18 / 177
【 煩悩四国旅 順打ち・逆打ち・乱れ打ち 】
07: 四国は高知 安芸から馬路村 「馬路温泉とゆず(後)」
しおりを挟む
馬路の温泉ですが、贅沢にも夕食後に二度目の入浴を戴きました。
トロリとしたいいお湯ですが、中途半端な時刻のせいか、浴場には誰も居ませんでした。
浴室の外に見える筈の安田川も真っ黒。
「静けさ」には、圧があるものだなーって思いました。
で、急になんとなく怖くなってきたんです。
多くの田舎の村で、山奥や川や沼に妖怪話が生まれるのがよくわかりましたね。
夜は「ただ暗いだけの昼間」ではないって事なんですね。
『浴室と脱衣室を仕切る磨りガラスに白い影が流れる。
初め入り口にあった子供用のスリッパが、出る時にはきれいになくなっていた。』
そんな書き出しの怪談話が書けそう、みたいな(笑)。
馬路の夜は、昼と別の質量を持っているようですが、「朝」もそんな感じ。
ホテルのテラスから見える、川の飛び岩にずっといた嘴の白くて長い縦型の鳥はなんて名なんだろう?
黒い岩みたいな体色の鳥なんだけど、、、。
丹念に読みとって行かなければ、見落としがちになるけれど、朝には多くの命の芽吹きがあるんですね、、なんちゃって(笑)。
でもって、滅多にやらないんですが、その朝はホテル界隈のお散歩に出かけました。
扮装を解いた「お化け」ちゃんには、意外とこういう時間帯がお似合いなのかも知れません。
お散歩中に、村の吊り橋で若いお母さんと娘さんにであいました。
橋の上で娘を肩車してたお母さんはアンが橋に足を踏み入れた途端に娘さんを降ろしました。
橋が揺れるんです。
アンも昔、姪っ子でこれと同じ経験をした事があります。
奈良は十津川村の谷瀬の吊り橋で、甥っ子にせがまれてやったのですが、ほんと怖かった。
肩車をしてると重心が高くなって、揺らされるととても怖くなるんですね。
慌ててアンは、頭を下げて橋を渡りました。
朝食の後は、次の目的地に出発する前に、村にあるミニチュアの森林鉄道を楽しみました。
小さな渓谷を周回するものなんですが、夏休みのせいか地元の女子高生が切符販売をしてました。
柔らかなショートヘアをグレーブラウンに染めたおしゃれな子で、この年頃の女の子にはファッションの地域格差があまりないんだなぁって思いました。
もちろん都会には、ブランドモノなんかに手を出せる若い子もいて、そういう子達には叶わないだろうけど、お金の自由度を外せば、ファッションって結局本人の感性ってことなのかなぁと思います。
この森林鉄道ではしゃいだあとは、インクラインという不思議なケーブルカーにのりました。
35度くらいの傾斜でもって、小さな丘の斜面を一気に登るのんですが、この動力が「水」なんですね。
いまいち動く理屈が飲み込めないんですけど、アンたちが乗り込んだら、運転手のおじいちゃんが、いきなりケーブルカーの底あたりから水をブババッと排出。
それが終了すると、ケーブルカーが、ズルルと言う感じで上昇し始めるのです。
逆に降りる時は、丘のてっぺんにある貯水タンクから引いてきたパイプから、水をケーブルカーの最後尾についた四角い上戸みたいなものにドドドと注水する。
そしてどうやらこれが満杯になると、再びケーブルカーはごるんごるんとずり下がりだすようです。
(擬音が多くてゴメンナサイ)
なんだか小学校の理科の実験みたいですね(笑)。
こんなインクラインなんかが馬路村にあるのは、この村が総面積の約96%を山林に覆われ、魚梁瀬杉(やなせすぎ)という銘木を中心に林業で栄えてきた歴史があるから、、でも今や村の主産業は「ゆず」なんです。
それと「ゆず」の加工品。
地方創生の鑑みたいですね。
アンは、この馬路村のホテルのおみやげ物売り場のコーナーで、初めてポン酢の「ゆずの村」の瓶を手にしたんです(笑)。
どのスーパーでも、この「ゆずの村」が見受けられるようになったのは、もう少し後の事でした。
トロリとしたいいお湯ですが、中途半端な時刻のせいか、浴場には誰も居ませんでした。
浴室の外に見える筈の安田川も真っ黒。
「静けさ」には、圧があるものだなーって思いました。
で、急になんとなく怖くなってきたんです。
多くの田舎の村で、山奥や川や沼に妖怪話が生まれるのがよくわかりましたね。
夜は「ただ暗いだけの昼間」ではないって事なんですね。
『浴室と脱衣室を仕切る磨りガラスに白い影が流れる。
初め入り口にあった子供用のスリッパが、出る時にはきれいになくなっていた。』
そんな書き出しの怪談話が書けそう、みたいな(笑)。
馬路の夜は、昼と別の質量を持っているようですが、「朝」もそんな感じ。
ホテルのテラスから見える、川の飛び岩にずっといた嘴の白くて長い縦型の鳥はなんて名なんだろう?
