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魔法学
水魔法の書
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無明剣・裂焔を生み出したカヤ。その青白い剣は悪を制裁する光の剣のように見えた。ただその美しい剣を見ていたサインたちは感動する。するとカヤが剣を消して、こっちに走ってきた。
「あの!その、他の魔法も学びたい!水魔法、風魔法、土魔法…。その書物に書かれている全ての魔法を覚える!!」
カヤはわくわくしていた。それは無邪気な子供だった。
「サイン…サイン!!」
「はっ!」
叩かれるまでボーっとしていたサインはカノンに叩かれた。カノンはカヤに対し、なんか言ってやりなさいといった顔している。気を取りなおしたサインはカヤの頭を撫で、「これからも頑張ろう!」と言った。
「この書物にはあらゆる術式が書かれている。サイン、この書物はあまりにも膨大すぎるから、戦場で使える魔法を優先に訓練した方がいいのではないか?」
ゴズがサインに言う。それはイズに行くためのものだった。
「確かに。カヤ、1年後に行くイズは水の供給が滞っている国だ。イズは水で国を潤したいと思っているはず。だから、初めは飲料水の生成を練習しよう。ゴズ、ちょっと書物を貸して。」
ゴズから書物を受け取り、水魔法のページを見るサイン。そこには水魔法を扱えるようになるための手順が書かれていた。
「まず両手の間に直径10cmくらいの水玉を創りだす。カヤ、この術式を読んでみて。」
「分かった。神聖なる水の竜、浄化されし悪の手腕の滅、清らかな水を生成せよ!」
カヤが詠唱すると両手に光が宿り、球状の水が生成された。その水はとても美しく、透き通っていた。フィアーがその水に触れたところもう少し冷たいと飲料水に最適だと言った。そこでサインが次の術式をみせる。それはものを冷たくする術式だった。カヤがそれを詠唱すると水がどんどん冷たくなっていく。
「よし、ここまで順調だ!そしたらそれを雨に変換しよう。」
「分かった!」
水を放出する。それは空間魔法とさほど変わらない感覚。それを分かっていたカヤは球状の水を天へと捧げ、放出させた。すると範囲は狭いが雨が降り、草原が潤った。
「冷た!」
夏なのに、冬並みの温度の水が降り注ぐ。しかし術は成功していた。それを感じとったカヤは喜ぶ。サインたちも安心し、カヤの成長していく姿に嬉しいという感情が芽生える。
「よし、今日の魔法実験はここまでにしよう。ゴズ、これから体力作りの訓練を頼むよ。」
「分かった、任せろ。カヤの為にプログラムを組んでみた。まず走り込みを10分。筋トレは各種目30秒に設定してある。行けるか、カヤよ。」
「頑張る!」
そしてゴズの体力作りの訓練が始まった。
・・・
カノンはサインに1年後の事を聞いていた。
「サイン。イズは奴隷制度を採用している国だったよね。とてもカヤちゃんが行けるとは思えない…。勿論カヤちゃんの事は信頼しているし、成長するのを見れるのは嬉しいけどそんな地獄みたいな国に軍隊とカヤちゃん一人で行くって…。流石に無慈悲だと思う。」
「僕もそう思う。シン大統領を説得して僕も連れていってもらえるよう掛け合うけど、そんなにカヤが怖いのかこの世界は…。」
カヤは本来この世界にいる事すらあり得ない存在。もしかしたら魔法が使えるという事で奴隷商人が狙うかもしれない。5歳という年齢もあり、そんな危険な場所に連れていく事は酷だと思う二人だった。
「空間魔法…。初代国王とカヤのみが使える魔法。なぜ5千年もの間空間魔法を扱える魔導士がいなかったんだろう。それもゴズと話し合ってみないとな。ゴズは物知りだからなにか手掛かりを見つけられるかもしれない。」
サインとカノンは筋トレしているカヤを見つめ、頭を悩ましていた。
・・・
ゴズの体力作りの時間が終わり、サインはゴズと話し合っていた。
「ゴズ、5千年前世界ではなにが起きていた?空間魔法を使える魔導士は初代国王とカヤだけ。もしかして世界を脅かす災害でも起きたのか?」
