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28:人気者の登校風景(1)
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百年以上の歴史を誇る奏城学園は多くの政治家や著名人を輩出している名門校だ。
生徒の自主性と自治を大切にする校風で、部活動は参加自由。
服装規定もあってないようなものだから、髪にシュシュやリボンをつけても許されるし、よほど派手な染髪をしない限り先生に注意されることもないらしい。
転入試験や入学手続きのために二回ほど来たけれど、いよいよ生徒として通うとなるとやっぱり緊張するな。
目の前に聳える立派な校門を見上げて、私は音を立てずに唾を飲み込み、狐のキーホルダーを下げた校章入りの学校鞄の持ち手を強く握った。
今日は授業数が少ないためか、悠紀くんも亜紀くんも大荷物が入るリュックではなく学校鞄を持っている。
私の右隣にいる悠紀くんの鞄には有名RPGの魔法陣を模したキーホルダーが、左隣にいる亜紀くんの鞄には『A』のイニシャルのキーホルダーと間抜けな顔をしたハリセンボンのキーホルダー、そして『bird/blank』のファンクラブ会員だけが購入できるキーホルダーがつけられていた。
ちなみにキーホルダーのカラーは鴻上真紘のファンを表す青だ。
双子に挟まれて歩きながら見回してみると、登校中の生徒たちは全員同じ鞄を持っていた。
みんなと同じ制服を着て、同じ鞄を持っているというのに、どうにも自分ひとりだけ浮いているように感じる。
まるで部外者がコスプレをしているような疎外感。
それもそのはず、奏城に通う生徒はそのほとんどが社長令嬢や令息、あるいは官僚や弁護士や医者の子どもなのだ。
イヤフォンをつけて歩いている生徒、友達と談笑している女子や男子グループ、その誰もが本来私とは住む世界の違う人間。
心なしか、みんな眩いセレブオーラを放っているように見える。
あの男子生徒がつけてる腕時計、高そうだけど、どこかのブランドなのかな。
少し離れたところを歩いている女子生徒たちはどんな会話をしているんだろう。
「パパに車を買ってもらってー」「ブランドのどこそこの新作いいよねー」とか?
私、ブランド全然知らないけど、大丈夫かな。
「まあ貴女こんなことも知らないのこれだから庶民は」なんて言われて嘲笑されたりしないかな……?
「どうしたの紬ちゃん。暗い顔して」
亜紀くんが首を傾げた。
悠紀くんもまた無表情でこちらを見ている。
実を言うと、私を見ているのは彼らだけではない。
そっくりな美形の双子に挟まれているおかげで、私は注目の的になっていた。
あの子誰だろう、という空気をひしひし感じるけれど、誰もが遠巻きに眺めるばかりで話しかけてはこなかったため、私は双子に挟まれたまま校門を抜け、会話を続行した。
生徒の自主性と自治を大切にする校風で、部活動は参加自由。
服装規定もあってないようなものだから、髪にシュシュやリボンをつけても許されるし、よほど派手な染髪をしない限り先生に注意されることもないらしい。
転入試験や入学手続きのために二回ほど来たけれど、いよいよ生徒として通うとなるとやっぱり緊張するな。
目の前に聳える立派な校門を見上げて、私は音を立てずに唾を飲み込み、狐のキーホルダーを下げた校章入りの学校鞄の持ち手を強く握った。
今日は授業数が少ないためか、悠紀くんも亜紀くんも大荷物が入るリュックではなく学校鞄を持っている。
私の右隣にいる悠紀くんの鞄には有名RPGの魔法陣を模したキーホルダーが、左隣にいる亜紀くんの鞄には『A』のイニシャルのキーホルダーと間抜けな顔をしたハリセンボンのキーホルダー、そして『bird/blank』のファンクラブ会員だけが購入できるキーホルダーがつけられていた。
ちなみにキーホルダーのカラーは鴻上真紘のファンを表す青だ。
双子に挟まれて歩きながら見回してみると、登校中の生徒たちは全員同じ鞄を持っていた。
みんなと同じ制服を着て、同じ鞄を持っているというのに、どうにも自分ひとりだけ浮いているように感じる。
まるで部外者がコスプレをしているような疎外感。
それもそのはず、奏城に通う生徒はそのほとんどが社長令嬢や令息、あるいは官僚や弁護士や医者の子どもなのだ。
イヤフォンをつけて歩いている生徒、友達と談笑している女子や男子グループ、その誰もが本来私とは住む世界の違う人間。
心なしか、みんな眩いセレブオーラを放っているように見える。
あの男子生徒がつけてる腕時計、高そうだけど、どこかのブランドなのかな。
少し離れたところを歩いている女子生徒たちはどんな会話をしているんだろう。
「パパに車を買ってもらってー」「ブランドのどこそこの新作いいよねー」とか?
私、ブランド全然知らないけど、大丈夫かな。
「まあ貴女こんなことも知らないのこれだから庶民は」なんて言われて嘲笑されたりしないかな……?
「どうしたの紬ちゃん。暗い顔して」
亜紀くんが首を傾げた。
悠紀くんもまた無表情でこちらを見ている。
実を言うと、私を見ているのは彼らだけではない。
そっくりな美形の双子に挟まれているおかげで、私は注目の的になっていた。
あの子誰だろう、という空気をひしひし感じるけれど、誰もが遠巻きに眺めるばかりで話しかけてはこなかったため、私は双子に挟まれたまま校門を抜け、会話を続行した。
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