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2章-「厄災」との出逢い
4-青年Rの独白( 1 )
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ーーーーー『裏切り者』
ーーーーー『ただのお荷物』
そう呼ばれてきた。
オレが何をしたから、そう呼ばれなきゃいけないんだ。
どうして。
「兄は優秀なのに弟はなぁ…」
「ま、厄災だもんな」
そう言ってちらちらとオレを見る。
………鬱陶しい。頼むから放っておいて。
そのうち、オレは森に隔離された。
仕方がない。オレが纏う負のエネルギーを感じ続けると体調が悪くなる。
「ピピッ」
「おまえ、オレを慰めてくれるのか?」
「ピピピッ!」
「気分、悪くなるぞ」
撫でつつもやんわりと離れるように伝える。
「暴走が来ちゃうから、逃げて」
「…ピピ」
分かってくれたようだ。
「は、っ…う、」
発作が来た。
「うっ…ぐ、あああっ!!!!!!」
苦しい。この感覚はやっぱり慣れない。
意識が朦朧として、どうしようもないくらい寂しい。
「っうぅ、ううっ」
泣いているのか、オレが?
あれだけ人に相手にされていないのは慣れていたはずなのに?
「ううっ、ぐずっ」
わからない。
………でも、オレを助けてほしいという願望はどうしてもあった。
ある日。オレを掻き乱す人が現れた。
「ん…?
ああ、キミが噂の新入りさんか」
「………入って大分経ってますけど」
彼女がラファエルか。
「あはは、そうなんだ。
多分オレのせいじゃないかな、今回の任務」
原因は既に解りきっている。
ごめんね、と内心謝る。
「は…?どういうことですか?」
ぽかん、とするラファエルに現状を説明する。
「キミはおぞましい何かを感じてここまで来たんでしょ?そのおぞましい何かを放ってるのがオレだよ」
「…?」
ああ、もしかしてルシファーについてが分からないのかな?
「いつの代も、「ルシファー」は厄災。
「ルシファー」の中にある多大な魔力が負荷に代わり、それが負の力になる。
本人の意図と関係無く、だいたい決まった周期で暴走する。」
「という事は、貴方がルシファーさんですか」
ようやく辻褄が合った、というように閃くラファエル。
「そういう事。
裏切り者なんて言われてさ、ここに追い返されるの。オレが何かしたわけでもないのに、酷い話だよね」
「…私はラファエルです。
治癒ができる。貴方を、救えればと思います」
好い人ぶった言い方をするラファエルを笑い飛ばす。
「………まさか」
けれども、そういう言動に期待する位にはオレも腐っていた。
「分かってるさ、何度もそういう口先だけの天使はいた。
結局口だけで、二度とその顔を見たことはなかった。
暴走するたびにオレの心はひび割れていく。」
自分に言い聞かせるように、言葉を放つ。
すると、ラファエルは変な宣言をした。
「では、貴方に宣言しましょう。
私は最低、五日に一回はここへ訪れると」
「………変なのがいたもんだ。
期待せずに待ってるよ、じゃあね」
オレは姿を消した。
今までの天使とは、違うのかもしれない。
「………本当に来たんだ」
オレは驚いてラファエルの方を見る。
「まあ、ああ言いましたし。
誰が言ったかは知りませんが、私はあくまで有言実行派なので!」
「…………ふふ、結構変わった子なんだね」
なんだか、嬉しくて笑みがこぼれた。
「なんですかそれ、褒めてるんですか?」
「もちろん、キミみたいに変わってる子は初めてだから接し方に悩んでるの」
なんて言いつつ、ラファエルを見る。
………今日の服は私服…?
アズラーイールに許可を貰ってきたのか。
「普通に接してください。
こんなんでも元令嬢なので割と順応できるんですよ」
元令嬢という事は知っていた。
が、傲慢で高飛車ではない。イメージ像と真逆な事に驚く。
「そう?じゃあ普通でいっか」
「ええ、気楽にいきましょう。
………そういえば、私解呪したことあるんですよ。なのでそれと同じように負の力もちまちま回復できますかね」
一度もそういう治療はされたことないな。
「オレに聞かれても…。
まあ、やるだけなら別にいいよ。オレにメリットは有ってもキミにメリットはないけど」
ふむ、と顎に手を置くラファエル。
その仕草に、ドキッとした。
「うーん…できませんねぇ…。
多分、負の力を取り除いたらまた新しいのが入ってきて、それでもまだ入ってくるから段々負の力を貯めれる器が強制的にどんどん広くなってるんだと思います。」
ラファエルの子細な治療結果に、相槌を打つ。
「そうなんだ。
じゃあ周期が短く、けど強くなってるのはそのせいかな」
「ええ、多分」
………ふと、こんなことを聞いてみた。
「オレ、死ぬと思う?」
するとラファエルは、
「私も色々調べたんですけど、ラファエルがいる代はルシファーが死んだと記述されてませんでした。
なので私は未熟ですけど、絶対にルシファーさんを死なせたりしません」
こう言ってくれた。
『死なせたりはしない』
その言葉が、じわじわと心に滲む。
「………心強いよ、ありがとう」
「いえいえ。……では、また来ますね。」
ラファエルと離れるのが無性に寂しく感じて、つい聞いてしまう。
「ね、次はいつ来てくれる?」
「そうですね…二日後には来ます」
「うん、じゃあね」
オレは意外と、人の暖かさを欲していたようだ。
…人は、人の温かさを感じないと心が壊れてしまう。
それを、心から実感した。
ーーーーー『ただのお荷物』
そう呼ばれてきた。
オレが何をしたから、そう呼ばれなきゃいけないんだ。
どうして。
「兄は優秀なのに弟はなぁ…」
「ま、厄災だもんな」
そう言ってちらちらとオレを見る。
………鬱陶しい。頼むから放っておいて。
そのうち、オレは森に隔離された。
仕方がない。オレが纏う負のエネルギーを感じ続けると体調が悪くなる。
「ピピッ」
「おまえ、オレを慰めてくれるのか?」
「ピピピッ!」
「気分、悪くなるぞ」
撫でつつもやんわりと離れるように伝える。
「暴走が来ちゃうから、逃げて」
「…ピピ」
分かってくれたようだ。
「は、っ…う、」
発作が来た。
「うっ…ぐ、あああっ!!!!!!」
苦しい。この感覚はやっぱり慣れない。
意識が朦朧として、どうしようもないくらい寂しい。
「っうぅ、ううっ」
泣いているのか、オレが?
