30 / 47
30:忍び寄る足音
しおりを挟む
◆ ◆ ◆
ユリウスたちと一緒に赴いた本館のサロンでは伯爵と伯爵夫人が座っていた。
二人ともきちんと身なりを整えていて、茶色のドレスを着た伯爵夫人は顔に薄化粧を施している。
シャンデリアが吊り下がったサロンでは大きな花瓶に色とりどりの花が活けられていて、鼻孔をふわりと花の香りがくすぐった。
茶色と金の二色で構成された壁紙と調和する品の良い調度。
壁に飾られているのは風景画と歌劇の一場面を模した絵。
大きな窓からは雲が浮かぶ青空と美しく手入れされた庭が見えた。
「二人とも、おはよう」
「おはようございます、父上、母上」
ユリウスたちが両親と挨拶を交わし、続いておれも挨拶した。
既に人払いを済ませているらしく、広々としたサロンには伯爵夫妻の姿しかない。
「二人とも座りなさい。リュオンはその後ろよ」
「はい」
指示通りにユリウスとノエルが向かいの長椅子に着席し、おれは長椅子の後ろに立つ。
斜め後ろから見るユリウスの顔には緊張の色があった。
朝から、それも三人ともが呼び出されるとなるとただ事ではない。
「父上。何があったのですか?」
落ち着き払った様子でノエルが尋ねた。
こういうとき、ノエルはとても頼りになる。
彼は十六歳と思えないほど肝が据わっていて、驚くほど頭が回った。
「王都の港で働く知り合いから《伝言珠》を通して連絡があった」
バートラム様は知人や友人がとても多い。
人脈の価値を理解している彼は常日頃から有事に備えて根回しを怠らず、色んな人間に恩を売り、同時に色んな人間の弱みを掌握していた。
国王でさえバートラム様には一目置いている。
バートラム様の助けがなければ、おれが国王に直談判することは不可能だっただろう。
「今朝早く、セラと良く似た少女が恋人らしき青年と共に人目を避けるようにして入港したらしい。珍しいピンクローズの波打つ髪に銀の《魔力環》が浮かんだ青い目、顎の下にある黒子。全ての特徴がイノーラと一致する」
おれは無言で手を握った。
八年前、蔑むような目でおれを見たセラの双子の妹が、セラを追いかけて来たのか。
「ふくよかな体型の青年は茶髪碧眼で、鷲鼻に丸顔。こちらはイノーラと結婚したというレアノールの第三王子の特徴と一致するな。入港にあたって彼女たちが書類にサインした名前は『リディー』と『ジョシュア』だそうだ。リディーとはセラが飼っていた猫の名前だ。ここまでくれば間違いはない。イノーラとクロード王子だ」
「……新婚旅行でロドリーに来たわけではないでしょうね。目的はセラの確保でしょうか?」
予想の範疇だったらしく、ノエルは顔色一つ変えない。
「恐らく。セラの価値に気づいたレアノール国王の密命を受けて護衛役のクロード王子を伴い、セラを連れ戻しに来たのだろう。こちらにはリュオンが命懸けで入手した国王直筆の信書があるが、セラに聞いた性格を鑑みると、イノーラが素直に引き下がるとは思えない。イノーラとクロード王子以外にも荒事担当の精鋭部隊が送り込まれていると考えるべきだろうな」
バートラム様は淡々と言った。
「こちらにはリュオンが命懸けで入手した国王直筆の信書があります。それを見せれば手を引くのでは?」
質問したのはユリウスだ。
「普通ならな。だが、相手はイノーラだ。たとえ信書を見せたところでおとなしく引き下がるとは思えない」
「…………。確かにそうですね」
セラからイノーラの信じがたい問題行動の数々を聞いているユリウスは口を閉じた。世の中には話の通じない人間がいる。一悶着は避けられまい。
「現在二人は王都にいるようだが、セラが目的ならばいずれはラスファルに来るだろう。全兵士に通達してイノーラとクロード王子の入門を禁じ、追い返すことも可能だが、まずはお前たちの意見を聞きたい。イノーラの要求に応じてセラを引き渡すという選択肢は――」
「ないです」「ありません」
ユリウスとノエルの声が重なった。
おれは言うまでもないので黙っていたが、二人が即座に否定したのは嬉しかった。
想い人がおれの友人たちからも愛されている――その事実はこんなにも胸を温かくするものらしい。
特に、セラはレアノールでは誰からも愛されていなかったようだから、感慨もひとしおだった。
