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しおりを挟む魔王国に保護された4人だけど……
保護されたからと言って、甘える訳じゃないと考えられる子だったからこそ、ロートン王宮から放り出されたんだ。
ロートンとしても、食糧難でもあるので、野垂れ死にするだろうとおもわれてた。
フライハイト魔法大国の方に向かったという話はあったが、その後の事情が分かる話はなく ……
帝国の者と接触した形跡もない。
ちなみに、魔王国では保護したという連絡は一切してない。
追い出した癖に奪われたっていう偽りを口にするばかりだったので、対応を変えていた。
今までは、帝国が相手だったけど、今回からはロートンも追加。
生産職以外の戦闘職の者は、とりあえず、血も残したいので、貴族で要望がある者を側に付けていたロートン。
ロートンとすれば、帝国に攻め入る気はなく、攻め入られない様にする為の召喚だったので……
攻め入らないなんて約定を結べれば、帝国に譲っても良いくらいの馬鹿さ加減。
そんなのだから、帝国に飲み込まれるのが早いか遅いかの違いだった訳。
魔王国では、落ち着くまではゆっくり休んで、それからしたい事をすればいいという方針だった。
のだけど……
「俺の番が、この国にやって来た!」
そう言って、押し掛けて来た狼獣人の衛兵が居たそうだけど……
人族、特に召喚されて来た者が、番の感覚なんて分かる筈がなく……
それも、大人しめで怯えてたミホやリリカじゃなく……
ショートソードを持って、コッコくらいなら倒し、血を抜き、捌ける様なユウリ。
一応、女の子だから、プロポーズの意味合いは分かってるけど……
16歳は、この世界では成人だけど……
アッチでは未成年。
良いのか悪いのか、ナオトでも、童顔で、少年と間違えられるんだから、未成年扱い。
それに、移動中に、リーナにこの世界の事をある程度は聞いていた。
国の保護を受けるなら、ある程度、国の要望に応じる事になる。
それは仕事だったり、相手だったり……
自由にしたいなら、猶予ある内に仕事を見付ける事。
魔王国であれば、したい事があるなら、口にすれば憂慮してくれる筈。
ただ、獣人相手だけは、番は監禁要素あるから要注意って。
ルカからの又聞きだったんだけど……
それに、ミホやリリカ以上に、ユウリ、自立心旺盛だったので……
「番って分からないし!まだ結婚なんてする気ないし!」
そう言われて、狼獣人さん、意気消沈して宿舎に戻ってった。
そう宿舎……西の砦の衛兵さんだったそうだ。
けど、結婚しない、嫌いだとは言われてないのに気付き……
アプローチの日々が始まろうとしてた。
朝の日課の水やりの量が増えたけど……
薬草畑の蜜蜂さん「アベラン」よりも大きい蜜蜂さんがいた!
色は、黒多めで、首周りのふわふわが黄色じゃなくドピンク!
まあ、薬草畑の蜜蜂さん同様、当日分の蜜ボールを渡して来るけど……
渡してくれた=降らせた水を気に入ったって事で、ホッとした。
今日は、とりあえず、この薬屋で売るのに、ギルドタグの更新をしに行かないといけないんだ。
更新したら、リナペッタにいた薬師リーナは、今後、魔王国の西トラベリータ所属になる。
昨夜、師匠から勤める許可を貰ったので、持って行くだけ、薬師ギルドに!
そうしたら、冒険者、商業の登録も変更になる!
ただね……
満月の夜の月光袋の蜜の採集だけはしてないんだって……
「え、え、ええ!?」と慌てたら……
あの蜜蜂さんたちの蜂蜜は、代わりができるんだって。
やっぱり、ランベルト商会の説明で貴重だって、気付いたけど……
それに……
師匠の「月光袋の蜜で作る最上級回復薬なんて、そうそう作るもんじゃない」って、どういう事?
「月光袋の蜜まだ持ってるかい?」って質問には頷いたけど……
深く息を吐いて、「最上級回復薬見せてごらん」と言われた。
ので、月光袋の蜜を使ってるエリクサーだけを渡した。
「おや?それだけかい?」と聞かれて、頷いた。
「ソーマとネクタルは、蜜ボールの蜜の方が持続性があるので」
疾病や体力回復には一過性の物より良いんじゃないかって思って……
それに、エリクサーと違って、代償や制限がないし……
「じゃあ、エリクサーはどういうものだと思ってる?」と聞かれ……
目からウロコではないけど、ふと思い出したのが……
エリクサーだけは、死に掛けなど緊急事態の時に使用するものだってという認識だったし、副作用もあるから、1回限りの使用が前提。
そう「使用は1回限り」なんだけど、凄く高いんだけど、買ってる人理解してる?
