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【 旅と温泉グルメ しゃぶれどもしゃぶれども(中部編) 】
11: 石川 金沢 ②落雁から、いちじくロールケーキまで
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金沢は「食」の都市でもあります。
アンが初めて、エメラルド色の卵を抱いた甘海老や、お正月用に紅色に茹で上げた巨大な蛸の脚を見たのは、金沢の近江市場でした。
感激のあまり、近江市場で生鮮物をしこたま買い込み、ホテルの一室に持ち込んで、臨時の酒宴を設けた記憶が懐かしいです。
昼食はその近江市場内のお寿司屋さんにしようと思っていたのですが、どこも観光客の長蛇の列です。
アンも含めての事ですが、日本人って本当にメディアの情報に弱いですね。
どこかの旅行雑誌に、例え数行でも紹介記事が記載されれば、そこに人が蟻のように群がります。
まあ自分自身がその筆頭のような人間ですから、悪態をつける立場じゃありませんが、最近は待ち時間が数十分以上になる状況に出くわすと、さっさと諦めるようにしています。
「本当は誰にも教えたくない穴場」だとかいう煽りに乗せられて出かけて見ても、実際に「いいなー」とか「美味しい!」とか納得する率は、半分にも満たないのが現実ですからね。
一時間以上粘って入店するような値打ちがある店が、そうざらにあるとは思えません。
結局、市場裏で海鮮丼を売りにしている店に入って、刺身の盛り合わせ皿を、そのままご飯の上に載せたような丼を食べました。
アンは魚が苦手なので、出されたものが新鮮なものなのか、美味しいものなのかの判別が、本当のところつきません。
肉なんかは「熟成」っという概念がある味だけど、魚の味に「熟成」は、ありませんから(笑)。
でも海胆とイクラの味は判ります(笑)。
それで判断すると、かなり当たりの店のようでしたよ。
そうそう、食べ物と言えば、金沢の場合は和菓子ですね。
超有名なのは落雁。
でも若い女の子で、落雁が好きな子って何人ぐらい、いるんだろう?
個人の嗜好の話で申し訳ありませんが、落雁って、アンは嫌いというより「食べる」事自体が出来ません。
京都の八つ橋も嫌いだけれど、あれはまだ食べる事が出来る。
アンにとっては落雁はそういう味なんです。
なんと言うか、カビ臭い座敷牢に閉じこめられたみたいな甘みというか(笑)。
でも落雁は、見てる分にはとても美味しそうだし、とても綺麗なお菓子だなと思います。
そしてアンは、今回の旅で、その落雁の秘密を発見したのです。
それは落雁を作る為の精緻な木型の存在です。
ずっと前から落雁の表面を飾っている工芸品のような模様が気になっていたんですが、あの形を生み出すために木の女型があるとは、この時まで、意識していなかったのです。
金沢には、石川県菓子文化会館という場所があるのですが、そこには沢山の木型が展示されています。
どれをとっても工芸品に近い完成度を持つ物です。
そこから、あの落雁が生まれるんだ、と改めて関心しました。
こういったものを見ていると、日本の伝統文化のレベルの高さをつくづく感じます。
「美しいお菓子、落雁」のことを書きましたが、勿論、金沢には他にも美味しいお菓子がたくさんあります。
その味には、時代や格式のようなものがあり、背景の文化が感じられて面白いものです。
例えば「わり氷」というお菓子があります。
見た目は色の付いた小さな氷砂糖のように見えるんですが、主に寒天で出来ています。
口の中に入れた瞬間は固いんですが、噛んでみると素材が寒天なのだから勿論柔らかいんです。
味は氷砂糖を薄くしたような感じ。
姿が可愛いので女性に好まれるかも知れませんね。
でも特別マーベラスに「美味しい!」っていう程のものでもないんですよね、これが(笑)。
アンはこのわり氷を近江町近くの十間町の「村上」さんで買いました。
