獣人世界へ、ようこそ?

ふにゃー

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  コーヒー豆の植え付けに至るまで、驚きの連続だったんだけど……

  それより、ヒゲがぴくぴくする筈だよ、凄い雷雨だった。

  雨の音も、風の音も魔物が唸ってるのかってほどの音量で……

  台風が何回も上陸する日本での経験なんて、可愛いものだった。

  三日三晩、豪雨と暴風がずっと吹き荒れて……

  裏の衛兵詰所が24時間待機なのか騒がしく……

  大声の報告が聞こえて来て、命令が発され、走り回ってて……

  川に掛かった橋が流され、氾濫間近!とか……

  森から大木が吹き飛び、町と森の間に落ちたとか……

  王都に向かう街道の土手が崩れたとか……

  ご苦労さまと思いながら、暖炉前で婆ちゃんが残してた本を読んでた。

  読み終わったものは整理しつつ、研鑽に勤しみ……



  亜空間の薬草畑も一応、外の影響は多少は受けるので……

  豪雨が過ぎるまで放置だったんだ。

  でも、薬草畑に入れば、通常の雨上がりの様に晴れ渡ってた。

  唯一、残念だったのは、虹が出てないので、時間限定で咲く希少種の虹花が咲いてない事。

  エリクサー作成に要る薬草なんだよ。

  今日も水やりは必要ない様だけど、バレーボール大の蜜蜂は忙しそうに飛んでる。

  彼らも数日間、巣で待機してたのだろうし。

  自分は、とんがり屋根のガラスの塔の様な温室の鍵を、本型の箱から見つけたので開けに来た。

  どうやら、門外不出の代物の植物が植わってる様だけど……

  この薬草畑に植わってるもの全部、マズイ代物の様な気がして来た。

  だって、天辺が見えないくらいに高い世界樹が鎮座してるのを筆頭に。

  ランベルト商会の話によれば、蜜蜂たちも希少種の様だし……

  変わり葉のマジェスタとか、根元に魔力水の泉が湧くレヴァンダール、別名「妖精の実」というらしい物も……

  妖精、精霊が好む物で、精霊妖精が見えたら喜んで協力してくれるっていう代物がたくさんあるみたい。

  それだけでも、青色吐息だけど、更に……

  あちこちにある野薔薇……魔植物だった……

  根っこを土から抜いて、好きな場所に移動する様な代物で、ちゃんと名前があった。

  「ローズヴァイン」魔力過多になると狂暴化してAランクの魔物になるんだってー……

  だから、中和するのに、あの凶暴な蜜蜂が必要で……

  溜まる魔力と蜜を抜いてるそうな。

  それだけじゃなく、花が咲くとある程度摘まないとダメらしい。

  その時の花色で、作るものが違っていて……

  白と黄色は食用、ピンクオレンジは枯れないので放置するとマズイので切ってドライフラワー……

  赤~ワインは精油にして、美容系の後押しに。

  稀に咲く紫は精力剤に、青は魔力過多の抑制に、緑は魔力経路を整えるのに加えて、補助するそうな。

  黒なんか魅了など精神系を解呪するらしい……

  金、銀など特殊な条件下で咲き、金は蘇生、銀は魂の欠けを癒すって……

  暴れてた討伐対象の影に隠れてた幼生のローズヴァインを、薬草畑に匿ったのが最初だった様だけど……

  こんなに貴重な……魔植物といえ討伐するのは勿体ない!

  で、彼らの好む環境が水がある場所の側で、特に霧が立ち込めやすい湖。

  自身も霧を発生させるからか、相性が良いもよう。

  でも、薬草畑にあるのは、遠くに見える青い山脈から流れて来てる川のみ。

  だけど、魚などを放り込まない限り、水生動物は何も居ないの。

  その遠くに見える青い山脈まで、亜空間は広がっている様に見えるけど、辿り着けるのかは不明。

  そこまで使え、開墾出来るのかも不明。

  ただ……

  凶暴蜜蜂は行ってそうではあるけど……

  だって、ローズヴァインって、株分けして数を増やしたんだと思うから。

  というのも……川沿いに植わってるのが1株だとは思えないので。

  それに魔植物の繁殖が種……だとは思えない状況なんだもん!


  木々に囲まれてるから、ガラスの塔といえ温室なのか?と思える状況になってる建物の扉を、鍵7本で開けたら……

  ん?温室だと思ったのに、亜空間の別空間?

  だって、温室の中って環境ではあるけど、異様に広い!

  でも、塔だから、天井は高いと思ったのに、それほどではない。

  ただ、その広い空間の所々に扉があって、そこにも鍵が掛かってる!

  その扉がステンドグラスになってて、綺麗~!

