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一章
【17】レディーキラー 1
しおりを挟むあれからずっとヨルバの部屋に泊っている俺は、彼の存在が当たり前のものになりつつあった。俺が寝るよりも遅く床につき、目覚めるよりも早く身支度を終えている彼の姿に、本当に一緒のベッドで寝ているのかと不思議に思う。
ヨルバのことは慕ってくれているちょっと不愛想な弟、と思えばとたんに可愛く思えてくる。
殿下から賜った短剣のおかげでMP供給だって必要なくなり、彼の手を煩わせることも、もうない。迷惑をかけなくていい、それが俺の心を少しだけ軽くしたのか、ヨルバとの距離感は随分心地のいいものになった。
でもそれはレリーフの文字を解読するまでの関係。ずっとは続かないだろう。いや、ずっと続けるつもりはない。これ以上、「俺」が「彼」の人生に踏み込んでしまうのは間違ってる。
俺だっていつかは元の世界に戻るつもりなのだから。
でも、――その限られた時間だけはせめて、友人のように、兄弟のように、あるいは家族のように、そんなふうに彼に触れられたらいいなと思っている。
そんな昼下がりの城下町。
ちょうど市が立っている時間帯だったのか、通りには露店が並びどこからかパンの焼ける匂いや香辛料の刺激的な香りが漂っていた。行き交う人々の声、馬車の車輪の音、行商人の掛け声――活気に満ちたその光景はごくあたりまえの日常だった。
「わ、あっちの屋台の串焼き美味そうだ!」
隣を歩くリオットが子どものような目で屋台を指さす。
俺たちは買い物袋を片手に城下町を歩いている。冒険者協会の備品の買い出しだ。
城に用事でやってきたリオットと偶然出会い、暇も持て余していた俺が買い出しに付き合っている。そんな図だ。
「リオット、買い出しの途中だよ。備品のリスト、まだ半分も埋まってないって」
「そうなんだけどさぁ……腹が減ってはなんとやら、って言うだろ?」
「じゃあ、買い出し終わったらどこかで食べてく?」
「そうこなくちゃな!」
リオットに引っ張られるようにして道具屋、薬草店、魔道具を扱う店――と何軒も回っていくうちに、買い物袋はだんだんとずっしりしてきた。さすがに重たくなってくると建物の物陰でインベントリにしまい込む。それを何回か繰り返して、備品を調達していった。
「次はあそこだ。ええっと、ポーション用の空瓶だっけな」
リオットが指差した店は年季を感じさせる古い雑貨屋さんだ。
店内に入ると、ほのかに香油のような香りが鼻をくすぐる。
「おじいさーん。こんにちは!」
「おやおや、リオットくんかの」
店内の奥から出て来たのは初老のおじいさんだ。たっぷりと蓄えた白いひげを触りながらゆったりとした歩調で現れる。
「いつものお願いします!」
「空瓶かぇ? いくつ必要かの?」
「えっと……」
顔なじみのようで買い物はスムーズだ。
手持ち無沙汰になった俺は店内を見渡すことにする。こんなに年季のある店に入るのは初めてで少しわくわくした。
木製の棚には所狭しと様々な小物が並べられていた。小さなガラス瓶や刺繍の施された布、どこの国のものかわからない古道具まで置いてあって見ていて飽きない。
俺は棚の奥を覗き込んで、そこでふと目にとまった。
それは、小さな銀の皿の上にぽつんとひとつだけ置かれていた指輪だった。金属部分は銀でできていて、繊細な作り。石座に嵌め込まれていたのは深い琥珀色の石だ。光を吸い込んでとろりと輝き、傾ける角度によってはそこに淡い青が浮かび上がる、不思議な色味だった。
思わず手を伸ばしてそれをそっと持ち上げる。
「おやお兄さん、お目が高いのう。それは東の大陸で作られた指輪じゃよ。お土産にどうかね?」
「わっ、綺麗な琥珀色の宝石だな。おじいさん、これいくらなんだ?」
おじいさんはひげを触りながら「いくらじゃったかのぅ」と。そして思い出したように口にした値段にリオットは悲鳴を上げていた。
だがこれが俺の知るものであれば、そのくらいは妥当な値段だろう。
「今のケタ聞き間違いじゃないよな!?」
