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はつゆめ
はつゆめ
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初夢とは十二月三十一日から一月一日に見る夢ではなく、一月一日から一月二日に見る夢のことを言うそうだ。
昔は、十二時過ぎまで起きていることも少なかっただろうし、そういう物だったのだろうが、今では十二時前に寝る人の方が少ないのではないだろうか?
夜の十二時、日が変わっててから寝れば、一月一日になってから寝て見た夢が初夢ではないのか、そう思えもするが、とりあえず、一月一日から一月二日にかけて見る夢が初夢と言うことになっているらしい。
女は一月二日、帰って来た実家で目を覚ます。
初夢を見た。
あまり良い夢でない。
どちらかというと悪夢だ。
新年早々、あまり良くない物だと、そう考えた。
夢の内容は富士山が噴火し、大きな鳥に襲われ、極めつけに茄子の化物に襲われるという物だ。
そこで女は気づく。
大きな鳥が鷹であれば、一富士二鷹三茄子、なのではと。
それが揃っているではないかと。
さらに言ってしまえば、女が見た夢の中には扇も宙を舞っていたし、煙管で煙草をふかして茄子の化物に襲われる女を高みの見物している人物もいた。
あと、盲目の琵琶法師のような存在もいて、悪夢を盛り上げるように琵琶をかき鳴らしていた。
四扇五煙草六座頭である。
四扇五煙草六座頭の方は、女は知らなかったが、一富士二鷹三茄子は夢の中で出て来たのだ。
悪夢は悪夢だったが、実はよい夢なのでは、と、女は考えるが夢自体はとても奇妙なもので、女も噴火した富士山から逃げ出し、大きな鳥にも襲われ、茄子の化物からも逃げ出すような夢なのだ。
女は頭を捻る。
こんな混沌とした夢を見たのは女も人生で初めてだ。
荒唐無稽な夢過ぎる。
それに縁起物である富士山や鷹、茄子から結局は逃げる夢なのだ。
幸運を逃す暗示なのではないだろうか、女はそんな事も考え始める。
だが、餅を焼き、雑煮に入れて食べたら、そんな事はどうも良くなった。
所詮夢なのだ。
雑煮を食べ終わるころには、女はもうその夢の事すら忘れ去っていた。
初夢と言えど、所詮、夢は夢だ。
現実の餅には勝てないのだ。
ただ、それだけの事だ。
昔は、十二時過ぎまで起きていることも少なかっただろうし、そういう物だったのだろうが、今では十二時前に寝る人の方が少ないのではないだろうか?
夜の十二時、日が変わっててから寝れば、一月一日になってから寝て見た夢が初夢ではないのか、そう思えもするが、とりあえず、一月一日から一月二日にかけて見る夢が初夢と言うことになっているらしい。
女は一月二日、帰って来た実家で目を覚ます。
初夢を見た。
あまり良い夢でない。
どちらかというと悪夢だ。
新年早々、あまり良くない物だと、そう考えた。
夢の内容は富士山が噴火し、大きな鳥に襲われ、極めつけに茄子の化物に襲われるという物だ。
そこで女は気づく。
大きな鳥が鷹であれば、一富士二鷹三茄子、なのではと。
それが揃っているではないかと。
さらに言ってしまえば、女が見た夢の中には扇も宙を舞っていたし、煙管で煙草をふかして茄子の化物に襲われる女を高みの見物している人物もいた。
あと、盲目の琵琶法師のような存在もいて、悪夢を盛り上げるように琵琶をかき鳴らしていた。
四扇五煙草六座頭である。
四扇五煙草六座頭の方は、女は知らなかったが、一富士二鷹三茄子は夢の中で出て来たのだ。
悪夢は悪夢だったが、実はよい夢なのでは、と、女は考えるが夢自体はとても奇妙なもので、女も噴火した富士山から逃げ出し、大きな鳥にも襲われ、茄子の化物からも逃げ出すような夢なのだ。
女は頭を捻る。
こんな混沌とした夢を見たのは女も人生で初めてだ。
荒唐無稽な夢過ぎる。
それに縁起物である富士山や鷹、茄子から結局は逃げる夢なのだ。
幸運を逃す暗示なのではないだろうか、女はそんな事も考え始める。
だが、餅を焼き、雑煮に入れて食べたら、そんな事はどうも良くなった。
所詮夢なのだ。
雑煮を食べ終わるころには、女はもうその夢の事すら忘れ去っていた。
初夢と言えど、所詮、夢は夢だ。
現実の餅には勝てないのだ。
ただ、それだけの事だ。
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