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第1章
脱走
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『ハイハイ。じゃあさっきの続きを始めるよー。今度は実際に一覧を操作してみよう』
空中に浮いたままの、メニューと書かれた謎の板には5つのボタンらしきものがついている。
ボタンにはそれぞれ、「自己閲覧」「身分証明」「通信機能」「交換機能」「仕事依頼」と書かれている。その内、「自己閲覧」と「交換機能」だけは灰色の文字で、他は全て白い文字だ。
チュレムちゃんに促されるままボタンを次々に押していく。
灰色の文字のボタンは押してみても反応がなかったけれど、白い文字のボタンは押した途端に別の板(窓、というらしい)が浮き上がってきた。
通信機能を起動させると、「友達手帳」というボタンが新たに表示された。
『みてみて。この友達手帳っていうのがさっきオススメした機能ね。これを開くと…ほら、こんな風に友達一覧が表示されんの。今のところ登録されてるのは七尾さんだけだねぇ。七尾さんから着信や受信があるときはここに触れば開けるよー』
チュレムちゃんの口調がさっきまでのものとは変わっている。
そういえば最初は陽気な感じだったのに説明を始めてからやたらと長文早口になっていたな。
そのあたりを本人?に訊いてみると、こっちが本来の状態なのだと言っていた。つらつらと話していたのは役目を果たそうとした緊張故だったそうな。
『そうそう、友達手帳に登録するにはお互いの魔道具を翳せばいいの。あとは呼び出された登録窓の表示に従って認証するだけで登録完了!』
「うん? 俺、七尾サンとそんなことしてないよ?」
『おうおう! その辺はボクとヴィー様で勝手にやっときました! 七尾さんの性格からしてヴィー様がサボ、げふん。脱走すればあっきーそっちのけでかかりきりになるのはわかってたしね。友達手帳に登録しとけば七尾さんが落ち着いたら連絡してこれるでしょ。褒めてもいいのよ? えへん』
サボりなんだね。わかってたけどさ。
「ありがとう? 結果的には確かにありがたいことなんだけど、なんだか腑に落ちない…」
そもそも宰相さんが脱走しなければ、なんて分かりきったことを言っても『だねだね』と、気の無い返事が返ってきただけだった。
友達手帳というあまりにもそのまんまな名前の窓には、不貞腐れたような七尾サンの顔の画像と名前が横並びに表示されている。
七尾サンらしい表情に微笑ましさすら感じる。
ちなみに、通信機能を開いたときの窓には「もしもし機能α」と書かれていた。これを名づけたのは魔道具を作ったという宰相さんだろう。
天は二物を与えず、とはよく言ったものだね。
『ではでは、さっきの続きを説明するよ。「仕事依頼」に触れてみてちょ』
「仕事依頼はー…これだね」
ポチッとな。
新たに出てきた窓の一番上には「依頼板」と書いてある。
その下には3つのボタン。
それぞれに、「緊急」「納品」「作業・成果」と書かれている。
「あれ? 「緊急」のボタンだけびっくりマークがついてるんだけど、どういう意味なの?」
他は全て白い文字だけなのに、「緊急」のボタンには文字の隣に真っ赤なびっくりマークがついている。
『あーあー。緊急依頼だね。いつものことだから内容はだいたい想像がつくけど…とりま、開いてみてちょ』
「いつものこと」ってどういうことだろう。緊急なら一時的なものなんじゃないのか?