「妥当だよ。ただの琥珀色の宝石しか見えないと思うけど、太陽光とかで色が変わるんだ」
「えっマジ?」
「おおっ! 思い出した。そうじゃった、これは確かそう言う性質があったのぉ」
おじいさんがぽんと手を打ち、店の奥をごそごそと探し始めた。そして手にしてきたのは人差し指の長さ程度の棒状の物体。先端には透明なレンズがはまっていて、見た目は小さな懐中電灯のようだった。
「ちとこれを当ててみると……よいしょ」
おじいさんが棒をトントンと叩くと、そこから細く鋭い光が指輪に向けて照らされた。
光を受け――宝石が色を変えた。琥珀のような黄金色から、深い青へと。
濃く、深く、けれど冷たくはない。まるで夜の深海に、月明かりが差し込んだような優しい青。
底知れないのに、なぜか懐かしさを感じさせる色だ。
「すごく綺麗だ……! 琥珀ってこんな色に変わるものもあるんだな! 中に葉っぱとか虫とか入ってるものしか知らなかった!」
「まあ、内容物があるほうが価値があると言われとるしのぉ。じゃがこれは、また別種じゃな」
「へぇ、おれは中身が入っても入ってなくても、綺麗だと思うけどなぁ……でもこれはもっと綺麗だ」
リオットが宝石に見入っている間、俺はぼんやりとその色の変化を眺めていた。
琥珀色――柔らかい黄金色は、どこかヨルバの瞳の色に似ていた。
いつもは鋭く見える金色のその眼差しが、ふとした拍子に穏やかになるとき。そう例えば、俺の名前を呼ぶときに、あの色がほんのりと熱を帯びたアンバーのように見えるのだ。
そして、光を当てて変わった青。
あれは――殿下が言っていた。俺の瞳の色は、夜の深海に月明かりが射したような澄んだ色なのだと。
自分ではずっとくすんでいる青だと思っていたから、言われるまでわからなかったけど。
琥珀色に内包された青。
石の中に、ふたり分の色が並んでいるように見えた。
それはまるで――かつての「俺」と「ヨルバ」みたいに。
「して、お土産に買っていくかい? 思い出させてくれた礼に少しまけてやってもえぇぞい」
「んー……」
少し欲しいな、とは思ってしまった。一応俺もその石を持っているけれど、俺が持っているものは純度が高くてもっと青く光る代物だ。
だが、それよりも魅力を感じてしまった。
気付けば俺はその指輪を手にしていた。
リオットに驚かれたが、冒険者協会で働いたお金は生活必需品以外ほとんど使っていない。
左手の中指には入らなかった。人差し指もギリギリで、小指は少しぶかぶかだけどそこにはめる。どこかでサイズを合わせてもらった方が良いな。
指輪を太陽光にかざしてみる。
傾けると光が消え、青がゆっくりと退いていく。宝石はふたたび静かに琥珀へと戻っていた。光が差すたび、互いの色に染まってはまた元に戻るような、不思議な現象。
それを見ていると、不思議と胸があたたかくなった。
* * *
日が傾き始めた城下町は、昼の喧騒をほんの少し名残に残しながら、帰宅するであろう人々の足音で満たされていた。空気は昼間より少しだけひんやりとしている。
「思ったより買い物に時間かかっちゃったな。この時間帯だと開いてるのは酒場くらいか。ヤシュはそれでもいいか?」
「酒場か……お酒でも久しぶりに飲む?」
「いいなそれ! おれ明日休みだからいくらでも付き合うぞ!」
「さすがに夜遅くまでは飲まないよ。危ないし」
「じゃあ、ほどほどに!」
ふたりで笑いながらいくつかの店を覗いていると、通り沿いの賑やかな酒場の前から、香辛料のきいた美味しそうな匂いが漂ってきた。
俺はリオットと顔を見合わせ、そのまま店の中へと足を踏み入れた。
扉をくぐった瞬間、外とは違う空気に包まれた。酒精の香りとにぎやかな声、あたたかな照明。舞台の上では踊り子が軽やかな音楽に合わせて舞っていた。
店の奥では人々が声を上げて笑い、手を打ち、ジョッキを掲げる音が鳴り響いている。
賑やかだが、不思議と心地よい。
空いていた小さな丸テーブルに腰を下ろし、店の人に軽く夕食と酒を頼む。
そしてようやく一息つく。
料理が届くころには、店の賑わいにも少し馴染んできていた。
「っで! かっこいい男の人で、すごく紳士なんだ。子持ちなんだけど……」
