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28 最悪で最高な夢
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王から頂いた鎧は完璧だった。
磨かれた胸当て、傷ひとつない兜、刃こぼれのない剣。
戦場の土と血を吸い込むような重ささえ、兵士は歩みを乱さない。
魔族が、目の前で息を吐く。
爪が鳴り、牙が光る。
獣のような気配。だが、獣より理性がない――ただ壊すために動く影。
兵士は動かない。
距離を測る。
二歩半。
まだ遠い。
まだ届かない。
「まだ」は、恐れではない。
それは、守るための時間だ。
魔族が飛び込んでくる。
その刹那、兵士は避けた。
一歩。
半歩。
体を滑らせるように。
刃が届く距離には入らない。
殺意の外側に、常に立ち続ける。
魔族の爪が空を切り、胴が開く。
そこに生まれたわずかな隙。
二歩半が、二歩になる。
兵士は息を吸い、吐いた。
剣は振り下ろされない。
振り回されない。
必要な分だけ動き、必要な場所にだけ斬撃が流れる。
首元が、静かに裂けた。
魔族が崩れる。
巨体が地に落ちる音が遅れて響く。
次の魔族が吠える前に、兵士はもう次の距離へ移っている。
避ける。
避ける。
斬る。
踊っているように見えるのは、感情ではなく規則だった。
彼は、怒らない。
焦らない。
ただ、距離を守り、距離を崩す瞬間だけを使う。
周囲の兵士たちが、息を呑んだ。
「す、すげぇ……」
「最強の剣士だ……!」
歓声が上がる。
街は守られた。
今日もまた、誰かの家の灯りが消えずに済んだ。
先代の王が、広場に出てきた。
よく通る声で言う。
「見事であった!」
その横で、まだ若い王が立っていた。
王冠は重そうで、顔には疲労が滲んでいたが、目だけは真っ直ぐだった。
若き王は、兵士に近づき、頭を下げた。
「見事な活躍だった」
兵士は兜の奥で、ただ頷いた。
褒美が渡される。
金貨の袋。
掌にのせると、ずしりと重い。
だが、兵士の胸の中は軽くならない。
足りない。
金がいる。
もっと、いる。
兵士たちが笑いながら肩を叩く。
「飲もうぜ!」
「今日は勝ったんだ!」
兵士は首を振る。
「……行かない」
「えー、つれねぇな!」
残念がる声が背中に飛ぶ。
兵士は振り返らない。
金貨の袋は、剣よりも重かった。
それは命を奪う道具じゃない。
命を繋ぐための、ただの重さだ。
◆
教会の鐘は、戦勝の鐘ではなく、日常の鐘を鳴らしていた。
石造りの壁は冷たく、空気は少し湿っている。
外の喧騒が嘘みたいに静かで、祈りの声だけがかすかに漂っていた。
裏庭では、子どもたちが遊んでいた。
遊んでいる、というより、遊ぶふりをしている。
服はボロボロで、髪はぼさぼさ。
笑う力を残している子と、残していない子がいる。
痩せた男の子が、地面に座り込んでいた。
目は開いているのに、焦点がない。
小さな妹が、その肩を揺すっている。
「兄ちゃん」
「動かなくなっちゃった……」
その声は泣いていない。
泣く余裕がない声だった。
兵士は、そこで初めて兜を外した。
若い顔だった。
凛とした二十歳の男の顔。
戦場の泥は拭っても、目の奥に残るものは拭えない。
彼は涙を拭い、女神像の前で目を閉じた。
祈りの言葉は出てこない。
ただ、息をする。
足音が近づいた。
シスターが、静かに歩いてくる。
「ガルド……」
兵士――ガルドは金貨を差し出した。
「子どもたちのために」
「食事と、服と……」
「勉強も」
シスターは驚いたように目を伏せる。
「あなたも、戦争孤児だったのに」
「こんなに立派な兵士になって……」
「それに、寄付まで……」
ガルドは首を振った。
「寄付じゃない」
「未来の平和のためだ」
その言葉は、子どもに向けたものでも、女神に向けたものでもない。
自分が崩れないための言葉だった。
彼は兜をかぶり直す。
鎧が擦れる音が、教会の静けさに響いた。
石の壁から外へ出ると、城下町の現実が戻ってくる。
焼けた家。
血で汚れた道。
魔族の爪痕は、勝利の声より長く残る。
ガルドは歩く。
歩幅は一定。
視線は遠い。
距離を測り続ける目。
――そのとき。
瓦礫の影が動いた。
小さな魔族だ。
生き残り。隠れていたのだ。
魔族は、通りを歩く少女に飛びかかった。
少女は気づかない。
足取りは軽い。
生き残った者の足取りだった。
ガルドは走った。
距離を測る前に身体が動いた。
理由は一つしかない。
救う。
その気持ちが距離を奪った。
ガガッ!
