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魔法学
魔法放出と体力は連動している?
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「やぁカヤ。今日やってもらう事は魔力放出の限界を見るという実験だ。体調は大丈夫そう?」
「大丈夫。ただ、どうやって魔力を放出すればいいか…。」
カヤは剣を生み出す事、ワープする事、そして扉を通じて仲間を送り届ける事しか出来なかった。無差別に魔力を放出する事は出来ても制御が効かないとなると中々難しい。そこでゴズはある提案をした。それは術を出すギリギリを保ち、体の表面にとどめるというものだった。
「あ、それなら出来るかもしれない!いつも魔法を放出する前全身に魔力が纏うから。」
「そうなのか!なら一回やってみよう!健康状態に支障が出そうなら言って!」
そして実験が始まった。カヤは目を閉じ、魔力を血流に巡らせ、術を出す直前に入る。サインたちはその様子を見ていた。
・・・
「サインさん。今何分経った?」
「今丁度10分だね。体調に変わりある?」
「いやそれが全くないの。サウンドラ国民は魔法が使えるけど体力と連動していた。それは国王であるお父様も同じだった。どんなに膨大な魔力を持っていたとしても体力が尽きると魔法が放てなくなるのに、私全く疲労を感じなくて…。」
魔力を巡らせながら自身の体に起きていることをサインたちに伝えた。するとゴズがそういえば…って顔をしながら書物を開く。そして一言発した。
「カヤ。もしかしたらカヤも初代国王のように自然に愛されているのかもしれない。つまり魔力を無限に生み出せるという事じゃないか?」
「えっ…。私が初代国王と…?」
今こうして魔力を消費しているのに体力が削られていないと分かっていたカヤはまさかと思いつつも自身の血の巡りを確認する。すると確かに皮膚からなにかオーラが吸い込まれていくのを実感した。
「ゴズさん。多分私無限に魔力を扱えます。」
その言葉を聞いたサインたちは一旦実験を中断するようカヤに言い、体力との関係性を調べる実験は終わった。
・・・
「ゴズさん。その書物になにか詳細書いてない?魔力の限界についての。」
サインはゴズに対しきく。ゴズは書物を読みあさり、なにか手掛かりがないか探していた。するとカヤが昔の話をしだした。
「サインさん。私、この目で見てきたから分かる。火を扱う一人の料理人がいつも4時間程度で店を閉めるって事に。そこの店は料理がすごくうまくて、いつも大盛況だったんだけど、その料理人は魔力が少なかった。いつも閉じる寸前倒れかけていたんだ。他の人も同じで、数分経つとはじめはだるさを感じて、1時間も経つと、息切れを起こしていた。でも私はそんな事一度もなかった。だから…その…。」
「なるほど。という事はカヤが特別な存在だから、体力と魔力の連動はないという事なんだね。あ、一つ思いついた。カヤ、さっきの状態を維持したまま全力疾走してみてくれないか?もしかしたら体力が尽きたら魔力も出せなくなるはず。」
サインは観察眼に優れていた。魔法という未知の力を真面目に記録したいと考えていた。その為カヤと一緒に走り、記録をゴズに任せる事にした。
「カヤ。成人男性は100メートルを全力で走るとばてる。カヤはまだ5歳だから50メートルでもきついはず。きつかったら言ってね。」
「…うん!」
そして二人は走りだした。サインはカヤの後をつくように走り、40メートル地点でばてたカヤに対し、同じ事が出来るか聞いてみた。息を切らしながら頷いたカヤは魔力を体に巡らせようとする。しかし魔力を生み出せても体に巡らす事は出来なかった。
・・・
「なるほど。カヤは自然に愛されているから魔力を無限に生み出せるけど、体力がなくなると魔法を放てなくなるという事なんだね。きつい実験させてしまってごめん。」
「…大丈夫。私も魔法について知りたかったし。」
息を切らすカヤ。その様子を見たサインはゴズに体力増加の訓練を任せようと思い、ゴズに声をかける。
「俺がか…。確かに筋肉を愛しているけど、カヤは大丈夫なのか?出来るか?」
ゴズは真剣な顔をしながらカヤに声をかける。するとカヤは前を向き、頑張りたいと一言言った。その気持ちは揺らぐ事なく、その気持ちを受け取ったゴズは体力作りの時間を1日30分作るよう予定を書き換えた。
・・・
その日の夜。カヤとカノンは話していた。
「カノンさん。私、まだサウンドラ王国があった時皆にどんな風に思われていたんだろう。初代国王は皆に愛されたって残っているけど、今の時代、私が生まれる間誰も空間魔法を使える人がいなかった。やっぱり国民は怖かったのかな。」
「カヤちゃん。君は国民に罵倒された事ある?」
「いやなかった。いつも私は国民の事を想っていたし、国民もよく挨拶を返してくれた。悪くない関係だったと思う。」
「そうね…。」
カノンはなんて答えようか迷っていた。空間魔法を使える人間が初代国王とカヤだけだったから。でも王族として社会の勉強を叩きこまれた事は事実。まだ5歳であるカヤは子供ながらそんな事を考えていたのかと心に傷がつくカノンだった。
「カヤちゃん。これは私の意見だけど、私から見てカヤちゃんは可愛い子供だと思うよ。ただの人間の子供。笑顔が素敵だし、このきつい実験に対しても前向きでいい子。だからサウンドラ王国の国民も私も君の事が好き。理由なんてないよ。」
「…ありがとう。私の考えすぎだったね。」
微笑みながら言ったカノンに対し、カヤの心は救われていた。しかしカノンは内心辛かった。祖国を失った原因が自分にあるという事を聞いていたからだ。それでもカノンは微笑みを止めず、どんな時もカヤに前向きでいようと決めた。
「カヤちゃん。これからも頑張ろう!私も力になるからさ!」
