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【 旅と温泉グルメ しゃぶれどもしゃぶれども(中部編) 】
05: 常滑 1:「やきもの散歩道」
しおりを挟む今日、ご紹介するのは「常滑」。
常滑とか信楽とか美濃とかへは、相方が飲食の仕事をしてるので、器を調達するために結構な頻度で訪れるんですよ。
でも只のショーファー代わりのアンは、陶器にはあまり興味はありません。
もっぱら観光気分です。
相方の交渉の様子を横で見てるだけなので何とも言えませんが、常滑は陶器の専門店が多くて、「一般」の方で購買目的なら、常滑焼セラモールなんかが「本当に安く」常滑焼きを手に入れられるような気がします。
もちろん常滑は、それなりの観光スポットでもあります。
その中でも、やはり見所と言えば「やきもの散歩道」ですかね。
登り窯や黒板塀、土管坂なんかが有名ですね。
この場所には、個人的にも特別惹かれるモノがあって何度も訪れているんですが、きっちり正対して感想を書いたことがありません。
なんだかその佇まいが、アンの遠慮を引き出してしまうんです。
「やきもの散歩道(Aコース)」と言っても、実際は丘陵地帯にある狭い生活道(ほとんどが坂道)を上がったり下ったりする場所なのですが、周りにあるのは殆どが「やきもの」関係の小規模な工場だったり工房だったりする訳です。
もちろん観光スポットらしい飲食店や商業店舗もちらほらと存在しますが、そんな光景の中、一番目立つのは放置され手入れもなされないままの廃墟に近い建物達です。
これがアンの遠慮の原因なんですね。
と同時にそれが、この場所に惹かれるチャームポイントでもあるんですが。
「やきもの散歩道」の中でも、小高くて見晴らしの良い場所に立って眼下を眺めると、このスポット自体が、日常世界から切り離され時間が止まっているちょっとした特異空間のように見えます。
(ゴメンなさい。ここで生活してる人達に凄く失礼なこと書いてる)
「常滑」自体が丘陵の連なった知多半島特有の地形の上にあって、それらを造成した結果の居住地だと思うのですが、「やきもの散歩道」は、その強烈な濃縮版のように思えるんです。
それと地方経済の衰退ですね、、。
確かに「常滑」には、中部国際空港(セントレア)とか色々あるんですが、それはニューカマーというか本来の常滑活性を支えていた窯業などの経済のメインストリームではないんですね、、それが「やきもの散歩道」の光景に滲み出ている。
だから情緒あるその光景の中には、チラホラと「陰」が潜んでいる。
地方都市に出現する巨大なイオンモールのフラットで「陰」のない明るさと対照的ですね。
廃墟ブームの核になっているものが、ここには50パーセントの割合で混じり込んでいる(笑)。
あの伸び放題の草むらの陰には何が転がっているんだろう?
放置された倉庫の地面の匂いはどんな感じだろう?、、って、だから好きなんですが。
とまあ此処まで書くと「やきもの散歩道」が、放置されたまま寂れまくっているみたいな印象を与えるといけないので書いておきますが、道のあちこちに観光客に対する配慮のあとや観光活性化の工夫があって、ちゃんと旅の人間を受け入れてくれてるなという息づかいはしっかりあるスポットなのでご安心を。
特に「やきもの散歩道」の麓は、結構オシャレな小物のお店や飲食店もあったり楽しめますよ。
でも営業時間はやっぱりローカルでそれなりに短いですから、都会の感覚で遊びに行かないでねw。
ちなみに、「やきもの散歩道」の麓にある「とこなめ招き猫通り」の壁には、巨大な招き猫「とこなめ見守り猫とこにゃん」が出現していますが、アンはアプローチの仕方に癖があるのか、何度行っても、とこにゃんの近距離実物って、後頭部の裏しか見たことがありません(笑)。
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