少女を抱きかかえた瞬間、右腕に鋭い痛みが走る。
熱いものが噴き出し、鎧の隙間から血が流れた。
深い。
どくどくと、命の音が漏れる。
少女は無傷だった。
よかった――その安心が遅れて胸を刺す。
少女は泣きわめいた。
ガルドは左腕で抱え、必死に距離を取る。
魔族は、また襲いかかる。
少女を下ろす時間がない。
右腕はだらんとぶら下がり、指先に力が入らない。
ガルドは左手で剣を握った。
握れる。
振れる。
まだ、終わっていない。
距離を詰める。
斬れる距離に入る。
その瞬間――
ザン。
一刀両断。
魔族の身体は二つに別れ、宝石が散った。
戦利品の輝きは、冷たい。
ガルドはふと振り返った。
少女は泣いていなかった。
ただ、まっすぐこちらを見つめていた。
怖がるでもなく、怯えるでもなく。
覚えるように、見ていた。
ガルドは剣を納め、立ち去る。
少女を抱いた温もりが、まだ左手に残っている。
右手は冷たく、動かない。
頭が真っ白になっていく。
少女は守れた。
だが剣士としての役目を失ったのは、たった一瞬だった。
◆
目が覚める。
天井。
ガルドの家の、見慣れた木の梁。
朝の光が、薄く差し込んでいる。
彼は右手を上げた。
拳を握ろうとする。
だが、指が言うことをきかない。
力が入らない。
震えるだけだ。
「……ダメだ」
声が、かすれた。
「やはり……力が入らない」
彼は天井を見つめたまま、息を吐いた。
距離を測る目は残った。
配置を読む頭も残った。
だが、剣を振る手は戻らない。
その代わりに、彼は今日も――
遠くを見て、距離を測る。
ただ、それだけで世界を守れる場所があるなら。
◇
小鳥が鳴く。
まだ寝ぼけた音で、枝から枝へ移って、光の粒をついばむようにさえずる。
犬が走り回る。目的はたぶん無い。尻尾を追いかけて、途中で飽きて、また走る。
芝域の方から、草の匂いを含んだ風が抜けてくる。
その風の中を、妖精が飛んでいる。
「芝、げんき」
肩のあたりで、シルフィがふわふわしながら言った。
「朝から芝の健康診断ですか」
「てぃーあっぷ!」
「聞いてない単語が増えたな」
シルフィはくるっと回って、羽で朝の光を砕く。
そのきらきらが目に入るだけで、頭の中の余計なノイズが薄くなる。
俺は庭先で、いつもの素振りを始めた。
金属製シャフトの7番アイアン。ドラン製。
握ると軽いのに芯がある。
力は入れない。肩をすくめない。手首をいじめない。
回して、戻す。回して、戻す。
(同じ動きができるだけで、こんなに安心するんだな)
少し離れたところで、ガルドが遠くを見ていた。
剣も鎧もないのに、背中だけで「兵士」と分かる。
視線が滑るように動く。距離を測っている目だ。
「……魔族の気配はない」
「よかった」
俺は素直に言った。
「朝から魔族いると、パンがまずくなる」
「関係ない」
「関係あるよ」
ガルドは返事をしない。返事をしないことで会話を成立させる男だ。
「朝ごはんできましたよー!」
ローナの声がして、俺はクラブを下ろした。
家の中に入ると、湯気と匂いが迎えてくる。
スープ、パン、果物。今日は焼き魚まである。
(町が燃えてない日の献立だ)
「いただきます」
ローナと俺が手を合わせた、その向かい側でも手が合わせられた。
「いただきます」
そして、もぐもぐ。
……リリアーナ姫だ。
普通に座ってる。
普通にパン持ってる。
普通にもぐもぐしてる。
(王族の“お忍び”って、ここまで日常に溶けるのか)
ガルドが気づいたのは、姫が二口目に入ったあたりだった。
「……リリアーナ様」
ガルドは低く言う。
「せめて、手を洗ってください」
姫はパンを口に入れたまま、ぴたりと止まる。
「……あら」
もぐもぐ、飲み込んで。
「はしたないですわね」
自分で言って、自分で立つ。
そして洗い場へ向かう。
ローナが小さく笑った。
俺も思わず笑ってしまう。
「姫、素直だよね」
「素直なのは美徳です」
ローナはさらっと言う。
(いや、今のは場慣れの問題だと思う)
姫が手を洗って戻ってくる。
「改めて、いただきます」
「丁寧だな」
「距離の問題です」
(距離って便利な言葉だなぁ)
◆
食後、ガルドががさごそと奥の部屋を探り始めた。
「何してんの?」
返事はない。
そのまま奥から袋を持って出てきた。
麻袋。重そうだ。
「出かける」
ガルドが言う。
「昼には帰る」
「行ってらっしゃいませ」
ローナが自然に言った。
姫はぱっと顔を上げた。
「ガルド、どこへ?」
「用事だ」
姫は少し不満そうに頬を膨らませ、それから俺を見る。
「ナオキさん」
「パターを教えてください」
(唐突)
「えっと……」
俺が言葉を探していると、ガルドが扉の前で振り返った。
「……パターは転がすだけだ」
「それが難しいんです」
姫は真顔で言う。
「転がすのに、距離がいるんです」
(姫、距離の本質に触れてるの怖いな)
俺はガルドに声をかけた。
「おい、ガルド」
「俺の監視は?」
「問題ない」
「問題あるだろ」
俺は食い気味に言う。
「王の命令は?」
ガルドは一拍置いて、ため息みたいに言った。
「……仕方ない」
「おまえも来い」
「やった」
反射で口が出た。
姫がぱちぱち瞬きをする。
「え!」
「パターは!?」
「自主練しとくように」
俺は即答した。
姫は一瞬固まってから、きちんと頷いた。
「わかりました」
(いい生徒だ……)
シルフィが梁の上から言う。
「じしゅれん」
「えらい」
「先生ぶるな」
◆
城下町の朝は、光が美しい。
石畳は夜露を残して冷たく、朝日が差し込むとそこだけ温度が変わる。
窓辺の花が揺れ、壁のひび割れさえ絵になる。
歩くたび、靴音が小さく響いて、まるで美術館の廊下を進んでいるみたいだった。
その先をガルドが歩く。
歩幅は一定。背筋は真っ直ぐ。
この人の背中は「距離」でできている。
俺は後ろからついて行きながら、暇になった。
だから、ウェッジを取り出した。
右手だけで握る。金属シャフトのウェッジ。ドラン製。
軽い。反発が素直。
俺は足元に玉を落として、つま先で拾い、トンと上げた。
コン。
玉が空中で小さく跳ねる。
それをフェースで受けて、また上げる。
コン、コン。
一定の高さ。一定のリズム。
落とさない。
しかもそのまま歩く。
コン、コン、コン。
ガルドが前を向いたまま言った。
「……うまいものだな、右手だけで」
「左手もできる、あらよっと」
俺はクラブを持ち替えて、やってみせた。コンコン、といい音が響く。
「左手でもか……」
ガルドは、何かを思い出すように俺の左手を見つめる。少し昔話でもしよう。
「会社で嫌なことがあるとさ」
俺はコンコンしながら言う。
「こうやって遊んで慰めるんだ」
「かいしゃ? なんだそれは?」
「悪い夢さ」
ガルドが少しだけ間を置いた。
「……今日、俺も夢を見た」
「最悪で、最高な……」
「どっちだよ?」
「わからん」
コン。
俺は玉を落としかけて、ギリギリで拾う。
「今危なかった」
「……ついた」
ガルドが言った。
目の前にあるのは、古びた建物。
尖塔。石の壁。
扉の上に、女神の紋章。
教会だった。
◆
中に入ると、空気が変わる。
戦場の匂いも、芝の匂いも、ここにはない。
あるのは蝋と木と、少しだけ古い布の匂い。
静かで、柔らかい。
そして、子どもたちの声。
「ガルドだ!」
「遊ぼー!ガルド!」
子どもたちが駆け寄ってくる。
名前を呼ばれた瞬間、ガルドの肩がほんの少しだけ緩んだ。
(この人、こういう場所では別の顔をするんだな)
子どもたちは棒を持って、石を打っていた。
「見て!これすごいだろ!」
「ほら、飛んだ!」
あまり上手くない。
でも目が真剣だ。
真剣に遊んでいる。
ガルドが言う。
「すごいな」
子どもたちが得意げに胸を張る。
俺は小さく笑って言った。
「真似してるんだな」
「芝域のやつ」
ガルドが子どもたちの頭を撫でる。
「今や、おまえは英雄だからな」
俺は肩をすくめた。
「あはは」
「ゴルフしてるだけだけどな」
ガルドが小さく、ふっと息を漏らした。
それは笑いなのか、ため息なのか、どっちでもいい音だった。
◆
ガルドは教会の奥へ進んだ。
女神像の前で短く目を閉じる。
祈りというより、呼吸を整えるみたいな時間。
そこへ年老いたシスターが現れた。
「また来たのかい」
声は優しいが、目は鋭い。
「まったく、頑固だね」
ガルドは袋を差し出した。
「……これを」
シスターが袋の口を覗いて、眉を上げる。
「もういいよ」
「こんなに」
ガルドは首を振った。
「孤児がいなくなる」
「そのときまで続ける」
「続けるって」
シスターが呆れたように笑う。
「簡単に言うねぇ」
俺が口を挟む。
「そうなんですよ、この人」
「頑固で」
シスターが俺を見る。
「あんたは?」
俺は一瞬言葉に詰まった。
(異世界人で、芝の人で、ゴルフしてただけの……)
(いや待て、自己紹介これでいいのか?)
その前にガルドが言った。
「こいつは友人です」
一瞬、空気が止まった。
そして、シスターの顔がぱっと明るくなる。
「ガルドに友達が!」
「女神様、ありがとうございます!」
「え、そんな大袈裟な」
俺は思わず言う。
ガルドは視線を逸らした。
「……行くぞ」
俺は少しだけ胸が熱くなった。
友人。
それは、ここではただの言葉じゃない。
背中を預けるって意味だ。
◆
教会を出ると、朝の光が強くなっていた。
子どもたちは外へ飛び出し、また棒で石を打ち始める。
俺はウェッジを構えて、軽く大道芸を見せた。
コン、コン、コン。
「すげー!」
「落とさない!」
わいわい、わいわい。
歓声が教会の壁に跳ね返って、空に抜けていく。
俺はガルドの横に並んで、言った。
「なあ」
「友達として言うよ」
ガルドが横目で見る。
「……なんだ」
「パターなら振れるだろ?」
ガルドは少し考えて言った。
「ころがす道具のことか」
「ああ」
俺は笑った。
「勝負しよう」
「ローナと姫と俺と、あんたで」
「なぜ?」
「遊びだよ」
俺は肩をすくめる。
「深い意味はない」
ガルドは少しだけ空を見てから言った。
「……遊びか」
そして、ほんの少しだけ口元を緩めた。
「まあ、いいだろう」
その笑いは小さくて、誰も気づかないくらいだったけど、
俺には、ちゃんと見えた。
距離の人が、距離じゃない場所に立っている。
子どもたちの歓声がまた上がる。
風は軽い。
芝は遠い。
でも、ここも平和だ。
ガルドは、少しだけ笑っていた。
磨かれた胸当て、傷ひとつない兜、刃こぼれのない剣。
戦場の土と血を吸い込むような重ささえ、兵士は歩みを乱さない。
魔族が、目の前で息を吐く。
爪が鳴り、牙が光る。
獣のような気配。だが、獣より理性がない――ただ壊すために動く影。
兵士は動かない。
距離を測る。
二歩半。
まだ遠い。
まだ届かない。
「まだ」は、恐れではない。
それは、守るための時間だ。
魔族が飛び込んでくる。
その刹那、兵士は避けた。
一歩。
半歩。
体を滑らせるように。
刃が届く距離には入らない。
殺意の外側に、常に立ち続ける。
