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05:謎の白い煙
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駅前にある『四葉スーパー』の値引きセールは夜の七時半くらいから始まる。
「安いものがあったら買ってきて」
母に頼まれた私はスーパーで買い物をし、通りを歩いていた。
牛肉コロッケ、半額でゲット!
お父さんと私のお弁当のおかずが一品増えたね、やったー。
喜んでいたそのとき、通りの反対側にいる人々の中に、エコバッグを持った豆田くんを見つけた。
彼もまた値引きセールの参加者だったようだ。
「豆田くん!」
通りの向こうに届くように声を張り上げたけれど、彼は気づかない。
無関係なサラリーマンが一人、こちらを見ただけ。
目を凝らして見れば、豆田くんの耳元から白いコードが伸びている。
イヤホンをつけているせいで声が聞こえないようだ。
追いかけたくても、横断歩道の信号は赤。
渡ることができない。
豆田くんは人気のない横道へと入ってしまった。
ああ、行っちゃう。
もどかしく思いながら待ち、信号が青に変わると同時に駆け出す。
今日の放課後、豆田くんは初めて私に笑顔を見せてくれた。
私はもっと彼と仲良くなりたい。
この機会、逃しちゃいけない!
そう、心が叫んでいる。
横道に入ってしばらくすると、夜に溶け込んでしまいそうな黒いシャツが目に入った。
「豆田くん! こんばんはっ!」
息を切らしながら駆け寄って、豆田くんの肩を叩く。
すると。
――ぽんっ!
そんな音と同時に、白い煙が立ちのぼった。
豆田くんの姿が、煙の向こうに消える。
「………………え?」
な、何が起きたんだろう?
煙が消えた後、地面には豆田くんの眼鏡と服だけが残されていた。
何故か、服はこんもりと盛り上がっている。
服の下に、何かいる……?
目をパチクリしながら見ていると、服の下で、もぞもぞと何かが動いた。
な、何?
シャツを払いのけ、姿を現したのは一匹の狸だった。
丸みを帯びた三角形の耳。
茶色と黒が入り混じった体毛。
つぶらな丸い目。
ふさふさな尻尾。
……狸だ。
どこからどう見ても狸だ。
……私、夢でも見ているのかな?
頬をつねってみるけれど、ちゃんと痛い。
足元の狸は、何故か両手で頭を抱えている。
なんだかすごく人間っぽい仕草だ。
姿こそ狸そのものだけど、中身は人間……なのかな?
もし人間だとしたら……やっぱりこれは、豆田くんってことになるよね?
豆田くんの肩を叩いたら煙が噴き上がって、この狸が現れたんだし。
「安いものがあったら買ってきて」
母に頼まれた私はスーパーで買い物をし、通りを歩いていた。
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喜んでいたそのとき、通りの反対側にいる人々の中に、エコバッグを持った豆田くんを見つけた。
彼もまた値引きセールの参加者だったようだ。
「豆田くん!」
通りの向こうに届くように声を張り上げたけれど、彼は気づかない。
無関係なサラリーマンが一人、こちらを見ただけ。
目を凝らして見れば、豆田くんの耳元から白いコードが伸びている。
イヤホンをつけているせいで声が聞こえないようだ。
追いかけたくても、横断歩道の信号は赤。
渡ることができない。
豆田くんは人気のない横道へと入ってしまった。
ああ、行っちゃう。
もどかしく思いながら待ち、信号が青に変わると同時に駆け出す。
今日の放課後、豆田くんは初めて私に笑顔を見せてくれた。
私はもっと彼と仲良くなりたい。
この機会、逃しちゃいけない!
そう、心が叫んでいる。
横道に入ってしばらくすると、夜に溶け込んでしまいそうな黒いシャツが目に入った。
「豆田くん! こんばんはっ!」
息を切らしながら駆け寄って、豆田くんの肩を叩く。
すると。
――ぽんっ!
そんな音と同時に、白い煙が立ちのぼった。
豆田くんの姿が、煙の向こうに消える。
「………………え?」
な、何が起きたんだろう?
煙が消えた後、地面には豆田くんの眼鏡と服だけが残されていた。
何故か、服はこんもりと盛り上がっている。
服の下に、何かいる……?
目をパチクリしながら見ていると、服の下で、もぞもぞと何かが動いた。
な、何?
シャツを払いのけ、姿を現したのは一匹の狸だった。
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もし人間だとしたら……やっぱりこれは、豆田くんってことになるよね?
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