獣人世界へ、ようこそ?

ふにゃー

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  昨夜は、滝の近くで野営。

  まあ、その前に滝底?から現れた大きな体だけで1mのカニに狙われて……

  矢では弾かれる硬い甲羅で苦戦した。

  最終的には、魔力を多く消費したくなかったのに使ったよ氷魔法。

  水に棲息するカニだけに、水には強いんだけど……

  体の中の水分を凍らせるイメージでの氷魔法行使。

  死んだかは索敵のマークが黒になったかで確認。

  凍らせたから、そのまま魔法袋に入れて寝た。

  たぶん、夜行性だったんだろうね、寝てから近寄って来たから。

  索敵に黄色にマークはあったけど、微動だにしてなかったから、放置してたのに。


  滝の垂直な崖から、東に20分くらいの位置なので……

  時間は充分にある。

  早めに来た理由は、町から遠いこの辺りまで、薬草を採りに来る者は居ないとの事なので……

  全部採る事は、薬師のルールでないけど、採りに来る者が居ないのであれば、遠慮もいらないんでね。

  最上級にも使うけど、上級にも下級にも使うので、生えてるのなら採集しておきたい。

  まあ、薬屋によれば、下級には下位の薬草を使ってるみたいだけど……

  明らかに、回復量が違うんだけどなあ。

  でも、大した異常でもないのに、高価で効果の高いものを使うのは、勿体ないよねえ。

  という事で……

  太陽が上に来るまで、月光袋がある崖の下で薬草や果物、キノコの採集を。

  通常なら、崖の出っ張りに行くには、上から降りるのが手っ取り早い。

  だから、崖上に行くには遠回りするんだろうけど……

  自分が下に来たのは、月光袋が垂れ流す蜜の影響を見る為。

  蜜の影響で、獣が来て糞をすれば、薬草や果物などの出来が良いから。

  しかし、崖下からでも見えるよ、巨大な釣鐘状の白い花が10輪あるのが。


  案の定、素晴らしい出来のものが沢山あって、ホクホク気分で、崖の上を目指して、岩登り。

  猫獣人だけあって、軽いしバランスよく、崖上まで上がれた。

  出っ張りに降りて、採集の準備をするのは暮れてからで良いので……

  崖上の採集。

  崖下以上に、採集に来る者が居ないので取り放題なんだけど……

  崖上は崖下に居ない獣や魔物が居るんだ。

  ウルフ狼とか、熊ベアとか、魔物のゴブ、オーク、オーガなど……

  崖下で見掛けたら、冒険者ギルドに報告をあげて討伐するんだって。


  暮れなずんで来た頃には、出っ張りに下りて、採集の準備を始めたんだけど……

  30L程のガラス瓶を並べるにも、5本が限界。

  花があって、頭を垂らして来る場所を予想し、その下にガラス瓶を配置して、満杯になったらガラス瓶を交換して、採集するの。

  だけど、出っ張りのスペース的に置けない。

  まあ、花の位置には当て嵌りそうではあるけど……

  あと、意外と、痩せてないって事は、獣が来てるって事だよねえ。

  と、なると結界は必要っと。

  それと、自分が居る場所だよねえ……どうしよう?

  そんな事を考えてる間にも、辺りは暗くなって来てるので……

  月光袋の根元に、結界の魔道具を起動して、設置。

  使い切りで、消えるまで8時間ほどの小さい物。

  満月が夜空に上がって、しばらくすると蜜が溜まり始めるので、暗くなって直ぐって訳じゃない。

  それに、蜜が溜まり頭を垂れてはじめて、ガラス瓶に流れ落ちるから、獣が来るとしたら、溢れはじめてからだね。

  それまで、自分は岩登りした時に作った、僅かな出っ張りに足を掛け、崖に張り付いてるんだけど……

  体力持つかなあ?


  白い花が青黄色を帯び、蜜が零れ出し、大瓶に蜜が順調に貯まり始めた頃、崖上にお客様が来た。

  くんくんと鳴く声から、やはり鼻がいい狼みたい。

  ただ、きゅーんきゅーんって事は酩酊状態?

  結界があっても、匂いは遮断しないからだけど……

  いつもは結界がないから、目測を誤って、崖から落ちるんだろう。

  今は結界があるから、崖上でうずくまってる様だけど。

  そんな状態だからか、自分の存在には気付いてない。

  まあ、自分は崖の中腹だからねえ。


  今晩の満月は、雲で隠される事も少なく、30L程の大瓶が早く貯まり……

  残ってる5本に、貯まったところから交換して行ったんだけど……

  さすがに体力が無くなって来たので、スピードを上げるのに、歌う事に。

  ちなみに、男性が歌うより女性、それも若い女性の方が早い。

  更に、月光袋採集の時に歌う曲があるんだけど……

  どうも、高音の響きが良いんじゃないかな?って思った。

  試すのに、アッチの記憶にあるJーPOPとやらを歌ってみた。

  ら、月光袋の蜜の滴りがぽたぽたじゃなく、だ~っと流れ始めた。

  こんなに早くなるのは、リーナの記憶でも最速だった。

  ただね、その青光る月光袋の姿を見て、頭に浮かんだのは……

  アッチの記憶で、ゲームの中のパクって食べようとする赤い巨大花

  自分は、崖に張り付いていて、瓶の交換の時しか近付かないけど……

  蜜を飲みに来るものの頭に覆いかぶさって、溺死させる事もあるから、パックンフラワーと似てるか。


  歌ったからか、日を跨ぐ頃には持って来たガラス瓶は満タンになった。

  自身の結界魔法であれば直ぐに消せるけど、魔道具なのでスイッチはないから、そのまま放置。

  お疲れ様の意味を込めて、月光袋の根元に、貰って来た獣の内臓を肥料として出しておいた。

  自分じゃなく、コッチでお願いしますと思いながら。

  少しは寝れないかな?と思って、崖下に降りようと下を見て固まった……

  狼じゃないけど、酩酊状態の獣がいっぱい居る!

  結界の魔道具、放置じゃなく、持って降りようか!

  そう変更して、魔道具を取りに行って……

  手に持って、崖を少しずつ降り始めたんだけど……

  「ひぃ…」と思わず、声が出たのが……

  崖上から狼が降って来た!

  月光袋がある出っ張りに落ちたのも居たけど、崖下まで一気に落ちたのも居て……

  下でヘロヘロになってうずくまってるのと激突死。

  月光袋の濃厚な甘い匂いに、血の匂いが混じり、肉食獣には堪えられない匂いになってるよ。

  とりあえず、巻き込まれない様にと気を付けながら、崖下に降りて……

  登りやすそうな木を選んで登り、通常のハンモックの使い方は吊るして、中で寝るものだけど……

  今夜ばかりは命綱とばかりに、体に巻き付けて引っ掛けておいた。











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