43 / 48
42
しおりを挟む結局、薬師ギルドには、ルカも一緒に行く事になった。
というのも、前任がお嫁に行っちゃってから求人を出してるので、取り下げに行かなきゃいけないの。
だけど、働くよっていう許可証というか、契約書を持って行っても、引き下げるのかは別問題なので……
ただ……
午前中はルカと受付、師匠は調合して、午後というか時間であれば午後3時過ぎ?
冒険者たちが戻って来る頃、使った分の補充に来たりするので、買い物をするのなら、その時間までに行く。
ちなみに、納品は、納品先によってマチマチで……
薬師ギルドには、月極分の最上級回復薬以外の売り物全てを各3本ずつ。
主に、効果の確認用や保存用などの最低限のみ。
店によっては、薬師ギルドに買ってもらい売って貰えるけど、依怙贔屓になりかねないし、ギルドの言いなりになりやすいので、要注意らしい。
トワイゾでの自分が、人見知りからコレになりかけてた……
商業ギルドからは、売ってくれと言われてるらしいけど……
ルカがボソッと、『禊は終わってないにゃ…』と呟いたので、何事かあったもよう……
前任さんがお嫁に行ってから、かなり時間が空いてる様で……
薬師ギルドに募集出して、当初はいっぱい来たらしいけど……
自分も試された諸々がクリア出来ず、誰1人として続かなかったんだけど……
ほら、蜜蜂さんの蜜からして垂涎の品がゴロゴロなので……
欲を出すと、次の日から結界がクリア出来なくなったんだろうね。
たぶん、そのやらかした人が商業ギルドからだった?ってところかな?
なので、納品は、冒険者ギルドと衛兵の砦にだけど……
冒険者ギルドももっと数を増やして欲しいと言われてるらしいけど……
弟子の薬屋とか、見習いの子たちが作るのを安くでも買ってやって欲しいって事で、週に30本ずつ。それも上級だけ……
少なっ!て思ったけど、自分の経験の無さだったね。
周りの事が見えず、ギルドの希望に添わなきゃって思い、他の店や薬師の事を考えてなかった。
というか、婆ちゃんが亡くなってから、リナペッタの薬師に恨まれてたのかな?
でも、出来もしないのに、薬草畑を取り上げようとするのはおかしいけどね!
で、1番納品の数が多いのは、衛兵の砦で……
週に100本ずつといっても、下級、中級、上級を相手の希望配分で。
ただ、自分が来るまで休み無し状態だったので、配達のルカが行ける時っていう条件付きだったみたい。
そんな話を聞いたのは、午前の営業を終えて、お昼を食べてて……
お昼は、自分が携帯食といって作り貯めたもので、ピザだけど……
物足りないって思ってたものが何かやっと気づいた~!
師匠が1口齧り、冷蔵庫に行って、チーズを乗せて炙った事で!
冷蔵庫は、ほら例の掃除ロボ作った人の初期作品ですって!
いつか会ってみたいって思ってるけど、この薬屋には彼の作品がアチコチにあったよ。
小型の洗濯機とか…炊飯器…扇風機…電化製品といえるのが……
昨夜、キッチンに立って、幾度叫びそうになったか……
「チーズにゃ!」と叫んだ自分に、肩をポンポンしたルカ。
「週に1度、牧場と定期契約してるから、納品に来るよ」
『牛乳、チーズ、バター以外で欲しいものあるなら、頼むにゃ』
目がうるうるするくらい、嬉しかったにゃ。
モウの実があるけど、嬉しかった。
昨夜のカボチャスープはモウの実にゃ。
昼休憩後に、薬師ギルドに行けば……
「ルカ、おめでとう~!」とか、「嫁が来たのか~」って、昨日より悪化してる!
セクハラ、モラハラが通じなくて……
どうせ、お互い、番問題はないしね。
それに、妖精猫だと言うのは、口にできない、いやしない方がいい。
宝石猫と言われるカーバンクルと並んで、幸運を呼ぶとか言って、取引されてるので……
一応、国際取引上では表向き禁止だけど……
師匠が書いた雇用契約書もあるので、ギルド移動は勿論、薬師ランクも難もなく、通った。
ちなみに、薬師としてのランクは、既にAランクなの。
だけど、今回、国も変わったので、見直される可能性もあったんだ。
特に、魔王国だし、師匠はエルフだし……
ランクが落ちても、気にはしないつもりでは居たけど……
それに、魔王国でなら、落ちてもAにあげたいなあ。と思ってたし。
とりあえず、B以上なら、色々とギルドの融通を通しやすくなるのよ。
ほら、トワイゾで、店舗兼家の所得で、優先的に動いてくれたり、担当の職員がいたり……
病気の情報とか、調合で要るものとかも用意してくれるけど……
ある程度、自分の目で確かめたいし、自分で調達する方が安上がりだし……
そういえば、採集時に護衛も用意出来ますよとも言ってたね。
けど、薬師ギルドのほぼ飼い猫になってたんだ。
リーナが弱ってて、この世界の事をほぼ知らない自分だったから……
って言い訳しても事実だし……
けど、善性が前提の危機感薄い生活してるから?
危うかったって事だよね。
隷属が関係してたら、ヒゲぴくぴくなので、気付けてたけど……
何の支障もなく生活をできていたら、きっと気付いてないもの。
真綿で首を絞められてる状態だって。
というのも、自由にトカレ村に出掛けたり、狩りや釣りをしに川に行ったりしてるんだもの
でも、今後は……
魔の森はかなり危険だから、場所を考えなきゃ。
実は、魔の森と呼ばれてるのは、今は国を取り巻く外縁の50km相応。
場所によっては、ロートンの街道の様に20kmのところもある。
だけど、森は国の結界内にもあるのよ。
で、アマイルにあった様なダンジョンもあるみたいで……
落ち着いたら、狩りの腕も落としたくないので、お出かけしたい。
薬屋も、ブラック企業じゃないので、定休日あるし!
そんな事を考えながら、手続きが終わるのを待ってたんだ。
ただ、薬師ギルドをルカと出る時に、リリカにあった。
調合のスキルがあって、王宮ではひたすら回復薬作りをさせて来たけど……
貴族のお嬢様にマウントと功績を盗られてた様で……
だけど、主に作ってた回復薬が下級回復薬だったので、魔王国といえ薬師ギルドの基準があるので、見習い扱いで……
自分が働く事が決まってなかったら、人手不足といえ引き受けるのは無理だった。
けど、教えるに掛けては、この町では師匠ほど上手いものは居らず……
他に構えてる薬屋の薬師はほとんど、師匠に育てられたっていうほど。
『うーん、僕では決められにゃいから、師匠に話だけはしてみるにゃ』
ルカがそう言って、持ち帰る事になった。
リリカが、修業兼務で働きに来る事が決まったのは2日後で……
一応、薬師ギルドからのお願いではあるけど、他の薬屋から手は上がらない可能性が高くても、1度は伺うっていう根回しも円滑にするのは必要って事で。
ナオトは、クラフトスキル持ちで、掃除ロボを作ったという召喚者が居る事で、他の工房からの要望がなかった訳じゃないけど……
成功した前例があるからって事に起因しており……
当人のナオトは、そういう者がいると聞けば、そこの工房に行きたくなる。
結果は、本人の要望が通って、その工房で住み込みで働く事になった。
だけでなく、もう行ったらしい。
ミホは、料理スキル持ちだったので、先ずは衛兵の屯所の食堂らしい。
滞在した施設の横が、砦の衛兵の屯所だったので、食事の用意が食堂。
ロートンの王宮で出されたものよりは美味しいけど、リーナが分けてくれたのが日本食に近く、ここでも作れると思った事で……
食堂の厨房を時間外に使わせて欲しいと言ったところから、始まった様だけど……
リーナ自身が日本食に近いものを模索してるからだよ!
もっと料理の勉強がしたかったら、場所を移すのも可能だとは伝えられた様だけど……
ミホとリリカの住居は、まだユウリと一緒が良いようで……
部屋を決め兼ねてる。
どうも、ロートンの王宮で、何かあった様で……
滞在してる部屋が良いらしい。
それに、ユウリ、空間収納持ちで、かなりの容量って事で、ロートンから追い出される時、慰謝料代わりに色々と持ち出してて……
特に食糧!
彼ら4人が逃避行してても飢えてなかったのは、その所為。
だけど、目を付けられると思ったナオトが、ギルド登録時に書かせなかったというナイスアシスト!
商業ギルドや冒険者ギルドに、今、登録して他国に漏れるのもって事と……
仕事として選んだのが、衛兵の支援担当。
理由が……ムキムキの筋肉を眺めるのが好きだそうで……
仲が良さそうだったナオトは、筋肉が貧弱だから圏外だそうで……
いきなり番呼びのプロポーズには一旦拒否したけど……
ユウリの好みの筋肉であったので、一定期間後であれば、受け入れるんじゃないか?と思える対応をしてるとか……
そういう話は、リリカが通いで来るという話をしに来た、腹黒ウサギさんから……
初めて、ディビットという名前と砦の治癒師だと言われて、尻尾立ち状態で固まったんだから!
まだ1人で暮らすのは無理って、ロートンの王宮でのトラウマがなくてもねえ、仕方がないと思うよ。
だって、まだ高1って親と暮らして、親に文句があるといっても、ご飯が用意されてて、身支度を整えられてる。
それが何もかも自分でしなくちゃいけなくなった上に、自身で警戒しなくちゃいけない。
自分でも、危機感薄かった!って思ったくらいだからねえ。
だから、まず女の子たちで固まって、それから少しずつでも歩き出そうというのは、良いと思う。
って、随分と上から目線だな自分……
あ、でも、その前に、リリカが蜜蜂さんたちにOK貰えないといけないんだった。
結界には入れ、世界樹は見えたので、薬屋に通うのは大丈夫だけど……
畑に入れるかは、水やりしてからだね。
まあ、蜜蜂さんたちにしたら、水は生命線だから、しょうがないか。
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる