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歯車は動き出す
哀愁の血
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「俺のわがままに付き合って貰って悪いな。カヤ、佐助。」
「いや大丈夫だよ!さぁ私の手に触れて。あの島へ向かおう。」
そして、一瞬で島へと着いた。そこには基地の爪痕が残されており、文明もなにもない。すると佐助がなにかに気づき、歩みはじめた。
「この先に私たちの共同墓地があります。今はそれ自体がなくなっていますが、祈りを捧げましょう。」
歩く佐助についていく二人。この時ゴズは内心わくわくしていた。ついに大和の文化に直接触れる事が出来るのかと。そして数十分歩いた頃。佐助が立ち止まり二人に声をかけた。
「ここが私たちご先祖様の眠る墓地になります。今は跡形も残っていませんが、慰霊をしなければなりません。大事な命ですから。」
佐助はその場にしゃがみ、持っていた刀を地面へと刺したと思ったら、なにやら呪文のような言葉を発した。言葉を発した後ゴズが声をかけようとすると佐助は「まだ儀式は終わっていません。」と言い、次に両手を合わせ祈り始めた。すると、突然佐助の体に光が集まったのだ。
それから数分後。佐助は立ち上がり、静かに見ていた二人に目を向ける。
「やはり私のご先祖様は今年も応えてくれなかった。沢山の命を斬り裂いた罰です。私の家系は見たら分かる通り武家なのですが、人を殺める事はせず弟子を育てる事を生業とする家系だったのです。しかしその代々受け継がれてきたものを私は戦争に使ってしまった。私はその特殊な護身術に目をつけられた大我に逆らえなかった。」
その時佐助は風に揺られた髪で目が見えなかったが、悲しい表情をしていた。するとゴズが声をかける。
「佐助。大和の国は、ご先祖の魂を大切にしていたのだな。俺らセキトの考え方と全然違うものだった。特別なものを見せてくれてありがとう。」
「いいえ。お見せ出来て私も嬉しいです。よろしければ私の過去を聞いてはくれませんか?」
その言葉に頷く二人。その姿を見た佐助は過去の話をしだした。
───子供時代の佐助───
「お父様。なぜ私はこの力を授かったのでしょうか。他の人間には成し得ない技。なにがあっても他の人に言うなとお父様は言いましたが、なにか特別な事情でもあるのですか?」
「佐助。お前には人の運命を変える能力を持っている。隣の国、サウンドラ王国の血を受け継いでいるのだ。もちろん魔法を使う事は出来ない。だが、いずれ分かる時が来る。今後の未来にお前が必要だと。」
その時佐助はなにを言っているのか分からなかった。他の子供たちが遊んでいる時も精神統一し、刀をふるっていた。遊びたいと言っても、佐助の父親は許さなかったのだ。
・・・
数年経ったある日。いつものように刀をふっていた佐助はある事に気づく。自身の体が刀と共鳴している事に。それは今までに感じた事のない現象だった。するとそれを見ていた佐助の父親が微笑む。
「ついにこの時が来たな。佐助。今、刀がお前に語りかけてきたのだ。」
「どういう事ですか?」
「その刀は先祖代々から受け継がれてきたもの。つまり、私たちのご先祖様がその刀を持ち、運命を共にしてきたのだ。この錆びる事のない刀に驚く者は多い。刀が生きているという事はあり得ないからだ。」
決して朽ちないその刀は佐助の先祖の霊が宿ったものだった。そしてその瞬間佐助は新しい力に目覚める。それが残身だった。すると何故か佐助の父親が真剣を持ちながら佐助に声をかけた。「決闘を申し込む。」と。
「…なぜですか?」
「その力を持つ人間はこの世に一人でないといけない。二人以上いてはならないのだ。なぜなら、先祖代々に伝わるしきたりなのだから。」
そういうと突然佐助の父親が斬りかかってきた。残身。これは悲しい技だった。この技を持つ者が二人以上いると、先祖代々受け継がれてきた技が消え、全てが無になる。佐助の父親はその技を既に持っていた為、たった今残身を授かった佐助に命を差しだす事を決めたのだ。
「なぜ…!この技はそんなに大切なものなのですか!!」
佐助は父親から飛んでくる斬撃をよけながら叫ぶ。
