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しおりを挟む満月の夜の3日前
魔法袋に野営道具や火の魔道具などを入れて、町を出発!
家の施錠もしたし、日干ししてたものは取り入れた。
今日までに、川には行ってきた。
野営する場所の下見を兼ねて。
その時に、石窯を作るに足りるだけの石を小さいものから大きいものまで100個近く、魔物袋に入れて持って帰って来た。
婆ちゃんの薬草畑を弄ってた事で使える様になった土魔法ができなければ、自分で作ろうとは思ってない。
月光袋の採集に行くまでに、燻製を作りたかったので、急ピッチで、石を積みながら固定用の土を挟み、途中で、鉄の棒や金網を入れて……
頭頂部を丸くするのに、買ってきた藁で形作って……
鉄の扉を嵌める為の金具を入れて固めて、藁を燃やして1度火入れ。
それから、ようやっと燻製タイムだけど、燻製時間は長くても2時間だよ。
それ以上すると、今度は苦くなりすぎちゃう。
大量にある魚が中心だけど、肉もしてみたんだ。
今回の食事にと持って来たけど……
先日のアランっていう黒豹の獣人には、また文句言われたんだよね。
ただ、1番鼻がいい犬系の獣人じゃなく、黒豹獣人が文句を言ってきたのは、堪え性の問題じゃない?
街道から川沿いの方に方向転換しようとしてたら……
馬2頭が引く幌馬車3台が、後ろからやって来たので、横に避けたんだけど……
乗ってる者のローブや、カチャカチャというガラス瓶が当たる音がするところから、月光袋の採集に行く薬師たちだと分かった。
まあ、自分もローブは着てるけど、上にロングマントを羽織ってるからねえ。見えては居ないでしょ。
そう思いながら、川に向かったんだ。
ただ、自分が河原でミズゴケがないか探しながら、遡っていた時……
「抜け駆けされ先行されたって、どういう事だ!」
「薬師ギルドには、我らが行くと言っておいただろう!?」
大声で喚き散らしながら、馬を叩いて猛スピードで走る幌馬車があった。
こちらの幌馬車の数は5台と多かった。
持って行くガラス瓶も、薬師以外に連れて行く者も多かったので、この台数なのだけど……
同じ場所になど行けば、結界を張るといっても、森の奥だけにどうなるか……
大声を出せば、大型の魔物や獣は怯まないだけに。
更に、毎月恒例なのだから、譲れ合えば良いのに……
それに、毎月恒例だけに、護衛を連れて行かずとも大丈夫と思ってるのなら、ダメだよ。
薬師であっても、自分自身で身を守れないのなら。
前回に下見した場所で、暮れては来てないけど、野営の準備に入った。
この辺りでは大型の蛇バイパーが居ないので、木の上で寝る予定。
代わりに、猪のボアが頻繁に出るみたい。
結界を張っておいても、掘り出すという情報が、冒険者ギルドにあったので。
もし、帰りに出会うようであれば、木の上から狙ってみても良いかな?
川の側だけに、血抜きも直ぐ出来るし、死後直後であれば、腸を洗えばソーセージに使えるし。
ただ、太さがフランクフルトサイズになりそうだけど。
ウィンナーサイズの腸は、羊だよ。
まあ、出会えるかは運次第だけど。
なんて事を考えるのは、魔法袋が2つになったから。
先日の雑貨屋のオジサンが魔法袋に要る素材を集めちゃったんだ。
冗談だったのに、代金は話で、素材で良いよって言ったからか……
急ピッチで、石窯を組んでた時に来てねえ。
月光袋採集に行く準備の合間に作ったんだ。
一応、最後確認の時に来て貰って、所有登録の魔力を流して貰ったんだけど……
表皮は傷付きにくいオーガのものなんだけど、自分のはモス色。
森の中に持って行くのに、鮮やかなものは目に留まりやすいからね。
オジサンの物も、所有登録してあるといっても魔法袋と分かると面倒が起こるので、焦げ茶色だよ。
興奮してるオジサンには、何度も内緒だと念を押したし、20年くらいで使えなくなるからとか言ったんだけど……
ちゃんと覚えていてくれるかな?
ちなみに、入る容量は最初の物より増えてた。
20畳リビングくらいに。
アッチの記憶が現れたからかな?
とりあえず、今は前回は熟していなかった桜桃を収穫したいんだ。
さすがに、桜桃の木は鈴なりに実がなってるけど、細いので、登るのはちょっと。折れちゃう。
薬草畑に桜桃はないので、採集したかったんだ。
ちなみに、桜桃さくらんぼといっても、花の色はピンクじゃないよ。
白だからね。
梅にしても、桃にしても、実がなる花は白いんだよね。
と、アッチの記憶ではそうだったんだけど……
リーナの記憶じゃピンクみたい。
もしかすると、受粉するのに見付けて貰わないといけないからかな?
昨日、さくらんぼを収穫した後、木に上がって、スモークサーモンじゃないけど、燻製の魚を挟んだ丸パンを齧り……
デザートに摘んださくらんぼを食べ、水筒に入れて来た緑茶を飲んだ。
満足して寝たんだけど……
起きたのは、近くにあるさくらんぼの木の方から、ふがふがという鼻息で。
ボア猪って、意外と美食でねえ。
果物とか大好物なの。
さくらんぼを好んで食べてる猪ともなれば、肉質良いんだろうなあ。
そう思ってたら、自分の食い気に気付いたのか見上げて来たボア。
いやいや、狩るのは帰り際で良いんだけど……
そう思ってたんだけど、去ろうともしないので……
矢を構えて、目に標準を合わせ風魔法で補助。
1本目は躱されたけど、自分は木の上なので、ボアが逃げない限り有利。
経つ予定だった時間には、川で血抜きと簡単に解体。
川までは風魔法で浮かせて運んだ。
血抜きの為、川に漬けながら内臓を洗い、皮を剥がすと魔法袋に。
血の匂いが付かない様に、気を付けたけど、こういう時に光魔法が使えればなあ。
何事もトライだから、今日も一応掛けるんだけどね。
「浄化」ピュリフィケーション
安定の出来ない案件だけど、諦めないよ。
とりあえず、切り分けるのは帰ってからにして……
片付けて、川沿いを歩き出した。
ちなみに、解体中に流れる血や内容物に、魚が寄って来るので、3匹ほどナイフを突き立てたので……
大きめの岩魚も魔法袋に入れた。
滝の目の前に来た時には、ちょうど夕刻だった。
滝の飛沫が飛ぶ範囲にある岩には苔がビッシリと生えてる。
苔だけは差が付きにくいので、鑑定魔法の出番。
キノコは毒もあるので、鑑定必須。
婆ちゃんにはしごかれたけど、感謝の鑑定魔法です。
ちなみに、苔は侮れないんだよ。
痒み止めになるの。虫刺され用ではない痒み止め。
この世界にもあるんだよ水虫。
革靴を履く世界なんでね。
ちなみに、虫刺され用の痒み止めには、毒消しを加えないとなんだよ。
だって、アッチの世界と違って、普通の虫じゃないもん。
毒持ちの虫がほとんどだけに。
あ、そっか。だから、虫除けじゃなく、魔物避けなのか。
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