48 / 177
【 旅と温泉グルメ しゃぶれどもしゃぶれども(中部編) 】
04: 信州高山温泉郷山田温泉 朝日屋亭にて 「転がり込んだ幸運」
しおりを挟む
信州高山温泉郷の内、蕨温泉から少し奥まった場所にある山田温泉の朝日屋亭さんで、相方と一緒に昼食を頂いた時のエピソードです。
ここは細い山間の道を抜けていく途中にあるので余り立派な駐車場は望めません。
山田温泉自体、結構マイナーな場所なので駐車場が空いているかとも思ったのですが、とんでもない。
アン達が村営駐車場に車を止められたのはかなりラッキーな出来事だったようです。
山田温泉の村営駐車場に車を止めたのは丁度お昼時で、そのすぐ側にある朝日屋亭もお客さんですごく立て混んでいました。
で結局、アン達は囲炉裏テーブルで中年のご夫婦と相席になりました。
朝日屋亭さんは凄く丁寧な仕事をするので、両カップルとも料理待ちの状態が長く続いて困ったことに、、。
注文が終わって向かい合わせになったら、お互いの視線の持って行きようがないのです。
特にご主人の方がソワソワ、夫婦間の間に微妙な空気が、、短時間なら誰もアンの事を男だって思わせない自信があるけど、、このお店、注文してから料理が出てくるまでが異常に長いんです。
黙ったまま一切のアクションを止めたら絶対、中身は「男」って判らないだろうけど、暫くすると、声とか水商売風の所作で正体が判っちゃうんですよね(笑)。
ソワソワの原因は勿論アンにあって、幸い隣のテーブルが空いた時にはアン達は渡りに船みたいな感じですぐに席を移動しました。
で時は流れ、中年夫婦は無事食事にありついてテーブルを離れ、次にやってきたのが小学生くらいの姉弟を引き連れた家族連れ。
空腹を抱えた子どもだと、このお店の待ち時間はこたえるだろうな、、と可哀想に思っていたら、なんと彼らが注文した味噌煮込みうどんセットが待ち時間なしに運ばれてくるじゃありませんか。
あっ!と思って相方が「それってうちの注文です。席を変わっちゃったから、、」と言ったんだけど、遠慮がちに言ったのがまずかったのか、それとも小学生の男の子が箸をすぐに付けちゃったのが駄目だったのか、全ては後の祭りでした。
で次に隣のテーブルに運ばれて来たのが「味噌煮込みのすいとんセット」、これも相方の注文したもので「あっ、それもうちのです!」のやや怒気の孕んだ相方の一声が、今度は届いて、お店の人も事の次第をやっと理解したようで今度は無事にこちらのテーブルへ。
この経緯に気づき、結果的に食べ物を横取りしたような形になってしまった家族連れもなんだか気まずいような雰囲気に、、。
でも次に出てきた問題は、弟君だけが食事にありついて、他の三人は長い待ち時間があるってことなんですよね。
特に上のお姉ちゃんは、健気に空腹を我慢してるんだけど、その様子は見てて可哀想なくらい。
弟君も自分だけ満腹になって空腹の家族を見守るのも辛かっただろうなぁ。
・・・って「転がり込んだ幸運」は、本当に幸運なのかってゆーお話でした。
この話ではお店の人も含めてだれも得してないんだよね。
でも人生ってすべからくみんなこんなものなのかも。
PS 雪国の街道筋の家の作りってちょっと変わってて面白いですよ。
街道端の袖卯建をもつ出梁作りとか、今なら断熱工法とか違うアプローチをしますが、自然環境への対応の為の知恵の働かせ所は今も昔も同じですね。
そういう昔の建物の面影がちょっと古びた民家だと残っているのが風情ですね。
朝日屋亭さんは、そんな風情を保ったまま、自家製味噌(小四郎味噌)でうどんとか、すいとんとかの煮込んだものを食べさせてくれるお店なんですが、支払い時に調理場を覗き込んだという相方に後で話を聞いてみると、味噌焼きおにぎりなんか、これだけ大勢お客さんが入っているのに、2・3個ずつ丁寧におにぎりを炙っていたのとのこと、、、。
大阪でこんな事をやると一悶着おこりそうですが、ここの煮込みうどんの味を堪能すると、苛立ちも収まってしまいます。
美味しいというよりも、そんな味なんですね。
相方は郷土食の「ひんのべ団子汁」が、特に気に入った様子。
