転生皇子の新生活

𝐍 𝐢 𝐚🐾

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本編 学園中等部編

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 翌日の朝、ルーカスとリヴァイは支度を済ませるとレイアを連れて馬車に向かった。御者はイグネイシャスがするそうで、ルーカス達が馬車に乗るとイグネイシャスが馬車を走らせた。


「レイアは街に行くのは初めてかな? 沢山見て回ろうね」


「う~」


 少しの間馬車が走り街へ到着すると、ルーカスとリヴァイは先にリボンの刺繍を頼みに行くことにする。2人は以前パーティー用の正装を仕立てるために皇城へ呼び、依頼したデザイナー達のいる店へと足を運んだ。レイアはイグネイシャスと馬車で留守番をする。


 ルーカスとリヴァイが店に入ると、すぐ様店員が2人の元へやってきた。


「いらっしゃいませ。奥の個室へご案内致します」


 1人の店員がルーカスとリヴァイを個室へ案内し、他の店員が2人に紅茶とお茶菓子を持ってきた。


「今日はどういったご依頼でしょうか?」


「このリボンに、ムハンマド公爵家の家紋を刺繍して欲しい。すぐに出来るかい?」


 ルーカスは亜空間からリボンを入れた木箱を取り出し、店員もといデザイナーへリボンを見せた。


「こちらのリボンにですね。私はムハンマド家の御仁に依頼され、家紋を刺繍したことがございます。そうですね、今日のお昼頃には完成出来るかと」


「それは良かった。では未の刻に取りに戻るよ。それまでに完成させておいてくれるかな」


「かしこまりました」


 その後デザイナーは大きさなどを事細かに確認する。


「では最後に刺繍糸の色ですが、どうなさいますか?」


「シルバーグレーの色はあるかな?」


「勿論ございますよ」


「ではそれで入れてくれるかい」


「かしこまりました」


 全ての注文を終えると、ルーカスとリヴァイは店を出てレイア達の待つ馬車へと戻った。そしてまた馬車が走り出し、次は雑貨屋へと向かった。


「殿下、シルバーグレーだと私の色だとすぐに分かってしまいますが、よろしかったのですか……?」


 リヴァイは少し不安そうな声でルーカスに尋ねた。


「……何かだめな理由でもあったかな? 僕はムハンマド家の人間になるのではなく、君の伴侶になるんだ。だから寧ろ、君の色を纏えることが嬉しいんだよ」


「ありがとうございます。殿下に私の色を纏って貰えることは、とても嬉しく、大変光栄にございます」




 馬車が雑貨屋へと到着すると、ルーカスとリヴァイはレイアを抱えて店へ入り、赤子の玩具スペースへとやってきた。


「玩具が沢山あるね。レイア、気に入ったものはあるかい?」


「ばぁぁ、あ~」


 ルーカスがレイアに話しかけると、レイアは玩具を見るのではなくルーカスを見て嬉しそうに話しかけた。

 その様子を見てリヴァイが玩具を1つ手に取ると、レイアに遊んでみせる。


「レイア、これはどうだ?」


「デンデン太鼓だね」


 リヴァイがレイアの目の前でデンデン太鼓を振るとポコポコと可愛い音を鳴らす。
 レイアはそれに興味津々の様子だ。


「気に入った様だね。では風車はどうかな?」


 ルーカスがそう言うと、レイアを抱えて両手のふさがっているルーカスに変わり、リヴァイが風車を取ってレイアの顔の近くへ持っていくる。
 それにルーカスがふうっと息を吹きかけると、風車はからからと沢山回った。


「きゃあきゃ~」


「これも気に入ったようですね」


 2人はレイアの気に入った玩具をいくつか見繕い、会計を済ませた。レイアが気に入ったものは、デンデン太鼓、風車、鈴の3つだ。そして絵本を5冊ほど買い、馬車に戻った。




「レイアは音のなる物を好んでいるようですね」


「そう言えばそうだね。音が好きなのなら、屋敷に戻って笛子や古琴を弾いてみようか」


「きっと気にいると思いますよ」




 その後ルーカス達は、食べ歩きをしたり、店に寄ったりして、街を散策した。そして未の刻が近付き、ルーカスとリヴァイはリボンを取りに仕立て屋へと戻った。


「こんな感じに仕上がりました」


 デザイナーがルーカスへ刺繍を入れたリボンを見せる。リボンにはムハンマド公爵家の家紋である狼とナスタチウムの花と葉がシルバーグレーの糸で刺繍されている。


 リボンを受け取り代金を支払うと、ルーカスとリヴァイは馬車に戻った。


「おかえりなさいませ。レイア様はお昼寝なさいました」


「ありがとう」


 ルーカスはイグネイシャスから眠っているレイアを受け取り抱える。


「この後の予定はどうなさいますか? 神殿への訪問時間まで少し時間がございます」


「そうだね、以前ティファニーに行くように言われたエラスティスという店に行ってみるかい?」


「そうでしたね。行ってみましょうか。イグ、場所は分かるか?」


「承知しておりますが……家紋の描かれた馬車を店前に止めておけるようなお店ではございませんので…………」


「どういうことだ」


 歯切れの悪いイグネイシャスの言葉に、リヴァイが尋ねる。


「お嬢様に口止めされておりますので詳しくは話せませんが、少なくとも赤子や幼子を連れて入れるようなお店ではございません」


 幼子を連れて入れない店をティファニーが僕とリヴの2人に勧める。それも2人で行き、勉強するようにと……もしかして。


 ルーカスもリヴァイも、イグネイシャスの言葉になんとなく予想が着いた様子だ。


「……取り敢えず行ってみようか。ガイ、通りまで馬車で向かいなさい」


「かしこまりました」


 ルーカスとリヴァイ、レイアの3人は馬車に乗り、エラスティスへと出発した。




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