リオットの恋話に相槌を打っていたが、内容がとんでもなかった。
彼は手に持ったカップをくるくると回しながら、頬を赤らめている。
「待って、今子持ちって言った?……その人、何歳?」
「たしか35……?」
「リオットって何歳だっけ」
「22」
「……いやいやいや、年の差ありすぎじゃない? 一回り以上も上……!?」
「年の差なんて関係ないって。オトナとオトナの清い関係なんですぅ」
あくまで真剣らしい。テーブルに肘をついて身を乗り出す様子は話すだけで楽しくて仕方ないといった顔だった。
俺はといえば、リオットの恋話に衝撃的になりながらも、久しぶりに口にした酒で心がほんのり緩んでいた。酔うほどではないけれど、体がじんわりと温かい。
「と言うよりも、あの人、獣人族だから人間と寿命が違うんだよな。そっちの方が心配かもなぁ」
「獣人族?」
「あそこで踊ってるお姉さんみたいに耳と尻尾がついてる人のこと!」
リオットの視線の先には舞台で華やかに踊る女性の姿。猫のような耳が頭にあり、動きに合わせて長い尻尾も揺れていた。
この世界には人間の他にも獣人族などの多様な種族が共存している。アモイラ国は多種族国家で、貴族にも城下町にもそうした人種がいるにはいる。けれど日常の中で目にすることはあまりなく、意識する機会も少なかった。
「そう言うヤシュはどうなんだ? フィリク殿下と」
突然話を俺にふられ、思わず口にしていた酒を吹きそうになった。
このあいだユリシャスに聞かれた時と同じような質問にため息をつきたくなる。
「あの人はちょっと怖い上司って感じだよ。何にもない」
「え、そうなのか?……じゃあ、あの人は? 〈影くらい〉の!」
リオットは指で「ちいさな誰か」の輪郭を描いて見せる。
「……あの幼さに手を出すような大人には、なりたくないかな」
そう言った瞬間なんとも言えない違和感が胸に残った。けど、気のせいだろう。
「確かに小柄だけどそんなに幼いか? 見た目的に高校生くらいだろ? こっちの世界では成人してそうだし。許容範囲じゃん」
「26の俺からしたらまだ子供だ。せめて20は超えてないと……」
「まあ気持ちはわからなくもないけど」
ヨルバの実際の年齢は知らない。尋ねようと思ったことは何度かあったが、なぜかいつも忘れてしまう。
あの大人びた所作――たとえ中身がニ十歳、三十歳、いや百歳でも、あの見た目では……やっぱり、いけない感じがする。
これは完全に俺の問題だな。
俺がもし彼と同じぐらいの年齢の見た目であれば、青少年の健全なお付き合いには見えたかもしれない。だが実際に隣り合ってみると兄と弟くらい身長差があって、体格も違う。きっとそれが、ずっと俺の中でひっかかっている。
――って、いやいやなんでこんな真面目に考えているんだ。
「ヨルバは、弟みたいなものだよ」
口に出してみて、自分でもしっくりくる。「弟みたいなもの」その一言で全部うまくおさまってしまう。
「ふぅん。ま、でも、彼がオトナになったらどうなるかは、わからないよな?」
リオットはひらひらと手を振りながら、そう言った。
……大人になっても、弟は弟だ。
そう、思っているはずなのに――胸の奥が、ほんの少しだけ、きしんだ。
「それに俺はやっぱり女の子が好きだし。そう言うのはよくわからない」
はやくこの話を終わらせたくて逃げるようにそう言うと、リオットはきょとんと目を丸くさせる。それから「そう言えばそうだったな」と。
その時だ。
「そこのお兄さんたち! 今『可愛い女の子が好き』って言ったっすか? 紹介するっすよ~!」
突然、陽気で軽い声と共に肩をポンポンと叩かれる。
「……ん?」
振り返るとすぐ目の前に、金髪を無造作にかき上げた満面の笑みの青年が立っていた。じゃらじゃらと胸元のアクセサリーが鳴り、見るからに軽薄そうな冒険者の風貌――見覚えのある顔に、はっとする。
「……セキ?」
「あれ……先輩?」
その男は、かつて俺がこの世界に深く足を踏み入れるきっかけとなった同僚、セキだった。
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