転生皇子の新生活

𝐍 𝐢 𝐚🐾

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本編 幼少期

85

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 ラルフとメーリンは 、その話を聞くと言葉を失った。


「……まじかよ。皇族がいるのに喧嘩売るとか有り得ね~」


「しかも公爵家の人間に向かってなんて事言ってんだそいつら」


「だから言いたくなかったんだよ。人が侮辱された事を安易に言うべきでは無い。気分の良い話でもないからね」


 2人は少し申し訳なさそうな顔をした。


「悪かったな。あんたが話したくなさそうだったのに無理矢理聞いて」


「私も乗っかって悪かった」


「良いよ。ティファニー達も特に気にしていないみたいだし。まぁ外ではこの話はしないでね」


 ルーカスがそう言うと、2人は真剣な顔で約束した。

 やっぱり皆、真面目で優しい子達だな。でも空気が少し暗くなってしまった。


「そうだ」


 ルーカスは何かを思い付いたように、エドワードの所へ行った。


「どうした」


「エド兄さん、琴を弾いてもいいかい?」


「それは良いな。まだ私達も聞いた事がないからな。楽しみだ」


「ありがとう」


 ルーカスはモニカに言い、少し低めの椅子と机を運んでもらった。

 シュッ


 椅子に座り亜空間から古琴を出すと、音の確認をする。

「見たことない楽器だな」


「東洋の楽器だそうです」


「そうなのか」


 東洋の文化はナサニエルだけでなく、他の国にも余り広まっていないらしい。
 そのため、皆は古琴に興味津々のようだ。


「では、弾いていくね」


 ルーカスはそう言うと弦を弾き、少し微笑むように笑う。その音色は川に流れる水の様に、時には優雅に響き、時には激しく流れる。


(……凄い。心地良くて心が温まるわ。それに……)


(凄まじいなこれ。何処の楽師の演奏よりも釘付けになる)


 皆は、ルーカスの演奏に声も出ない程釘付けになる。

 ルーカスは凄く楽しそうなとても優しい微笑みで演奏していく。

 綺麗な音色が響き、最後の1小節を弾き終えた。
 すると、皆の拍手と歓声が上がる。


「すげ~な! 言葉が出てこなかったぞ」


「本当にとても素敵な演奏だった」


「それにルー様の演奏するお姿は、まるで女神様の様にお美しかったです!」


「ふふふ、ありがとう」


 ルーカスは凄く嬉しそうな笑顔でお礼を言う。


「女神でいいのかよ。お前は一応男だろ」


「一応って……」


「確かにかっこいいって言われたいけど、お世辞よりも心からの言葉の方が凄く嬉しいからね」


「確かに、狐や狸は何処にでもおりますからね」


「そうですね。人間は何かと媚びを売るものですから」


 アレイルとノーマンが笑顔でそう言うと、皆は少し微妙な顔をした。

(この2人意外と辛辣なんだね)


「そろそろ席を移動するか」


「もう1周まわったぞ」


「兄様、自由に座るのはどうでしょうか」


「そうだな」




「((コソッ…姉さん、良い事思いついたんだけど……」

「((コソッ…成程、良いわね」


 ルーカスとソフィアは何かを企むように話した後、エドワードの方へ向かった。


「((コソッ…エド兄さん、この庭園の少し奥に噴水があるんだよ」

「((コソッ…そこにティファとお二人で行ってきてはいかがですか」


「っ! はぁ、私は優秀な弟達を持ったようだ」


 エドワードは少し恥ずかしそうにそう言うと、ティファニーを誘い2人で噴水の方へ向かった。

 他の皆はそれぞれ好きなところで固まって話をする。ルーカスは側近の3人と話している。


「キャシー、君の共鳴の魔法は魔力を登録しておけば、遠くにいても魔力を流して位置を知ることができるんだよね?」


「はい。会話をする事も可能です」


「そしてエイルは、気配や位置が分かればその場所に転移する事が出来る」


「その通りです」


「では、僕とエイル、リヴの魔力を登録してくれないかな?」


「畏まりました。では私に魔力を流して頂けますか?」


 ルーカス達はキャシーに魔力を流し、登録してもらった。


「私と1本の線で繋がっているイメージで魔力を流してください。そうすると共鳴できます」


「五感を共鳴するのか?」


「そうよ。聴覚や視覚だけを共鳴することも出来るし、他にも感情や痛覚も共鳴出来るわ」


「キャシー、共鳴する時は必ず安全な時とは限らない。痛覚だけは絶対に共鳴しない様にしなさい」


 ルーカスが真剣な表情で言うと、キャシーが答えた。


「肝に銘じておきます」


「うん。それにしてもエイルとキャシーだけ普通に話してずるいよ。僕には堅苦しい敬語なのに」


「少しずつ崩していってますから!」


「ふふ、うん」


「分かっていて言いましたね」


 ルーカスがいたずらに笑って謝る。


「余りからかわないでください」


「ふふ、そうだ、君達5の月の7の日から3日程、空いているかい?」


「学園も長期休暇に入っておりますので予定はございませんが、どうかされましたか?」


「オスカー領で買い物をしたいから来て欲しいんだけど良いかい?」


「大丈夫ですよ」


「予定を空けておきます」


「ありがとう」


 5の月に4人で買い物に行くことになった。エドワード達が戻ってきた後、少し話してからお開きとなった。


「今日は楽しかったわね」


「うん。来年も楽しみだね」


 側近達のお茶会は毎年恒例の行事となった。






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