「まあ、あなたったら。大事な娘を引き渡すなんてあり得ませんわ。恐ろしいことを言わないでくださいな」
スザンヌ様は夫に軽く肘鉄を喰らわせた。
スザンヌ様は素直で可愛いセラを非常に気に入っている。
「息子はもちろん欲しかったけれど、本当は娘も欲しかったのよ」とはスザンヌ様の談。
庭でお茶会を開くこともあるし、街に出かけることもある。
この前はセラにドレスを着せて仮面舞踏会に連れて行こうとしたため、おれが全力で止めた。
セラの力がバレたら危険なのは事実だが、それより先に『セラに変な虫がついたら困る』と思ったのは否めない。
「娘目当てにわざわざレアノールからお越しくださったというなら、こちらは手厚く歓迎するだけのこと……ええ、手厚く、ね」
スザンヌ様は右手に持っていた水鳥の羽根の扇子を開いて口元を隠した。
「穏やかな話し合いで解決できれば何よりですが、お相手が実力行使に訴えるならば心臓に刃を差し込んで終わりです。ふふ……思い出しますわ、戦場であなたと熱く刃を交わし合った懐かしいあの頃。わたくし、《血染めのスザンヌ》と呼ばれたあの頃に戻ってもよろしいのですわよね? 娘を守るのは母親の役目ですわよね? 得物は何がいいかしら。あなたの妻となった後も武器の手入れは欠かしておりませんのよ。剣、首切り鎌、ナイフ、ハンマー、斧、メイス――あらあら、どれにしましょう?」
まるで舞踏会に向けてお気に入りのドレスを選ぶように、いそいそと隠し武器庫に向かおうとしたスザンヌ様の腕を素早くバートラム様が掴んで引き戻した。
「スザンヌ。君は屋敷で待機しろ。戦場に出ることは許さん。これは命令だ」
「ええっ、どうしてですの? さすがにあの頃のように一個師団を返り討ちにはできないかもしれませんが、完全武装であっても中隊くらいは単独撃破できる自信が――」
「だから待機を命じているんだ。君は戦闘になると理性を失うだろう。相手はレアノールの第三王子と妃だぞ? 殺してしまっては戦争になる」
「……死体ごと消してしまえば行方不明で片付けられる……」
ぼそっと、スザンヌ様は物騒なことを呟いた。
「スザンヌ。相手はセラの双子の妹だ。母親を自認するなら、娘《セラ》の気持ちを考えなさい」
「…………はぁい……」
諭されたスザンヌ様は渋々座り直し、拗ねたようにそっぽ向いた。
可愛い娘が狙われているのですから仕方ないでしょう。扇子越しに、言い訳じみた言葉をぼそぼそ呟く声が聞こえる。
「スザンヌの言ったことは気にするな。とにかく三人とも、いつイノーラが姿を現しても良いよう覚悟を決めておけ。場合によっては戦闘になることもな」
「「「はい」」」
三人の声が唱和した後で、バートラム様はひたとおれを見つめた。
「言うまでもないとは思うが、もしイノーラの手勢に大魔導師級の魔女がいた場合、セラが捕まった時点でこちらの敗北は確定だ」
「はい。心得ています」
バートラム様に口の堅い魔女――先代様に仕えていたという優しそうな老婆だった――を屋敷に呼んでもらって実験した結果、セラの魔法の対象となるのは一人だけということがわかった。
セラは自分の意思で対象を選ぶことはできず、自動的に、セラに近い場所にいる魔女の魔力が増幅される。
でも、最も優先されるのは『セラに近い場所にいる魔女』ではなく『セラに触れた魔女』。
先に誰かがセラに触った場合、次に触った魔女は対象外だ。
セラを捕まえた魔女がイノーラなら全力を出せば渡り合えるだろう。
だが、イノーラの手勢におれに匹敵する『大魔導師』級の魔女がいて、セラがその魔女の魔力を跳ね上げたなら、セラの奪還は不可能だ。
奥の手を使えば叶うかもしれないが、セラは怒り狂うだろう。あるいは泣き喚くかもしれない。
だから、いまおれがすべきことは余計なことを考えず、セラを全力で守ること。
そしてそれはおれの望むことでもあった。
ユリウスたちと一緒に赴いた本館のサロンでは伯爵と伯爵夫人が座っていた。
二人ともきちんと身なりを整えていて、茶色のドレスを着た伯爵夫人は顔に薄化粧を施している。
シャンデリアが吊り下がったサロンでは大きな花瓶に色とりどりの花が活けられていて、鼻孔をふわりと花の香りがくすぐった。
茶色と金の二色で構成された壁紙と調和する品の良い調度。
壁に飾られているのは風景画と歌劇の一場面を模した絵。
大きな窓からは雲が浮かぶ青空と美しく手入れされた庭が見えた。
「二人とも、おはよう」
「おはようございます、父上、母上」
ユリウスたちが両親と挨拶を交わし、続いておれも挨拶した。
既に人払いを済ませているらしく、広々としたサロンには伯爵夫妻の姿しかない。
「二人とも座りなさい。リュオンはその後ろよ」
「はい」
指示通りにユリウスとノエルが向かいの長椅子に着席し、おれは長椅子の後ろに立つ。
斜め後ろから見るユリウスの顔には緊張の色があった。
朝から、それも三人ともが呼び出されるとなるとただ事ではない。
「父上。何があったのですか?」
落ち着き払った様子でノエルが尋ねた。
こういうとき、ノエルはとても頼りになる。
彼は十六歳と思えないほど肝が据わっていて、驚くほど頭が回った。
「王都の港で働く知り合いから《伝言珠》を通して連絡があった」
バートラム様は知人や友人がとても多い。
人脈の価値を理解している彼は常日頃から有事に備えて根回しを怠らず、色んな人間に恩を売り、同時に色んな人間の弱みを掌握していた。
国王でさえバートラム様には一目置いている。
バートラム様の助けがなければ、おれが国王に直談判することは不可能だっただろう。
「今朝早く、セラと良く似た少女が恋人らしき青年と共に人目を避けるようにして入港したらしい。珍しいピンクローズの波打つ髪に銀の《魔力環》が浮かんだ青い目、顎の下にある黒子。全ての特徴がイノーラと一致する」
おれは無言で手を握った。
八年前、蔑むような目でおれを見たセラの双子の妹が、セラを追いかけて来たのか。
「ふくよかな体型の青年は茶髪碧眼で、鷲鼻に丸顔。こちらはイノーラと結婚したというレアノールの第三王子の特徴と一致するな。入港にあたって彼女たちが書類にサインした名前は『リディー』と『ジョシュア』だそうだ。リディーとはセラが飼っていた猫の名前だ。ここまでくれば間違いはない。イノーラとクロード王子だ」
「……新婚旅行でロドリーに来たわけではないでしょうね。目的はセラの確保でしょうか?」
予想の範疇だったらしく、ノエルは顔色一つ変えない。
「恐らく。セラの価値に気づいたレアノール国王の密命を受けて護衛役のクロード王子を伴い、セラを連れ戻しに来たのだろう。こちらにはリュオンが命懸けで入手した国王直筆の信書があるが、セラに聞いた性格を鑑みると、イノーラが素直に引き下がるとは思えない。イノーラとクロード王子以外にも荒事担当の精鋭部隊が送り込まれていると考えるべきだろうな」
バートラム様は淡々と言った。
「こちらにはリュオンが命懸けで入手した国王直筆の信書があります。それを見せれば手を引くのでは?」
質問したのはユリウスだ。
「普通ならな。だが、相手はイノーラだ。たとえ信書を見せたところでおとなしく引き下がるとは思えない」
「…………。確かにそうですね」
セラからイノーラの信じがたい問題行動の数々を聞いているユリウスは口を閉じた。世の中には話の通じない人間がいる。一悶着は避けられまい。
「現在二人は王都にいるようだが、セラが目的ならばいずれはラスファルに来るだろう。全兵士に通達してイノーラとクロード王子の入門を禁じ、追い返すことも可能だが、まずはお前たちの意見を聞きたい。イノーラの要求に応じてセラを引き渡すという選択肢は――」
「ないです」「ありません」
ユリウスとノエルの声が重なった。
おれは言うまでもないので黙っていたが、二人が即座に否定したのは嬉しかった。
想い人がおれの友人たちからも愛されている――その事実はこんなにも胸を温かくするものらしい。
特に、セラはレアノールでは誰からも愛されていなかったようだから、感慨もひとしおだった。
「まあ、あなたったら。大事な娘を引き渡すなんてあり得ませんわ。恐ろしいことを言わないでくださいな」
スザンヌ様は夫に軽く肘鉄を喰らわせた。
スザンヌ様は素直で可愛いセラを非常に気に入っている。
「息子はもちろん欲しかったけれど、本当は娘も欲しかったのよ」とはスザンヌ様の談。
庭でお茶会を開くこともあるし、街に出かけることもある。
この前はセラにドレスを着せて仮面舞踏会に連れて行こうとしたため、おれが全力で止めた。
セラの力がバレたら危険なのは事実だが、それより先に『セラに変な虫がついたら困る』と思ったのは否めない。
「娘目当てにわざわざレアノールからお越しくださったというなら、こちらは手厚く歓迎するだけのこと……ええ、手厚く、ね」
スザンヌ様は右手に持っていた水鳥の羽根の扇子を開いて口元を隠した。
「穏やかな話し合いで解決できれば何よりですが、お相手が実力行使に訴えるならば心臓に刃を差し込んで終わりです。ふふ……思い出しますわ、戦場であなたと熱く刃を交わし合った懐かしいあの頃。わたくし、《血染めのスザンヌ》と呼ばれたあの頃に戻ってもよろしいのですわよね? 娘を守るのは母親の役目ですわよね? 得物は何がいいかしら。あなたの妻となった後も武器の手入れは欠かしておりませんのよ。剣、首切り鎌、ナイフ、ハンマー、斧、メイス――あらあら、どれにしましょう?」
まるで舞踏会に向けてお気に入りのドレスを選ぶように、いそいそと隠し武器庫に向かおうとしたスザンヌ様の腕を素早くバートラム様が掴んで引き戻した。
「スザンヌ。君は屋敷で待機しろ。戦場に出ることは許さん。これは命令だ」
「ええっ、どうしてですの? さすがにあの頃のように一個師団を返り討ちにはできないかもしれませんが、完全武装であっても中隊くらいは単独撃破できる自信が――」
「だから待機を命じているんだ。君は戦闘になると理性を失うだろう。相手はレアノールの第三王子と妃だぞ? 殺してしまっては戦争になる」
「……死体ごと消してしまえば行方不明で片付けられる……」
ぼそっと、スザンヌ様は物騒なことを呟いた。
「スザンヌ。相手はセラの双子の妹だ。母親を自認するなら、娘《セラ》の気持ちを考えなさい」
「…………はぁい……」
諭されたスザンヌ様は渋々座り直し、拗ねたようにそっぽ向いた。
可愛い娘が狙われているのですから仕方ないでしょう。扇子越しに、言い訳じみた言葉をぼそぼそ呟く声が聞こえる。
「スザンヌの言ったことは気にするな。とにかく三人とも、いつイノーラが姿を現しても良いよう覚悟を決めておけ。場合によっては戦闘になることもな」
「「「はい」」」
三人の声が唱和した後で、バートラム様はひたとおれを見つめた。
「言うまでもないとは思うが、もしイノーラの手勢に大魔導師級の魔女がいた場合、セラが捕まった時点でこちらの敗北は確定だ」
「はい。心得ています」
バートラム様に口の堅い魔女――先代様に仕えていたという優しそうな老婆だった――を屋敷に呼んでもらって実験した結果、セラの魔法の対象となるのは一人だけということがわかった。
セラは自分の意思で対象を選ぶことはできず、自動的に、セラに近い場所にいる魔女の魔力が増幅される。
でも、最も優先されるのは『セラに近い場所にいる魔女』ではなく『セラに触れた魔女』。
先に誰かがセラに触った場合、次に触った魔女は対象外だ。
セラを捕まえた魔女がイノーラなら全力を出せば渡り合えるだろう。
だが、イノーラの手勢におれに匹敵する『大魔導師』級の魔女がいて、セラがその魔女の魔力を跳ね上げたなら、セラの奪還は不可能だ。
奥の手を使えば叶うかもしれないが、セラは怒り狂うだろう。あるいは泣き喚くかもしれない。
だから、いまおれがすべきことは余計なことを考えず、セラを全力で守ること。
そしてそれはおれの望むことでもあった。
503
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された竜好き令嬢は黒竜様に溺愛される。残念ですが、守護竜を捨てたこの国は滅亡するようですよ
水無瀬
ファンタジー
竜が好きで、三度のご飯より竜研究に没頭していた侯爵令嬢の私は、婚約者の王太子から婚約破棄を突きつけられる。
それだけでなく、この国をずっと守護してきた黒竜様を捨てると言うの。
黒竜様のことをずっと研究してきた私も、見せしめとして処刑されてしまうらしいです。
叶うなら、死ぬ前に一度でいいから黒竜様に会ってみたかったな。
ですが、私は知らなかった。
黒竜様はずっと私のそばで、私を見守ってくれていたのだ。
残念ですが、守護竜を捨てたこの国は滅亡するようですよ?
婚約破棄をされ、父に追放まで言われた私は、むしろ喜んで出て行きます! ~家を出る時に一緒に来てくれた執事の溺愛が始まりました~
ゆうき
恋愛
男爵家の次女として生まれたシエルは、姉と妹に比べて平凡だからという理由で、父親や姉妹からバカにされ、虐げられる生活を送っていた。
そんな生活に嫌気がさしたシエルは、とある計画を考えつく。それは、婚約者に社交界で婚約を破棄してもらい、その責任を取って家を出て、自由を手に入れるというものだった。
シエルの専属の執事であるラルフや、幼い頃から実の兄のように親しくしてくれていた婚約者の協力の元、シエルは無事に婚約を破棄され、父親に見捨てられて家を出ることになった。
ラルフも一緒に来てくれることとなり、これで念願の自由を手に入れたシエル。しかし、シエルにはどこにも行くあてはなかった。
それをラルフに伝えると、隣の国にあるラルフの故郷に行こうと提案される。
それを承諾したシエルは、これからの自由で幸せな日々を手に入れられると胸を躍らせていたが、その幸せは家族によって邪魔をされてしまう。
なんと、家族はシエルとラルフを広大な湖に捨て、自らの手を汚さずに二人を亡き者にしようとしていた――
☆誤字脱字が多いですが、見つけ次第直しますのでご了承ください☆
☆全文字はだいたい14万文字になっています☆
☆完結まで予約済みなので、エタることはありません!☆
死んだ王妃は二度目の人生を楽しみます お飾りの王妃は必要ないのでしょう?
なか
恋愛
「お飾りの王妃らしく、邪魔にならぬようにしておけ」
かつて、愛を誓い合ったこの国の王。アドルフ・グラナートから言われた言葉。
『お飾りの王妃』
彼に振り向いてもらうため、
政務の全てうけおっていた私––カーティアに付けられた烙印だ。
アドルフは側妃を寵愛しており、最早見向きもされなくなった私は使用人達にさえ冷遇された扱いを受けた。
そして二十五の歳。
病気を患ったが、医者にも診てもらえず看病もない。
苦しむ死の間際、私の死をアドルフが望んでいる事を知り、人生に絶望して孤独な死を迎えた。
しかし、私は二十二の歳に記憶を保ったまま戻った。
何故か手に入れた二度目の人生、もはやアドルフに尽くすつもりなどあるはずもない。
だから私は、後悔ない程に自由に生きていく。
もう二度と、誰かのために捧げる人生も……利用される人生もごめんだ。
自由に、好き勝手に……私は生きていきます。
戻ってこいと何度も言ってきますけど、戻る気はありませんから。
【完結】 笑わない、かわいげがない、胸がないの『ないないない令嬢』、国外追放を言い渡される~私を追い出せば国が大変なことになりますよ?~
夏芽空
恋愛
「笑わない! かわいげがない! 胸がない! 三つのないを持つ、『ないないない令嬢』のオフェリア! 君との婚約を破棄する!」
婚約者の第一王子はオフェリアに婚約破棄を言い渡した上に、さらには国外追放するとまで言ってきた。
「私は構いませんが、この国が困ることになりますよ?」
オフェリアは国で唯一の特別な力を持っている。
傷を癒したり、作物を実らせたり、邪悪な心を持つ魔物から国を守ったりと、力には様々な種類がある。
オフェリアがいなくなれば、その力も消えてしまう。
国は困ることになるだろう。
だから親切心で言ってあげたのだが、第一王子は聞く耳を持たなかった。
警告を無視して、オフェリアを国外追放した。
国を出たオフェリアは、隣国で魔術師団の団長と出会う。
ひょんなことから彼の下で働くことになり、絆を深めていく。
一方、オフェリアを追放した国は、第一王子の愚かな選択のせいで崩壊していくのだった……。
【完結】聖女を愛する婚約者に婚約破棄を突きつけられましたが、愛する人と幸せになります!
