ゴックン、その口で食べるの? /Osaka発ドラァグドライブ、掛け違いの旅

Ann Noraaile

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【 旅と温泉グルメ しゃぶれどもしゃぶれども(中部編) 】

36: 岐阜 ひるがの高原スキー場 ひるがもちゃんと妖怪たち

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 新しく入ったお勤め先のヘルプ君に誘われて、ひるがの高原スキー場に出かけました。
 閉鎖的な(システム上そうならざるを得ないんだけど)うちの勤務先で、こんな企画が持ち上がる事自体珍しいし、折角のヘルプ君の気持ちを大事にしたかったので、アンは即答でOKの返事をしました。

 ツアーのメンツは、ヘルプ君以外に、彼の妹さんと友人(友人=ヘルプ君の妹の彼氏)。
 そしてアンは、誰かに襲われる心配がないので(ホントか?笑。実は襲う方の可能性があったりして。)全員、民宿の大部屋にお泊まり。
 このメンバーの中では、アンが一番のお姉さん、なので、結構あれやこれやと自然に彼らの面倒を見てしまう自分がいて悲しかったです(笑)。

 それにアン以外はすべてボーダー、、、。つくづく歳を感じます、、。
 でもスキーとスノーボードって、動き始めると、公道走ってるバイクと4輪の差くらいありますよね。
 スキー授業の小6女児が、スノボ男性と衝突し死亡するって痛ましい事故があったくらいだし。
 そういう事を考えると、ゲレンデでのこの組み合わせは、ちょっと憂鬱かも。

 でも旅の紅一点・ヘルプ君の妹さんは、男女混合の大部屋なんか、なーんにも気にしない明るい性格で、それはゲレンデでも同じ、アンにもよく懐いてくれたのでとっても楽しかったです。
 スキー場のゲレンデ自体は、ある程度スキーの出来る人間には、なだらかと言うか、オール初心者コースみたいで、物足りなかったですけどね。

 でココの、ご当地キャラは「ひるがもちゃん」、、ひるがのだから、ひるがもちゃん。
 お父さん、お母さん、お兄ちゃん、お姉ちゃんと4人?の「ひるがもファミリー」がスキーで遊んだり、お父さんひるがもが、家族をゴムボートに乗せてスノーモビルで引っ張ったりと、ひるがの高原の冬の休日を家族で満喫ってイメージです。

 最近はユルキャラって、何処でもいますからね~。
 NHKラジオニュースなんか車で聞いてると、どこそこのユルキャラが県知事に表彰されたのなんだのかんだの、って「他にニュースで流すことない国になったんかい?」って思わずツッコミいれる位だし(笑)。
 アン達も昼間は「ひるがもちゃんファミリー」してました。

 でも夜には軽い地震があってちょっとびびりましたよ。
 みんなもそうだろうけど、二つ大きなのを知ってるから「あー地震か」って、簡単にスルー出来なくなってますからね。
 もし旅先で、目立つ形で死んじゃったりしたら、プロフィルとか写真付きで、実名でニュースに流れるのか?とか、つまらないことが気になったりして。

 夜半はヘルプ君が民宿の居間で亀井亨監督の「妖怪奇談」ってゆーDVDを発見してきて、酒の肴にみんなで見ようってことになりました。
 「ROKURO」「KAMAITACHI」「NOPPERA」の3話からなるオムニバス構成。
 3話とも、ちょっと屈折した性格の女の子の体が、少しずつ妖怪へとメタモルフォーゼしていく話です。

 ある日突然、首が伸びだしたり、数日で爪が鎌鼬ぽく長くなったりするんだけど、彼女達は視聴者が見てるみたいに、自分が「妖怪化」してるなんて考えてないわけで、それは一種の病気だと思ってるわけ。
 で彼女たちは、意外とすんなりと自分の症状を受け入れて、何とかいつも通りの日常を過ごそうと努力するんですね。

 爪が異常に長くなっていく女の子は、その爪にネイルアートを施してファッションだと言い張ったり、顔面がどんどん変形していく女子高生(かなり裏のある女の子なんだけど)は、眼帯をして崩れていく目元を隠したり、無くなっていく両耳をヘッドフォンで覆ったりして、何事も無かったかのように生活を送ろうとするわけです。

 でもそんな彼女たちの思いと逆行するように、体の変化は次第にスピードアップしていくんですね。
 一人の女の子は、ちょっとした腕の動作だけで仕事仲間を切り刻んでしまう本物の妖怪「かまいたち」に、そしていつも虐める側にいたプライドの高い女子高生は、誤魔化しようのないくらいに顔面が崩壊して「のっぺら坊」へ。
 ろくろ首の女の子のエピソードは、アーバンなメルヘンぽくてスパイスが弱いのが残念だったけど、各話が最終的に繋がって「へぇ~」って、ちょっと感心させられる仕掛けの映画なんです。

 でも他の皆は、そこに行くまでに途中で飽きちゃたみたいだけど(笑)。
 お酒を飲みながら見て「わ~」とか「キャー」とかいうノリの映画じゃないですらね。
 最後の最後に、バラバラの世界の主人公かと思われていたこの3人。
 電車で忌々しい爪を轢かせようとしていたかまいたち女を、ろくろっ首女が首を伸ばして自らの命を犠牲にして助けたり、既に存在しない耳にヘッドフォンを装着して空に向かって叫び声を上げていたのっぺら坊女子高生を、かまいたち女が優しく抱きしめてあげたり、、。
 各話の人間ドラマが、辛辣で醜かっただけに、この結末は妙に達観した優しさを感じてしまいました。
 こういうの、日陰の身としては、なんとなく共感する部分はあるんだけどなー。

 社会ドラマと妖怪話の融合みたいな作りって才機走った人がやりがちなんだけど、でもそれってなかなか上手く行かないんですよね。
 興行的な部分でもそうだけど、秘めたテーマを押していくのか、キャッチーな部分を押していくのかのバランスがね。
 まあ、他の子たちは、この映画の妖怪エフェクトとかだけは盛り上がってたけど、映画のテーマ自体は他の素材でも表現できるでしょ?って感じでしたからね。
 途中で飽きちゃうのも仕方ないのかな。
(後日、この亀井亨監督が平山夢明氏の「無垢の祈り」を自費で撮っちゃったって聞いて凄く納得。「妖怪奇談」はそこに向かっていたんだなーと。)

 そうそう、帰りは全員で、温泉「牧華」に入って大騒ぎしましたよ、単純温泉・38 ℃ アルカリ泉ってやつですね。
 なんとなくアメリカンと言うか、ヨーロピアンみたいな外装の温泉なのに、中身は完璧ニッポンのファミリー温泉でした。
 まあアン的には、同じ郡上市高鷲町にある「湯の平温泉」が好みだったんだけど、これは渋好み過ぎですよね。
 あれはちょっと、年下の子達には「行こうよ」とは持ちかけにくい温泉です(笑)。




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