「村上」さんの店舗自体がいかにも金沢という感じで好ましく感じました。
本当に美味しい和菓子が食べたければ、このお店で最新の創作和菓子を購入すると良いと思います。
伝統和菓子はちょっとね、話題にはなっても味覚としては現代人の満足感は得られないでしょう。
そうそう俵屋のじろあめもありましたね。
じろあめは、麦芽糖を原料にした水あめ状のものがガラス壺の中に入っています。
砂糖は使ってない健康食品系。
砂糖を使わないと、何故、健康なイメージになるか判らないんですけどね。
そう言えば砂糖業界?が「砂糖は頭の栄養源」とか言って巻き返しキャンペーンをはってた事がありますね。
今は糖質制限が世の中のメインストリームですが、、。
じろあめは、店の叔母様が小さな棒に、これを巻き付けて味見させてくれるんですけど、食べた瞬間に「カンロ飴!黄金糖!でも味がうすーい。」と思わず声に出しそうになりました。
もちろん、口チャックです。
だって俵屋さん、このじろあめに、相当誇りを持っているようでしたから。
俵屋ののれんが掛かった、この店の玄関は超有名です。
でも観光スポットとしては、近隣に有名所が少ないから、ちょっと苦しいかな。
あと中田屋さんのきんつば。
同じきんつばでも、更にうぐいすあん、これがアンの大本命だったんですけれど、ひがし茶屋街近くの支店が何故か閉店していて買えなかったのが残念です。
うーん食べたかったよー。
そして最後は「あんころ」。
これは大阪行きのサンダーバードの中で食べました。
兼六園の中の甘味所でしか売っていないあんころが有名らしいけど、兼六園自体はもう三回以上訪れているので、そっちの方は今回の旅行ではパスしました。
車内で食べたあんころは、こし餡の中に小さなお餅が入ったもの。
このお菓子の形状は、結構どの土地でも見受けられるんだけれど、このフォーマットだけは、伊勢の「赤福」が圧勝ですね。
中でも真夏の「赤福かき氷」はもう絶品。
冬に思い出しても、食べたくなるんだから。
うーんなんだかんだ言っても「お菓子」は食べられてこそ、その存在価値があるんですよね。
どうする?落雁。
PS アン的に金沢で「ウマーッ」って思ったスィーツは、無花果ロールケーキです。
あれは良い(笑)。
アンが初めて、エメラルド色の卵を抱いた甘海老や、お正月用に紅色に茹で上げた巨大な蛸の脚を見たのは、金沢の近江市場でした。
感激のあまり、近江市場で生鮮物をしこたま買い込み、ホテルの一室に持ち込んで、臨時の酒宴を設けた記憶が懐かしいです。
昼食はその近江市場内のお寿司屋さんにしようと思っていたのですが、どこも観光客の長蛇の列です。
アンも含めての事ですが、日本人って本当にメディアの情報に弱いですね。
どこかの旅行雑誌に、例え数行でも紹介記事が記載されれば、そこに人が蟻のように群がります。
まあ自分自身がその筆頭のような人間ですから、悪態をつける立場じゃありませんが、最近は待ち時間が数十分以上になる状況に出くわすと、さっさと諦めるようにしています。
「本当は誰にも教えたくない穴場」だとかいう煽りに乗せられて出かけて見ても、実際に「いいなー」とか「美味しい!」とか納得する率は、半分にも満たないのが現実ですからね。
一時間以上粘って入店するような値打ちがある店が、そうざらにあるとは思えません。
結局、市場裏で海鮮丼を売りにしている店に入って、刺身の盛り合わせ皿を、そのままご飯の上に載せたような丼を食べました。
アンは魚が苦手なので、出されたものが新鮮なものなのか、美味しいものなのかの判別が、本当のところつきません。
肉なんかは「熟成」っという概念がある味だけど、魚の味に「熟成」は、ありませんから(笑)。
でも海胆とイクラの味は判ります(笑)。
それで判断すると、かなり当たりの店のようでしたよ。
そうそう、食べ物と言えば、金沢の場合は和菓子ですね。
超有名なのは落雁。
でも若い女の子で、落雁が好きな子って何人ぐらい、いるんだろう?
