ゴックン、その口で食べるの? /Osaka発ドラァグドライブ、掛け違いの旅

Ann Noraaile

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【 旅と温泉グルメ しゃぶれどもしゃぶれども(近畿編) 】

34: 大阪 ニッポンバシ系、行き帰り

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 今も使われているかどうかは知らないけれど、アキバ系という言葉があるらしい。
 大阪では、東京の秋葉に対応するのは、日本橋なんだけど「ニッポンバシ系」という言葉は、今後も成立しないと思う。
 (※ 大阪の日本橋はニホンバシとは読まない、ニッポンバシ。)
 その理由は、破裂音が多すぎる語感上の問題もあるけれど、アンが時々訪れる日本橋や、そこにいる人々に「アキバ系」という単語に感じるニュアンスに該当するものを、あまり感じないからだ。
 一目でオタク系とわかる人の人口密度は、そりゃ確かに、他の街よりはずっと多いだろうけど、、どう言ったらいんだろう、、。
 彼らには「気弱な」所とか、「内気な」所なんてまるでなく、ただ「変」なのである(ゴメン)。
 ナードでもなく、ギークでもない、、しかもそのヘンさの中に、「頑固」が混じってそう、、。

 でも、そういう人達も、最近では、この町であまり姿を見なくなった、、。

 先日、ウチのPCの緊急メンテに迫られ、弟にも救援が頼めず、お勤め先に行く前の真っ昼間に、日本橋に出かける必要があったんだけど、久しぶりに訪れたこの街は又、様変わりしていた。
 その変わりようには、何時も脅かされるものがある。

 梅田のヨドバシカメラに電化製品の美味しいところが全部持って行かれても、ジャンクパーツやその他諸々、今までの蓄積で、「電気の街・でんでんタウン」であろうと頑張っているのかと思えば、各お店の半分以上は、アダルトDVDやアダルト書籍で埋まり、残りの2分の1はエロゲー・ケータイ・ガンダムって感じなのだ。
 多分そのあたりの変遷はアキバも同じなんだろうけど、道を歩いている人の大多数は、サラリーマンだったり普通の学生さんだったりして、要するに、この街で手っ取り早くて、安価な「快楽」商品を入手する為に集まっているって感じなのだ。

 当初の用事は直ぐに済み、まだ時間があるようなのでラバーを扱った洋物DVD(個人的性嗜好&教材w)がないかなっと思って、そんなお店の一軒に入ったんだけど、アンがこんなだから、化ける前の半男モードでも、お店のチョイスには結構気を使った。
 「明るい雰囲気で入りやすい」お店はまずアウト、「いかにも」って感じのお店の方が、かえって気を使わなくて済む。
 (ちなみに、ある戦国武将の名前を使った、この地の某「書店」が丸ごとそうで、そこは何だか、巨大なアダルトグッズ販売専門の巨城のように見えるw。アンも何度かこのお城ビルで、緊急待避用のコスチュームを調達したことが、あれは汚れたり破れたり、ある意味消耗備品ですから、。)

 そのお店は、奥に結構大きな売り場面積のあるアダルトコスチュームが置いてあるお店で、DVDの物色が終わったら、お仕事で使えるものがないか見てみるつもりだったけど、そこでおぼこい女子高生みたいな感じの女子と出逢って吃驚。
 「コスプレに流用するつもりで見に来たんだよきっと、、」と自分の中で脳内補完しながらその子を、やり過ごした。

 『多分あの子もアンの事見てそう脳内補完してるよ』って声が内なる声が聞こえたけど、それはないと打ち消した。
 だって、あの子って、自分のやっている事が、いかにも自然って感じで行動してたもの、、で他人の目なんか気にしてないっていうか、自分を見せる為の他人はいても、自分の事を批判的に見る他人の目という概念が元から頭の中にないのではないかと(笑)。

 そしてその日の日本橋帰りの地下鉄で、真向かいに座った女の子のスタイルも凄かった。
 負けましたよ、もう、、お仕事でしかはかないようなマイクロミニに、足首にツタみたいに絡まる紐がついたヒールサンダル、上はボア付きハーフコート、でもってヘヤースタイルは、、もう止めておこう。
 こんな超中途半端な時間に出勤するシフトの風俗ってあるのかしら、、、っていうか、15・6才じゃないのこの子。
 年齢誤魔化して勤めてる子は多いけど、そんな表情もないし、、思わず日本橋で出逢った女の子を思い出した。

 共通点があるのよね。
 そう「自然」だっていう事、スタイルにしても何にしても、自分のやっている事が当たり前だっていう事。
 その他、なんだか、アニメキャラに出てきそうな空気感出してる女の子もいたり、でもそれは自然すぎて昔の「ブリっ子」ともちょっと違う。
 仮想現実とリアルがクロスして入れ違っちゃった感じ?

 こんな時は、そう感じるんだ、そう考えるんだって材料を、自分のわき上がってくる感情に求めずに、その時々のアニメ表現(流行のドラマであったりもする)とかシナリオとか、メディアで流通してる「生き方スタイル」に求めてるんじゃないかと思う子達が結構いるんだよね。
 自分でもオバサン臭くてやだけど、そんな彼女たちを見ると「やっぱりソレ、違うよ」って思っちゃう。
 人間ってもっとゲスくて、みっともなくてアホだよ、だから愛おしいんじゃないって。
 漂白人間?ブレスケア人間?そんな流れに対して物わかりなんか良くなりたくないっていうか、そうでなきゃ今自分がやってる事が冷静に見れないってか、そんな感じ(笑)。

 おっと話が横道にそれ過ぎちゃった。
 オタロードの印象膨らませすぎ(笑)。
 これ一応、紀行文だった。

 そんなこんなの日本橋なんだけど、今、この「でんでんタウン」の中心は、先に書いた通称「オタロード」に移動しつつあるようだ。
 その位置を、駅との関係で言うと、昔栄華を誇ってた恵美須町界隈から、なんば側へ、動いたという事になる。
 昔の恵美須町界隈を知っている人間からすると、なんば側というのは、電脳通り(古っ)での格付けで言ったら、完全に裏側の僻地だったので、この変遷は不思議な感じだ。

 ここはアニメ・フィギュア・コスプレ・同人誌・レトロゲームショップなどが立ち並んでいて、週末は結構な人手だそうだ。
 残念ながらオタロードには行ったこともないし、これからも行くことはないだろうから、正確な所は判らないんだけど、弟から聞いた話では、かっての恵美須町側みたいに、そういったお店がズラーッと並んでる訳じゃないらしい。
 よくよく聞いてみると、アンが知ってる、なんば側の裏通りで「濃いお店」がポンポンとある、あの通りの姿が浮かんできて、そこに雑多なものが付け加わった感じだ。
 「今の時代、あそこが盛り上がるんだー」と妙に納得した。
 だからあの規模で、ずっと「オタロード」を盛り上げ続けられるのかというと、正直言って、寂しいけどあまり明るい予想がたたない。

 そう考えて見ると、まだ「電脳タウン」の姿を保ってるのは、西日本でいうと名古屋の大須かなぁ、アソコはまだ、昔の奥に入り込むと巨大迷路みたいだった日本橋のイメージが少しは残ってる。
 京都の電気街と言われてる寺町辺りは、規模的には今のオタロードのプチサイズって感じで、電気街と呼ぶには元から無理があるし(寺町はどちらかと言うとカフェとかが中心)。

 街の変遷の全ては、需要と供給のバランスの上にあると思っているのだけれど、数十年前には電気製品やそのパーツだけで、巨大な商店街が成り立っていた時代もあったのだと思うと、なんだか凄く寂しい気がする。
 これ、まさしく日本の姿の縮図なんだよなぁ、、。







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