黒い岩みたいな体色の鳥なんだけど、、、。
丹念に読みとって行かなければ、見落としがちになるけれど、朝には多くの命の芽吹きがあるんですね、、なんちゃって(笑)。
でもって、滅多にやらないんですが、その朝はホテル界隈のお散歩に出かけました。
扮装を解いた「お化け」ちゃんには、意外とこういう時間帯がお似合いなのかも知れません。
お散歩中に、村の吊り橋で若いお母さんと娘さんにであいました。
橋の上で娘を肩車してたお母さんはアンが橋に足を踏み入れた途端に娘さんを降ろしました。
橋が揺れるんです。
アンも昔、姪っ子でこれと同じ経験をした事があります。
奈良は十津川村の谷瀬の吊り橋で、甥っ子にせがまれてやったのですが、ほんと怖かった。
肩車をしてると重心が高くなって、揺らされるととても怖くなるんですね。
慌ててアンは、頭を下げて橋を渡りました。
朝食の後は、次の目的地に出発する前に、村にあるミニチュアの森林鉄道を楽しみました。
小さな渓谷を周回するものなんですが、夏休みのせいか地元の女子高生が切符販売をしてました。
柔らかなショートヘアをグレーブラウンに染めたおしゃれな子で、この年頃の女の子にはファッションの地域格差があまりないんだなぁって思いました。
もちろん都会には、ブランドモノなんかに手を出せる若い子もいて、そういう子達には叶わないだろうけど、お金の自由度を外せば、ファッションって結局本人の感性ってことなのかなぁと思います。
この森林鉄道ではしゃいだあとは、インクラインという不思議なケーブルカーにのりました。
35度くらいの傾斜でもって、小さな丘の斜面を一気に登るのんですが、この動力が「水」なんですね。
いまいち動く理屈が飲み込めないんですけど、アンたちが乗り込んだら、運転手のおじいちゃんが、いきなりケーブルカーの底あたりから水をブババッと排出。
それが終了すると、ケーブルカーが、ズルルと言う感じで上昇し始めるのです。
逆に降りる時は、丘のてっぺんにある貯水タンクから引いてきたパイプから、水をケーブルカーの最後尾についた四角い上戸みたいなものにドドドと注水する。
そしてどうやらこれが満杯になると、再びケーブルカーはごるんごるんとずり下がりだすようです。
(擬音が多くてゴメンナサイ)
なんだか小学校の理科の実験みたいですね(笑)。
こんなインクラインなんかが馬路村にあるのは、この村が総面積の約96%を山林に覆われ、魚梁瀬杉(やなせすぎ)という銘木を中心に林業で栄えてきた歴史があるから、、でも今や村の主産業は「ゆず」なんです。
それと「ゆず」の加工品。
地方創生の鑑みたいですね。
アンは、この馬路村のホテルのおみやげ物売り場のコーナーで、初めてポン酢の「ゆずの村」の瓶を手にしたんです(笑)。
どのスーパーでも、この「ゆずの村」が見受けられるようになったのは、もう少し後の事でした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる