女の手にすり寄る。
娘さんも「か、可愛い……!」と目を輝かせている。
よし、ハートは掴んだ。
ここで畳み掛ける!
「奥様、ただいま当店では、遠い東の国から届いたばかりの『妖精の宝石』を販売しております。よろしければ、ご試食いかがですか?」
「妖精の宝石……?」
貴婦人が、興味深そうに陳列台を見る。
ベルベットの上に並べられた、ルビー色に輝く小瓶たち。
そして、その横から漂ってくる、芳醇な香り。
「甘くて、酸っぱくて、とろけるような『ジャム』という食べ物です。一口食べれば、まるで森の妖精に祝福されたような気分になれますよ」
私はそう言って、小さなスプーンにすくったジャムと、一口大に切ったクラッカー(これも通販)を差し出した。
貴婦人は、少し躊躇したものの、その美しい色と香りに誘われるように、ジャムを口へと運んだ。
ぱくり。
その瞬間。
貴婦人の目が、カッ! と大きく見開かれた。
「…………!!」
彼女は口元を上品に手で隠したが、その驚きは隠しきれていない。
隣で同じく試食した娘さんが、素直な感想を叫んだ。
「お母様! なにこれ! すごく美味しい! 甘いのに、きゅんってする!」
「ええ……! まるで果実そのものを、ぎゅっと閉じ込めたような……こんな濃厚な味、初めてだわ!」
勝った。
私は心の中でガッツポーズを決める。
この世界には、まだ砂糖をふんだんに使って果物を煮詰めるという贅沢な加工法は普及していないようだ。市場でも見かけなかったし、果物はそのまま食べるか、干すか、酒にするのが主流なのだろう。
つまり、このジャムの味は彼女たちにとって言わば「未知との遭遇」なのだ!
「それに、この飲み物……。ただの薬草茶じゃないわね? 苦味が全くなくて、香りがすごくいいわ」
試飲用のハーブティーを口にした貴婦人が、はぁ、とため息をつく。
「はい。こちらは『安らぎのハーブティー』です。心と体を癒やす、特別な製法で作られております」
「素晴らしいわ……。これ、いただくわ。おいくらかしら?」
きた、クロージングの時だ。
私は、背筋を伸ばし、堂々と価格を提示する。
「ジャムは一瓶、大銅貨2枚。クッキーとハーブティーは、それぞれ中銅貨5枚になります」
後ろでリックが「ひっ」と息を呑む気配がした。
うん、無理もないね。この街の庶民の感覚からすれば、ジャム一瓶でパンが20個は買える値段だ。普通のランチなら数回分にはなるんだろう。
だが、私が売っているのはただの保存食ではない。『未知の体験』であり『ブランド』なのだ。競合がいない以上、価格は私が決める。
そして、私の読み通り、貴婦人は眉一つ動かさなかった。
「あら、そんなにお安くていいの? 東の国の輸入品なら、もっとするかと思ったけれど」
「開店記念の特別価格ですので!」
「そう。じゃあ、ジャムを3つと、クッキーとハーブティーも全部セットでちょうだい。お友達にも配りたいから」
「ありがとうございます!!」
チャリン、チャリン、と。
銀のトレーの上に、硬貨が積み上げられる。
その額、大銅貨7枚。つまり、日本円にして7,000円。
最初の一客だけで、高額な場所代の7割を売り上げてしまった!
「あら、まあ! なんて可愛いわんちゃんかしら!」
上品なドレスを身にまとった貴婦人と、その娘らしき少女が、コロに吸い寄せられるように足を止めた。
彼女たちの服装や身につけている宝石からして、間違いなく富裕層。
ビンゴ! メインターゲットだ!
「いらっしゃいませ、奥様! お目が高い! この子は当店の看板犬、コロです」
私は満面の営業スマイルで話しかける。
「まあ、お利口さんねぇ。毛並みも真っ白で、まるで絹みたい」
貴婦人がコロの頭を撫でると、コロは気持ちよさそうに目を細め、彼女の手にすり寄る。
娘さんも「か、可愛い……!」と目を輝かせている。
よし、ハートは掴んだ。
ここで畳み掛ける!
「奥様、ただいま当店では、遠い東の国から届いたばかりの『妖精の宝石』を販売しております。よろしければ、ご試食いかがですか?」
「妖精の宝石……?」
貴婦人が、興味深そうに陳列台を見る。
ベルベットの上に並べられた、ルビー色に輝く小瓶たち。
そして、その横から漂ってくる、芳醇な香り。
「甘くて、酸っぱくて、とろけるような『ジャム』という食べ物です。一口食べれば、まるで森の妖精に祝福されたような気分になれますよ」
私はそう言って、小さなスプーンにすくったジャムと、一口大に切ったクラッカー(これも通販)を差し出した。
貴婦人は、少し躊躇したものの、その美しい色と香りに誘われるように、ジャムを口へと運んだ。
ぱくり。
その瞬間。
貴婦人の目が、カッ! と大きく見開かれた。
「…………!!」
彼女は口元を上品に手で隠したが、その驚きは隠しきれていない。
隣で同じく試食した娘さんが、素直な感想を叫んだ。
「お母様! なにこれ! すごく美味しい! 甘いのに、きゅんってする!」
「ええ……! まるで果実そのものを、ぎゅっと閉じ込めたような……こんな濃厚な味、初めてだわ!」
勝った。
私は心の中でガッツポーズを決める。
この世界には、まだ砂糖をふんだんに使って果物を煮詰めるという贅沢な加工法は普及していないようだ。市場でも見かけなかったし、果物はそのまま食べるか、干すか、酒にするのが主流なのだろう。
つまり、このジャムの味は彼女たちにとって言わば「未知との遭遇」なのだ!
「それに、この飲み物……。ただの薬草茶じゃないわね? 苦味が全くなくて、香りがすごくいいわ」
試飲用のハーブティーを口にした貴婦人が、はぁ、とため息をつく。
「はい。こちらは『安らぎのハーブティー』です。心と体を癒やす、特別な製法で作られております」
「素晴らしいわ……。これ、いただくわ。おいくらかしら?」
きた、クロージングの時だ。
私は、背筋を伸ばし、堂々と価格を提示する。
「ジャムは一瓶、大銅貨2枚。クッキーとハーブティーは、それぞれ中銅貨5枚になります」
後ろでリックが「ひっ」と息を呑む気配がした。
うん、無理もないね。この街の庶民の感覚からすれば、ジャム一瓶でパンが20個は買える値段だ。普通のランチなら数回分にはなるんだろう。
だが、私が売っているのはただの保存食ではない。『未知の体験』であり『ブランド』なのだ。競合がいない以上、価格は私が決める。
そして、私の読み通り、貴婦人は眉一つ動かさなかった。
「あら、そんなにお安くていいの? 東の国の輸入品なら、もっとするかと思ったけれど」
「開店記念の特別価格ですので!」
「そう。じゃあ、ジャムを3つと、クッキーとハーブティーも全部セットでちょうだい。お友達にも配りたいから」
「ありがとうございます!!」
チャリン、チャリン、と。
銀のトレーの上に、硬貨が積み上げられる。
その額、大銅貨7枚。つまり、日本円にして7,000円。
最初の一客だけで、高額な場所代の7割を売り上げてしまった!
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