アンはむき身の味噌が付いた焼きおにぎりが手間をかけた分だけ有り難かったです、合掌(笑)。
ここは細い山間の道を抜けていく途中にあるので余り立派な駐車場は望めません。
山田温泉自体、結構マイナーな場所なので駐車場が空いているかとも思ったのですが、とんでもない。
アン達が村営駐車場に車を止められたのはかなりラッキーな出来事だったようです。
山田温泉の村営駐車場に車を止めたのは丁度お昼時で、そのすぐ側にある朝日屋亭もお客さんですごく立て混んでいました。
で結局、アン達は囲炉裏テーブルで中年のご夫婦と相席になりました。
朝日屋亭さんは凄く丁寧な仕事をするので、両カップルとも料理待ちの状態が長く続いて困ったことに、、。
注文が終わって向かい合わせになったら、お互いの視線の持って行きようがないのです。
特にご主人の方がソワソワ、夫婦間の間に微妙な空気が、、短時間なら誰もアンの事を男だって思わせない自信があるけど、、このお店、注文してから料理が出てくるまでが異常に長いんです。
黙ったまま一切のアクションを止めたら絶対、中身は「男」って判らないだろうけど、暫くすると、声とか水商売風の所作で正体が判っちゃうんですよね(笑)。
ソワソワの原因は勿論アンにあって、幸い隣のテーブルが空いた時にはアン達は渡りに船みたいな感じですぐに席を移動しました。
で時は流れ、中年夫婦は無事食事にありついてテーブルを離れ、次にやってきたのが小学生くらいの姉弟を引き連れた家族連れ。
空腹を抱えた子どもだと、このお店の待ち時間はこたえるだろうな、、と可哀想に思っていたら、なんと彼らが注文した味噌煮込みうどんセットが待ち時間なしに運ばれてくるじゃありませんか。
あっ!と思って相方が「それってうちの注文です。席を変わっちゃったから、、」と言ったんだけど、遠慮がちに言ったのがまずかったのか、それとも小学生の男の子が箸をすぐに付けちゃったのが駄目だったのか、全ては後の祭りでした。
で次に隣のテーブルに運ばれて来たのが「味噌煮込みのすいとんセット」、これも相方の注文したもので「あっ、それもうちのです!」のやや怒気の孕んだ相方の一声が、今度は届いて、お店の人も事の次第をやっと理解したようで今度は無事にこちらのテーブルへ。
この経緯に気づき、結果的に食べ物を横取りしたような形になってしまった家族連れもなんだか気まずいような雰囲気に、、。
でも次に出てきた問題は、弟君だけが食事にありついて、他の三人は長い待ち時間があるってことなんですよね。
特に上のお姉ちゃんは、健気に空腹を我慢してるんだけど、その様子は見てて可哀想なくらい。
弟君も自分だけ満腹になって空腹の家族を見守るのも辛かっただろうなぁ。
・・・って「転がり込んだ幸運」は、本当に幸運なのかってゆーお話でした。
この話ではお店の人も含めてだれも得してないんだよね。
でも人生ってすべからくみんなこんなものなのかも。
PS 雪国の街道筋の家の作りってちょっと変わってて面白いですよ。
街道端の袖卯建をもつ出梁作りとか、今なら断熱工法とか違うアプローチをしますが、自然環境への対応の為の知恵の働かせ所は今も昔も同じですね。
そういう昔の建物の面影がちょっと古びた民家だと残っているのが風情ですね。
朝日屋亭さんは、そんな風情を保ったまま、自家製味噌(小四郎味噌)でうどんとか、すいとんとかの煮込んだものを食べさせてくれるお店なんですが、支払い時に調理場を覗き込んだという相方に後で話を聞いてみると、味噌焼きおにぎりなんか、これだけ大勢お客さんが入っているのに、2・3個ずつ丁寧におにぎりを炙っていたのとのこと、、、。
大阪でこんな事をやると一悶着おこりそうですが、ここの煮込みうどんの味を堪能すると、苛立ちも収まってしまいます。
美味しいというよりも、そんな味なんですね。
相方は郷土食の「ひんのべ団子汁」が、特に気に入った様子。
アンはむき身の味噌が付いた焼きおにぎりが手間をかけた分だけ有り難かったです、合掌(笑)。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる