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渾沌渦巻くセキト
佐助への猜疑心
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舞台は佐助へと移る。佐助はセキトの国衛隊へと所属する為に、入隊手続きを取っていた。しかし、誓約書に署名する際、上官は佐助を認めていなかった。理由はあの戦いを見て、ただの人間ではないと思っていたからだ。
「佐助。俺はお前を認めていない。」
「…認められなくても結構です。私は世界に敵意を向けた国の出身ですから。」
「いや、そんな事はどうでもいい。終わった事だからだ。だがお前が本当に普通の人間なのかどうかが怪しい。化け物の使いなのではないか?」
その言葉は佐助へと向けられる猜疑心。「確かにあんな姿を見せてしまったら怪しまれるよな。」と思った佐助はただ黙っていた。
「まぁいい。シン大統領が認めた存在。国の為に働け。」
「はい。」
・・・
そして二人が軍事施設に着くと、沢山の軍人がいた。どの人間も筋肉隆々で、とても鍛え抜かれた体をしている。
「よろしくお願い致します。大和の国の生き残りである佐助です。皆様に認めてもらえるようつとめます。しかし、一つだけお願いしたい事があるのです。絶対にこの刀と共に生きると。私には銃など必要ありません。」
その言葉にざわつく軍人たち。それもそのはず。この時代に刀で戦う人間などいなかったからだ。勿論対人戦ではナイフを使った戦闘術を扱う。しかしその戦闘術でさえ佐助はいらないと言った。
「おい、佐助。お前初日から調子に乗っているな?対空戦を想定していないのか?ミサイルの威力を知らないのか?」
上官・フィストは怖い顔をしながら佐助の肩を掴む。しかし佐助は意見を曲げなかった。
「お前ちょっと来い。」
フィストは恐れられた最高上官。怒らせると誰も手が出せない。今回佐助が怒らせた事で軍人たちは怯えていた。そして別室で怒鳴り声が聞こえる。
「いい加減にしろ!シン大統領が認めたといっても、俺はお前の事を認めていない!その刀を没収する!!」
佐助の刀に手を伸ばそうとするフィスト。すると次の瞬間部屋の中から悲鳴が聞こえたのだ。何事か!と部屋に入る軍人たち。そこには腕をおさえ、倒れ込んでいるフィストがいた。
「私の刀に不用心に触らないでください。痛い目見ますよ?」
佐助は強烈なオーラを身に纏い、怒りを露わにしていた。その出来事を目撃した軍人たちは拳銃を向ける。
「お前!!フィスト上官に逆らうのはいけない事だぞ!!独房に来い!!」
「はい。」
入隊初日。佐助は国衛隊と意見が割れ、問題行動を起こした事で罰を受ける事となった。
・・・
「なにを考えているんだ。あいつは…。」
軍人たちはただ困惑する。独房で座っていた佐助は「こんな精神が定まっていない人間が国を守れるのか?」と感じていた。
すると腕にギブスをしているフィストがとんでもない事を考える。それは、佐助を銃でハチの巣にするというもの。国を守る人間が、同じ国の者に手をかけようと考えていたのだ。
「フィスト上官。それは流石に…。」
「あいつが憎たらしくないのか?やつは俺の右手を握っただけで骨折させた。やはり人間ではなかったのだ。」
軍人たちはフィストに呆れる。いつもフィストは自身が気にくわないものを発見した時部下に暴行を繰り返してきた。しかし、最高長官であるフィストに反抗出来なかった。権力で負けていたからだ。そして懲罰から抜け、独房から出た佐助に数百のライフルが向けられる。
「…これはなんですか?」
佐助はただ質問をする。するとフィストは笑いだした。
「お前は人間ではない。この化け物を撃て、今すぐにだ!!」
佐助に向けられた銃口。それは殺意がこもっていた。しかし佐助は冷静さを保ち、ある質問をする。
「貴方方は私が怖いのですか?私はこの国に忠誠を誓った身。そんな人間をこの場で撃つというのですか?」
軍人たちはその言葉に震える。しかしフィストの「撃て!!」という言葉に怯え、撃ってしまった。その数多の弾が佐助の間合いに入る。
『仕方ない。多少乱暴にはなるが、これは軍を制止するだけ。』
佐助は手錠を引っ張りちぎったと思うと、絶身もせずに全弾避けた。やってしまったと思った軍人たちは佐助のいた方向に目を向けるが、なにも影響を受けてない佐助を見て直感する。この人はレベルが段違いだと。すると足がすくんでしりもちをついているフィストに佐助はゆっくり歩みを進めた。
「フィスト上官。この事件、国は許しませんよ。仮にも英雄と言われた私を殺そうとした。そしてこの空間にいる全ての軍人が証人。これはもう辞任しないといけないと思うのですが。」
「くっ…。」
佐助の言葉に怖気づいたフィストは逃げて行った。取り残された軍人たちは佐助に睨まれ、「次は自分だ」と膝から崩れる。しかし佐助は軍人たちに対しなんの処罰も与えなかった。それに対し何故だと問う。
「私はこの国を守る兵士。他人を傷つけるような人は軍にいるべきではありません。しかし貴方方はあの男に言われて仕方なく応じたのでしょう?銃を私に向けた時その手が震えていたから。ですので貴方方を不問とします。」
「いや、俺たちはやってはならない事をしてしまった。国衛隊を辞任します。」
佐助に頭を下げ、部屋から出ていこうとする軍人たち。しかしその扉の前に佐助が現れ、ある紙を落とした。その紙はフィストの愚行の数々。傷だらけになった兵士。他の軍人の手柄をあたかも自身がやった事にするという最低な行い。これを見た軍人たちは涙を流す。
「貴方方はこれから国の為に生きるのです。そして私もそれに協力します。フィストの件は私からシン大統領に伝えます。もちろん貴方方の件も。ですが、私は仲間を見殺しにはしたくない。これはカヤ様との約束だから。ですので共に訓練を積み、心も体も強くなりましょう。」
「はい…。この国に忠誠を誓います!」
一同は佐助に礼をする。その姿を見た佐助は微笑み、大統領の屋敷へと向かっていった。
・・・
「以上が国衛隊本部であった事です。しかし彼らを見殺しにする事は、国を滅ぼすようなものです。どうか彼らを見捨てないで下さい。」
「フィストの件は私が処理する。佐助、私の国衛隊が迷惑をかけた。すまない。」
シンは頭を下げるが、佐助は頭をあげるよう言い、これから先信頼の出来る教官を置いてくださいと告げた。
「分かった。私の直属護衛の者から一人送ろう。話は通す。それまで佐助は本部で休んでいなさい。」
「はい。ありがとうございます。」
国衛隊で起きていた問題を一人で解決した佐助。その姿は軍人たちに希望を与えた。
「佐助。俺はお前を認めていない。」
「…認められなくても結構です。私は世界に敵意を向けた国の出身ですから。」
「いや、そんな事はどうでもいい。終わった事だからだ。だがお前が本当に普通の人間なのかどうかが怪しい。化け物の使いなのではないか?」
その言葉は佐助へと向けられる猜疑心。「確かにあんな姿を見せてしまったら怪しまれるよな。」と思った佐助はただ黙っていた。
「まぁいい。シン大統領が認めた存在。国の為に働け。」
「はい。」
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そして二人が軍事施設に着くと、沢山の軍人がいた。どの人間も筋肉隆々で、とても鍛え抜かれた体をしている。
「よろしくお願い致します。大和の国の生き残りである佐助です。皆様に認めてもらえるようつとめます。しかし、一つだけお願いしたい事があるのです。絶対にこの刀と共に生きると。私には銃など必要ありません。」
その言葉にざわつく軍人たち。それもそのはず。この時代に刀で戦う人間などいなかったからだ。勿論対人戦ではナイフを使った戦闘術を扱う。しかしその戦闘術でさえ佐助はいらないと言った。
「おい、佐助。お前初日から調子に乗っているな?対空戦を想定していないのか?ミサイルの威力を知らないのか?」
上官・フィストは怖い顔をしながら佐助の肩を掴む。しかし佐助は意見を曲げなかった。
「お前ちょっと来い。」
フィストは恐れられた最高上官。怒らせると誰も手が出せない。今回佐助が怒らせた事で軍人たちは怯えていた。そして別室で怒鳴り声が聞こえる。
「いい加減にしろ!シン大統領が認めたといっても、俺はお前の事を認めていない!その刀を没収する!!」
佐助の刀に手を伸ばそうとするフィスト。すると次の瞬間部屋の中から悲鳴が聞こえたのだ。何事か!と部屋に入る軍人たち。そこには腕をおさえ、倒れ込んでいるフィストがいた。