「5千年前か…。あ、一つ思い出した。その年は世界中で大飢饉が起こったという記録が残っている。その原因は…。火山の噴火だ。当時爆発的な火山の噴火が起こり、世界中を火山灰が覆った。火砕流は海に流れ、その影響で100メートル以上の津波が起こった事も。」
「あ、そういえば書物に巨大な津波が国に押し寄せたと書かれていたね。もしかしてそれから5千年経った今その火山が活動を始めるとか…?」
サインの言葉に対しゴズは世界中のネットワークを覗く。しかしいくら調べても噴火の前兆と思わしき事は書かれていなかった。
「もし火山が原因なら数年かけて小規模の噴火が起こるはず。だが、その様子は一切ない。というのもその火山の噴火周期は50万年に一度と言われている。まだ5千年しか経ってないから噴火の可能性はゼロに近いな。ただ一つ脅威があるとしたら軍事国家ブル。この前の国際緊急会議でカヤがブルの戦闘機に魔道具が使われていたと言っていた。」
「まさか…!」
「そう、そのまさかだ。魔道具を人体に埋め込む実験が成功している可能性が高い。魔道具の乗せた戦闘機があの火力なら、人体であってもカヤレベルの破壊力を生み出す事が出来るはずだ。もしかしたらカヤはブルを討ち滅ぼす為に神から任を与えられた人間なのかもしれない。」
恐怖に支配されたサインとゴズはこの話を二人だけの内緒話にしようと誓った。しかし、部屋の外で聞いていた者がいた。それはカノンだった。
『嘘でしょ…。確かにブルは危険な国…。自然災害なんて比にならない大混乱を生み出すかもしれないというのに、そんな事の為に神は一人の少女に全てを任せるつもりなの…?』
カノンは冷静を保つ事が出来なかった。
・・・
そしてサインとゴズの予想は的中していた。軍事国家ブルの最高指揮官ザイヤは人体実験の間に立っていた。
「ザイヤ指揮官。完璧な魔導戦士が完成するまで10年はかかると思われます。」
「なに!?早める事は出来ないのか?」
「可能ではありますが、その場合その者の命は3か月もありませ…」
「馬鹿者!!そんな安い命、使い捨てればいい!!ただちに準備を取れ!!」
「は、はっ!」
独裁者ザイヤ。現代の独裁者の中でも群をぬいて悪名高いザイヤは、新しい武器のためなら他人の命を簡単に捨てる者だった。
「くそっ、あの紫髪のガキさえいなければいい結果が得られたというのに。ただちにあの女を探せ!生け捕りにするのだ!!」
そうして軍事国家ブルは秘密裏にスパイを各国に回した。
「あの!その、他の魔法も学びたい!水魔法、風魔法、土魔法…。その書物に書かれている全ての魔法を覚える!!」
カヤはわくわくしていた。それは無邪気な子供だった。
「サイン…サイン!!」
「はっ!」
叩かれるまでボーっとしていたサインはカノンに叩かれた。カノンはカヤに対し、なんか言ってやりなさいといった顔している。気を取りなおしたサインはカヤの頭を撫で、「これからも頑張ろう!」と言った。
「この書物にはあらゆる術式が書かれている。サイン、この書物はあまりにも膨大すぎるから、戦場で使える魔法を優先に訓練した方がいいのではないか?」
ゴズがサインに言う。それはイズに行くためのものだった。
「確かに。カヤ、1年後に行くイズは水の供給が滞っている国だ。イズは水で国を潤したいと思っているはず。だから、初めは飲料水の生成を練習しよう。ゴズ、ちょっと書物を貸して。」
ゴズから書物を受け取り、水魔法のページを見るサイン。そこには水魔法を扱えるようになるための手順が書かれていた。
「まず両手の間に直径10cmくらいの水玉を創りだす。カヤ、この術式を読んでみて。」
「分かった。神聖なる水の竜、浄化されし悪の手腕の滅、清らかな水を生成せよ!」
カヤが詠唱すると両手に光が宿り、球状の水が生成された。その水はとても美しく、透き通っていた。フィアーがその水に触れたところもう少し冷たいと飲料水に最適だと言った。そこでサインが次の術式をみせる。それはものを冷たくする術式だった。カヤがそれを詠唱すると水がどんどん冷たくなっていく。
「よし、ここまで順調だ!そしたらそれを雨に変換しよう。」
「分かった!」
水を放出する。それは空間魔法とさほど変わらない感覚。それを分かっていたカヤは球状の水を天へと捧げ、放出させた。すると範囲は狭いが雨が降り、草原が潤った。