「この技が消えた瞬間、大和は沈む。呪いなのだこれは。大和を救うにはこの技が必要だった。世界からの攻撃に対抗できるのがこの技のみだったから。そして私たちの家系は大和を創りあげた人物のそばで護衛をしていた者の末裔。つまり、私たちの家系は大和の鍵となるのだ。だから私を斬り倒してくれ。頼む。」
その時佐助の父親は泣いていた。まだ15歳の佐助に全てを任せる事が酷だと感じていたからだ。しかし次の瞬間、佐助は父親を斬り落としていた。
「申し訳ありません。お父様。たった今刀が私に言いました。「大和を滅ぼせ。」と。」
佐助は大和を救う為の一族の末裔。しかし、この時佐助には殺意が芽生えていた。何故か先祖が大和を滅ぼすよう命じたからだ。
それから数日後。墓に手を合わせた佐助は大和を滅ぼす準備へと入る。それは大我に力を認めてもらうというものだった。自身もなぜ滅ぼさないといけないのか分からなかったが、大我を見て分かった。この長は人間をコマのように扱い、命を大事にしなかった。昔からある大和の考え方と180度違う思考をしていたのだ。
「初めまして。私は佐助と言います。私の先祖は残身を生業とする家系。大和でたった一人しか受け継ぐ事の出来ない者の末裔。この力を貴方に捧げます。」
「ほう。あの護衛についていた人間の末裔か。面白い。我が軍に入れ。」
そこからは地獄だった。佐助を蔑む家臣たちは佐助に斬りかかり、倒された。それは大我に命じられた武士による攻撃だったから。時にはなんの罪もない国民も手にかけた。先祖から受け継がれてきた約束を破り、全てを滅していったのだ。
そして血を大量に見てきた佐助には殺意以外のものがなかった。大我の首をとった時も慈悲の心を持たなかった。
───
「私は父親の考え方を裏切ったのです。だから祈りを捧げても、誰にも会えなかった。しかし、この力は何故か今も残っている。これはこれから先起こる災厄に立ち向かう為にあると考えています。」
「そうだったのか…。佐助は大和建国時に護衛の任についていた者の末裔。ブルを討ち滅ぼしても尚その力は消える事がない。とても悲しい話だ。」
ゴズとカヤは佐助の震える手を見て、悲しい気持ちになる。すると佐助が口にする。「セキトは平和主義の国家で良かった。」と。その時ゴズは佐助の手を握った。
「これからは人を守る為にその力を使ってくれ。これは約束だ。」
「はい。」
そして佐助の慰霊は終わった。
「いや大丈夫だよ!さぁ私の手に触れて。あの島へ向かおう。」
そして、一瞬で島へと着いた。そこには基地の爪痕が残されており、文明もなにもない。すると佐助がなにかに気づき、歩みはじめた。
「この先に私たちの共同墓地があります。今はそれ自体がなくなっていますが、祈りを捧げましょう。」
歩く佐助についていく二人。この時ゴズは内心わくわくしていた。ついに大和の文化に直接触れる事が出来るのかと。そして数十分歩いた頃。佐助が立ち止まり二人に声をかけた。
「ここが私たちご先祖様の眠る墓地になります。今は跡形も残っていませんが、慰霊をしなければなりません。大事な命ですから。」
佐助はその場にしゃがみ、持っていた刀を地面へと刺したと思ったら、なにやら呪文のような言葉を発した。言葉を発した後ゴズが声をかけようとすると佐助は「まだ儀式は終わっていません。」と言い、次に両手を合わせ祈り始めた。すると、突然佐助の体に光が集まったのだ。
それから数分後。佐助は立ち上がり、静かに見ていた二人に目を向ける。
「やはり私のご先祖様は今年も応えてくれなかった。沢山の命を斬り裂いた罰です。私の家系は見たら分かる通り武家なのですが、人を殺める事はせず弟子を育てる事を生業とする家系だったのです。しかしその代々受け継がれてきたものを私は戦争に使ってしまった。私はその特殊な護身術に目をつけられた大我に逆らえなかった。」
その時佐助は風に揺られた髪で目が見えなかったが、悲しい表情をしていた。するとゴズが声をかける。
「佐助。大和の国は、ご先祖の魂を大切にしていたのだな。俺らセキトの考え方と全然違うものだった。特別なものを見せてくれてありがとう。」
「いいえ。お見せ出来て私も嬉しいです。よろしければ私の過去を聞いてはくれませんか?」
その言葉に頷く二人。その姿を見た佐助は過去の話をしだした。
───子供時代の佐助───
「お父様。なぜ私はこの力を授かったのでしょうか。他の人間には成し得ない技。なにがあっても他の人に言うなとお父様は言いましたが、なにか特別な事情でもあるのですか?」
「佐助。お前には人の運命を変える能力を持っている。隣の国、サウンドラ王国の血を受け継いでいるのだ。もちろん魔法を使う事は出来ない。だが、いずれ分かる時が来る。今後の未来にお前が必要だと。」
その時佐助はなにを言っているのか分からなかった。他の子供たちが遊んでいる時も精神統一し、刀をふるっていた。遊びたいと言っても、佐助の父親は許さなかったのだ。
・・・
数年経ったある日。いつものように刀をふっていた佐助はある事に気づく。自身の体が刀と共鳴している事に。それは今までに感じた事のない現象だった。するとそれを見ていた佐助の父親が微笑む。
「ついにこの時が来たな。佐助。今、刀がお前に語りかけてきたのだ。」
「どういう事ですか?」
「その刀は先祖代々から受け継がれてきたもの。つまり、私たちのご先祖様がその刀を持ち、運命を共にしてきたのだ。この錆びる事のない刀に驚く者は多い。刀が生きているという事はあり得ないからだ。」
決して朽ちないその刀は佐助の先祖の霊が宿ったものだった。そしてその瞬間佐助は新しい力に目覚める。それが残身だった。すると何故か佐助の父親が真剣を持ちながら佐助に声をかけた。「決闘を申し込む。」と。
「…なぜですか?」
「その力を持つ人間はこの世に一人でないといけない。二人以上いてはならないのだ。なぜなら、先祖代々に伝わるしきたりなのだから。」
そういうと突然佐助の父親が斬りかかってきた。残身。これは悲しい技だった。この技を持つ者が二人以上いると、先祖代々受け継がれてきた技が消え、全てが無になる。佐助の父親はその技を既に持っていた為、たった今残身を授かった佐助に命を差しだす事を決めたのだ。
「なぜ…!この技はそんなに大切なものなのですか!!」
佐助は父親から飛んでくる斬撃をよけながら叫ぶ。
「この技が消えた瞬間、大和は沈む。呪いなのだこれは。大和を救うにはこの技が必要だった。世界からの攻撃に対抗できるのがこの技のみだったから。そして私たちの家系は大和を創りあげた人物のそばで護衛をしていた者の末裔。つまり、私たちの家系は大和の鍵となるのだ。だから私を斬り倒してくれ。頼む。」
その時佐助の父親は泣いていた。まだ15歳の佐助に全てを任せる事が酷だと感じていたからだ。しかし次の瞬間、佐助は父親を斬り落としていた。
「申し訳ありません。お父様。たった今刀が私に言いました。「大和を滅ぼせ。」と。」
佐助は大和を救う為の一族の末裔。しかし、この時佐助には殺意が芽生えていた。何故か先祖が大和を滅ぼすよう命じたからだ。
それから数日後。墓に手を合わせた佐助は大和を滅ぼす準備へと入る。それは大我に力を認めてもらうというものだった。自身もなぜ滅ぼさないといけないのか分からなかったが、大我を見て分かった。この長は人間をコマのように扱い、命を大事にしなかった。昔からある大和の考え方と180度違う思考をしていたのだ。
「初めまして。私は佐助と言います。私の先祖は残身を生業とする家系。大和でたった一人しか受け継ぐ事の出来ない者の末裔。この力を貴方に捧げます。」
「ほう。あの護衛についていた人間の末裔か。面白い。我が軍に入れ。」
そこからは地獄だった。佐助を蔑む家臣たちは佐助に斬りかかり、倒された。それは大我に命じられた武士による攻撃だったから。時にはなんの罪もない国民も手にかけた。先祖から受け継がれてきた約束を破り、全てを滅していったのだ。
そして血を大量に見てきた佐助には殺意以外のものがなかった。大我の首をとった時も慈悲の心を持たなかった。
───
「私は父親の考え方を裏切ったのです。だから祈りを捧げても、誰にも会えなかった。しかし、この力は何故か今も残っている。これはこれから先起こる災厄に立ち向かう為にあると考えています。」
「そうだったのか…。佐助は大和建国時に護衛の任についていた者の末裔。ブルを討ち滅ぼしても尚その力は消える事がない。とても悲しい話だ。」
ゴズとカヤは佐助の震える手を見て、悲しい気持ちになる。すると佐助が口にする。「セキトは平和主義の国家で良かった。」と。その時ゴズは佐助の手を握った。
「これからは人を守る為にその力を使ってくれ。これは約束だ。」
「はい。」
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