ヒロインだと言われたって知るか!

ふにゃー

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第4章 学園卒業しました!同時に結婚しました

フィリパリナの森

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  昨夜は、小屋のロッジで作った料理を持って、外で、焚き火を囲んで、騎士様達と夕食にしたんだけど……

  ヴィルジーク様に、早々にロッジに戻る様に言われた。

  まあ、ヴィルジーク様は領地の特産になったワインで、帝国の騎士様達を懐柔するのは予想が着いた。

  我が国の騎士様達は顔見知りだけに、アゼリア王国内に滞在時にとうに飲ませてた。

  夏になる前に、我が国を出て、今はもう秋。

  まだ寒くなる時期じゃないけど、季節的には収穫の時期だけに、人は元より魔物も食べ時。

  森のあちこちで動きがあるのは当然だけに、ベアやボアが居ると思ったのに、居たのは狼の大きな群れ。

  もしかすると、ブラッドウルフがtopの群れに追われたか、食われたか……

  まあ、ダンジョンから戻った頃には、戻って来てるかもね。

  一応、ここのダンジョンは、ダンジョンNo46と意外と古めで、名前はフィリパリナの森、30階層のフィールド系の上級ダンジョン。

  自分個人としては、採集しながら討伐し踏破と行きたいところだけど……

  間引きがメインだけに、どれもが中途半端に終わりそうな気がする。

  ちなみに、中級ダンジョンは回る予定に入っていない。

  CやDランクの冒険者達だけで、討伐依頼をこなせるだろうって事で。

  魔王討伐にはBランク以上が参戦出来ると、条件が付けられている。

  あくまで、有志としてのだよ。

  強制ではないけど、ギルドから依頼が出るのはA以上。

  参加すれば、ランク上げの何かが免除って話はまだ出てない。

  けど、勇者が出てこず、戦況が悪化すれば、人参が投下される可能性が高い。

  まあ、魔王討伐で戦果を出せば、Sランク冒険者になる者も出て来るだろうねえ。

  だけど、Sなんかになった日には、指名依頼ばっかりで、絶対に嫌になるよ。

  そう思ってるので……

  Aランク以上になる気はありません!



  昨夜遅くになって、ベッドに潜り込んで来たヴィルジーク様だけど……

  今朝早々に、囁かれた事に飛び起きてた。

  「昨夜、見せられたよ、ライラが持ってた物と同じ、スマホとかいうものを」

  ええ~!?ってところだけど……

  「それはなんだい?としらばっくれておいたが…ラウラが持っているところを見てないか?との事だったよ」

  「という事は、転生者の確認をして来たのね……って、聞いて来たのは誰!?」

  「黒髪に灰色の瞳のクライツと名乗った者だ」

  「気を付けておくね」

  そう言った後、キスして、支度を始めた。


  色んな携帯食がいっぱいあるのに、更に昨夜仕込んで、潜ったダンジョン。

  フィールド系の上級ダンジョン「フィリパリナの森」は、自分が潜ったダンジョンの中で1番広かった1階層が……

  それも、森というだけあって、影になる場所が多くて見渡し難い。

  まあ、木が密集までしてないのが救いで、陽の光が差し込んでいる。

  その為、採集品と言える下級回復薬の薬草の姿がある。

  もう少し日陰であれば、中級や上級の回復薬になる薬草が生えているんだけど……

  まあ、あくまで1つってだけだし、良く見掛ける部類の方の薬草ってだけ。

  だけど、生えてるのなら、本当なら採集したいところなんだけど……

  依頼の仕事は間引きだからねえ。

  でも、月下草なら満月の夜の方が良いし、と言っても、月夜草なら絶対こっそり採集するけどね。

  小屋の中の薬草の温室で何とか育ってるけど……

  高魔力を浴びる事で育ってる訳でもないようで、薬草栽培は小難しい。

  だから、月夜草だけは見掛けたら採集します。

  だって、状態異常回復薬に必須の薬草なんだもん!

  しかし、1階層が広くて、出てくる魔物が強い上級ダンジョンって、高火力じゃないと詰む!

  採集しながら討伐出来るのが、1番なんだけどなあ。

  でも、ダンジョンって言っても、色々あるんだねえ。

  我が国にあるダンジョンの1階層って、回るのに3時間は掛かるから広いと思ってたのに、1日掛かる広すぎるダンジョンがあるのねえ……

  レイトル達も、どれだけ移動しても変わらない森の景色に、だんだんテンションが下がって来てて……

  2階層に降りる階段、位置は分かっていたのに、日が暮れる頃、ようやく辿り着いた。

  遅れない程度で、月夜草を見付けたら採集してたら、20本になってた。



  昨夜は、2階層に降りる階段の踊り場で1泊した。

  自分の持ってる魔道具テントを、帝国の者に貸す事で、夜の火の番を無くしたんだけど……

  なるほどー、予感が囁いて来てたのは、こういう事だったのか。と思った。

  うん。町にある宿屋に準じたイメージにしておいて良かったよ。

  この魔道具テントは、手のひらサイズの家の模型の形で、拾って直ぐに、魔力を流す事で所有者制限をするの。

  改めて、使用する際に展開したい宿をイメージするんだよ。

  ただ、我が国の騎士様達の様に、国から貸与の場合は魔術師の塔の大魔導師が予め、兵舎をイメージして固定させているので、使う時は魔力を流すだけ。

  で、今朝早々、「大変便利な魔道具ですね」と言って、出て来た。

  「ダンジョンの中だとは思えなかったよ」

  そう言っては居るけど、帝国の騎士様達も、貴族の子息だからなあ。

  我が国の騎士様達が使う兵舎の方が良かったかもね。

  ニス使用の有無だけでも、かなり違いそう。

  ちなみに、貸す前に、所有者制限を最初にすると言っておいたので、分かっていると思いたいけど……

  自分が召喚獣の小屋を使ってるから、魔道具テントは不必要だと思ってないよね?

  譲って欲しいとか言う事になれば、ギルドとかを通さないと所有者制限をリセット出来ないからね。

  盗んだり奪ったりしても、使用出来ないし、ある程度の距離が開くと手元に戻って来ます。

  今回、国が所有者の貸与で、騎士様達が使用してるから、勘違いしそう。

  魔術師の塔が、そう言う固定魔法を掛けてるし、扉を開ける鍵を預かってる筈。

  で、フロリバンダの谷のラスボスのミノタウロスからのドロップ品で、結構な金額で国が買取る依頼を常時でギルドに出してる話を、騎士様達がしてた。

  「ライラ、アレだけの目的で潜ったのか?」

  横を歩くヴィルジーク様に訊かれ、頷いた。

  「そうですよ。冬場で待ちが居なかったので、ミノタウロスが出るまで、何度もチャレンジしました」

  そう答えていたんだけど、聞き耳を立ててたでしょ。

  「売れば、白金貨10枚になったんだぞ」
  「ええ!結構な金額だったんですね」

  とは言ったけど、基礎化粧品1セットで、その値段なんだけど……

  その事を知ってるヴィルジーク様だから、苦笑してたけど。


  ちなみに、2階層は見渡すほどに広い、腰丈の草が風で揺れる草原だった。




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