「冷た!」
夏なのに、冬並みの温度の水が降り注ぐ。しかし術は成功していた。それを感じとったカヤは喜ぶ。サインたちも安心し、カヤの成長していく姿に嬉しいという感情が芽生える。
「よし、今日の魔法実験はここまでにしよう。ゴズ、これから体力作りの訓練を頼むよ。」
「分かった、任せろ。カヤの為にプログラムを組んでみた。まず走り込みを10分。筋トレは各種目30秒に設定してある。行けるか、カヤよ。」
「頑張る!」
そしてゴズの体力作りの訓練が始まった。
・・・
カノンはサインに1年後の事を聞いていた。
「サイン。イズは奴隷制度を採用している国だったよね。とてもカヤちゃんが行けるとは思えない…。勿論カヤちゃんの事は信頼しているし、成長するのを見れるのは嬉しいけどそんな地獄みたいな国に軍隊とカヤちゃん一人で行くって…。流石に無慈悲だと思う。」
「僕もそう思う。シン大統領を説得して僕も連れていってもらえるよう掛け合うけど、そんなにカヤが怖いのかこの世界は…。」
カヤは本来この世界にいる事すらあり得ない存在。もしかしたら魔法が使えるという事で奴隷商人が狙うかもしれない。5歳という年齢もあり、そんな危険な場所に連れていく事は酷だと思う二人だった。
「空間魔法…。初代国王とカヤのみが使える魔法。なぜ5千年もの間空間魔法を扱える魔導士がいなかったんだろう。それもゴズと話し合ってみないとな。ゴズは物知りだからなにか手掛かりを見つけられるかもしれない。」
サインとカノンは筋トレしているカヤを見つめ、頭を悩ましていた。
・・・
ゴズの体力作りの時間が終わり、サインはゴズと話し合っていた。
「ゴズ、5千年前世界ではなにが起きていた?空間魔法を使える魔導士は初代国王とカヤだけ。もしかして世界を脅かす災害でも起きたのか?」
「5千年前か…。あ、一つ思い出した。その年は世界中で大飢饉が起こったという記録が残っている。その原因は…。火山の噴火だ。当時爆発的な火山の噴火が起こり、世界中を火山灰が覆った。火砕流は海に流れ、その影響で100メートル以上の津波が起こった事も。」
「あ、そういえば書物に巨大な津波が国に押し寄せたと書かれていたね。もしかしてそれから5千年経った今その火山が活動を始めるとか…?」
サインの言葉に対しゴズは世界中のネットワークを覗く。しかしいくら調べても噴火の前兆と思わしき事は書かれていなかった。
「もし火山が原因なら数年かけて小規模の噴火が起こるはず。だが、その様子は一切ない。というのもその火山の噴火周期は50万年に一度と言われている。まだ5千年しか経ってないから噴火の可能性はゼロに近いな。ただ一つ脅威があるとしたら軍事国家ブル。この前の国際緊急会議でカヤがブルの戦闘機に魔道具が使われていたと言っていた。」
「まさか…!」
「そう、そのまさかだ。魔道具を人体に埋め込む実験が成功している可能性が高い。魔道具の乗せた戦闘機があの火力なら、人体であってもカヤレベルの破壊力を生み出す事が出来るはずだ。もしかしたらカヤはブルを討ち滅ぼす為に神から任を与えられた人間なのかもしれない。」
恐怖に支配されたサインとゴズはこの話を二人だけの内緒話にしようと誓った。しかし、部屋の外で聞いていた者がいた。それはカノンだった。
『嘘でしょ…。確かにブルは危険な国…。自然災害なんて比にならない大混乱を生み出すかもしれないというのに、そんな事の為に神は一人の少女に全てを任せるつもりなの…?』
カノンは冷静を保つ事が出来なかった。
・・・
そしてサインとゴズの予想は的中していた。軍事国家ブルの最高指揮官ザイヤは人体実験の間に立っていた。
「ザイヤ指揮官。完璧な魔導戦士が完成するまで10年はかかると思われます。」
「なに!?早める事は出来ないのか?」
「可能ではありますが、その場合その者の命は3か月もありませ…」
「馬鹿者!!そんな安い命、使い捨てればいい!!ただちに準備を取れ!!」
「は、はっ!」
独裁者ザイヤ。現代の独裁者の中でも群をぬいて悪名高いザイヤは、新しい武器のためなら他人の命を簡単に捨てる者だった。
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