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本編 学園中等部編
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しおりを挟むウィリアム達と昼食を取った日の魔法の授業や放課後の時間に、ルーカスは炎の魔法の習得に励んだ。
火の魔法よりも威力が高く、魔力を多く込めるように……。
ルーカスがイメージをしながら魔法を発動する。するとルーカスの手元にボッと火が起きた。
「なんだ今日は火の魔法の練習か?」
そこへイライアス先生がやってきてそう言った。ルーカスは主に授業中は氷、霧、音の魔法を練習していた為、イライアス先生が珍しそうに見ていた。
「いや、炎の魔法を習得できないかなと思ってね」
「……本気か? もし習得出来たらまた魔法課が驚きまくるだろうな」
そう言ってイライアス先生はリヴァイの方へ視線をやった。
魔法課とは魔法士団の中でも特に魔法に対する関心や探究心の強い者達や、魔法士団を引退した老人達などが所属する魔法研究の為の組織である。
炎の魔法と氷の魔法の両方の習得に関する研究は何万年にも渡り進められてきていた。その中で突然両方の魔法を持って生まれたリヴァイに、魔法課の者達は大いに興味を持ちムハンマド家に書簡を送るほどであった。
「まあ、習得出来るかは分からないけれどね」
「そんなこと言ってどうせ簡単に習得しちまうんだろ?」
「流石に何万年も研究されてきた事を簡単にやってのけるのは無理だと思うよ」
ルーカスの言葉を聞くと、イライアス先生は疑う目でルーカスを見た。その後軽い鼓舞する言葉をルーカスに言って、他の生徒達の元へと向かっていった。
「んー、やはり難しいね。リヴ、少し見本を見せて貰えないかな? 火と炎両方見せて欲しいんだけど」
「分かりました」
リヴァイは返答すると、すぐに魔力を込めて火の魔法を発動した。そして次は炎の魔法を発動する。
火の大きさは同じで魔力量もあまり変わらないね。けれど威力は雲泥の差がある……。
「ありがとう、リヴ」
「いえ」
ルーカスは今度は魔力をあまり込めすぎず、火の大きさも変えずに、威力だけを上げる様イメージして魔法を何度か発動していく。
「ルーカス殿下の魔力量は本当に凄いわね」
「ああ。私達なら既に魔力不足を起こしている」
ルーカスの長時間の練習を見ていたキャサリンとアレイルが感心した様子でそう話している。
「集中力も凄い。あれだけ長時間1つのことに集中なされている」
「そうね。午後の魔法の授業の間ずっと練習しているわ。だから、」
「「そろそろ休憩させないと」」
「だな」
「ええ、ルーカス殿下もリヴも体力お化けだから、ぶっ続けでの鍛錬に何とも思わないのよね」
困った様に言うキャサリンにアレイルも賛同する。そして2人はルーカスとリヴァイに少し休憩するようにと促しに行ったのだった。
あれから1週間、ルーカスは何度も試行錯誤しながら炎の魔法を発動しようと頑張った。しかしやはりと言うべきか、良い結果は見えなかった。
ウィル兄さんは威力を上げるイメージですぐに習得出来たらしいけれど、やはり氷の魔法が枷になっているのかな。
ウィリアムも去年炎の魔法を特訓し、無事に習得していたのだ。
アーサーの母がクラークの人間だった為、ウィリアムにも炎の魔法の素質が充分にあったのだろう。そして何より魔法の天才と呼ばれる程の才能を持つウィリアムは簡単に炎の魔法を習得することが出来た。
「殿下、そろそろ馬車が来る頃です」
「分かった。行こうか」
今日は光の曜日で明日は休日の為ルーカスとリヴァイは馬車に乗ってムハンマドの別邸へと向かう。
ティファニーは妃教育がある為、エドワード達と皇城へと行ったのだった。
「殿下、明日レイアを連れて街に行きませんか? リボンの端に、ムハンマドの家紋を入れさせてください」
「うん、行きたい。その後は少し神殿へ寄っても良いかな? 既に知っていると思うけれど、ルミナスにも僕達のことを報告しようと思うんだ」
「かしこまりました。では明日の朝に出発して午後まで街を散策をした後、神殿へ向かいましょうか」
「うん、ありがとう。楽しみだよ」
そしてルーカスとリヴァイは明日街に行くことになった。
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