こじらせ悪役ループ中、異国の皇子に甘く口説かれる

ひがらく

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野外学習の夜 4*

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「先生からキスをねだってくれるなんて、嬉しいな」
「ち、違います。会話の流れでなんとなくっ……んっ」

 押し付けられた唇は、少し冷たかった。
 けれど唇を食むようについばみ、何度か重なるうちにすぐに熱くなる。顎を掴まれて口を開かされると、舌がぬるりと入り込んだ。押し返そうと舌を動かせば、それすらねっとりと絡みとられて、くちゅりと唾液の絡まる音に、顔に熱が集まってくる。
 ぴったりと隙間なく重ねられた唇から溢れそうになる唾液を、こくりと喉の奥に押しやれば、小さな笑い声が聞こえた。

「ふふ、上手……全部、飲んでね」
「んっ、……ふぁっ」
 
 クロヴィスはずっと目を開いたまま、楽しげに俺の反応を探っている。
 キスをしながら、耳の付け根を指先でくすぐるように撫でられ、ピアスを爪先で軽く弾かれる刺激だけで、ぞくぞくと腰が震えてくる。
 何度も深く口付けられ、吐息が混じり合い、身体が熱くなってくる。
 
 クロヴィスの手がシャツの下をまさぐろうとして、慌ててその手を掴んで止めた。

「それは、駄目ですっ」
「少し触るだけ。足りないから」

 冷たい掌がシャツの下に潜り込み、腰のあたりから胸へとすぅっと滑って、ぞわぞわする。
 両胸の突起を指で優しくとんとんと刺激されると、ここを今から触るのだと意識させられているかのようで、キスで火照った熱がいっそう疼いてしまった。

「駄目だと……っん」
「先生、ここも弱いよね。指で遊んであげると可愛い反応してくれるから、僕も好き」
「さわる、な……っ」

 揉むようにして、人差し指と親指で挟まれてくりくりと転がされる。途端に身体に力が入らなくなって、前のめりになってしまう。けれど、背後から回された腕がぐっと腰を引き寄せてきた。そのまま後ろへと傾いた身体は、再びクロヴィスにもたれかかる形になる。逃げることなんて許さないように、しっかりと抱き寄せられてしまった。

「逃げちゃダメだよ。温まること、させてくれるんだよね」
「んぅ……っふ、やめ、……んんっ」
「ほら、先生のここ、嬉しそうに膨らんできたよ。もっと触ってあげるね」
 
 指の腹でなんども擦られて、ぷっくらとしてきたそこをこねくり回される。強めにきゅっと摘ままれたりすれば、少し痛いはずなのにその刺激さえも気持ちよくて、びくびくと身体が震えてしまう。

「っぁ、……だめ、くろ、んうっ、……はっ、ぁっ」
「気持ちいい声、いっぱい聞かせて」

 本当に、おかしいんだ。気持ちいいと、思ってしまう。
 クロヴィスに触れられると、身体が勝手に反応する。胸なんかで感じるはずもないのに。
 胸だけじゃない、耳も、唇も、腹の奥も、頭のてっぺんから爪先まで全て敏感になってしまって、自分の身体じゃないように感じてしまう。

「ぁぅ、んっ、……ふっ、……ぅん、あっ」
「腰も動いてるね。……でも今日はだめ、僕も我慢できなくなるから。こっちで頑張って?」
 
 クロヴィスが喋るたびに、背後から熱い吐息が首筋にかかって、ぞくりとする。それさえも快感として拾ってしまって、たまらなくなってしまう。
 
「ひっ、うぅ……んっ、んッ」
 
 きゅぅっと両方の突起を抓られてゆるく引っ張られると、びくりと身体が跳ねた。そのまま、くにくにと指先で形を確かめるように押し潰され、何度も執拗に弄ばれる。

「それ、やだっ……んっ、ぁ」
「やだ? でも気持ちよさそうだよ。あ、もっとゆっくりして欲しいのかな」
 
 摘まむような強い刺激から、揉むだけのゆるやかなものに変わる。
 それでも気持ち良すぎて、だらしなく開いた口から零れた唾液を、舐めとられた。今自分がどんな顔をしているかなんて、考えたくもない、まともに喋ることさえできず、声を押し殺しながら、与えられる刺激に耐えるしかなかった。
 
 時間をかけてゆっくりと弄られる甘い刺激。優しくて気持ちがいいのに、じれったい。けれど、じわじわと込み上げてくる何かに、限界まで追い詰められていた。
 もうこれ以上は耐えられないと、クロヴィスの手に縋りつけば、ふいに爪で先っぽを弾かれて、びくんと身体が跳ねた。

「あっ、――ひっ、ぁ……!」
 
 突然の強い刺激に、腰から背中にかけて波打つような痺れが走って、弾ける。頭が真っ白になり、背中が反って息ができない。
 達してしまったのだと気付いたときには、強張っていた身体がゆっくりと弛緩していったあと。一気に身体の力が抜け、ぐったりとクロヴィスに寄りかかった。

「先生、すごい。ここだけでイった?」
「っ、……いう、な」
「そんなに気持ちよかったんだ。嬉しい」

 乱れた呼吸を整えようと深く息を吸っていると、髪を撫でながら、よくできましたといわんばかりに、愛おしそうに何度もこめかみにキスをしてくる。
 涙で歪む視界の向こう、クロヴィスは目を細めて微笑んでいた。どうしてそんなに嬉しそうなんだろう。
 自分の手で乱れる様子が、面白いって思ってるのか。
 
「俺は、おもちゃ、じゃ、ないっ……」
「ごめん、先生が可愛くて。つい意地悪してしまうんだ。……許してくれる?」

 涙さえも唇で拭われて、抱きしめられて、頬に擦り寄ってくる。その体温は確かに温かくなっていたが、俺の体温はそれ以上に熱を持っていた。
 
 こんなの、俺の方が熱くなっただけじゃないか。

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