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むすめのぬいぐるみ
むすめのぬいぐるみ
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男には娘がいる。
それこそ目に入れても痛くないほどかわいいと思っている娘だ。
そんな娘の部屋には、男の知らないぬいぐるみがある。
少し気持ち悪いデザインのぬいぐるみだ。
妻にこんなのいたっけと聞くと、妻も知らないという。
だが、娘は気に入っているようで、部屋の目立つ場所にいつも置いてある。
男は気持ち悪いぬいぐるみだ、と思いつつも娘が気に入っているなら、としばらく様子を見ていた。
だが、娘もその人形に関わろうとしない。
そこで、男は娘に聞いてみた。
このぬいぐるみはどうしたの? と。
そうすると娘は答える。
いつの間にかに部屋の中にいたと。
しかも、気持ち悪かったので、クローゼットの中に入れたけど、いつのまにかにあの位置に戻ってしまう、と。
そこで初めて男は娘がこのぬいぐるみを気に入っていたのではないと知る。
男は顔を顰める。
誰かがこのぬいぐるみを使って娘を盗聴でもしているのではないか、そう考えてしまう。
男は娘に、このぬいぐるみを処分するよ、というと、娘は少しだけ悲しそうな顔をして、頷いた。
男は、処分という言葉は、まだ幼い娘にとってはあまり良い言葉ではなかった、と少し反省し、違う人のところへ行ってもらうだけだ、と説明しなおす。
そうすると、娘も笑顔になる。
男はその気持ち悪いデザインのぬいぐるみを抱えて、知り合いがやっているリサイクルショップへと向かう。
そして、ぬいぐるみの経緯を話し、無償で譲る。
男の友人であるリサイクルショップの店長は、盗撮か盗聴でもされてるんじゃないの? と言って店の奥から片手で持てるくらいの機械を持ってくる。
それで人形を調べだす。
男が、それは? と聞くと、盗聴器発見器、と店長は得意げに答えた。
しばらく人形にその機械を当てていたが、何の反応もない。
結局、盗聴器などは発見できなかった。
リサイクルショップの店長は、とりあえずその人形を預かる。
ただ、入手経路が特殊なので、売り物にはできないな、と店に飾るだけにしておいた。
それから三日後くらいだ。
店に喪服の女がやって来て、そのぬいぐるみを売ってくれ、と言い出した。
店長は少し迷いはしたが、やはり不気味なぬいぐるみだ。
店員からも客からもあまり反応が良くない。
店長は売るのではなく、譲る、という形でそのぬいぐるみをその喪服の女に手渡す。
そして、そのことを翌日、男に電話で連絡をする。
そうすると電話口で男が慌てているのがわかる。
話を聞くと、ぬいぐるみが娘の部屋に帰ってきた、とそう慌てていた。
店長はなんとなく、もうあのぬいぐるみには関わらない方が良いと、そう思い、再度引き取るのを断ることにした。
店長が聞いた話では、苦労はしたが男はどうにかしてあのぬいぐみを処分することが出来たらしい。
それこそ目に入れても痛くないほどかわいいと思っている娘だ。
そんな娘の部屋には、男の知らないぬいぐるみがある。
少し気持ち悪いデザインのぬいぐるみだ。
妻にこんなのいたっけと聞くと、妻も知らないという。
だが、娘は気に入っているようで、部屋の目立つ場所にいつも置いてある。
男は気持ち悪いぬいぐるみだ、と思いつつも娘が気に入っているなら、としばらく様子を見ていた。
だが、娘もその人形に関わろうとしない。
そこで、男は娘に聞いてみた。
このぬいぐるみはどうしたの? と。
そうすると娘は答える。
いつの間にかに部屋の中にいたと。
しかも、気持ち悪かったので、クローゼットの中に入れたけど、いつのまにかにあの位置に戻ってしまう、と。
そこで初めて男は娘がこのぬいぐるみを気に入っていたのではないと知る。
男は顔を顰める。
誰かがこのぬいぐるみを使って娘を盗聴でもしているのではないか、そう考えてしまう。
男は娘に、このぬいぐるみを処分するよ、というと、娘は少しだけ悲しそうな顔をして、頷いた。
男は、処分という言葉は、まだ幼い娘にとってはあまり良い言葉ではなかった、と少し反省し、違う人のところへ行ってもらうだけだ、と説明しなおす。
そうすると、娘も笑顔になる。
男はその気持ち悪いデザインのぬいぐるみを抱えて、知り合いがやっているリサイクルショップへと向かう。
そして、ぬいぐるみの経緯を話し、無償で譲る。
男の友人であるリサイクルショップの店長は、盗撮か盗聴でもされてるんじゃないの? と言って店の奥から片手で持てるくらいの機械を持ってくる。
それで人形を調べだす。
男が、それは? と聞くと、盗聴器発見器、と店長は得意げに答えた。
しばらく人形にその機械を当てていたが、何の反応もない。
結局、盗聴器などは発見できなかった。
リサイクルショップの店長は、とりあえずその人形を預かる。
ただ、入手経路が特殊なので、売り物にはできないな、と店に飾るだけにしておいた。
それから三日後くらいだ。
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店員からも客からもあまり反応が良くない。
店長は売るのではなく、譲る、という形でそのぬいぐるみをその喪服の女に手渡す。
そして、そのことを翌日、男に電話で連絡をする。
そうすると電話口で男が慌てているのがわかる。
話を聞くと、ぬいぐるみが娘の部屋に帰ってきた、とそう慌てていた。
店長はなんとなく、もうあのぬいぐるみには関わらない方が良いと、そう思い、再度引き取るのを断ることにした。
店長が聞いた話では、苦労はしたが男はどうにかしてあのぬいぐみを処分することが出来たらしい。
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