「うん!!」
そして訓練1日目が終わった。
「大丈夫。ただ、どうやって魔力を放出すればいいか…。」
カヤは剣を生み出す事、ワープする事、そして扉を通じて仲間を送り届ける事しか出来なかった。無差別に魔力を放出する事は出来ても制御が効かないとなると中々難しい。そこでゴズはある提案をした。それは術を出すギリギリを保ち、体の表面にとどめるというものだった。
「あ、それなら出来るかもしれない!いつも魔法を放出する前全身に魔力が纏うから。」
「そうなのか!なら一回やってみよう!健康状態に支障が出そうなら言って!」
そして実験が始まった。カヤは目を閉じ、魔力を血流に巡らせ、術を出す直前に入る。サインたちはその様子を見ていた。
・・・
「サインさん。今何分経った?」
「今丁度10分だね。体調に変わりある?」
「いやそれが全くないの。サウンドラ国民は魔法が使えるけど体力と連動していた。それは国王であるお父様も同じだった。どんなに膨大な魔力を持っていたとしても体力が尽きると魔法が放てなくなるのに、私全く疲労を感じなくて…。」
魔力を巡らせながら自身の体に起きていることをサインたちに伝えた。するとゴズがそういえば…って顔をしながら書物を開く。そして一言発した。
「カヤ。もしかしたらカヤも初代国王のように自然に愛されているのかもしれない。つまり魔力を無限に生み出せるという事じゃないか?」
「えっ…。私が初代国王と…?」
今こうして魔力を消費しているのに体力が削られていないと分かっていたカヤはまさかと思いつつも自身の血の巡りを確認する。すると確かに皮膚からなにかオーラが吸い込まれていくのを実感した。
「ゴズさん。多分私無限に魔力を扱えます。」
その言葉を聞いたサインたちは一旦実験を中断するようカヤに言い、体力との関係性を調べる実験は終わった。
・・・
「ゴズさん。その書物になにか詳細書いてない?魔力の限界についての。」
サインはゴズに対しきく。ゴズは書物を読みあさり、なにか手掛かりがないか探していた。するとカヤが昔の話をしだした。
「サインさん。私、この目で見てきたから分かる。火を扱う一人の料理人がいつも4時間程度で店を閉めるって事に。そこの店は料理がすごくうまくて、いつも大盛況だったんだけど、その料理人は魔力が少なかった。いつも閉じる寸前倒れかけていたんだ。他の人も同じで、数分経つとはじめはだるさを感じて、1時間も経つと、息切れを起こしていた。でも私はそんな事一度もなかった。だから…その…。」
「なるほど。という事はカヤが特別な存在だから、体力と魔力の連動はないという事なんだね。あ、一つ思いついた。カヤ、さっきの状態を維持したまま全力疾走してみてくれないか?もしかしたら体力が尽きたら魔力も出せなくなるはず。」
サインは観察眼に優れていた。魔法という未知の力を真面目に記録したいと考えていた。その為カヤと一緒に走り、記録をゴズに任せる事にした。
「カヤ。成人男性は100メートルを全力で走るとばてる。カヤはまだ5歳だから50メートルでもきついはず。きつかったら言ってね。」
「…うん!」
そして二人は走りだした。サインはカヤの後をつくように走り、40メートル地点でばてたカヤに対し、同じ事が出来るか聞いてみた。息を切らしながら頷いたカヤは魔力を体に巡らせようとする。しかし魔力を生み出せても体に巡らす事は出来なかった。
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「なるほど。カヤは自然に愛されているから魔力を無限に生み出せるけど、体力がなくなると魔法を放てなくなるという事なんだね。きつい実験させてしまってごめん。」
「…大丈夫。私も魔法について知りたかったし。」
息を切らすカヤ。その様子を見たサインはゴズに体力増加の訓練を任せようと思い、ゴズに声をかける。
「俺がか…。確かに筋肉を愛しているけど、カヤは大丈夫なのか?出来るか?」
ゴズは真剣な顔をしながらカヤに声をかける。するとカヤは前を向き、頑張りたいと一言言った。その気持ちは揺らぐ事なく、その気持ちを受け取ったゴズは体力作りの時間を1日30分作るよう予定を書き換えた。
・・・
その日の夜。カヤとカノンは話していた。
「カノンさん。私、まだサウンドラ王国があった時皆にどんな風に思われていたんだろう。初代国王は皆に愛されたって残っているけど、今の時代、私が生まれる間誰も空間魔法を使える人がいなかった。やっぱり国民は怖かったのかな。」
「カヤちゃん。君は国民に罵倒された事ある?」
「いやなかった。いつも私は国民の事を想っていたし、国民もよく挨拶を返してくれた。悪くない関係だったと思う。」
「そうね…。」
カノンはなんて答えようか迷っていた。空間魔法を使える人間が初代国王とカヤだけだったから。でも王族として社会の勉強を叩きこまれた事は事実。まだ5歳であるカヤは子供ながらそんな事を考えていたのかと心に傷がつくカノンだった。
「カヤちゃん。これは私の意見だけど、私から見てカヤちゃんは可愛い子供だと思うよ。ただの人間の子供。笑顔が素敵だし、このきつい実験に対しても前向きでいい子。だからサウンドラ王国の国民も私も君の事が好き。理由なんてないよ。」
「…ありがとう。私の考えすぎだったね。」
微笑みながら言ったカノンに対し、カヤの心は救われていた。しかしカノンは内心辛かった。祖国を失った原因が自分にあるという事を聞いていたからだ。それでもカノンは微笑みを止めず、どんな時もカヤに前向きでいようと決めた。
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「うん!!」
そして訓練1日目が終わった。
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