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13 エピローグ
しおりを挟む出産前後によく妊婦に起こる鬱だと、医者に言われるのも仕方がないほど、よく見る夢があった。
家々に火の手が上がり、逃げ惑う人々の顔は悲壮感が浮かび、処々に剣を持つ者が戦っている。
現場は何処なのか分からないけど、明らかに闘いの真っ只中。
隣国のものなのか、自国のものなのかさえ分からない。
疲れて横で寝ているレイノルドを起こしたくないのに、飛び起きてしまう自分が許せない。
やはり起きてしまったレイノルドが、「見たのか?」と言いながら、背中をさすってくれた。
いつもの様に、抱き締めながら、誘導に答えてたら……
「どうやら、その夢は隣国の様だね」
そう言われ、驚いて、目を丸くしてたら、解説してくれた。
「兵の着ている鎧の色、分かれているか居ないかだけで、帝国か隣国か判る。」
と言うか、「帝国か隣国?」と聞き直していた。
「ああ。攻撃を弾く防御魔法が掛かっている鎧の色は、黒いか白いかのどちらかで、隣国は持って居ない。」
そう言われたんだけど、あれ?と首を傾げてた。
「リリ。我が国の兵には、赤も青もあると思ったんだろ?」
そう言って、朗らかに笑ったレイノルド。
「属性魔法を使える者が、直ぐに使える様に、鎧に魔力を通して待機させているからだよ。」
初耳だけに、「えっ!」と声を上げてたんだ。
隣国の逃げ惑ってた平民の者は可哀想に思うけど……
隣国の上層部が、講和し長年同盟していたにも関わらず、その間も裏切って来ていた事を思うと……
それも、長く続いてる帝国との紛争は、国境の事で、昔すぎて、当初が忘れられていたけど、隣国からだった模様。
レイノルドに寝物語の様に囁かれ、ようやく眠れた。
自分の見た夢、きっと国王陛下に知らせただろうな。
そう思いながら、大きくなって来たお腹の子のおくるみを縫ったり、靴下やミトンを編んでいた。
ちなみに、青い刺繍糸や糸を使ってるのは……
初めて、夢で魘されなかった夢で、幸せだった。
今後、見る夢が悪夢ではなく、幸せだったら良いなと思ってた。
けど、夢が危険を知らせるのに、見せて来ていたのならば……
レイノルドが側に居てくれるのならば、悪夢であっても、見ても構わないと思う様になった。
ただただ怖がるのではなく。
end
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