  何か描かれてる様なステンドグラスで……

  ただ、頭に浮かんだのが、自分が知ってる中で1番のお気に入りで圧巻だったもの。

  勿論、アッチの記憶だけど……

  パリの観光市内ツアーには入ってないけど、ノートルダム寺院の斜め前にあり、王制時代、フランス国王の礼拝堂と言われるサント・チャペルで13世紀の代物を、首が痛くなるほど見上げた記憶があるの。

  誰と行ったとかはサッパリだけど、カメラに写りきらないとボヤいたのは覚えてる。

  そのブルー系の物と扉のイメージが似てた。

  ただ、アッチは圧巻と言うほどの大きさだけどね。

  ちなみに、入った場所の広いところには何もない。

  まあ、土は入って、植えられる様に畝が奥まで続いては居るけど。

  婆ちゃんは、どうするつもりだったんだろ?


  その後、ステンドグラスの扉を開ける事にしたら……

  鍵はガラス塔の物の1つだったんだけど……

  カカオの林があって、歓喜乱舞したのに、鑑定して顔が引き攣った!

  効果に魅了が付いてるんだもん!

  出せない代物~!チョコレート~!!!

  見付けたらって思ってたのに……

  あ!そういえば、猫にカカオは禁忌だった~!

  泣きそうになりながら、閉じた。

  2つ目の扉に迎えば……

  眩しいまでの閃光と呼べる光に、いきなり包まれた!


  次に目覚めたら……

  自分、獣の猫になってた……

  自分の着てた服が抜け殻の様に丸まってるので、気付くよ!

  白ソックスの茶トラだって、前足を見れば分かるよ!

  でも、なぜ、こうなった?

  首を傾げて考えたら……

  目の前に、羽根付きのグレーの毛皮の猫がいた。

  『ごめんにゃ。見えてないって言ったのに、仲間だーって、大勢が突っ込んじゃって、魔力を奪っちゃったから…』

    小さい声で喋ってるのが聞こえる事に驚いてたんだけど……

  そうか!この猫は妖精猫のケット・シーって者か!

  『魔力枯渇状態になっちゃった事で、生まれた時の状態に戻っちゃって……ごめんにゃ』

  そう言って謝ってる周囲には、たくさんの光が飛び回ってる……

  「元に戻れるの?」と聞けば……

  魔力が戻れば、元に戻るそうだけど……それまで、この猫姿って……

  肉球じゃ調薬出来ないよ~!

  その前に鍵の開け閉めも無理~!


  半泣きになってたら、何でも魔法で出来るにゃよ?とケット・シーに励まされたけど!

  妖精猫並に、魔力なんてないよ!

  『おかしいにゃ?』と首を傾げてるので、猫パンチをおみまい!

  『リーナは、赤ちゃんの時にチェンジリングされてるから、妖精の猫獣人にゃんだよ?』

  根底が揺らぐ驚愕な話をされた……

  『だから、今、背中にはあるにゃよ』

  放心状態で、更なる追い討ちが……

  『番云々言って来るのが居たら、断るんにゃよ。有り得にゃいから』

  ケット・シーは珍しいから狙われやすく、その手で寄って来るらしい。

  確かに、妖精が繁殖行為なんて、ラノベでも聞いた事ないわ。


  ケット・シーのルカ、日頃は白ソックスの灰色猫獣人姿で、自分同様、薬師してるので、何回も妖精猫姿で来てたみたい。

  けど、見えにくくしてるガラス塔の温室の鍵を見付けて開けたって事で、喜んで来たら……

  興奮状態の連中が他にも居たと。

  で、自分の形態は魔力さえ戻れば、猫にも獣の猫獣人にもなれるけど……

  耳と尻尾がない人族の形態は止めておくように。と注意された。

  妖精の要素が強く出て、儚い系の美少女になるらしい……

  確かに、それはマズソウ……

  ちなみに、ガラス塔の温室は、婆ちゃんからの贈り物で、中に植わってるのは精霊妖精が勝手したみたい。

  「コーヒー豆を植えたいって思ったんだ」と口にしたら……

  『ここが良いと思うにゃ』と言って、5つ目の扉に案内された。

  だけど、なぜ5つ目と思ってたら……

  精霊妖精が勝手して植えてた植物が、2~4の扉の空間に雑多に育ってるらしい。

  というのも、契約していないので、入り込んだ温室外の薬草畑のものは生育も採集も出来ない。

  なのに、精霊妖精にとって大好物がいっぱいなので、堪らずって事らしい。

  後で、見に行く事にして、先にコーヒー豆を植えたんだ。

  けどね、植えた途端に、ぽこぽこぽこぽこって、発芽したんですけど!








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