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最終章

カラスの鳴き声。

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金木犀の前には向日葵がいた。

向日葵は、銃口を向けていた。
何故。この場所がわかった?
木に擬態化していて、何も知らない人には見えないはず。

何故。


「ババンバンッ!!」
何発打ったのだろうか。
5m位の距離から撃たれた。

やばい。死ぬ。
そう、金木犀は思った。




が。




幸いなことに防弾着で防がれた。
相当強力だったのだろう。


「くっ、、、なんでよっ。
は?まさか防弾着着てるっ?」

「フフ。そうだけどー?」
そういい金木犀は、引き金を引いた。

「死ねよ!!!!」

「ババッバンン」

向日葵は、咄嗟に滑り込むように木の裏に隠れる。

多分、金木犀は、弾切れするはず。
そこを狙って撃てば、防弾着はボロボロだから貫通するはず。

そう思い、弾を無駄使いさせるために、予測不可能な動きで木に隠れながら動いて行った。

「うはっ、、、」

向日葵は、弾が腕にかすってしまった。
擦り傷ぐらいだったので、手で押えた。

「出てきなよ???オイオイ?」

その挑発には乗らない。
ただ、弾を切らすために走る。


でも。もう無理なのかもしれない。
弾が無くなる気がしない。

もう、50発以上はさすがに撃ってるはず、そして、私の銃よりは性能がいいことも確か。
そう思いながら走ると、

「ガチャがチャッ。あれ?」

来た。今だ。
向日葵は、金木犀の方へ銃を向けた。





勝った。






え。





金木犀がニヤニヤしながらこっちを見ている。
目があった。気味が悪い。

でも、弾はそんなに直ぐに補充出来たとしても出来ないはず。
あぁ、そうか、走馬灯が見えて幸せそうなのか。そういう事か。




「ドンッ。」
向日葵は、弾を放った。






ん???






あれ、私は引き金を引いてないはず、誰が?え。


「バーカバーカ!!空撃ちしてたんだよww」

「そっ、、そんな。え。」
向日葵の視野は下に移された。

そこに待っていたのは、心臓を撃ち抜かれた自分の姿だった。

「えっ、、死なないよね。
このゲーム死なないじゃん。」

「死ぬさw」

「そ、、そんな。やだよっ。」


向日葵は、息を引き取った。
走馬灯は、綺麗だっただろうか?
そんなわけない。

「死亡、向日葵様。ご冥福をお祈りします。」

その放送がゲーム会場中に響き渡った。
桜も、向日葵が死んだことを知っただろう。


金木犀は、あっさりとまたエレベーターに乗り、地下室に向かった。
そこで、物資や食べ物を食べ桜との戦闘に備えた。




だが。この物語は、忘れていることがある。

それは、彼岸花を殺した犯人を見つけるのに、金木犀だと思いこんでいる。
それも、具体的な根拠もなく。

確かに、金木犀は、怪しい。
言動や行動。

だが、真実はまだ分かっていない。

本当のことはなんだ?










知らないさ。そんなこと。










この物語の、犯人は誰か。
それは、誰も予想できないだろう。
だがもう時期終わる。









金木犀は、エレベーターに乗り、
ドアが開いた。



そこは、死神総本社であった。
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