事故から始まる物語

maruta

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キャプテン

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 昼休憩が終わり決勝が始まるため私と詩音は応援席へと向かった。決勝の相手は去年準優勝の美園高校だった。
 照先輩たちも頑張っているが美園高校と5点差と言う小さい点差が縮まらず第4クオーターまで来ていた。あと残り時間も少ない中、照先輩が3ポイントを決めて2点差まで縮まったがそこでブザーが鳴り惜しくも負けてしまった。先輩たちはコートで崩れこんでいる人も居たが立ち上がり挨拶をしてコートを出ていた。私たち1年も先輩たちが集まる所へ行くと顧問の先生が『よく頑張った』と声を掛けていた。
 試合が終わって30分後から閉会式があると放送されていて結果的には2位で終わってしまったがあと2点差と言う惜しい所まで行っていて凄いなと思っていた。そうして、閉会式が始まるため並んでいると照先輩の姿が無かった。どこにいるのだろうと辺りを見渡したが見当たらずそのまま閉会式は始まり2位で表彰され優秀選手として照先輩は呼ばれていたが居なかったため代わりにキャプテンが受け取っていた。
 閉会式が終わり帰るためのミーティングをする事になったが照先輩が居ないため探そうかと先輩たちが話していたが、そこへ飛鳥先輩が照先輩を連れて帰ってきた。照先輩は泣いていたのかと思ったが表情を見るにそんな感じではなかったのでどうしたんだろうかと思ったがその日はミーティング後、解散となった。
 次の日は学校だったが部活は休みになっていた。しかし、次のキャプテンを決めるという事で3年生も集まっていてあとは顧問の先生と飛鳥先輩と照先輩だけが来ていなかった。そこへ顧問の先生がやって来てその後に続いて照先輩と飛鳥先輩が入ってきたが、みんな照先輩の手を見て驚いてキャプテンが照先輩に声をかけた。

「照、その手どうしたの!?」

「あー、その、カットするのが下手でした。」

「・・・試合中になったの?」

「・・・はい」

 照先輩は決勝戦の途中で右手の人差し指と中指をカットした際に突き指したと思っていたらしいが、実際には剥離骨折をしていたらしくその状態で試合をしていた。それを聞いてキャプテンは怒っていた。

「馬鹿なの!?なんで、言わないの!?」

「すみません、負けたくなかったので言いませんでした。」

「っ!そこまで、私たちは信用出来なかったの!?」

 キャプテンがそう言った所で顧問の先生がキャプテンに言った。

「佳奈、違うよ。私たちが照に頼りすぎていたんだよ。だから、照は言えなかった。」

 そう顧問の先生が言うとキャプテンは少し間を置いて答えた。

「・・・そう、ですね。照は最後まで諦めず戦ってくれてました。ありがとうね、照。無理させてごめんね。こんなキャプテンでごめんね。」

「・・・黙っとったのは自分の意思です。キャプテンは何も悪くないです。勝てんくて悔しかったです。」

 泣くのを我慢している照先輩にキャプテンがありがとうと言い照先輩の頭を撫でていた。そのまま顧問の先生がみんなの前に立ち喋り始めた。

「みんな集まったから次のキャプテンを発表するよ。3年生に選んで貰って決めたから!じゃあ旧キャプテンが新キャプテンを発表する?」

「分かりました!」

 そう言って顧問の先生が横に行きキャプテンが前に立ち言う。

「新キャプテンは、照にして貰います!まぁみんな分かったと思うけど3年生満場一致での推薦だよ!それで、副キャプテンは飛鳥にしてもらいます!」

「「「えっ!?」」」

 キャプテンが新キャプテンを照先輩だと言い副キャプテンを飛鳥先輩だと言ってみんな副キャプテンが発表された瞬間に驚きの声をあげた。飛鳥先輩を見ると飛鳥先輩も驚いていた。

「じゃあ旧キャプテンはここまでにして、新キャプテンと新副キャプテンに挨拶してもらおうかな!」

 そう言って、佳奈先輩は座り代わりに前には照先輩と飛鳥先輩が立った。

 照「新キャプテンの川島 照です・・・」

 佳奈「え!?それだけ!?」

 照「・・・よろしくお願いします」

 佳奈「えぇ、もうちょっと意気込みを言ってよ!」

 照「・・・泣きそうなので無理です」

 照先輩がそう言うとみんな笑っていて、次に飛鳥先輩が話し始めた。

 飛鳥「えっと、副キャプテン?の樋口 飛鳥です。私はマネージャーなのに副キャプテンでいいのか困惑してます。よろしくお願いします?」

 佳奈「照を任せられるのは飛鳥だけだよ!よろしくね!新副キャプテン!」

 飛鳥「キャ、佳奈先輩。頑張ります!」

 そう言って、照先輩と飛鳥先輩は座り今後の部活についてと体制について顧問の先生が話した後解散となり、その日は終わった。
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