ポチッとな。
「えーと、なになに?」
~~~~~~~~~~
緊急依頼
・宰相捕獲
また宰相が失踪した。捜索を依頼する。
発見報告…1,000P, 捕獲成功…1,000,000P
~~~~~~~~~~
これはまた…
『あーあー。やっぱりねー。ヴィー様が脱走する度に出る緊急依頼だよ。緊急依頼の9割はこの依頼といっても過言じゃないねぇ』
「脱走の度にって…。『また』って書いてあるけど、そんなに脱走してるのか…?」
『ウィウィ。ここしばらくは脱走しなかったから、「最近ヴィー様がおとなしいけど、また何か企んでるのか?」ってよく訊かれたよー。いつもなら3日あったら2日は脱走してるよ。そういえば、あんまり長く脱走したせいでヴィー様死亡説が流れたこともあったねぇ』
脱走しなければ企み事を疑われるって一国の宰相としてどうなの。
女王様もよくそんな人を宰相にしたな。
ああ、女王様も武勇伝持ちだったわ。
「懐かしそうに語ってるところ悪いけど、宰相さんがそんなに休んでていいの?」
『それそれ。そこがヴィー様の凄いとこなのよ。3日に2日サボ…脱走しようが、ロクでもない研究で城を混乱させようが、そのせいで若手に嫌われて反宰相派閥ができようが、どうしようもないくらいの能力があんの』
以前、反宰相派の若者数人が「自分達のほうが宰相に相応しい」と散歩中の宰相さんに詰め寄ったことがあったそうだ。
いずれも有能な若者で、また、反宰相を強く掲げていたために反宰相派の中でもかなり発言力のある者たちだった。
鼻息の荒い彼らに対し、宰相さんは「じゃあ今日から宰相交代ね」と、彼らに執務室の入室許可を与えてこれ幸いと脱走した。
「宰相さんブレがないね」
『ウィウィ! 脱走への情熱に関してヴィー様の右に出る者はいないよ』
そこは胸を張るところじゃないだろう。
宰相さんから入室許可を受け取った彼らはそのことを周囲に喧伝してまわった。曰く、「宰相は自らの無能を認めた」「弱虫なので怖気づいて逃げ出した」「やはり自分たちのほうが宰相に相応しい」と。
実際、彼らは有能だったので、執務室に持ち込まれた宰相の仕事を次々とこなしていった。
宰相がいなくなり、反宰相派優位の空気が城内のみならず国中に広がっていった。
だがそのうち、彼らの間にピリピリとした緊張感が漂うようになった。5人いる若者に対して宰相の地位はひとつしかないのだ。
また、ある一定よりも上の世代の者たちは反宰相派に靡くことはなかった。特に幹部以上の地位にいる者は、皆無言を貫いた。
それを若者たちは「既得権益を守るためだ」と声を大にして批難してまわった。しかし、それでも迎合どころか反論ひとつなく、若者たちは段々と薄気味悪さを感じ始めていた。
無言を貫いている幹部の中にも1人、反宰相派とされる男がいた。彼が事あるごとに宰相と対立することは有名で、反宰相派閥の筆頭としてその名がよく挙げられる男だった。
幹部達の態度の理由を知りたかった若者たちは、「彼なら自分たちを応援するであろう」と思い面会を求めたが、多忙を理由に拒絶された。
「彼は成り上がった自分たちが気にくわないのだ」「彼もまた既得権益にしがみつく者のひとりだったのだ」と、若者たちは憤慨した。
それから数日後、城内は慌ただしい空気に包まれることになった。
空中に浮いたままの、メニューと書かれた謎の板には5つのボタンらしきものがついている。
ボタンにはそれぞれ、「自己閲覧」「身分証明」「通信機能」「交換機能」「仕事依頼」と書かれている。その内、「自己閲覧」と「交換機能」だけは灰色の文字で、他は全て白い文字だ。
チュレムちゃんに促されるままボタンを次々に押していく。
灰色の文字のボタンは押してみても反応がなかったけれど、白い文字のボタンは押した途端に別の板(窓、というらしい)が浮き上がってきた。
通信機能を起動させると、「友達手帳」というボタンが新たに表示された。
『みてみて。この友達手帳っていうのがさっきオススメした機能ね。これを開くと…ほら、こんな風に友達一覧が表示されんの。今のところ登録されてるのは七尾さんだけだねぇ。七尾さんから着信や受信があるときはここに触れば開けるよー』
チュレムちゃんの口調がさっきまでのものとは変わっている。
そういえば最初は陽気な感じだったのに説明を始めてからやたらと長文早口になっていたな。
そのあたりを本人?に訊いてみると、こっちが本来の状態なのだと言っていた。つらつらと話していたのは役目を果たそうとした緊張故だったそうな。
『そうそう、友達手帳に登録するにはお互いの魔道具を翳せばいいの。あとは呼び出された登録窓の表示に従って認証するだけで登録完了!』
「うん? 俺、七尾サンとそんなことしてないよ?」
『おうおう! その辺はボクとヴィー様で勝手にやっときました! 七尾さんの性格からしてヴィー様がサボ、げふん。脱走すればあっきーそっちのけでかかりきりになるのはわかってたしね。友達手帳に登録しとけば七尾さんが落ち着いたら連絡してこれるでしょ。褒めてもいいのよ? えへん』
サボりなんだね。わかってたけどさ。
「ありがとう? 結果的には確かにありがたいことなんだけど、なんだか腑に落ちない…」
そもそも宰相さんが脱走しなければ、なんて分かりきったことを言っても『だねだね』と、気の無い返事が返ってきただけだった。
友達手帳というあまりにもそのまんまな名前の窓には、不貞腐れたような七尾サンの顔の画像と名前が横並びに表示されている。
七尾サンらしい表情に微笑ましさすら感じる。
ちなみに、通信機能を開いたときの窓には「もしもし機能α」と書かれていた。これを名づけたのは魔道具を作ったという宰相さんだろう。
天は二物を与えず、とはよく言ったものだね。
『ではでは、さっきの続きを説明するよ。「仕事依頼」に触れてみてちょ』
「仕事依頼はー…これだね」
ポチッとな。
新たに出てきた窓の一番上には「依頼板」と書いてある。
その下には3つのボタン。
それぞれに、「緊急」「納品」「作業・成果」と書かれている。
「あれ? 「緊急」のボタンだけびっくりマークがついてるんだけど、どういう意味なの?」
他は全て白い文字だけなのに、「緊急」のボタンには文字の隣に真っ赤なびっくりマークがついている。
『あーあー。緊急依頼だね。いつものことだから内容はだいたい想像がつくけど…とりま、開いてみてちょ』
「いつものこと」ってどういうことだろう。緊急なら一時的なものなんじゃないのか?
ポチッとな。
「えーと、なになに?」
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緊急依頼
・宰相捕獲
また宰相が失踪した。捜索を依頼する。
発見報告…1,000P, 捕獲成功…1,000,000P
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これはまた…
『あーあー。やっぱりねー。ヴィー様が脱走する度に出る緊急依頼だよ。緊急依頼の9割はこの依頼といっても過言じゃないねぇ』
「脱走の度にって…。『また』って書いてあるけど、そんなに脱走してるのか…?」
『ウィウィ。ここしばらくは脱走しなかったから、「最近ヴィー様がおとなしいけど、また何か企んでるのか?」ってよく訊かれたよー。いつもなら3日あったら2日は脱走してるよ。そういえば、あんまり長く脱走したせいでヴィー様死亡説が流れたこともあったねぇ』
脱走しなければ企み事を疑われるって一国の宰相としてどうなの。
女王様もよくそんな人を宰相にしたな。
ああ、女王様も武勇伝持ちだったわ。
「懐かしそうに語ってるところ悪いけど、宰相さんがそんなに休んでていいの?」
『それそれ。そこがヴィー様の凄いとこなのよ。3日に2日サボ…脱走しようが、ロクでもない研究で城を混乱させようが、そのせいで若手に嫌われて反宰相派閥ができようが、どうしようもないくらいの能力があんの』
以前、反宰相派の若者数人が「自分達のほうが宰相に相応しい」と散歩中の宰相さんに詰め寄ったことがあったそうだ。
いずれも有能な若者で、また、反宰相を強く掲げていたために反宰相派の中でもかなり発言力のある者たちだった。
鼻息の荒い彼らに対し、宰相さんは「じゃあ今日から宰相交代ね」と、彼らに執務室の入室許可を与えてこれ幸いと脱走した。
「宰相さんブレがないね」
『ウィウィ! 脱走への情熱に関してヴィー様の右に出る者はいないよ』
そこは胸を張るところじゃないだろう。
宰相さんから入室許可を受け取った彼らはそのことを周囲に喧伝してまわった。曰く、「宰相は自らの無能を認めた」「弱虫なので怖気づいて逃げ出した」「やはり自分たちのほうが宰相に相応しい」と。
実際、彼らは有能だったので、執務室に持ち込まれた宰相の仕事を次々とこなしていった。
宰相がいなくなり、反宰相派優位の空気が城内のみならず国中に広がっていった。
だがそのうち、彼らの間にピリピリとした緊張感が漂うようになった。5人いる若者に対して宰相の地位はひとつしかないのだ。
また、ある一定よりも上の世代の者たちは反宰相派に靡くことはなかった。特に幹部以上の地位にいる者は、皆無言を貫いた。
それを若者たちは「既得権益を守るためだ」と声を大にして批難してまわった。しかし、それでも迎合どころか反論ひとつなく、若者たちは段々と薄気味悪さを感じ始めていた。
無言を貫いている幹部の中にも1人、反宰相派とされる男がいた。彼が事あるごとに宰相と対立することは有名で、反宰相派閥の筆頭としてその名がよく挙げられる男だった。
幹部達の態度の理由を知りたかった若者たちは、「彼なら自分たちを応援するであろう」と思い面会を求めたが、多忙を理由に拒絶された。
「彼は成り上がった自分たちが気にくわないのだ」「彼もまた既得権益にしがみつく者のひとりだったのだ」と、若者たちは憤慨した。
それから数日後、城内は慌ただしい空気に包まれることになった。
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