「私の刀に不用心に触らないでください。痛い目見ますよ?」
佐助は強烈なオーラを身に纏い、怒りを露わにしていた。その出来事を目撃した軍人たちは拳銃を向ける。
「お前!!フィスト上官に逆らうのはいけない事だぞ!!独房に来い!!」
「はい。」
入隊初日。佐助は国衛隊と意見が割れ、問題行動を起こした事で罰を受ける事となった。
・・・
「なにを考えているんだ。あいつは…。」
軍人たちはただ困惑する。独房で座っていた佐助は「こんな精神が定まっていない人間が国を守れるのか?」と感じていた。
すると腕にギブスをしているフィストがとんでもない事を考える。それは、佐助を銃でハチの巣にするというもの。国を守る人間が、同じ国の者に手をかけようと考えていたのだ。
「フィスト上官。それは流石に…。」
「あいつが憎たらしくないのか?やつは俺の右手を握っただけで骨折させた。やはり人間ではなかったのだ。」
軍人たちはフィストに呆れる。いつもフィストは自身が気にくわないものを発見した時部下に暴行を繰り返してきた。しかし、最高長官であるフィストに反抗出来なかった。権力で負けていたからだ。そして懲罰から抜け、独房から出た佐助に数百のライフルが向けられる。
「…これはなんですか?」
佐助はただ質問をする。するとフィストは笑いだした。
「お前は人間ではない。この化け物を撃て、今すぐにだ!!」
佐助に向けられた銃口。それは殺意がこもっていた。しかし佐助は冷静さを保ち、ある質問をする。
「貴方方は私が怖いのですか?私はこの国に忠誠を誓った身。そんな人間をこの場で撃つというのですか?」
軍人たちはその言葉に震える。しかしフィストの「撃て!!」という言葉に怯え、撃ってしまった。その数多の弾が佐助の間合いに入る。
『仕方ない。多少乱暴にはなるが、これは軍を制止するだけ。』
佐助は手錠を引っ張りちぎったと思うと、絶身もせずに全弾避けた。やってしまったと思った軍人たちは佐助のいた方向に目を向けるが、なにも影響を受けてない佐助を見て直感する。この人はレベルが段違いだと。すると足がすくんでしりもちをついているフィストに佐助はゆっくり歩みを進めた。
「フィスト上官。この事件、国は許しませんよ。仮にも英雄と言われた私を殺そうとした。そしてこの空間にいる全ての軍人が証人。これはもう辞任しないといけないと思うのですが。」
「くっ…。」
佐助の言葉に怖気づいたフィストは逃げて行った。取り残された軍人たちは佐助に睨まれ、「次は自分だ」と膝から崩れる。しかし佐助は軍人たちに対しなんの処罰も与えなかった。それに対し何故だと問う。
「私はこの国を守る兵士。他人を傷つけるような人は軍にいるべきではありません。しかし貴方方はあの男に言われて仕方なく応じたのでしょう?銃を私に向けた時その手が震えていたから。ですので貴方方を不問とします。」
「いや、俺たちはやってはならない事をしてしまった。国衛隊を辞任します。」
佐助に頭を下げ、部屋から出ていこうとする軍人たち。しかしその扉の前に佐助が現れ、ある紙を落とした。その紙はフィストの愚行の数々。傷だらけになった兵士。他の軍人の手柄をあたかも自身がやった事にするという最低な行い。これを見た軍人たちは涙を流す。
「貴方方はこれから国の為に生きるのです。そして私もそれに協力します。フィストの件は私からシン大統領に伝えます。もちろん貴方方の件も。ですが、私は仲間を見殺しにはしたくない。これはカヤ様との約束だから。ですので共に訓練を積み、心も体も強くなりましょう。」
「はい…。この国に忠誠を誓います!」
一同は佐助に礼をする。その姿を見た佐助は微笑み、大統領の屋敷へと向かっていった。
・・・
「以上が国衛隊本部であった事です。しかし彼らを見殺しにする事は、国を滅ぼすようなものです。どうか彼らを見捨てないで下さい。」
「フィストの件は私が処理する。佐助、私の国衛隊が迷惑をかけた。すまない。」
シンは頭を下げるが、佐助は頭をあげるよう言い、これから先信頼の出来る教官を置いてくださいと告げた。
「分かった。私の直属護衛の者から一人送ろう。話は通す。それまで佐助は本部で休んでいなさい。」
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