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本編 学園中等部編
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しおりを挟む「何故ローゼル伯爵が君の事を脅すんだい?」
「そ、それは……」
「((ヒソッ…ほらやっぱり嘘よ」
「((ヒソッ…どうせローゼル伯爵を妬んで名前を出したのよ」
ルーカスが信用していないように尋ねると、ロンド伯爵は口を噤んだ。それを見て貴族達は嘘だ妬みだと噂する。それを見てロンド伯爵は覚悟を決めた様に発言する。
「わ、私が闇市を出入りしている所を、ローゼル伯爵に目撃されて、、」
「それで、ばらすと脅されたと?」
「本当です! 信じて下さい!」
ルーカスはロンド伯爵への質問を終えると、騎士達に向けて言う。
「この者達を牢屋に入れておきなさい。処罰は父様が決める。父様への報告も忘れないように」
「「承知致しました」」
「っ、待ってくれ!! 本当なんだ!! ローゼル伯爵が私を……!」
騎士達が連れて行こうとすると、ロンド伯爵と分家の者は、ルーカスに真実だと何度も訴えた。しかしそれも虚しくそのまま騎士に連行されて行った。
するとルーカスの元へ、騒ぎを見ていた反対派の大臣であるペレス男爵がやってきて言う。
「皇子殿下、確かに信用は出来ませぬが、調査だけはするべきです」
「ペレス男爵、いや、その必要は無いよ。直ぐにローゼル伯爵を捉えさせる」
ルーカスのその言葉に、ペレス男爵や他の貴族達は、耳を疑った。
「しかし冤罪であった場合……」
「ペレス男爵、問題はない。ルーカス、魔法が反応しなかったのか?」
「うん。彼の様子を見ても嘘は付いていなかったよ」
エドワードが近付いてきてルーカスに尋ねる。それをルーカスが答えていると、ペレス男爵は一瞬呆然とした後、顔を真っ青にしてルーカスに言う。
「まさか、嘘を知らせる魔法を使われたのですか……!? なんという無茶を! お体に異変はございませぬか!?」
心底焦った様子で心配するペレス男爵に、ルーカスは目を見開いて驚く。そして嘘を知らせる魔法を使ったという言葉に、貴族達は理解が追いついていない様子。
「えっ、と、平気だから、落ち着いて? 痛みももうないし、不調も感じないから」
それを聞くとペレス男爵は大きく息を吐いて安堵する。その様子にルーカスはまだ驚いている。
反対派にはてっきり邪険にされているものだと思っていたけれど、本気で心配されてしまった……。
「まったく皇族の方ときたら、いつもいつも無茶ばかり成さりおる。
よろしいですか! 皇子殿下の御身に何かあれば、民はとても心配為さるのです! 気付いておられないご様子ですが、貴方様は民からとても好かれております。化け物などと揶揄する不届き者共は馬鹿な貴族共だけにございます。
皇族が民に幾度も心労をかけてどうされますか! それに貴方様の姿を見た者は化け物などと──……」
ペレス男爵はこれでもかと言う程の苦言をルーカスに言う。その様子にルーカスは困惑するが、側にいるエドワード達や他の貴族達は、始まったなと言う様な慣れた様子で見守っていた。
「良いですか! 皇子殿下のご心配をするのは御家族だけではないのですよ。ご友人や貴方を尊敬している者も」
「ふふ、ごめんね、ペレス男爵」
ルーカスは耐え切れず、物凄く嬉しそうな笑顔を向けて謝った。それを見たペレス男爵や貴族達は驚きの余り固まってしまう。
「父様達や側近達は少し過保護なところがあるから、こんな風に苦言を言ってくれるのは君が初めてで、嬉しくなってしまったよ。けれど、説教中に笑うのは失礼だったね。ごめん」
ルーカスの言葉に、ペレス男爵は未だに固まっている。
「これはペレス男爵も過保護の仲間入りだな~」
メーリンのその言葉に、ペレス男爵ははっとする。
「と、とにかく! 御自身を大切になさいませ! 私は陛下に事の顛末を報告して参ります。皆様も早くお戻りください!」
ペレス男爵は照れ隠しをするのようにそう言うと、急いでアーサーの元へと向かっていったのだった。
「ルーカス、ロンド伯爵が怪しいといつ気付いたんだ?」
「婚約発表の時の笑顔が胡散臭かったから、目星は付けていたけど、丁度会話を聞けたのは偶然。まだ残っていたから盗み聞きしようと思って、戻ってきたら運良くという感じだよ」
「よく見てんだな。笑顔が胡散臭いとか絶対分かんねぇわ」
「まぁルーだしね」
ラルフの言葉にセドリックがそう言うと、皆はうんうんと頷いた。それを見てルーカスは苦笑いしたのだった。
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