あれだけ人に相手にされていないのは慣れていたはずなのに?
「ううっ、ぐずっ」
わからない。
………でも、オレを助けてほしいという願望はどうしてもあった。
ある日。オレを掻き乱す人が現れた。
「ん…?
ああ、キミが噂の新入りさんか」
「………入って大分経ってますけど」
彼女がラファエルか。
「あはは、そうなんだ。
多分オレのせいじゃないかな、今回の任務」
原因は既に解りきっている。
ごめんね、と内心謝る。
「は…?どういうことですか?」
ぽかん、とするラファエルに現状を説明する。
「キミはおぞましい何かを感じてここまで来たんでしょ?そのおぞましい何かを放ってるのがオレだよ」
「…?」
ああ、もしかしてルシファーについてが分からないのかな?
「いつの代も、「ルシファー」は厄災。
「ルシファー」の中にある多大な魔力が負荷に代わり、それが負の力になる。
本人の意図と関係無く、だいたい決まった周期で暴走する。」
「という事は、貴方がルシファーさんですか」
ようやく辻褄が合った、というように閃くラファエル。
「そういう事。
裏切り者なんて言われてさ、ここに追い返されるの。オレが何かしたわけでもないのに、酷い話だよね」
「…私はラファエルです。
治癒ができる。貴方を、救えればと思います」
好い人ぶった言い方をするラファエルを笑い飛ばす。
「………まさか」
けれども、そういう言動に期待する位にはオレも腐っていた。
「分かってるさ、何度もそういう口先だけの天使はいた。
結局口だけで、二度とその顔を見たことはなかった。
暴走するたびにオレの心はひび割れていく。」
自分に言い聞かせるように、言葉を放つ。
すると、ラファエルは変な宣言をした。
「では、貴方に宣言しましょう。
私は最低、五日に一回はここへ訪れると」
「………変なのがいたもんだ。
期待せずに待ってるよ、じゃあね」
オレは姿を消した。
今までの天使とは、違うのかもしれない。
「………本当に来たんだ」
オレは驚いてラファエルの方を見る。
「まあ、ああ言いましたし。
誰が言ったかは知りませんが、私はあくまで有言実行派なので!」
「…………ふふ、結構変わった子なんだね」
なんだか、嬉しくて笑みがこぼれた。
「なんですかそれ、褒めてるんですか?」
「もちろん、キミみたいに変わってる子は初めてだから接し方に悩んでるの」
なんて言いつつ、ラファエルを見る。
………今日の服は私服…?
アズラーイールに許可を貰ってきたのか。
「普通に接してください。
こんなんでも元令嬢なので割と順応できるんですよ」
元令嬢という事は知っていた。
が、傲慢で高飛車ではない。イメージ像と真逆な事に驚く。
「そう?じゃあ普通でいっか」
「ええ、気楽にいきましょう。
………そういえば、私解呪したことあるんですよ。なのでそれと同じように負の力もちまちま回復できますかね」
一度もそういう治療はされたことないな。
「オレに聞かれても…。
まあ、やるだけなら別にいいよ。オレにメリットは有ってもキミにメリットはないけど」
ふむ、と顎に手を置くラファエル。
その仕草に、ドキッとした。
「うーん…できませんねぇ…。
多分、負の力を取り除いたらまた新しいのが入ってきて、それでもまだ入ってくるから段々負の力を貯めれる器が強制的にどんどん広くなってるんだと思います。」
ラファエルの子細な治療結果に、相槌を打つ。
「そうなんだ。
じゃあ周期が短く、けど強くなってるのはそのせいかな」
「ええ、多分」
………ふと、こんなことを聞いてみた。
「オレ、死ぬと思う?」
するとラファエルは、
「私も色々調べたんですけど、ラファエルがいる代はルシファーが死んだと記述されてませんでした。
なので私は未熟ですけど、絶対にルシファーさんを死なせたりしません」
こう言ってくれた。
『死なせたりはしない』
その言葉が、じわじわと心に滲む。
「………心強いよ、ありがとう」
「いえいえ。……では、また来ますね。」
ラファエルと離れるのが無性に寂しく感じて、つい聞いてしまう。
「ね、次はいつ来てくれる?」
「そうですね…二日後には来ます」
「うん、じゃあね」
オレは意外と、人の暖かさを欲していたようだ。
…人は、人の温かさを感じないと心が壊れてしまう。
それを、心から実感した。
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