ユウ
恋愛
「君には失望した!聖女を虐げるとは!」
侯爵令嬢のオンディーヌは宮廷楽団に所属する歌姫だった。
しかしある日聖女を虐げたという瞬間が流れてしまい、断罪されてしまう。
全ては仕組まれた冤罪だった。
聖女を愛する婚約者や私を邪魔だと思う者達の。
幼い頃からの幼馴染も、友人も目の敵で睨みつけ私は公衆の面前で婚約破棄を突きつけられ家からも勘当されてしまったオンディーヌだったが…
「やっと自由になれたぞ!」
実に前向きなオンディーヌは転生者で何時か追い出された時の為に準備をしていたのだ。
貴族の生活に憔悴してので追放万々歳と思う最中、老婆の森に身を寄せることになるのだった。
一方王都では王女の逆鱗に触れ冤罪だった事が明らかになる。
すぐに連れ戻すように命を受けるも、既に王都にはおらず偽りの断罪をした者達はさらなる報いを受けることになるのだった。
【完結】姉に婚約者を奪われ、役立たずと言われ家からも追放されたので、隣国で幸せに生きます
よどら文鳥
恋愛
「リリーナ、俺はお前の姉と結婚することにした。だからお前との婚約は取り消しにさせろ」
婚約者だったザグローム様は婚約破棄が当然のように言ってきました。
「ようやくお前でも家のために役立つ日がきたかと思ったが、所詮は役立たずだったか……」
「リリーナは伯爵家にとって必要ない子なの」
両親からもゴミのように扱われています。そして役に立たないと、家から追放されることが決まりました。
お姉様からは用が済んだからと捨てられます。
「あなたの手柄は全部私が貰ってきたから、今回の婚約も私のもの。当然の流れよね。だから謝罪するつもりはないわよ」
「平民になっても公爵婦人になる私からは何の援助もしないけど、立派に生きて頂戴ね」
ですが、これでようやく理不尽な家からも解放されて自由になれました。
唯一の味方になってくれた執事の助言と支援によって、隣国の公爵家へ向かうことになりました。
ここから私の人生が大きく変わっていきます。
転生幼女は追放先で総愛され生活を満喫中。前世で私を虐げていた姉が異世界から召喚されたので、聖女見習いは不要のようです。
桜城恋詠
ファンタジー
聖女見習いのロルティ(6)は、五月雨瑠衣としての前世の記憶を思い出す。
異世界から召喚された聖女が、自身を虐げてきた前世の姉だと気づいたからだ。
彼女は神官に聖女は2人もいらないと教会から追放。
迷いの森に捨てられるが――そこで重傷のアンゴラウサギと生き別れた実父に出会う。
「絶対、誰にも渡さない」
「君を深く愛している」
「あなたは私の、最愛の娘よ」
公爵家の娘になった幼子は腹違いの兄と血の繋がった父と母、2匹のもふもふにたくさんの愛を注がれて暮らす。
そんな中、養父や前世の姉から命を奪われそうになって……?
命乞いをしたって、もう遅い。
あなたたちは絶対に、許さないんだから!
☆ ☆ ☆
★ベリーズカフェ(別タイトル)・小説家になろう(同タイトル)掲載した作品を加筆修正したものになります。
こちらはトゥルーエンドとなり、内容が異なります。
※9/28 誤字修正
悪役令嬢は調理場に左遷されましたが、激ウマご飯で氷の魔公爵様を餌付けしてしまったようです~「もう離さない」って、胃袋の話ですか?~
咲月ねむと
恋愛
「君のような地味な女は、王太子妃にふさわしくない。辺境の『魔公爵』のもとへ嫁げ!」
卒業パーティーで婚約破棄を突きつけられた悪役令嬢レティシア。
しかし、前世で日本人調理師だった彼女にとって、堅苦しい王妃教育から解放されることはご褒美でしかなかった。
「これで好きな料理が作れる!」
ウキウキで辺境へ向かった彼女を待っていたのは、荒れ果てた別邸と「氷の魔公爵」と恐れられるジルベール公爵。
冷酷無慈悲と噂される彼だったが――その正体は、ただの「極度の偏食家で、常に空腹で不機嫌なだけ」だった!?
レティシアが作る『肉汁溢れるハンバーグ』『とろとろオムライス』『伝説のプリン』に公爵の胃袋は即陥落。
「君の料理なしでは生きられない」
「一生そばにいてくれ」
と求愛されるが、色気より食い気のレティシアは「最高の就職先ゲット!」と勘違いして……?
一方、レティシアを追放した王太子たちは、王宮の食事が不味くなりすぎて絶望の淵に。今さら「戻ってきてくれ」と言われても、もう遅いです!
美味しいご飯で幸せを掴む、空腹厳禁の異世界クッキング・ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる