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1章
東の涙
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校内は煙だらけで、悲鳴や焼ける音が聞こえる。もうとっくに、ウサギ小屋は焼けていた。ウサギはもう助かっていないだろう。
俺は佳奈の手を引っ張って今、校舎から出ようとしている。
「影琉...」
泣きながら俺の名前を呼ぶ。
「何だ、佳奈。」
「言いたいことがあるの。」
佳奈がそう言った。
多分、俺と別れる理由とかこれまでのいじめのことだろうと思った。
話が長くなる気がした。
「今は、逃げるぞ。後で聞かせてくれ。」
「う...ん。でも、」
なにか言いたそうにしている。
俺も流石に鬼ではない。聞いてみる。
「なんだ、簡潔的に言ってくれると嬉しい。」
「私...」
「わ、私...」
「影琉のこと今も好きなのっ!」
「え?」
想像もしていなかった。言葉に困惑し、走っていた足も止まった。
「どういうこと?」
「え、まずは逃げないと!」
おいおい。簡潔的にとは言ったけど、そんなこと言われたら気になって仕方がないだろ。
約1年、毎日楽しかったのにいきなり振られて、1年間ずっと会えなくて話も出来なくて、心配で心配でどうしたらいいのかもわからなくて、距離を置いた方がいいのか家に行ってもいいのとか、色々考えてた。
今も好き。
こんな、状況で1年前とは見違えるような容姿をしていたとしても、佳奈はかなだ。
逃げないと!って言われたから今は走っている。だけど、気になる。気になる。
「佳奈...」
「何?」
「俺も好きだよ。」
咄嗟に言ってしまった言葉に俺は恥ずかしくなってしまった。
そして、佳奈の顔を見た。
頬を赤らめながらニヒッと小悪魔みたいな付き合っていた頃の好きな表情をしていた。
俺らは、走った。
3階から2階に降りて、今は2階にいる。
階段は、校舎に東階段、西階段と2箇所ある。
俺らは今、東階段にいる。
花暮達は、おそらく西階段だろう。
階段は1箇所でどちらもどの階にも行けるが、俺らのいる東階段には、2階から1階の間で燃えていて1階に降りれなかった。
「クソッ。」
「消化器で消えないかな。」
俺は近くにあった消化器を取った。
手順のとおりに行いふりかけた。
だが、火が強すぎてなかなか消えない。
どんどん火が壁を伝ってこっちに来るような気がした。
「佳奈ムリだ。下へ行けない。」
「そんな。でも、影琉と最後一緒にいれて嬉しかった。」
背筋が凍るほど嬉しそうな笑顔で俺の事を見る。
何を言ってるんだよ。誰がこんな状況で死んで嬉しく思うんだよ。
どんだけ、佳奈を追い詰めたんだよアイツは。
俺はこう言った。
「死なないよ。ここを出てこれから先ずっと佳奈のことを守るよ。」
「そして、ずっと一緒にいよう。」
最後の言葉は、蛇足だったと思う。
恥ずかしすぎる。
でも、佳奈の目から涙が零れる。
炎の光に照らされ、それが美しい光ではないのに、浄化されるように綺麗な涙を見せた。
そして、
「うん!」
と言った。
俺は再び佳奈の手を強く握った。
俺は佳奈の手を引っ張って今、校舎から出ようとしている。
「影琉...」
泣きながら俺の名前を呼ぶ。
「何だ、佳奈。」
「言いたいことがあるの。」
佳奈がそう言った。
多分、俺と別れる理由とかこれまでのいじめのことだろうと思った。
話が長くなる気がした。
「今は、逃げるぞ。後で聞かせてくれ。」
「う...ん。でも、」
なにか言いたそうにしている。
俺も流石に鬼ではない。聞いてみる。
「なんだ、簡潔的に言ってくれると嬉しい。」
「私...」
「わ、私...」
「影琉のこと今も好きなのっ!」
「え?」
想像もしていなかった。言葉に困惑し、走っていた足も止まった。
「どういうこと?」
「え、まずは逃げないと!」
おいおい。簡潔的にとは言ったけど、そんなこと言われたら気になって仕方がないだろ。
約1年、毎日楽しかったのにいきなり振られて、1年間ずっと会えなくて話も出来なくて、心配で心配でどうしたらいいのかもわからなくて、距離を置いた方がいいのか家に行ってもいいのとか、色々考えてた。
今も好き。
こんな、状況で1年前とは見違えるような容姿をしていたとしても、佳奈はかなだ。
逃げないと!って言われたから今は走っている。だけど、気になる。気になる。
「佳奈...」
「何?」
「俺も好きだよ。」
咄嗟に言ってしまった言葉に俺は恥ずかしくなってしまった。
そして、佳奈の顔を見た。
頬を赤らめながらニヒッと小悪魔みたいな付き合っていた頃の好きな表情をしていた。
俺らは、走った。
3階から2階に降りて、今は2階にいる。
階段は、校舎に東階段、西階段と2箇所ある。
俺らは今、東階段にいる。
花暮達は、おそらく西階段だろう。
階段は1箇所でどちらもどの階にも行けるが、俺らのいる東階段には、2階から1階の間で燃えていて1階に降りれなかった。
「クソッ。」
「消化器で消えないかな。」
俺は近くにあった消化器を取った。
手順のとおりに行いふりかけた。
だが、火が強すぎてなかなか消えない。
どんどん火が壁を伝ってこっちに来るような気がした。
「佳奈ムリだ。下へ行けない。」
「そんな。でも、影琉と最後一緒にいれて嬉しかった。」
背筋が凍るほど嬉しそうな笑顔で俺の事を見る。
何を言ってるんだよ。誰がこんな状況で死んで嬉しく思うんだよ。
どんだけ、佳奈を追い詰めたんだよアイツは。
俺はこう言った。
「死なないよ。ここを出てこれから先ずっと佳奈のことを守るよ。」
「そして、ずっと一緒にいよう。」
最後の言葉は、蛇足だったと思う。
恥ずかしすぎる。
でも、佳奈の目から涙が零れる。
炎の光に照らされ、それが美しい光ではないのに、浄化されるように綺麗な涙を見せた。
そして、
「うん!」
と言った。
俺は再び佳奈の手を強く握った。
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