個人の嗜好の話で申し訳ありませんが、落雁って、アンは嫌いというより「食べる」事自体が出来ません。
京都の八つ橋も嫌いだけれど、あれはまだ食べる事が出来る。
アンにとっては落雁はそういう味なんです。
なんと言うか、カビ臭い座敷牢に閉じこめられたみたいな甘みというか(笑)。
でも落雁は、見てる分にはとても美味しそうだし、とても綺麗なお菓子だなと思います。
そしてアンは、今回の旅で、その落雁の秘密を発見したのです。
それは落雁を作る為の精緻な木型の存在です。
ずっと前から落雁の表面を飾っている工芸品のような模様が気になっていたんですが、あの形を生み出すために木の女型があるとは、この時まで、意識していなかったのです。
金沢には、石川県菓子文化会館という場所があるのですが、そこには沢山の木型が展示されています。
どれをとっても工芸品に近い完成度を持つ物です。
そこから、あの落雁が生まれるんだ、と改めて関心しました。
こういったものを見ていると、日本の伝統文化のレベルの高さをつくづく感じます。
「美しいお菓子、落雁」のことを書きましたが、勿論、金沢には他にも美味しいお菓子がたくさんあります。
その味には、時代や格式のようなものがあり、背景の文化が感じられて面白いものです。
例えば「わり氷」というお菓子があります。
見た目は色の付いた小さな氷砂糖のように見えるんですが、主に寒天で出来ています。
口の中に入れた瞬間は固いんですが、噛んでみると素材が寒天なのだから勿論柔らかいんです。
味は氷砂糖を薄くしたような感じ。
姿が可愛いので女性に好まれるかも知れませんね。
でも特別マーベラスに「美味しい!」っていう程のものでもないんですよね、これが(笑)。
アンはこのわり氷を近江町近くの十間町の「村上」さんで買いました。
「村上」さんの店舗自体がいかにも金沢という感じで好ましく感じました。
本当に美味しい和菓子が食べたければ、このお店で最新の創作和菓子を購入すると良いと思います。
伝統和菓子はちょっとね、話題にはなっても味覚としては現代人の満足感は得られないでしょう。
そうそう俵屋のじろあめもありましたね。
じろあめは、麦芽糖を原料にした水あめ状のものがガラス壺の中に入っています。
砂糖は使ってない健康食品系。
砂糖を使わないと、何故、健康なイメージになるか判らないんですけどね。
そう言えば砂糖業界?が「砂糖は頭の栄養源」とか言って巻き返しキャンペーンをはってた事がありますね。
今は糖質制限が世の中のメインストリームですが、、。
じろあめは、店の叔母様が小さな棒に、これを巻き付けて味見させてくれるんですけど、食べた瞬間に「カンロ飴!黄金糖!でも味がうすーい。」と思わず声に出しそうになりました。
もちろん、口チャックです。
だって俵屋さん、このじろあめに、相当誇りを持っているようでしたから。
俵屋ののれんが掛かった、この店の玄関は超有名です。
でも観光スポットとしては、近隣に有名所が少ないから、ちょっと苦しいかな。
あと中田屋さんのきんつば。
同じきんつばでも、更にうぐいすあん、これがアンの大本命だったんですけれど、ひがし茶屋街近くの支店が何故か閉店していて買えなかったのが残念です。
うーん食べたかったよー。
そして最後は「あんころ」。
これは大阪行きのサンダーバードの中で食べました。
兼六園の中の甘味所でしか売っていないあんころが有名らしいけど、兼六園自体はもう三回以上訪れているので、そっちの方は今回の旅行ではパスしました。
車内で食べたあんころは、こし餡の中に小さなお餅が入ったもの。
このお菓子の形状は、結構どの土地でも見受けられるんだけれど、このフォーマットだけは、伊勢の「赤福」が圧勝ですね。
中でも真夏の「赤福かき氷」はもう絶品。
冬に思い出しても、食べたくなるんだから。
うーんなんだかんだ言っても「お菓子」は食べられてこそ、その存在価値があるんですよね。
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