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024-② 初夜!
しおりを挟むその黒い胸を押し返す。我ながら弱々しい力で。
すると、ウィルは動作を止めてくれた。
「俺、もう……」
「……この部屋には誰も入ってこれない。大丈夫だ。俺しか見てない」
「………」
俺的には全然大丈夫じゃない。ウィルの愛撫のせいで。
「もっと乱れろ」
「……何、言って……」
ウィルの目がいつもと違う。辺境のドームで見た赤い目とも違う。こんな目を見られて、俺は冷静でなんていられない。
犬のくせに——。
「誘惑してくるなよ……」
「これはお前限定」
ギュッと力強く正面から抱きしめられた。俺の匂いがブワッと広がる。自分でもわかった。
ど。
どうしよう!
俺の本心なんか、チート持ちのウィルには簡単に伝わってしまうんだ。
足の先まで隅々と撫で尽くされたおかげで、俺のソレの膨らみは隠し通せないほどになっていた。下着越しにウィルの腹に当たっているソレが、これから起こることを期待している。
「ウィル……」
大きな手が薄い生地の中へ滑り込んでくる。直に握られて、擦られる。
「あ……」
迷惑なほどにやさしい指使いだった。これじゃ、直ぐに——。
「……濡れてるな」
「自分のことは自分でちゃんとわかってるから、……言うな」
先走りで濡れた先端を徹底的に虐められる。
そして、やおら覆い被さってくる黒い塊を俺は受け入れる。舌と唾液を絡ませ合うキスは永遠を感じるほどにしばらく続く。
火照った体には、互いの熱を隔てる布一枚すらも邪魔……。
「んっ……、んんっ……」
俺の腕に絡んでいた袖が静かに抜かれた。順に服を剥がされていく。
その間もずっと擦られてる。すんでのところでイカせてもらえないのはつらい。
膝の上に横抱きにされた。耳朶を弄ぶように食べられながら、両胸の先端を片手で嬲られる……。
「ああっ……、そんなところ……っ」
ウィルは上半身だけ脱いで、その逞しい筋肉を見せつけてくるように俺を抱きかかえている。
「……ウィルっ、あっ、あっ……。……ウィル、もう……っ」
「いい声だな」
「……っ、揶揄うな……っ」
「匂いがいつもより甘いな……。なあ、舐めてやろうか」
「えっ……」
俺の動揺をよそに、ウィルが身を屈めた。そして、その鋭い歯が生え揃った大きな口で無抵抗の俺のそれに食いついた!
「ウィル……っ」
怖い、よりも。生温い口の中で長い舌に包み込まれて一瞬だった。恐怖を感じるまでもなく、俺はあっさり果てた。
「……早いな」
「う……」
イカされた! 最近は全然出してなくて溜まってたから……!
「お前はこんな味なのか。悪くない」
起き上がった悪い犬が、口元を手の甲で拭ってる。
「……ウィル、お前」
「時間はたっぷりある。お前をもっと知りたい」
「……嘘だろ……」
ウィルが俺の萎えたそれをまた咥えてる。イッたばかりだ。
感じないわけがない。
「や、やめろっ……!」
ほら! だから言ったんだ!
俺に触るのは禁止だって!
——王子様? これが?
出会ったときから、ウィルに王子様っぽさは感じてないのだ。でも、儀式での振る舞いは物語の王子様そのものだった。……犬だけど。
サベラの女子には大人気。体格に恵まれてシュッとしてるし、やさしいところもあるし、好かれるのはわからなくもないんだけど……。
相手が俺って。いいのか? 本当に?
今は俺のモノをしゃぶっている……。信じられない。ケモノにそれを食べられるとか、恐怖しかないはずなのに。
——気持ちいい。
ウィルの手が後ろに回ってきて、俺の後背を撫で回す。太い指が徐々に割れ目に入り込んでくる……。
王子様に愛欲があることを実地で思い知らされてる。その背後でブンブンと動く尻尾。
俺は……、この尻尾にも弱い!
「う、あ……っ、ソコはダメ……っ」
俺はまたもぶちまけて、脱力する。ウィルに体を預ける。
それから息つく暇もなく、口を食われる。上顎や歯茎まで舐められながら舌を絡みとられる。
「……んんっ、……っ」
誰にも触れられたことのない、ソコを探られながらだ……。太い指で貫かれるときは、「うえっ……」口から何か出そうになった。
腸壁を奥へゆっくりと這う指が、よからぬところをめがけて押してくる。
「う……、あっ、いやっ、そこはダメだっ、ウィル、やだっ、やめろっ」
前立腺てやつを狙われてる。ついでに胸の突起を、乳首を舌で円を描くように舐められて。
気持ちいいとか、有り得ない……。
抱き起こされた上半身が空気に晒される。
鳥肌が立つような、淫らな冷気を感じた。
「変わったな、匂いが」
「え……?」
「お前に発情が始まった」
体の火照り具合は変わらない。今までと何が違うんだ……。
少しぼんやりしていたら、不意打ちで今度は後ろから抱きかかえられた。
「……ちょっ、ウィル、待って。しばらく休憩……」
「息が上がってるな。お前、やっぱり体力ないんだな。軽いしな」
「そんなことな……」
「お前を揶揄うのは、楽しい……、こうして体を……、淫らに変えていくのも……」
「……はぁっ、もうっ……」
あまりにイキ過ぎて体に力が入らず、膝で立ってはいられなくなって、ウィルの膝の上に腰を落とそうとしたときだ。
「きゃっ……!?」
中を奥まで貫かれた!
俺の口から女みたいな悲鳴が出て、自分でもビックリした。俺はウィルの手から逃れようとのけぞる。けれど、その筋肉質な片腕で簡単に抑えつけられてしまう。
「何して、……え!?」
「直ぐに挿れないだけ感謝しろ」
「!?」
更に奥へと入り込んでくる指先が蠢いた先で、今までに感じたことのない何かが中で沁み出すのがわかった。
「……えっ、ちょっ……、今、ナカに何か入れた!? なんか出てきた!?」
「入れる必要もない。女みたいに濡れてるな。オメガの愛液だ。お前自身が俺を欲しがってるって証拠だ。これで入り易くなったな」
「!?」
愛液!?
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