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第3章 聴講生になったので、自由にします!
あ〜そんな歌があったなあ
しおりを挟むダーイン辺境伯とロッテンマイヤー侯爵家との縁談
言うまでもなく、考えられた話だった。
コーデリアはもう、第2王子殿下エドワード様の婚約者候補ではない。
攻略対象だと思ってた、ヴィルジーク様の甥であり、公爵家の継嗣で、脳筋のウィリアムでは、コーデリアを御せない。
魔術師の塔の大魔道師の息子のルイビエストも、魔術師の塔に入るのは、イルラ同様、決まってるけど、物になるかは入ってみない事には……
公爵令嬢だったクリスティーナ・アギレラ様が、大公妃となって、抜けるとなれば、筆頭は数名の侯爵令嬢となる。
実は、コーデリアの父親であるロッテンマイヤー侯爵に、幾度も、王都の屋敷に行った事あるけど、会った事ないんだよね。
どんな人か分からないけど、やり手何だろう。
ただ、ダーイン辺境伯領とロッテンマイヤー侯爵領は、王都からは同じ方向で、馬車で1泊の距離。
うん。コーデリアにヴィルジーク様は、良い縁談だよね。
だけど、ヴィルジーク様良いの?
想い人が居たから、頑張って功績を残したんじゃないの?
って、今頃なんで、気付くんだろ?
自分の気持ちに。
気付くと同時に失恋じゃない!
そう言えば、前世であったよね、こんな歌。
慟哭
あのシチュエーションは男友達だったけど……
あ、でも、コーデリア、ご令嬢方が言ってたけど、王都のサロンどうするんだろ?
不在でもサロンは回ってたけど、華やかさに欠けてたからね。
ご令嬢方という花はいっぱい居たけど。
もしかして、ロッテンマイヤー侯爵、商売させたくなかったのかな?
色んな事が、頭に浮かぶけど、自分にとって、ヴィルジーク様は掛け替えのない人だけど、高嶺の花。
貴族令嬢のまま居たとしても、自分は子爵家の庶子だもん。
ヴィルジーク様の想い人の件だけクリア出来たら、コーデリアの婚約をお祝いしてあげないと、いけないよねえ。
出来るかな?
直ぐに、顔の猫が逃げ出しちゃうのに。
いっその事、他国に行っちゃう?
平民の冒険者なんだから、阻むものは何もないよね。
行くのなら、北?南?
最近、よく閃く予感で行くなら、南だね。
北に行くと、何やら巻き込まれそうな予感がするんだ。
それも、勇者と帝国絡みで。
それに、南であれば、辺境領から、ロッテンマイヤー侯爵領を通過して、南下すれば良いから……
通過して行く間にも、領民たちから、2家の婚姻の情報が耳に入るだろうし。
他国ともなれば、さすがにお金のない子爵家も、追い掛けて来るのは無理だろうし。
まあ、今は辺境伯領の新しい上級ダンジョンに入りたいので、戻ろう。
ヴィルジーク様に会うとは思えないけど、会った時にはおめでとうございますって、言わなきゃね。
自分でも気付かない内に泣いてた様で、補充終わったら出るねと言ってて良かった。
ロッテンマイヤー家の使用人達に気付かれると不味いと思ったので、補充後、店を出た。
王都を出て直ぐ、転移で辺境伯領に戻ったんだけど……
べーゼルには入らず、森の中に小屋を出して籠った。
王都に寄ると言った時、母、しばらく婆ちゃんの処に居ると言ったので、今居ないの。
上級ダンジョンに入る時までに、冷静さを取り戻せる様に、泣くだけ泣いて、昇華させたかった。
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