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本編 幼少期
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しおりを挟む先にソフィアが仮名を貰い、次に、ルーカスが貰うことになった。
「では、こちらにお立ちして、この水晶にお触れし心の中でルミナス様とお呼びください」
「分かりましたわ」
ソフィアは、部屋の真ん中に立ち、水晶に触れて心の中でルミナス様と呼ぶ。
すると水晶が光り、部屋中に誰かの声が聞こえる。
《我の名前はルミナス。汝に名を授ける。汝の名はルナ。ソフィア・ラ・ルナ・アイザック・ナサニエル。
これからも精進せよ》
声が消えると、水晶の光も消え、水晶の隣にある紙に、ソフィア・ラ・ルナ・アイザック・ナサニエルと記されている。
「おめでとうございます。ルナ皇女」
「おめでとう」
「すごく綺麗な名前だね。姉さんにぴったりだよ」
「ふふ、ありがとう、ルー」
ソフィアは嬉しそうに笑う。
「月ね! 可愛くて綺麗なソフィにぴったりだわ!」
「ああ。君によく合っている」
「では殿下、お願いします」
次はルーカスの番だ。ルーカスは水晶の前に立ち、触れた。
(ルミナス様)
水晶から先程よりも強い光が放たれた。
光と同時に、ルーカスは頭に酷い痛みを感じた。
「っ、」 バサァー!
ルーカスは頭を押え、痛みに耐える。すると、体内に仕舞っていた翼と角が姿を現す。
「なっ! ルーカス!」
アーサーがルーカスに呼びかけ近づこうとした。その時、部屋中が一際大きな光に包まれる。
「「っ!?」」
「何故、此方に……」
ルーカスは頭の痛みが消え、顔を上げると、目の前に、体全体が発光し、綺麗な長い金髪と金色の瞳で綺麗な顔立ちの男性が立っていた。
(誰?)
《我が名はルミナス。汝に名を授ける者である。翠よ、汝に名を授ける》
「っ!?」
(今、翠って呼んだよね)
「今の私の名は、ルーカスです。貴方は何故、私の前の名前を知っているのですか」
《私は汝の全てを知っている。汝の記憶を見させてもらい、この世界に連れてこようと思った。汝の前世はあまりにも惨過ぎる》
「貴方が私に生を与えて下さったと? それは大変ありがとうございます。私はこの世界に生まれて、家族に愛して貰えました。とても感謝しております」
「……ルーカス?」
ルーカスはルミナスに感謝の言葉を述べた。しかし、目は虚ろになり、その表情に生気は一切感じられない。まるで操り人形のようだ。
《我に敬語を使わないでくれ。汝の敬語は聞きたくない。レオ達と話すように我とも話して欲しい》
「……」
ルーカスは、その言葉を聞くと彼とどのように話せばいいのか、迷った。
《我は汝に、あんな者達は忘れて笑顔で生きて欲しいのだ。だが、汝は記憶力が良い為記憶を消してやれなかった。角と翼も、消そうとしたが、魂に付いている為消せなかった》
ルミナスの言葉を聞くと、ルーカスの顔が暗くなった。
「魂に付いているの? なら、何度死んでもこれは無くなってはくれないんだ」
《……ルーカス、汝には寿命がない。そして、心臓を貫かれても、首を跳ねられても、体が粉砕されても、怪我は数日から数週間があれば回復し、死ぬ事は出来ない》
「死、ねない……?」
「っ!」 ガバッ!
ルーカスの表情に一切の感情が無くなり、魔力が少し不安定になった。それに気づいたアーサーは、ルーカスを思いきり抱き締めた。
「ルーカス、落ち着け。大丈夫だ、ルーカス。この世界には私達がいる。私達だって、数万年は生きられる。私達が、子供達が、子孫がずっとルーカスと共にある。君は1人にならない」
死ねないということは、死ぬ事と同じ位辛いだろう。知っている者が自分の前から消えていく。1人だけ取り残されてしまう。
ルーカスをジェシカとソフィアも抱きしめる。
「大丈夫よ。ルーカス、私達はすごく長生きなのよ。寿命なんてないのと同じだわ」
「だからルーは、私達と楽しい時間を過ごすの。これからもずっと。ずっと一緒に」
「っ、うん。ずっと一緒が良い」
「ああ。ずっと一緒だ」
ルーカスの心と魔力は安定して、いつもの調子を取り戻した。
「ごめんね、ルミナス様。取り乱して」
《構わない。それよりも、我をルミナスと呼んでくれ、ルーカス》
「いいの?」
ルミナスが頷く。
「分かった。ルミナス」
《では、汝に名前を授ける。汝の名は、アルシアンそしてテオ。ルーカス・アルシアン・ラ・テオ・オスカー・ナサニエル》
全員が呆然とした。
(アルシアン、テオ……)
「どうして2つもあるのかな?」
《他の神々とも話し合い、前世の詫びということで2つの名を授けることにした》
「そう、なんだ。ありがとう」
《それから報告が有る。先ず、汝はその翼を使って空を飛ぶことが出来る。そして、汝は髪色と瞳の色を変えることも出来る。それから、神々には寿命がない。もし下界で嫌な事があれば、神界に遊びに来い》
「……神界って神がいる場所だよね」
《そうだ。いつでも来ていい。我達の事も頼ってくれ。汝が願えば神界へ行ける》
「そうなんだ…… 。うん、覚えておくね」
《最後の報告だ。生涯に1人だけ、互いに一生共にいたいと望む伴侶の寿命を無くすことが出来る。傷の治り等も少し早くなり、体が丈夫になる。しかし、死ぬことも出来る。
これが我からの報告だ。アルシアンの名は、その伴侶に呼んでもらうのはどうだ。では我は戻る、精進せよ》
部屋が光に包まれ、ルミナスの姿が消える。
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