「…………何とか命を繋ぐ為のもの…」
辛うじて、口から紡ぎ出せば……
「アンナはちゃんと教えた様だけど、売る際に、伝えてたか?副作用や使用制限の事…」
婆ちゃんは高い事もあって、ちゃんと伝えてたけど……
弟子もだけど、自分も売れるので、伝える事をギルド任せにしてた。
薬師であるなら、するべき事をしないと。
アッチで言うなら、コンプライアンスだよね。
ちょっと押し黙った自分に、師匠、息を吐いたので、ビクッとすれば……
「リーナはちゃんと考えて使ってるから大丈夫だろうし、リーナの事だから、ギルドに言われるまま作って渡してたんだろうが……」
全くその通りなので、赤くなってた。
「月光袋の蜜の効果が良い上、危険事項さえ守れば手軽に手に入る。その為、蜜蜂ともやれば共存できる筈なんだが……」
困った顔をするのは分かってる。
蜜蜂さんも選り好みするからね、水の。
実際にソレで、薬草畑から追い出された兄弟子たち。
そういえば、ジャイアントビーの蜜をギルドに依頼を出してたのかな?
「月光袋の蜜も、蜜蜂たちの蜜も、根本は彼らの分泌物だ」
師匠の言葉に、総毛立った。
考えちゃダメにゃ!今後、甘いものを口に出来なくなるにゃ!
「ルカにもまだ教えてないが、うちの薬屋のエリクサーに副作用はないし、1回限りの制限もない」
「ええええ!」って叫んだし、ヒゲも尻尾もピン!と立つほど驚いたけど……
さっきからの話の流れからすると……
「月光袋の蜜は使ってにゃいのか!」
フッと笑った師匠「ご明察だ、賢い賢い」って、撫でて~じゃなく!
死に掛けてる様な状態の者を引き戻せるだけのものって……
薬草畑の中にもあって、婆ちゃん以外が使えなかったものって……
「そっか……作ってたのは偽エリクサーで、世界樹の樹液が扱える様になって、初めて、薬師かあ」
ボソッと呟いた事に、良い笑顔になってた師匠。
「まずは、世界樹が傷付けるのを許してくれる様にならんとのぉ」
って……
薬草畑の世界樹でさえ、葉っぱがようやくなのに!
一応、ダンジョンで採集したリノアールの花蜜15Lを見せたら……
唖然とされたけど……
2日がかりでだとしても、採集できた量はとても多いそうで……
「リーナが、妖精だと気付いてるんだろうな」
息を吐いて、リノアールも月光袋も、魔の森にはあるけど……
満月の夜ともなれば、結界を破れる様な魔物が闊歩するので、採集には行かない様にって……
町に張ってある結界は、特別製な上、現魔王国の国王様である龍人様が力を注いでるから強固なので、安心して良いらしい。
凄いねえ。
ちなみに、好戦的な帝国と面してるのは、南の砦で……
魔王国でも、1番の好戦的な獣人族の虎や獅子が守ってるって聞いて……
名前を番にしか教えないって言ってた虎獣人さんを思い出した。
それと、獣人は生まれながらの人型、獣型を自在に姿は変えられないけど……
獣化するって事は別ものだそうで……
通常、本能的な思考しかできなくなるらしいが、戦闘時など、自在にできるので、慌てて攻撃しない様にって……
そう言われて、ふと思い出したのが、虎獣人さんが、俺の武器はコレだと大剣を見せた時の顔が……
嬉しそうではあったんだけど、妙に引っかかってたの。
初めて会った時だったから、突っ込んで話を聞ける間柄でもなかったし……
獣人だと思ってたとしても、よく分かっていなかったし……
もしかすると、獣化ができるって、獣人にとって、とても大切な事だったのかも?
まさか、成人したらできる様になるとか?
ちなみに、リーナは獣化した事ないです。
「ルカも出来ないからね。リーナが出来たら驚きだよ」
師匠はそう言ってるから、そう何だろうけど……
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