魔族の爪が空を切り、胴が開く。
そこに生まれたわずかな隙。
二歩半が、二歩になる。
兵士は息を吸い、吐いた。
剣は振り下ろされない。
振り回されない。
必要な分だけ動き、必要な場所にだけ斬撃が流れる。
首元が、静かに裂けた。
魔族が崩れる。
巨体が地に落ちる音が遅れて響く。
次の魔族が吠える前に、兵士はもう次の距離へ移っている。
避ける。
避ける。
斬る。
踊っているように見えるのは、感情ではなく規則だった。
彼は、怒らない。
焦らない。
ただ、距離を守り、距離を崩す瞬間だけを使う。
周囲の兵士たちが、息を呑んだ。
「す、すげぇ……」
「最強の剣士だ……!」
歓声が上がる。
街は守られた。
今日もまた、誰かの家の灯りが消えずに済んだ。
先代の王が、広場に出てきた。
よく通る声で言う。
「見事であった!」
その横で、まだ若い王が立っていた。
王冠は重そうで、顔には疲労が滲んでいたが、目だけは真っ直ぐだった。
若き王は、兵士に近づき、頭を下げた。
「見事な活躍だった」
兵士は兜の奥で、ただ頷いた。
褒美が渡される。
金貨の袋。
掌にのせると、ずしりと重い。
だが、兵士の胸の中は軽くならない。
足りない。
金がいる。
もっと、いる。
兵士たちが笑いながら肩を叩く。
「飲もうぜ!」
「今日は勝ったんだ!」
兵士は首を振る。
「……行かない」
「えー、つれねぇな!」
残念がる声が背中に飛ぶ。
兵士は振り返らない。
金貨の袋は、剣よりも重かった。
それは命を奪う道具じゃない。
命を繋ぐための、ただの重さだ。
◆
教会の鐘は、戦勝の鐘ではなく、日常の鐘を鳴らしていた。
石造りの壁は冷たく、空気は少し湿っている。
外の喧騒が嘘みたいに静かで、祈りの声だけがかすかに漂っていた。
裏庭では、子どもたちが遊んでいた。
遊んでいる、というより、遊ぶふりをしている。
服はボロボロで、髪はぼさぼさ。
笑う力を残している子と、残していない子がいる。
痩せた男の子が、地面に座り込んでいた。
目は開いているのに、焦点がない。
小さな妹が、その肩を揺すっている。
「兄ちゃん」
「動かなくなっちゃった……」
その声は泣いていない。
泣く余裕がない声だった。
兵士は、そこで初めて兜を外した。
若い顔だった。
凛とした二十歳の男の顔。
戦場の泥は拭っても、目の奥に残るものは拭えない。
彼は涙を拭い、女神像の前で目を閉じた。
祈りの言葉は出てこない。
ただ、息をする。
足音が近づいた。
シスターが、静かに歩いてくる。
「ガルド……」
兵士――ガルドは金貨を差し出した。
「子どもたちのために」
「食事と、服と……」
「勉強も」
シスターは驚いたように目を伏せる。
「あなたも、戦争孤児だったのに」
「こんなに立派な兵士になって……」
「それに、寄付まで……」
ガルドは首を振った。
「寄付じゃない」
「未来の平和のためだ」
その言葉は、子どもに向けたものでも、女神に向けたものでもない。
自分が崩れないための言葉だった。
彼は兜をかぶり直す。
鎧が擦れる音が、教会の静けさに響いた。
石の壁から外へ出ると、城下町の現実が戻ってくる。
焼けた家。
血で汚れた道。
魔族の爪痕は、勝利の声より長く残る。
ガルドは歩く。
歩幅は一定。
視線は遠い。
距離を測り続ける目。
――そのとき。
瓦礫の影が動いた。
小さな魔族だ。
生き残り。隠れていたのだ。
魔族は、通りを歩く少女に飛びかかった。
少女は気づかない。
足取りは軽い。
生き残った者の足取りだった。
ガルドは走った。
距離を測る前に身体が動いた。
理由は一つしかない。
救う。
その気持ちが距離を奪った。
ガガッ!
少女を抱きかかえた瞬間、右腕に鋭い痛みが走る。
熱いものが噴き出し、鎧の隙間から血が流れた。
深い。
どくどくと、命の音が漏れる。
少女は無傷だった。
よかった――その安心が遅れて胸を刺す。
少女は泣きわめいた。
ガルドは左腕で抱え、必死に距離を取る。
魔族は、また襲いかかる。
少女を下ろす時間がない。
右腕はだらんとぶら下がり、指先に力が入らない。
ガルドは左手で剣を握った。
握れる。
振れる。
まだ、終わっていない。
距離を詰める。
斬れる距離に入る。
その瞬間――
ザン。
一刀両断。
魔族の身体は二つに別れ、宝石が散った。
戦利品の輝きは、冷たい。
ガルドはふと振り返った。
少女は泣いていなかった。
ただ、まっすぐこちらを見つめていた。
怖がるでもなく、怯えるでもなく。
覚えるように、見ていた。
ガルドは剣を納め、立ち去る。
少女を抱いた温もりが、まだ左手に残っている。
右手は冷たく、動かない。
頭が真っ白になっていく。
少女は守れた。
だが剣士としての役目を失ったのは、たった一瞬だった。
◆
目が覚める。
天井。
ガルドの家の、見慣れた木の梁。
朝の光が、薄く差し込んでいる。
彼は右手を上げた。
拳を握ろうとする。
だが、指が言うことをきかない。
力が入らない。
震えるだけだ。
「……ダメだ」
声が、かすれた。
「やはり……力が入らない」
彼は天井を見つめたまま、息を吐いた。
距離を測る目は残った。
配置を読む頭も残った。
だが、剣を振る手は戻らない。
その代わりに、彼は今日も――
遠くを見て、距離を測る。
ただ、それだけで世界を守れる場所があるなら。
◇
小鳥が鳴く。
まだ寝ぼけた音で、枝から枝へ移って、光の粒をついばむようにさえずる。
犬が走り回る。目的はたぶん無い。尻尾を追いかけて、途中で飽きて、また走る。
芝域の方から、草の匂いを含んだ風が抜けてくる。
その風の中を、妖精が飛んでいる。
「芝、げんき」
肩のあたりで、シルフィがふわふわしながら言った。
「朝から芝の健康診断ですか」
「てぃーあっぷ!」
「聞いてない単語が増えたな」
シルフィはくるっと回って、羽で朝の光を砕く。
そのきらきらが目に入るだけで、頭の中の余計なノイズが薄くなる。
俺は庭先で、いつもの素振りを始めた。
金属製シャフトの7番アイアン。ドラン製。
握ると軽いのに芯がある。
力は入れない。肩をすくめない。手首をいじめない。
回して、戻す。回して、戻す。
(同じ動きができるだけで、こんなに安心するんだな)
少し離れたところで、ガルドが遠くを見ていた。
剣も鎧もないのに、背中だけで「兵士」と分かる。
視線が滑るように動く。距離を測っている目だ。
「……魔族の気配はない」
「よかった」
俺は素直に言った。
「朝から魔族いると、パンがまずくなる」
「関係ない」
「関係あるよ」
ガルドは返事をしない。返事をしないことで会話を成立させる男だ。
「朝ごはんできましたよー!」
ローナの声がして、俺はクラブを下ろした。
家の中に入ると、湯気と匂いが迎えてくる。
スープ、パン、果物。今日は焼き魚まである。
(町が燃えてない日の献立だ)
「いただきます」
ローナと俺が手を合わせた、その向かい側でも手が合わせられた。
「いただきます」
そして、もぐもぐ。
……リリアーナ姫だ。
普通に座ってる。
普通にパン持ってる。
普通にもぐもぐしてる。
(王族の“お忍び”って、ここまで日常に溶けるのか)
ガルドが気づいたのは、姫が二口目に入ったあたりだった。
「……リリアーナ様」
ガルドは低く言う。
「せめて、手を洗ってください」
姫はパンを口に入れたまま、ぴたりと止まる。
「……あら」
もぐもぐ、飲み込んで。
「はしたないですわね」
自分で言って、自分で立つ。
そして洗い場へ向かう。
ローナが小さく笑った。
俺も思わず笑ってしまう。
「姫、素直だよね」
「素直なのは美徳です」
ローナはさらっと言う。
(いや、今のは場慣れの問題だと思う)
姫が手を洗って戻ってくる。
「改めて、いただきます」
「丁寧だな」
「距離の問題です」
(距離って便利な言葉だなぁ)
◆
食後、ガルドががさごそと奥の部屋を探り始めた。
「何してんの?」
返事はない。
そのまま奥から袋を持って出てきた。
麻袋。重そうだ。
「出かける」
ガルドが言う。
「昼には帰る」
「行ってらっしゃいませ」
ローナが自然に言った。
姫はぱっと顔を上げた。
「ガルド、どこへ?」
「用事だ」
姫は少し不満そうに頬を膨らませ、それから俺を見る。
「ナオキさん」
「パターを教えてください」
(唐突)
「えっと……」
俺が言葉を探していると、ガルドが扉の前で振り返った。
「……パターは転がすだけだ」
「それが難しいんです」
姫は真顔で言う。
「転がすのに、距離がいるんです」
(姫、距離の本質に触れてるの怖いな)
俺はガルドに声をかけた。
「おい、ガルド」
「俺の監視は?」
「問題ない」
「問題あるだろ」
俺は食い気味に言う。
「王の命令は?」
ガルドは一拍置いて、ため息みたいに言った。
「……仕方ない」
「おまえも来い」
「やった」
反射で口が出た。
姫がぱちぱち瞬きをする。
「え!」
「パターは!?」
「自主練しとくように」
俺は即答した。
姫は一瞬固まってから、きちんと頷いた。
「わかりました」
(いい生徒だ……)
シルフィが梁の上から言う。
「じしゅれん」
「えらい」
「先生ぶるな」
◆
城下町の朝は、光が美しい。
石畳は夜露を残して冷たく、朝日が差し込むとそこだけ温度が変わる。
窓辺の花が揺れ、壁のひび割れさえ絵になる。
歩くたび、靴音が小さく響いて、まるで美術館の廊下を進んでいるみたいだった。
その先をガルドが歩く。
歩幅は一定。背筋は真っ直ぐ。
この人の背中は「距離」でできている。
俺は後ろからついて行きながら、暇になった。
だから、ウェッジを取り出した。
右手だけで握る。金属シャフトのウェッジ。ドラン製。
軽い。反発が素直。
俺は足元に玉を落として、つま先で拾い、トンと上げた。
コン。
玉が空中で小さく跳ねる。
それをフェースで受けて、また上げる。
コン、コン。
一定の高さ。一定のリズム。
落とさない。
しかもそのまま歩く。
コン、コン、コン。
ガルドが前を向いたまま言った。
「……うまいものだな、右手だけで」
「左手もできる、あらよっと」
俺はクラブを持ち替えて、やってみせた。コンコン、といい音が響く。
「左手でもか……」
ガルドは、何かを思い出すように俺の左手を見つめる。少し昔話でもしよう。
「会社で嫌なことがあるとさ」
俺はコンコンしながら言う。
「こうやって遊んで慰めるんだ」
「かいしゃ? なんだそれは?」
「悪い夢さ」
ガルドが少しだけ間を置いた。
「……今日、俺も夢を見た」
「最悪で、最高な……」
「どっちだよ?」
「わからん」
コン。
俺は玉を落としかけて、ギリギリで拾う。
「今危なかった」
「……ついた」
ガルドが言った。
目の前にあるのは、古びた建物。
尖塔。石の壁。
扉の上に、女神の紋章。
教会だった。
◆
中に入ると、空気が変わる。
戦場の匂いも、芝の匂いも、ここにはない。
あるのは蝋と木と、少しだけ古い布の匂い。
静かで、柔らかい。
そして、子どもたちの声。
「ガルドだ!」
「遊ぼー!ガルド!」
子どもたちが駆け寄ってくる。
名前を呼ばれた瞬間、ガルドの肩がほんの少しだけ緩んだ。
(この人、こういう場所では別の顔をするんだな)
子どもたちは棒を持って、石を打っていた。
「見て!これすごいだろ!」
「ほら、飛んだ!」
あまり上手くない。
でも目が真剣だ。
真剣に遊んでいる。
ガルドが言う。
「すごいな」
子どもたちが得意げに胸を張る。
俺は小さく笑って言った。
「真似してるんだな」
「芝域のやつ」
ガルドが子どもたちの頭を撫でる。
「今や、おまえは英雄だからな」
俺は肩をすくめた。
「あはは」
「ゴルフしてるだけだけどな」
ガルドが小さく、ふっと息を漏らした。
それは笑いなのか、ため息なのか、どっちでもいい音だった。
◆
ガルドは教会の奥へ進んだ。
女神像の前で短く目を閉じる。
祈りというより、呼吸を整えるみたいな時間。
そこへ年老いたシスターが現れた。
「また来たのかい」
声は優しいが、目は鋭い。
「まったく、頑固だね」
ガルドは袋を差し出した。
「……これを」
シスターが袋の口を覗いて、眉を上げる。
「もういいよ」
「こんなに」
ガルドは首を振った。
「孤児がいなくなる」
「そのときまで続ける」
「続けるって」
シスターが呆れたように笑う。
「簡単に言うねぇ」
俺が口を挟む。
「そうなんですよ、この人」
「頑固で」
シスターが俺を見る。
「あんたは?」
俺は一瞬言葉に詰まった。
(異世界人で、芝の人で、ゴルフしてただけの……)
(いや待て、自己紹介これでいいのか?)
その前にガルドが言った。
「こいつは友人です」
一瞬、空気が止まった。
そして、シスターの顔がぱっと明るくなる。
「ガルドに友達が!」
「女神様、ありがとうございます!」
「え、そんな大袈裟な」
俺は思わず言う。
ガルドは視線を逸らした。
「……行くぞ」
俺は少しだけ胸が熱くなった。
友人。
それは、ここではただの言葉じゃない。
背中を預けるって意味だ。
◆
教会を出ると、朝の光が強くなっていた。
子どもたちは外へ飛び出し、また棒で石を打ち始める。
俺はウェッジを構えて、軽く大道芸を見せた。
コン、コン、コン。
「すげー!」
「落とさない!」
わいわい、わいわい。
歓声が教会の壁に跳ね返って、空に抜けていく。
俺はガルドの横に並んで、言った。
「なあ」
「友達として言うよ」
ガルドが横目で見る。
「……なんだ」
「パターなら振れるだろ?」
ガルドは少し考えて言った。
「ころがす道具のことか」
「ああ」
俺は笑った。
「勝負しよう」
「ローナと姫と俺と、あんたで」
「なぜ?」
「遊びだよ」
俺は肩をすくめる。
「深い意味はない」
ガルドは少しだけ空を見てから言った。
「……遊びか」
そして、ほんの少しだけ口元を緩めた。
「まあ、いいだろう」
その笑いは小さくて、誰も気づかないくらいだったけど、
俺には、ちゃんと見えた。
距離の人が、距離じゃない場所に立っている。
子どもたちの歓声がまた上がる。
風は軽い。
芝は遠い。
でも、ここも平和だ。
ガルドは、少しだけ笑っていた。
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